ドラゴンクエストⅤ -転生の花嫁-   作:はすみく

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いつもありがとうございます、はすみくです。

ぱふぱふ娘の ぱふぱふとは……。

では、本編どぞ。



第五百三十三話 アベルさん、ぱふぱふはどうでしたか?

 

 

 

 

 

 ……さて、アベルとアリアはというと……――。

 

 アベルの先導でアリアは手を引かれ、帰りに【フルーツパイ】……と言っていたが、行きに買ってもらい、食べながら城の裏庭に向かっていた。

 

 

「おいしい?」

 

「うんっ、おいしいよ。買ってくれてありがとう♡ アベル ぱふぱふしてもらうんだね!?」

 

 

 【フルーツパイ】を頬張るアリアをアベルはニコニコと笑顔で見守り、手を繋ぎながら目的地までゆっくり歩く。

 

 

「っ……、あ、えと断ろうかと思ってるんだけど……?」

 

 

 繋いだ手に少し力を込めて、アリアの様子を窺ってみた。

 ……すると。

 

 

「そうなの!? どうして……?」

 

 

 アリアは不思議顔で首を傾げる。

 

 

「ど、どうしてって……、だって……、アリア嫌でしょ……?」

 

「ん……? ぜんぜん? してもらえばいいじゃない!」

 

「えぇっ!? なんで!? 僕が他の女性に ぱふぱふしてもらってもいいって言うのかい!?」

 

「え? あっ…………うふふっ♡ いいよっ!」

 

 

 アリアの返答にアベルは狼狽えるが、彼女は突然くすくすと笑いだした。

 

 

「えっ!? どうして!?(なんで笑ってるんだ!?)」

 

「ふふふっ、いいからいいから、私のことは気にしないで思いっきりやってもらえばいいよ」

 

 

 もぐもぐと【フルーツパイ】を咀嚼し食べ終えると、アリアは不機嫌どころかご機嫌な様子で苦虫を噛み潰したような顔をするアベルに笑い掛けている。

 

 

「っ……アリア……、そんな風に言わなくても……」

 

 

 ――僕のこと好きなのに、平気なのか……?

 

 

 アリアの態度になぜかアベルの方がショックが大きかったようだ。瞳が悲し気に揺れた。

 

 

「アベルがしたくて行くんでしょ? 私は全然いいよ~?」

 

「っ……ぃ……やだ……」

 

「へ……?」

 

「なんで妬いてくんないんだよぉ……!」

 

 

 ――ビアンカは怒ってたのに……!

 

 

 平気そうなアリアの表情を見ていると、アベルは泣きたくなってくる。

 

 ……アリアってこんなにあっさりした女だったっけと思い返すが、妬いてくれてる時もあったような気がする。

 

 だが、すぐには思い出せなかったアベルはやっぱり悲しくなった。

 

 

「妬く……? あははっ! ないないっ! 私、ぱふぱふくらいで妬いたりしないよ?」

 

 

 (とど)めのようなアリアの一言にアベルは がくんと項垂れる。

 

 

「ぱふぱふくらいって……(君はどんだけ寛容なの……)」

 

 

 ――なんでも許してくれるのは嬉しいけど……、僕、ちょっと淋しい……。

 

 

 アベルが繋いだ手を握り締めようとしたものの、その手はサッと離れてしまった。

 

 

「あ! いたよ! ほらほら、アベル!」

 

「アリアぁ……君って……(残酷だよ……)」

 

 

 アリアは昨日のバニーを見つけ、アベルの背後に回ると背を押し“早く早く”と急かしてくる。

 

 ……アベルは戸惑いながらバニーガールの元へと辿り着くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「おはようございます!」

 

「えっと、おはようございます……」

 

 

 城の裏庭に着くとアリアがバニーガールに元気よく挨拶し、アベルもそれに続く。

 

 

「あら 来たわね、お兄さん。さっそく ぱふぱふする?」

 

 

 バニーガールは両手を後ろに組み、クネクネと身体を揺らしていた。

 アリアよりは小振りの白桃が僅かに揺れている。

 

 

「はい!」

 

「ちょ、アリア! 勝手に“はい”って言わない!(断ろうと思ってたのに……!)」

 

 

 バニーガールの言葉にアリアが勝手に返事をしてしまい、アベルはツッコミを入れるのだが……。

 

 

「それじゃあ じっとしててね。始めるわよ……」

 

 

 アリアの勝手な返事に肯定と捉えたバニーガールは、艶っぽい笑みを浮かべて後ろで組んでいた両手を解いた……と思ったら。

 

 サッと、バニーガールは手に持っていたコンパクトでアベルの顔に化粧を施していくではないか。

 

 

「ぱふぱふぱふ……。ぱふぱふぱふ……。それ、ぱふぱふぱふ……」

 

 

 ――こ、これは……。

 

 

「ゲホッ、ゲホッ……!(粉が鼻の中に……!!)っ、ハックッション! ゲホッ、ゲホッ!!」

 

 

 バニーガールの【ぱふぱふ】は猛烈な白煙をあげ、浅黒いアベルの顔を瞬時に真っ白に塗り替えていく。

 

 

 アベルは堪らず咳き込んだ!

 

 

「あら苦しかった? ごめんなさいね。あたしメイクアップの勉強をしてるんだけど、不器用だから粉が周りに飛んじゃって……。女の人だと なかなか協力してくれないのよ。なぜかしらね?」

 

 

 アベルの顔の周りで白い粉が舞って、かなり煙たい。

 「ゲホッ、ゴホッ」とアベルは咳き込みながら顔に降りかかって来る白い粉を払っていた。

 

 

「早く一人前になってオラクルベリーの舞台メイクを任されてみたいわ~!」

 

「ふふふっ、がんばって下さいね」

 

「ええ、頑張るわ! って……あら? その声、聞いたことが……?」

 

 

 咳き込むアベルを余所に、アリアが少し離れた場所からバニーガールにエールを送る。

 バニーガールはアリアの声に目をぱちくり。

 

 

「あ、ふふっ、ルチアさん、私です私」

 

「え? 誰かしら……? どこかで見たことがある気がするわね……」

 

 

 アリアは自身を指差し二コリ。はにかんでみせるが、バニーガールは首を傾げていた。

 

 ……これじゃわからないかな……とアリアが鞄から黒髪ウィッグを取り出し被ってみせる。

 途端、バニーガールの顔がパァッと明るくなった。

 

 ちなみにアベルはまだ咳き込んでいる。

 

 

「あ! アリアちゃん!? やだっ、懐かしい~! 元気ィ~!?」

 

「ふふふっ、はい! ルチアさん白粉(おしろい)は優しくそっと ぽんぽんですよ? ぱふぱふしちゃダメ。煙いんだから」

 

 

 バニーガールこと、ルチアは破顔し、アリアにパフを構えるが、アリアはサッとそれを奪い彼女に向けて“ぽんぽん”と優しく頬を(はた)いてやった。

 

 そしてアリアは奪ったパフをルチアに返してやる。

 

 

「へ? あ……、なるほど……。ぱふぱふじゃなくて ぽんぽんね……。解ったわ……コツが掴めそうな気がする!」

 

「うふふっ、よかったです」

 

 

 返されたパフを手に、ルチアは自分の頬に白粉をそっと叩き付ける。

 “こんな感じ……?”と、コンパクトの鏡に映ったルチアはいつもよりナチュラルなメイクに仕上がっていた。

 

 

「……ほぅ……。ありがと~アリアちゃん♡ 私がんばるわね~!」

 

 

 満足したのか彼女はアベル達に手を振って去って行く。

 アリアもニコニコと手を振り彼女を見送った。

 

 

 ……やはり、バニーガールはアリアの知り合いだったらしい。

 

 

「…………アリア…………」

 

 

 ルチアが去った裏庭で、漸く白煙が落ち着いたアベルは自身に背を向けるアリアに声を掛ける。

 

 

「……アベルさん、ぱふぱふはどうでしたか?」

 

 

 アリアはくるりと反転し、ご機嫌な様子でアベルを上目遣いに見上げた。

 

 

「アリア……、君……、知ってたんだね……? 知ってて……黙ってた……?」

 

「ふふっ。私あの人の練習によく付き合ってたんだ~。煙かったでしょ?」

 

「アリアっ! 教えてくれればよかったじゃないか!(そりゃ嫉妬もするわけないよね!!)」

 

 

 アベルの顔を見上げたまま くすくすと笑うアリアに、アベルの声が大きくなる。

 

 

「だって、アベル ぱふぱふしたいって言ってたから、させてあげようかな~って思って……?」

 

「っ…………むぅ……」

 

 

 ――ちょっと期待してたのはっ、悪いと思ってる……けどっ……!!

 

 

 ……不意にアリアの瞳がじっとアベルを見据える。

 

 “本当に ぱふぱふをしてもらう気だったのよね……?”と責めているように見えて、アベルは気まずくなった。

 

 アリアは嫉妬しないわけではなく、嫉妬する理由がなかったからしていなかっただけで、今は……、ちょっと怒っている気がする。

 

 

(けど、僕だって不安にさせられて怒ってるんだけど……?)

 

 

 アベルは口をへの字に黙り込んだ。

 そんなアベルにアリアの表情が綻ぶ。

 

 

「ふふふっ、アベル、綺麗よ? 顔を見てみたら?」

 

 

 アリアは小さな手鏡を鞄から取り出すと、アベルに向けた……。

 




ルチアは当方で付けた名前です。
なんとなく浮かんで付けました。特に意味は知らない。

アベル、本物知ってるからなぁ……w

他も試してみたかったっていう好奇心のカタマリ。
本能に忠実なのです。

アベルは基本誠実だけど、まだ結婚前だし若いしっ!
若い内は遊んどけー……と。
まあ、別世界の誰かの意識に引っ張られてるんで、この世界のアベルの意思とはまたちょっと違う気がするんですけどね。

知らず知らずのうちに妙な行動を取らされる可哀想なアベル君。

アリアは……本当のぱふぱふだったらムスッとして無言になってたでしょうね~。


↓そんなわけで以下おまけ。





 ルチアのぱふぱふが本物だった場合――。


 アリアは自分のパイをモミモミ、首を傾げ……。

アリア「……たはー。私のお乳じゃ満足できなかったかー……そっかー浮気かぁ……(結構質量はあると思うんだけどな~、アベルにはがっかりよ……もうさせてやらない……てか別れよ……)」

 推定Gカップのアリアさん、アベル氏とのお別れを決意する……。

アベル「アリアっ! 違うんですっ! ごめんなさいっっ!! ほんの出来心で……! 別れるなんて言わないで……!!(敬語+土下座)」

 アベル氏、地面に額を擦り付け許しを請うも、アリアはアベルに目もくれずルーラで去ってった……。


 ドラゴンクエストV -転生の花嫁- 完


 ……いや、花嫁になってなかったわ。
 まだまだ続きますっ!


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読了お疲れ様でした、そして読んでいただきありがとうございました!
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