なにをやめようとしているのでしょうか。
では、本編どぞー。
◇
……その日の晩、アベルはアリアに宣言した通りに実行し、彼女を
そして、夜が明けた……――!
「ああ、もう……信じられない……」
――嘘でしょ……。
アリアは気怠い身体を起こし、顔を隠すように手で覆う。
……ここは馬車の中……。
そして、仲魔達は外に出ており今はアベルと二人きりである。
隣ではアベルが微睡みから解放され、薄っすら目蓋を開いてアリアを見上げていた。
「……おはよう、アリア」
「っ……おはよう……ゴザイマス……」
寝起きにアリアを見つけたアベルが蕩けそうな笑顔で挨拶してくれる。
アリアは頬が熱くなるのを感じアベルから目を逸らしてしまった。
「…………はは、アリアってすぐ泣いちゃうんだね」
――昨夜のアリア可愛かったなぁ……、あんなに僕に
自分が触れただけであんなにも乱れるとは、いざ本番になったらどうなってしまうのだろうか……自身も正気でいられる気がしない。
昨夜は昼間アリアと約束したにも関わらず、最後まで手を出しそうになったアベルだったが、彼女が泣いて嫌がるから それ以上は踏み込めなかった。
触れる度にされるがまま小さく甘い声を上げるアリアに、どこまでならいいのか様子を探っていたが、やはり最後までは本気で嫌らしい。
そのときアベルの目から見たアリアの顔は蕩けていて、自分を欲しているように見えたのだが、勘違いだったのだろうか。
『ハァハァ……、ソレ出したらアベルのこと嫌いになるから』
薄暗く視界の悪い馬車の中、猛るアベルのオスが窮屈そうにテントを張っていると、アベルの股の間に座らされたアリアが
……アベルの手はアリアのスカートの中だ。
相変わらず視覚的情報はないが、昨夜のお返しだからと彼女をどうにか言い包めてここまでこぎつけた。
アリアの瞳からは涙が溢れ「イヤ、イヤ、イヤ」と何度も首を左右に振っている。
けれどもアベルの片腕に彼女は縋りつき、決して放そうとはしない。
彼女の口から出る言葉と、瞳が語っていることが違う。
年齢のこだわりなんて捨てて早く楽になってしまえばいいのに。
……それでもアリアが苦しそうに告げるので、アベルは。
『大丈夫だよ、アリア。安心して、これ以上はしないよ』
全然大丈夫ではなかったが、彼女の仰せのままに必死に我慢したのだ。
アリアは息苦しそうに浅い呼吸と、アベルから与えられるむず痒い感覚に身悶え、耐え続ける。
たまに耐え切れずに大きな声も漏れたが、慌てて口元に手を当てていた。
『んっ♡ ンッ、んンッ……! ハァハァ……』
必死で声を我慢するように耐えるアリアに、虐めているみたいだな……と思いつつも、息苦しそうな彼女を見ているとアベルは心が満たされていくのを感じる。
…………。
……アベルは昨夜のアリアを思い出し、ついニヤついてしまった。
「っ!?」
アベルのにやけた顔を見たアリアの目が見開かれる。
じわぁ……と、その瞳には涙が滲み始めていた。
顔も真っ赤である。
「ははは……いっぱい泣かせちゃってごめんね。でもすごくかわい……」
「っ、それ以上言わないで!」
「んむっ!?(アリア……?)」
アベルがアリアの髪に手を伸ばすと彼女の手が突き出され、アベルの口を塞いでいた。
「…………恥ずかしくて、死んじゃう……カラ」
「…………」
アリアが真っ赤な顔で俯いてしまう。
アベルは黙ったまま二度、三度と首を縦に下ろしたのだった。
◇
「…………ね、アベル。もう こういうの、やめない……?」
「こういうのって……?」
さて、これから出発……と朝食を終えて、馬車外に出した荷物をピエール達が片付けている間(片付けは当番制である)に、アベルとアリアは近くの岩場の陰で朝のスキンシップを図っていた。
岩の壁に彼女を追い込むようにして、アベルはアリアに近付いていく。
朝は暇さえあればアリアの唇、頬や額、耳なんかに軽い口付けと、様子を窺いながら たわわをモミモミ。
――これで今日も一日頑張れる……!
移動中は中々触れ合うことが叶わないアベルは、朝にエネルギーチャージと称してなるべく彼女に触れておく。
朝のスキンシップは軽めのため、あっさりしている。
だからかアリアは毎度頬を赤くしながら、慣らされたのか いつもそれが終わるのを待っていた。
……ところがどうも、今日は違うらしい。
今日の彼女は目を伏せてどうにも気まずそうに口篭っているではないか。
「お、お触りとか……」
「は? なんで?」
やんわりと自らの胸元に触れるアベルの手を捉まえ、アリアはそっと退けさせる。
――あ、今日はダメなんだ……? 昨日いっぱい触ったせい……?
……まあ、こういう日もある。
アベルはちょっと不満に思ったが、昨夜いっぱい触ったし我慢することにした。
触られたくない日もあるよね、と素直に彼女に従う。
だが さっきの物言いはいつもと違う気がした。
「ほら、毎日私に触っててそろそろ飽きてきたでしょ……? 今は大事な時期だし……」
「やめない。飽きてない。もっと触りたい」
――アリアなに言ってるんだろ……? 魔物がいなけりゃずっと触っていたいくらいなのに……。
アリアの言葉は届かず、アベルはお触りを諦め彼女を優しく抱きしめる。
小さくて温かい彼女が腕の中にいると思うと心まで温かくなって、安心出来た。
「ぅ……」
アリアはアベルの匂いに包まれると、目の奥が痛むのを感じる。
……こんな風に優しく抱きしめてくれた男性はアベルが初めてだ。
前世の父親には虐げられていたし、兄は助けてくれたがこんな風に抱きしめてくれたことは無い。
過去に付き合った男はモラハラ俺様彼氏だったから、抱きしめることはあったがそれも始めだけ。軽いハグでアリアが安心感を得る前に離れ あれこれと暴言を吐いてばかりだった。
この身体の元の持ち主もどうやら酷い目に遭っていたようだし、こんな安心感を与えてくれる男性が異世界にいたとは……。
――なんで……? アベルはフローラさんかビアンカちゃんと結婚するのになんでこんなに私のことを好きでいてくれるの……?
【原作の意思】って……居るんだよね?
もし そんな存在が居なければ、自分はアベルとずっと一緒に居られるのに……、と思ったが
いつどういう風に干渉してくるのかわからないから、下手に希望は抱けない。
毎日が楽し過ぎる反面、漠然とした不安だけが募るから、アベルに深入りしたくないと思っていたのに。
……アベルの肌の温もりがあまりにリアル過ぎて、このままではいけないとアリアは目を閉じた……。
「十八歳になるまでお預けなんだ、触るくらいは許してよ。……痛くしてないでしょ?」
「……こんなはずじゃ……」
アベルが具体的なことを言うと嫌がるかなと思いつつ、昨夜のことを匂わせるが、アリアは聞こえなかった様子で呟く。
「……なにが?」
「…………ううん、なんでもないの……」
――アベルには言えない、目の前で倒れたら心配させてしまうもの……。
アベルの優しい声がアリアの頭上に降って来ても、アリアは何も言えない。
アベルがどこまで思い出したのかは詳しく聞いていないが、訊くのが怖い。
……確定している未来が来るのが怖い。
期間限定の恋人だなんて、ならなければ良かった……、過去の選択は過ちだった。
そう気付いたアリアの顔は青褪めていた……。
アリアドツボに嵌ってる気がする……。
R15のため、ご想像にお任せします。
なんかあったんやなーー、フーン……くらいでいいかとw
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読了お疲れ様でした、そして読んでいただきありがとうございました!