ドラゴンクエストⅤ -転生の花嫁-   作:はすみく

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いつもありがとうございます、はすみくです。

レナータさん。
さて、誰でしょうか。

では、本編どぞ~。



第五百九話 レナータとは

 

 

 

 

 

 ……しばらくして アベルの献身的なマッサージが終わると、アリアの顔が呆けていた。

 

 

「ふぁ~……、アベルってば、チカラ加減が上手くなったよね~……ありがと~♡(気持ち良すぎて一瞬気を失ってたよ……)」

 

「…………疲れは取れた?」

 

 

 足が軽くなった気がしたアリアが、足首を片足ずつ順にくるくると回すとうっとりと目を細める。

 アベルは優し気な瞳でテーブルに頬杖を突いていた。

 

 

「うん、おかげさまで楽になったよ♡」

 

「それはよかった。また疲れたら言いなよ。いくらでもしてあげるからさ」

 

「ありがと~。私も今度 肩揉んであげるね?」

 

 

 アベルが笑顔で告げると、アリアはすっかり冷めてしまったお茶を口にしてお返しをするよとはにかむ。

 

 ……ところがアベルは首を横に振り振り。

 

 

「僕、肩は凝らないんだ」

 

「そうなの? 羨ましい~。私はよく肩凝ってて……」

 

 

 アリアは両肩を交互に自分でモミモミ。肩を回しながら“肩が凝らないなんて羨ましい”と頬を膨らませた。

 

 

「……重いもんね」

 

「え?」

 

 

 アベルの言葉にアリアは首を傾げ、なんのことかと前のめりにテーブルに両肘をついて顎を支えて目を瞬かせる。

 

 ……テーブルの上にはアリアの二匹の白いスライムが搗きたての餅のように密着して置かれていた。

 

 重いのだろう、アリアがこうして席に着く時はテーブルの上にそれ(・・)をよくのせている。

 実際、アベルも触っているから解るが、かなりの重量なのだ。

 

 そりゃ、肩も凝って当たり前だよね……と、アベルがそれ(・・)の重さを思い出すと少し彼女が可哀想な気がした。

 

 

「…………なんでもないよ」

 

 

 ――でも、アリアには悪いけど、大きくて柔らかくて僕は好き……!

 

 

 目の前の豊満な果実にアベルの頬が赤くなる。

 

 アリアの胸に抱かれると興奮するのはもちろん、子どもに戻った気もするから不思議だ。

 彼女のおっぱいは癒しの存在、そのものである。

 

 アベルはテーブルに密着する白い二匹のスライムに釘付けになってしまった。

 

 

「……………………、あっ、そういうこと言わないのっ」

 

「ははは……」

 

 

 アリアはアベルの目線がどこを見ているのかに気が付き、テーブルから身体を離して、姿勢を正す。

 アベルは気まずさに頭の後ろを掻いていた。

 

 

 ……そうしていると。

 

 

『……お~い、ビアンカ~』

 

 

 隣の部屋からダンカンの呼ぶ声が聞こえる。

 

 ビアンカが出掛ける際「お父さんが隣の部屋で眠ってるから挨拶はあとでね」と言っていたから、今丁度起きたところなのだろう。

 

 

「あっ……、えと……、どうしよう?」

 

「ダンカンさんが起きたみたいだね。僕が訊いて来るよ」

 

 

 挨拶をした方がいいかな、とアリアが立ち上がろうとしたが、アベルはアリアを引き留め、自らがご用聞きに隣の部屋へ行くことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ダンカンさん、どうしました?」

 

 

 隣の部屋に足を運び、ベッドで横になっているダンカンにアベルは訊ねる。

 

 

「おお! アベルいらっしゃい。ビアンカは?」

 

「今 買い物に出ています。留守番しててと言われて向こうでお茶を飲んでいました」

 

 

 アベルの姿を見るなりダンカンが半身を起こそうとするので、アベルは寄り添い介助し起こしてやった。

 

 

「そうだったのか。レナータがそろそろ帰る頃だと思うんだよ」

 

「レナータ?」

 

 

 ――誰だ? そんな名前の人……居たっけ……?

 

 

 初めて聞く人名にアベルは首を傾げる。

 

 

「ああ、ひょっとしてアベルは名前を知らなかったかな? そうかそうか……」

 

「え?」

 

「レナータは……ゴホン、ゴホンッ」

 

 

 目をぱちぱち瞬かせるアベルにダンカンが説明しようとするが、彼は急に咳き込んでしまった。

 

 

「大丈夫ですか!?」

 

 

 咳き込むダンカンの背をアベルは撫でてやる。

 

 

「ゴホッ、ゴホッ……いや、大丈夫だよ。すまないね……、いやあ、男の子ってのもいいもんだなあ……。こりゃ楽しみだ」

 

「え?」

 

 

 アベルに背を撫でられたダンカンは嬉しそうに目を細めていた。

 ダンカンの意図がよくわからないアベルは彼の背を撫でながら どういうことかと思案する。

 

 

 ――まさか、僕にビアンカを頼むっていう意味……?

 

 

 今の自分にはビアンカを幸せにしてあげることはできない。

 ダンカンに期待を持たせるようなことは言わないように気を付けないと。

 

 

 ……アベルは不用意なことを言わないよう気を付けることにした。

 

 

「それで、レナータさんというのは……」

 

 

 アベルが再び訊ねようとしたその時……――。

 

 

 

 

『ただいまー!』

 

 

 

 

 居間の方でビアンカの明るい声が聞こえる。

 

 

「お、帰って来たみたいだ。アベル、たぶんレナータも一緒に帰って来たはずだ。彼女が帰って来たらここに来るよう伝えてくれ。私は寝たフリをするから頼んだぞ」

 

「え?」

 

 

 “どういうことですか?”そう訊ねようとするもダンカンは身体を横たえ、布団を被ってしまった。

 そうこうしている内に、居間の方でビアンカの声ともアリアの声とも違う少し歳を召した中年女性の声が響いて来る。

 

 

『んまあ! お嬢ちゃんがあのアリアちゃんだったのかい!? ずーっと逢いたかったんだよ!』

 

 

(……この声、聞いたことがある。)

 

 

 居間から聞こえる大きな張りのある声。

 聞いたことがあるのは当たり前だ。

 

 アリアを捜しに行った際にぶつかってしまった女性の声なのだから。

 

 だが、アベルはその女性に見覚えがあった。

 

 

 ――どこで?

 

 

 ……なんだかすごく懐かしい。

 

 

 その謎は隣の居間に行けば すぐ解ける気がして、アベルは声に導かれるように居間へと戻った……。

 




今回はキリが良かったのでちと短めです。

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読了お疲れ様でした、そして読んでいただきありがとうございました!
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