ドラゴンクエストⅤ -転生の花嫁-   作:はすみく

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いつもありがとうございます、はすみくです。

やって来ました、ドワーフの洞窟。

では、本編どうぞっ。



第五十一話 ドワーフの洞窟

 

 ベラやアリアに任せていては、目的地に辿り着けない。

 そう思ったアベルは地図を頼りにドワーフの洞窟を真っ直ぐ目指していた。

 

 

「見えて来た……。ドワーフの洞窟……」

 

 

 一行の目の前に洞窟の入口が見えて来る。

 アベルは【ふしぎな地図】を袋に仕舞うのだった。

 

 

 始めからこうすれば良かったな……。

 けど……まあ、いいか。

 

 

 アベルはちらりとアリアを見て、目を細める。

 

 アリアはベラと「始めからアベルに任せれば良かったね~!」「ホントホント」などと楽しそうに言い合っていた。

 

 つい先程魔物の群れに襲われた時、アリアはもう怯えてはいなかった。

 幸いなことにベラのお陰で迷った間、戦闘は多かったもののアリアを鍛えることが出来たので、無駄にならずにすんだのである。

 

 

 

 

 

 

「……つ、着いた……。はぁ……」

 

 

 ドワーフの洞窟に入ると、ここに来るだけで疲れたのか、アベルは一先ず一息吐く。

 

 

「すっごーい! アベル、ここがドワーフが居るっていう洞窟だねっ」

 

 

 アリアは洞窟内を見渡す。

 洞窟内は例によって明るく、見通しが良かった。奥は随分と広そうだ。

 

 

 ……サンタローズの洞窟の時は、何が何だかわからない内に終っちゃったけど、ここはしっかり見ておこうっと。

 

 

 アベルが立ち止まっているので、あまり遠くには行かないようにしながら遠くを見ると、魔物が歩いているのが僅かに見えた。

 

 

 魔物、やっぱいるよね~……。

 

 

「……みたいだね。この辺りは変な気配もないし、ちょっとだけ休んだら行こっか」

 

「うん。そうだね、ここまでの道案内お疲れ様、ありがとね」

 

 

 どういたしまして、とアベルはアリアに告げて、その場に腰を下ろす。

 アリアも「私も休んでおこうかな」と隣に座った。

 

 

「こんな所に洞窟があるなんて、全然知らなかったわ。一体この奥はどうなっているのかしら」

 

 

 ベラは少しだけアベルとアリアから離れ、奥へと歩いて行く。

 

 

「ベラちゃん、気を付けてね。さっき魔物が奥に見えたから……」

 

「大丈夫よ」

 

 

 アリアが止めるのを無視してベラは奥へと独りで行ってしまう。

 

 

「……大丈夫かな?」

 

「……うーん……、多分……?」

 

 

 ベラが一人で行動するなんて初めてだから、僕には予想もつかないや。

 ……アリアと居ると不思議なことばっかり起こるなぁ……。

 

 また(・・)だと感じないと、何でこんなにもわくわくするんだろう?

 

 

 アベルは隣に座るアリアをつい見てしまうのだった。

 

 

「アリア、君は一体どこから来たの……?」

 

「え……、それがわかったら苦労しないよ?」

 

「あ、そっか……、それもそうだね」

 

「ふふっ。私、アベルとお別れしたら、自分探しの旅でもしようかな」

 

 

 “お別れしたら”

 

 

 アリアが急にそんなことを云い出すので、アベルは目を見開く。

 

 

「えっ……お別れって……?」

 

「えっと…………、ポワン様がね……。暫く妖精の村に居てもいいって云ってくれて……。ほら、この世界だと私、みんなから見えるでしょ? 人間界だと、アベル以外には見えないみたいだから不便じゃない?」

 

 

 アベルに迷惑掛け続けるのも悪いしね……、とアリアはアベルとベラが買い出しに出ている間、ポワンと話していた内容を伝えたのだった。

 

 

「……っ……で、でも妖精の村に居たって、君の過去がわかるわけじゃないよね!?」

 

 

 アベルの声が上擦る。

 

 

「……そうだけど……、妖精の村で暫く暮らしながら身体を鍛えるのもいいかな~って。ポワン様も情報集めてくれるって云ってたし……」

 

 

 ポワン様って優しいよねと、アリアは得体の知れない“天空人”とやらを快く受け入れてくれる彼女を尊敬していたのだった。

 

 【どくばり】は怖かったけどね……とそこは忘れてはいないが。

 

 

「……っ、急にそんなこと云われても……」

 

 

 アリアの話にアベルの胸が冷えていく。

 

 

「……ごめんね、アベル。氷の館で春風のフルートを取り返すまでは迷惑掛けちゃうけど……よろしくね」

 

「迷惑なんて思ってない……」

 

「え……?」

 

「迷惑だなんて思ってないよっ!!」

 

 

 アベルは急に立ち上がり、眉間に皺を寄せ走って行ってしまう。

 プックルはアベルを追うのかと思ったが、その場に留まっていた。

 

 

「あっ、アベルっ!?」

 

 

 アリアも彼を追うのだった。

 

 

「がうがうっ!」

 

 

 プックルはアリアの後について行く。

 アベルから以前言われた頼みをきちんと理解していたプックルは、アリアの傍を離れないというのを守っていたのだった。

 

 

 

 

 

 

 アベルが洞窟奥へと走って行くと、ベラが赤い小さなドラゴン、【メラリザード】と戦っていた。

 

 

「っ、ベラっ! 何してんのっ!?」

 

「あっ! アベル、丁度いい所に! メラリザードに気付かれちゃって!」

 

 

 アベルに呼び掛けられ、ベラは【メラリザード】を殴りつける。

 すると、【メラリザード】は大人しくなった。

 

 

「っ、何で戻って来なかったの!?」

 

「戻ろうと思ったんだけど……。…………迷っちゃったっ」

 

 

 テヘペロ!

 

 

 ベラは舌を出しておどけてみせる。

 

 

「あぁ……、そっか……方向音痴……。……プププッ!」

 

 

 アベルは笑い出す。

 アリアが存在するだけで、こうも違うのかと笑うしかなかった。

 

 

「はぁ、はぁっ、二人共無事っ!?」

 

「あ、アリア! あなたこそ……!」

 

 

 アリアがアベルとベラの元に走って来ると、ベラはアリアの後ろを指差した。

 

 アリアの後ろには丸い身体に全身トゲを生やした、オレンジ色の魔物、【スピニー】の群れが走って来ていた。

 

 

「え……? うわぁあっ!! いつの間にっ!?(動きが可愛い! けど、トゲトゲが痛そう!)」

 

「っ、アリアこっち!」

 

 

 アリアが背後を首だけ向けちらりと確認し、アベルに声を掛けられ手を伸ばす。

 

 

「アベルっ!」

 

 

 アリアはアベルの手を取り力強く引っ張られると、アベル達と横並びで【ひのきのぼう】を構え、【スピニー】の群れを迎え撃つのだった。

 




アベルは女の子達に振り回されてばっかりですね。
お疲れかもしれませんが、頑張ってもらいたいと思います。

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評価いただけるとモチベ上がりますので、良かったら下さいっ。
感想など頂けたらめっちゃ嬉しいです。

読んでいただきありがとうございましたっ!
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