ドラゴンクエストⅤ -転生の花嫁-   作:はすみく

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いつもありがとうございます、はすみくです。

マッサージからの……。

では、本編どぞ。



第五百八話 マッサージ

 

「ちょっ……!?」

 

 

 ――なに……、なんでアリア顔赤く……!? ていうか、ビアンカ!?

 

 

 ビアンカは自分を好きなのではなかったか……、別世界の記憶ではそうだがこの世界では違うということなのか。

 

 ……アベルはビアンカを凝視する。

 

 

(こんな展開初めてだ……。いったいなにがどうなって……。)

 

 

 女の子二人が仲良くしてくれるのは嬉しいが、良すぎるのは勘弁して欲しい。

 ビアンカが自分のライバルになるなんてこと……あるわけない。

 

 

 ……アベルはそう信じたかったのに。

 

 

「……カワイイ……私のアリア……♡」

 

 

 ビアンカはアリアを愛でながら うっとりした瞳で頬をほんのりと上気させていた。

 

 

『あとで髪を可愛く結ってあげるわね』

 

『はい、お姉さま ありがとうございます……(綺麗なおねえさま……)』

 

 

 ビアンカの言葉にアリアが素直に頷いている。

 

 自分(アベル)の想いをあっさり裏切るようなビアンカの発言に、アベルは愕然とした。

 

 

「っ、ビアンカ!(()の!? 今私のって言った!? 僕のなんだけど!?)」

 

 

 ――って、なんでアリアも言いなり!?

 

 

 アベルの前ではいつも元気に にゃあにゃあ鳴く()が今は借りてきた猫のように大人しい。

 ビアンカが なにか特殊能力でも使ったのかと疑いたくなる。

 

 

「え? あっ、そうだ。ね、二人とも今までどうしてたの? 私、アリアにお礼を言わなきゃ……!」

 

 

 漸くビアンカがアリアから離れると、アベルはいまだ赤い顔でぼーっとしているアリアの手を引いてビアンカから遠ざけた。

 

 

「お礼……? あっ」

 

 

 ……ビアンカの美しさがあまりにも眩く、しばし ぼ~っとしていたアリアだったが、アベルに手を引かれると目を瞬かせてハッと我に返る。

 

 

 ――あぁ~眼福眼福……、生ビアンカちゃん最高っ……!! なんか新たな扉が開きそうだったぁ……マズイマズイ。

 

 

 でも、なんだろう……、ビアンカちゃんて不思議な感じがしない……?

 

 

 ビアンカから不思議な力を感じた気がしてアリアは首を傾げた。

 

 

「うんっ♡」

 

 

 アリアの返答にビアンカは嬉しそうに破顔し、アベル達を部屋の奥へ招き入れたのだった……――。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……今夜は幼なじみ同士語り明かそう、ということで、ビアンカはアベル達にお茶を出すとお酒を買いに行ってしまった(ちなみにピエールはビアンカが出掛ける前に自己紹介を済ませている)。

 

 

「……行っちゃった……」

 

「うん……」

 

 

 アリアがビアンカの出て行った玄関扉に目をやり告げると、アベルはお茶の入ったカップを手にアリアの横顔を眺める。

 

 居間に取り残されたアベル達はお茶を飲みつつ、ビアンカを待つことにした。

 

 隣の部屋でダンカンが寝ているため、二人は特になにかを話すでも無く、アベルは対面に座るアリアの顔を黙ってじっと見つめていた。

 

 

「……私の顔になにか付いてる……?」

 

「ううん、なにも?」

 

「……恥ずかしいから あんまり見ないで……」

 

「……見るくらい いいでしょ……(アリア好きだよ……)」

 

 

 隣の部屋に聞こえないよう、二人は小声で話しながらお茶を飲み飲み。

 

 アリアはアベルに見つめられ、照れたように目を逸らして後れ毛を耳に掛ける。

 いつもは隣同士で座ることが多いため、対面でこうしてアリアをゆっくり眺めるのは久しぶりだ。

 

 アベルはテーブルに頬杖を突きながら照れるアリアの横顔に口角を上げた。

 

 

 ――アリアの顔なら何時間でも見ていられそうだ……。

 

 

 抜ける様に白く透き通る肌も、紫水晶の瞳も白金の艶髪も。動かないと まるで精巧に作られた人形のようだ。

 

 だが、アベルは彼女が人形じゃないことを知っている。

 

 彼女の桃色の唇が動く度、髪が揺れる度、人形は天使に姿を変えるのだ。

 自分が触れれば熱を帯びて白かった肌が紅く色付いていく。

 

 ……そうなると天使だった彼女は時々小悪魔の姿に変わる。

 

 

「っ……!?」

 

「……友達はこういうこと、しちゃダメかな……?」

 

 

 不意にアリアの足の親指が自らの脛をそっと上っていく感触に、アベルは目を見開いた。

 

 アリアはいつの間にか靴を脱いでいたようで、アベルの脛に巻いた布を指先で擦るとアベルの膝をツンツンと優しく突く。

 

 

 ……なんだかむず痒い。

 

 

「ァ、アリア……。君なにして……」

 

 

 ――ああっ、もう、なに!? なんでこんな誘って来るんだ……!? 友達に戻ろうって言ったのはアリアでしょーが!!

 

 

 アベルは自分の頬が瞬時に茹っていくのが解る。

 ……すぐさまアリアの小さな白い足をテーブルの下で捉えていた。

 

 

「……ぼーっと待ってるのもなんだし…………。ミカンの収穫してたら足、疲れちゃった。アベル、マッサージしてくれる……?」

 

「…………、よろこんで」

 

 

 どうやらアリアは足が疲れたらしい。

 山の斜面にできたミカン畑を何度も上り下りしたのだろう。

 

 アベルはフッと笑みを浮かべてからアリアの白い足を手探りで揉んでやる。

 彼女は肌を見せることは中々してくれないが、触ることは許してくれるのだ。

 

 ……アリアの足なら修道院生活中から何度も揉んでいる。

 

 彼女から幾度も指導を受けて、アベルはアリアの丁度いいツボもしっかり押さえていた。

 だから山奥の村に入るまでの道中、何度もマッサージを申し出ていたのだ。

 

 しかし、断られ続けた。

 

 ……アベルが彼女に触りたいだけなのが透けて見えたのかもしれない。

 

 小休止は特に【せいすい】を使ったりしないから、いつ魔物に狙われるか わからず命懸けだ。移動中のイチャイチャは危険を伴う。

 

 

「ぁっ……そこ♡ ……うふふっ、ビアンカちゃんが戻って来たら止めなきゃね?」

 

 

 アリアの桃色の唇から小さな吐息が零れ落ちて、彼女は妖しく睫毛を伏せた。

 

 

「……そういう声、出さないでくれる……?」

 

「ン……、アベル上手だから……っ……、気持ちぃぃ……ぁぁっ」

 

 

 アベルが頬を紅く染めながら きゅっ、きゅっと、アリアの いいところを刺激する。

 

 彼女は目を虚ろに隣の部屋に聞こえないように口元を両手で押えながら切なげな声を上げた。

 

 

「…………」

 

 

 ――この小悪魔めっ……!!

 

 

 アベルは小さい声を吐き出し顔を歪ませるアリアに興奮を覚える。

 

 小悪魔は自分を誘惑してくる癖に最後の一線は越えさせてはくれない。

 それでも触れることは許してくれるので こちらも期待してしまうではないか。

 

 ……相変わらず手に入りそうで中々手に入らないアリア。

 

 彼女がわかっててやっているのかは知らないが、適度にエサを与えられるアベルが夢中になってしまうのも無理はなかった。

 

 

「ン、続けて……」

 

 

 モミモミモミ。

 モミモミモミ。

 

 

 ……アリアの要望通りアベルは黙ってマッサージを続ける。

 

 彼女の表情があの時(・・・)と重なり、アベルはその顔をもっと見たいと反応を見ながら足を揉み解していった。

 

 

「ぁっ♡」

 

 

 ツボを突かれると、アリアの口から思わず甘い声が漏れる。

 

 

 モミモミモミ。

 モミモミモミ。

 

 

「ンンッ!」

 

 

 次に別のツボを優しく押されたアリアは、今度は眉間に皺を寄せ渋い顔だ。

 

 

 モミモミモミ。

 モミモミモミ……。

 

 

「んぁぅぅ……!」

 

 

 ――アベル、上手過ぎる~~……!

 

 

 苦悶の表情を浮かべ、アベルから与えられる刺激にアリアは声を抑えるのに必死だ。

 

 アベルは無言のまま、アリアの顔だけをじっと見つめテーブルの下で柔らかく滑らかな足の触感を堪能する。

 

 彼女の反応にさっきから興奮しているが、今いる場所が場所だけに理性が消えることは無かった。

 

 

(……本当、この子どうしてくれよう……。これ、わざとじゃないのか……? わざとだよね……? 僕を試してる……?)

 

 

 絶対いつかお返ししてやろう……と、アベルは目の前で身悶えるアリアに誓いを立てる。

 

 

「っっ……♡♡(気持ちぃぃ~~……ぁぁ~~……♡)」

 

 

 遂にアリアはアベルから与えられる刺激に悶絶してしまった……とさ。

 




モミモミ。

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読了お疲れ様でした、そして読んでいただきありがとうございました!
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