ドラゴンクエストⅤ -転生の花嫁-   作:はすみく

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いつもありがとうございます、はすみくです。

温泉行きたい。

では、本編どぞー。



第四百八十話 温泉に想いを馳せて

 

 ……噴水広場まで二人で寄り添い歩いていると、戦士の男が前方から歩いて来るのが見える。

 

 その戦士は足を引き摺っており、一目で怪我人だと判るほどに歩きにくそうだった。

 すれ違いざま、戦士がよろめきアベルの肩にぶつかってしまう。

 

 

「あっ」

 

「っ、アリアっ」

 

 

 ぶつかった衝撃がアベルから自らを支えていたアリアに伝い、彼女がふらつく。

 アベルは咄嗟にアリアが転ばないよう腕を引いて留めた。

 

 

「っと、すまない。まだ足が完治してないんだ」

 

「あ、いえ……大丈夫ですか?」

 

 

 戦士が謝って来るので、アベルは首を左右に振る。

 先ほどから歩きにくそうだったのは解っていたので、快く謝罪を受け入れた。

 

 

「ここに来る途中の山奥で突然モンスターに囲まれて足をやられちまってな。幸い近くの村の女の子が通りかかって手当てをしてくれたんで助かったが。ひとりで山を歩き回るとは たいした女の子だ!」

 

 

 どうやら戦士はサラボナに来る途中で怪我をした様子。

 ……戦士の話にアベルは目を細める。

 

 

「……そうですね」

 

 

 記憶を思い出していたアベルには、戦士の話す女の子が誰であるか見当がついていた。

 

 アベルの思い出した記憶が確かなら、戦士の話した女の子というのは恐らく幼なじみの……、

 

 

 ――ビアンカ……、元気にしてるかな……?

 

 

 ……もうすぐ もう一人の幼なじみに会える。

 

 

 アルカパで別れたビアンカは今、山奥の村にいるはずだ。

 アルカパの宿で出会った老人がそう言っていたし、アベルの記憶にもそうある。

 

 ビアンカと再会したらアリアもきっと喜ぶことだろう。

 

 ……この世界は数多の別世界とは違うから、理由(わけ)をきちんと話してビアンカに協力してもらわなければ。

 

 ビアンカならきっとわかってくれる。

 彼女はどの世界でも自分の味方でいてくれた女性(ひと)だから、この世界でも味方になってくれるはずなんだ。

 

 

(多少気になるところはあるけれど……。)

 

 

 と、アベルはアリアをそっと窺う。

 

 

「……アベル……?」

 

 

 アベルの穏やかな表情にアリアは目蓋をぱちぱち。白く長い睫毛を揺らした。

 

 

 ――あれ? アベル酔ってたんじゃ……?

 

 

 優し気なアベルの視線に いったいどうしたのだろうと思ったが、アリアにはアベルがなにを考えているのか わからなかった。

 

 

「こんなことなら湯治していけば良かった。今でも秘かな人気の温泉だしな。あそこのスパはこれからもっと人気が出て混むんだろうなぁ……。ぶつかってすまなかったな、じゃ」

 

 

 戦士は遠い目をした後で片手で拝むような仕草をし、謝罪しながら去って行く。

 戦士の言葉にアベルは目を丸くしていた。

 

 

「…………え?(スパ?)」

 

「ね、アベル。スパって…………温泉のこと……よね……?」

 

「あ、そうなんだ? 山奥の村に……温泉があるんだけど……」

 

「温泉っ? 温泉があるのね!?」

 

 

 ――山奥の村……!? 秘湯の予感……!!

 

 

 アベルの説明にアリアの瞳がキラキラと輝く。

 

 

「あ、うん……アリア、行く……よね?(嫌って言っても連れてくけど……)」

 

 

 ――あ、アリアすっごい嬉しそう……可愛い……。

 

 

 アリアの期待に満ちたキラキラした瞳にアベルの心は弾んだ。

 彼女がこんなにも瞳を輝かせるなんて久しぶりな気がする。

 

 アリアが嬉しいとアベル(自分)も嬉しい。

 

 

 【山奥の村】は【水のリング】を取りに行くために立ち寄る場所で、ビアンカがいる村だ。

 

 風呂好きなアリアは温泉もきっと好きなのだろう。

 何泊かして、ゆっくり温泉を堪能させてあげたいなとアベルは思った。

 

 

「もっちろ~ん♪ 温泉に入れるなら行くよ~♡ 連れてってくれるの?」

 

 

 にこにことアリアが手を組み、小首を傾げて上目遣いで見上げてくる。

 あざとい仕草ながら、アベルに効果は抜群だ。

 

 

「あ、ああ。アリアが嫌じゃないなら一緒について来て欲しいな……♡♡」

 

 

 ――ああっ、なにその可愛いポーズ!? カワイイ……!! そしてアリア……君ってちょろいね……。

 

 

 【水のリング】を取りに行くのにも危険が伴うが、あそこにはマグマの魔物みたいな奴はいなかった気がする。

 

 死の火山よりはマシなはずだ……。

 

 ……と、アベルは思い出せている部分だけ脳内に記憶を巡らせて、危険があっても彼女を守り通せると確信し、温泉で釣れたアリアにデレた。

 

 

「行く行く~♡ アベルありがとうっ♡ すっごく楽しみっ♡」

 

「っ……そんなに喜んじゃうんだ……」

 

 

 アリアがアベルの腕に絡みつくように抱きついて頬を摺り寄せる。

 ……かなり嬉しそうだ。

 

 アベルは彼女の頭を撫でて「アリアは現金だなぁ……」なんて目を細めていた。

 

 

「効能は何かな? 露天風呂かな? それとも大浴場!? どっちも広くていいよね♡」

 

「あ、えっと、混浴だよ」

 

 

 ――効能ってなんだ……? お湯に浸かって気持ちいいだけじゃないのか……?

 

 

 温泉について語るアリアにアベルは知っていることを一言だけ返しておく。

 そんなアベルの言葉にアリアが目を見開いた。

 

 

「こっ、混浴っ……!? 湯浴み着とかあるかな……?」

 

「……えっと……。湯浴み着って……?」

 

 

 ――温泉に入る時は裸じゃないのか……!?

 

 

 アリアの話にアベルは目を瞬かせて首を傾ける。

 

 

「温泉に入るときに着て入る服だよ。ほら、ムネとか、お尻とか大事な部分が見えちゃったら恥ずかしいでしょ?」

 

「別に……裸のままでいいと思うけど……?」

 

 

 ――そういえば 僕、別世界じゃ服着たまま入ってたっけ……。

 

 

 アベルは別世界では温泉に入っている人に話し掛けるために入っただけで、ゆっくり浸かったことはない。

 

 ……ちろり。

 

 今回はゆっくりアリアと浸かれたらいいな……などとアリアの身体をつい眺めてしまった。

 

 

「っ……、人気の温泉ってさっきの人言ってたし、人が多そうね。タオル巻いて入ろうっと……」

 

 

 アベルの妖しい目線()にアリアは身構え、プイッと目を逸らす。

 彼女の頬が色付いている気がした。

 

 

「アハハ……、僕もそうするよ……(アリアの裸を僕以外に見せたくないしね……)」

 

 

 ――貸し切りで二人きりならお互い裸でいいのに……!

 

 

 キャッキャウフフで、アリアとイチャイチャなんかしちゃってさ。

 

 『あぁっ……! アベルっ、らめぇっ♡ はいっちゃっ……♡』……なんて、流れでインしちゃうことだってあるよね……!?

 

 

 ……アベルの妄想が捗る。

 

 

 温泉を貸し切ることが出来たら是非二人きりで入りたいものだ。

 

 アリアと一緒に風呂に入ることは、彼女と結婚することに次いで、アベルのいつか叶えたい事柄の一つだった。

 

 

(結婚したらまた行けばいいか……)

 

 

 アベルは彼女が自分の妻になれば断らないだろうと仮定し、どうやって温泉を貸し切りにするか考え黙り込む。

 

 アベルがそうしていると、アリアが静かに口を開いた。

 

 

「……ね、アベル」

 

 




ちょいちょいえちネタ入れてますが解る人には解るってことで、笑ってスルーしといてくだしあw

恋人同士でお風呂とかいいですよね! キャッキャウフフ♡

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読了お疲れ様でした、そして読んでいただきありがとうございました!
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