ドラゴンクエストⅤ -転生の花嫁-   作:はすみく

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いつもありがとうございます、はすみくです。

守護天使のアリアでっす♡

では、本編どぞ!



第五百十三話 私はアベルの守護天使

 

 

 

 

 

 ……あれからアリアとビアンカが調理している間にアベルが薪を持って戻り、食事の準備が整うとダンカンとおかみも皆一緒になって夕食となった。

 

 一台の大きなテーブルを囲む様に、キッチン側にビアンカが独りで座り、隣、側面にアベルとアリアが並ぶ。向かい側にダンカン夫妻、ビアンカの向かい、玄関側にはピエール、床にはアンドレとプックルが。

 

 各々がグラスを手に再会を祝して……と、まずはパパスに献杯を。

 

 

「……アベルとアリアが生きていてくれて よかった……。きっとパパスおじさまも見守ってらっしゃるわ」

 

「……うん……」

 

 

 ビアンカとアベルは静かにグラスを傾ける。

 

 

「……パパスさん……」

 

 

 ――私、一緒に居たはずなのに役立たずでごめんなさい……、なにも憶えてなくてごめんなさい……。

 

 

 アリアはグラスを掲げたまま、それを口にすることができずにボーっと透明な液体を眺めていた。

 

 

「…………」

 

 

 アベルは酒を口にしながら、隣のアリアを静かに見つめる。

 ……彼女(アリア)の瞳が潤んでいる気がした。

 

 

 ――アリア、またなにか思い詰めてる……?

 

 

 こういう時は……と、アベルはアリアの好きそうな果物(ブドウ)をいくつか取って、彼女の取り皿に置いてやる。

 

 

「はい、アリア。たくさん食べて大きくなるんだよ?」

 

「ん……? ……ぁっ、ありがとう……って、なにその言い方……私もう大人なんだけど……」

 

「はははっ、そうだったね」

 

 

 ――アリアは怒らせても可愛い……。

 

 

 アリアが ぷぅっと僅かに頬を膨らまし可愛く睨んで来るので、アベルは目を細めて笑い返しておいた。

 

 

「ふふっ、アリアって小さいわよね~。昔からこんなに小さかったの?」

 

 

 ビアンカがアリアの取り皿に【焼きキノコ】や一口サイズに切れた【ステーキ】を盛りながらアベルに訊ねる。

 アリアにたくさん食べて大きくなれということなのか、ダンカンやおかみまでもが「これも食べな」と【やさい炒め】やら【ピザ】やらを皿にのせていき、アリアの取り皿はあっという間に山盛りになってしまった。

 

 

「っ、あの、ありがたいんですけど、こんなに食べられません……」

 

「あら? これくらい食べなきゃ 大きくなれないわよ?」

 

 

 困ったようなアリアの声にビアンカがまだ一口も飲んでいないアリアのグラスに酒を注ぐ。

 

 

「……いや、私もう大人だし、これ以上成長しないんですけど……(お酒まで追加……)」

 

「うふふ、冗談よ。アリアが可愛いから世話焼きたくなっちゃっただけ。気を悪くしたらごめんね」

 

 

 ビアンカは笑顔でいくらか減った自分のグラスやアベルのグラスにも酒を追加した。

 

 

「アリア。アリアが食べられない分は僕が食べるから残していいよ?」

 

「うん、ありがとうアベル。いただきます」

 

 

 隣に座るアベルが山盛り皿を前にして目を瞬かせるアリアに優しく微笑み掛ける。

 

 

 ――アベルの取ってくれたブドウが埋まっちゃった……、少しずつ食べて発掘しよう……。

 

 

 アリアは山盛り皿に手をつけ、もしゃもしゃと食べだした。

 

 

「……おいしい♡(ビアンカちゃん料理上手ね!)」

 

「……うん、おいしそうだね。僕もいただきます」

 

 

 “召し上がれ~”とビアンカが云う中、アベルはアリアが美味しそうに食べる姿に顔を綻ばせ料理に手を付ける。

 始めは食べきれないと言ってたアリアだったが、食べ始めると余程美味かったのだろう、次から次へと料理を頬張り……そして。

 

 

「ンンッ!(やだ、のど詰まっちゃった……!?)」

 

 

 ――ぐる゛じぃ゛……!

 

 

 ……アリアは喉を詰まらせてしまった。

 彼女の顔が真っ赤になったかと思ったら、次には真っ青だ。

 

 

「ちょっ、アリア頬張り過ぎだよ! み、水っ!!」

 

「はい、お水ね! はいはいこれっ!」

 

 

 喉を詰まらせたアリアの背をアベルは慌てて撫で、ビアンカに水を持って来てもらい、彼女(アリア)に飲ませ世話をする。

 

 ……水を飲んだアリアの顔は少しずつ平常に戻って行った。

 

 

「んぐ……っ、けほっ、けほっ…………ふぅ……、も、だいじょぶ……、ありがとアベル……、ビアンカちゃんもありがとう……、死ぬかと思った……はぁ」

 

「アリアすごい顔色してたよ……、ちゃんと噛まないと……」

 

 

 ――びっくりした……、この子本当 目が離せないな……危険過ぎる……。

 

 

 アベルは突然苦しみ出したアリアに眉を寄せ静かに(たしな)める。

 

 

「ぅぅ……、はぁい……(噛んでなかったわけじゃないんだけど……おいしすぎてつい たくさん頬張っちゃった……)」

 

 

 ――大人なのに恥ずかしい……。

 

 

 アリアは手にしていた水をゴクゴクと飲み干すと、反省したのか項垂れてしまった。

 

 

「…………ふふっ。アベルとアリアって仲良しよね」

 

「あ……う」

 

 

 アベルとアリア、二人のやり取りを見ていたビアンカが指摘すると、アベルは黙って頷こうとするが、アリアはハッと顔を上げビアンカと目を合わせる。

 

 

「いやっ、それはっ!!」

 

「ん?」

 

「わ、私はほらっ、アベルの守護天使だから……」

 

「守護天使……? アベル、そうなの……?」

 

 

 ビアンカが首を傾げると、アリアは“自分は守護天使”だと告げるのだが、それに対し ビアンカはアリアの言葉を受け取ったまま、アベルに視線を移した。

 

 

「あ……ええと……」

 

 

 急に投げられたビアンカの視線が怪しく感じる。

 アベルはどう説明したものかと隣のアリアを窺った。

 

 

 

 

 ……その時だった。

 

 

 

 

 さわさわ。

 

 

 

 

「っ!?」

 

 

 テーブルの下で腿に違和感を感じ、アベルは目を見開く。

 太ももにアリアの手が触れ、その手が撫でるように前後にうごめいていた。

 

 

 ――ちょっ!? アリアっ!?

 

 

 アリアの大胆なスキンシップにアベルの頬が瞬時に赤く染まる。

 むず痒い感触にアベルはアリアの手をテーブルの下で捉え握った。

 

 

「……っ……?」

 

「…………私はアベルの守護天使だもんね~~? ね~~?(ねっ!? ここはそうだって言ってよアベルっ!)」

 

 

 アベルの手に捉まったアリアの指先が何かを訴えかけるように動いている。

 人前で手を繋ぐのは恥ずかしかったんじゃないのかとアベルは思ったが、今はそんなことよりも、ビアンカ達に自分たち二人の関係を悟られるわけに行かないという気持ちの方が強そうだ。

 

 ……アリアの紫水晶はアベルをじっと見つめていた。

 

 

「…………あ、えーと、そう、なんだよ……。アリアは僕の守護天使で……」

 

 

 ――察した……! アリア、僕は察したよ!

 

 

 アリアの手を ぎゅっと握りしめたまま、アベルはアリアの話に合わせることにする。

 

 

「うんうん! 実は私、アベルを守るために天界から遣わされた天使なの! だからアベルがしあわせになるのを見届けるまでは一緒に旅をするって約束でね! ね~?♡」

 

 

 ――アベル、ありがとう! 通じてくれてうれしい……!!

 

 

 アベルが合わせてくれたので、テーブルの下、アリアはアベルの手からサッと手を引き逃れた。

 

 

「……………………、へえ……、守護天使……ねえ……」

 

「ぁ。…………あ……、はは……。うん、そうなんだ……」

 

 

 ビアンカの視線が何となく鋭く刺さった……ような。

 

 アベルはアリアの手を逃してしまい、つい声を出してしまったがすぐに誤魔化す。

 ……そして、またも察してしまったのだ。

 

 

 ――ビアンカこれ、気付いてない……?

 

 

 今日のアベルは冴え渡っているのではなかろうか。

 テーブルに頬杖を突いて答えるビアンカの射抜くような目線にアベルは空笑いした。

 

 

 ……だが、それはアベルの杞憂だったようで、次にはビアンカの眉が寄せられ……。

 

 

「え~、アベルだけいいな~。私もアリアみたいな守護天使についてもらいたかったな~」

 

 

 ビアンカはアベルを羨ましそうに睨んでいたのだ――。

 




どっちが守られてるんだって話なんですけどね……。

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読了お疲れ様でした、そして読んでいただきありがとうございました!
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