ドラゴンクエストⅤ -転生の花嫁-   作:はすみく

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いつもありがとうございます、はすみくです。

時折クッキング始めちゃう。

では、本編どぞ。



第五百三十七話 海鮮鍋

 

 次から次へと現れる魔物の群れとの戦いは【においぶくろ】の効果が切れるまで、続き……。

 

 

「ふぇぇ……、まだ出るのぉ……!?」

 

 

 ……現在、十連戦目。

 一昨日アリアが釣り上げた【プクプク】の群れ(五匹)が現れ、アリアは泣き言を言いつつ、魔力を集中させた。

 

 

「アリアっ! これで連戦はラストだ! 頑張って! これが終わったら夕食にしよう! 海の幸が食べられるよ……!」

 

「今夜はお鍋よ!」

 

「っ、ごはんっ! 海の幸……海鮮鍋ね! 楽しみ~♡ がんばっちゃう! ベギラマぁああああっ!!」

 

 

 アベルとビアンカに激励され、アリアは先制で【ベキラマ】を唱える。

 【プクプク】の群れに帯状の火炎が襲い掛かった。

 

 一匹目、二匹目、三匹目と火炎が走り身体を燃やして行くが、四匹目は距離が離れていたのか、避けられたのか、効かなかった。

 五匹目……には効果があり、【プクプク】は熱い痛みに悶えている。

 

 一匹当たらなかった……! とアリアは唇を噛み締めたが、こういう時もあるのは仕方ない。

 

 

「私もっ! ベギラマッ!!」

 

 

 ……ビアンカも続く。

 アリアと同じくダメージを与えて【プクプク】が倒れていく。

 

 女性二人による【ベギラマ】攻撃により【プクプク】の群れは残る一匹を除いて倒れた。

 

 

「アベル! ラストお願い!」

 

「ああ、任せて!」

 

 

 ビアンカの掛け声で、アベルが残る一匹に斬り掛かる。

 アベルが振り上げた剣を力任せに下ろすと、【プクプク】は真っ二つになり倒れた。

 

 白い脂の乗った【プクプク】の半身が、左右それぞれにビチビチと跳ねている。

 

 

「ナイス、アベル!」

 

「ビアンカも!」

 

 

 ビアンカとアベルは互いにサムズアップして、拳でタッチ。

 二人は早々に【プクプク】を(さば)き始めた。

 

 

「お、オワターー! って……二人とも なにして……?」

 

 

 魔物の群れの気配が途切れ、アリアは ほっと一息。甲板で【プクプク】を捌くアベルとビアンカを見下ろす。

 

 

「あ、アリア、おつかれさま~♡ よく頑張ったわね。なにって、お鍋の準備よ。美味しいの作ってあげるからね!」

 

 

 ビアンカが【プクプク】を捌きながらアリアに笑顔を見せてくれた。

 

 

「ビアンカ、こっちのも先に真っ二つにする?」

 

「そうね、あともう一匹あればいいかしら。残りはまた今度ゲットすればいいんじゃない?」

 

「了解」

 

 

 アベルが倒した【プクプク】の尾を持ち上げ、どう処理するのかビアンカに訊ねる。

 すると、ビアンカは今夜必要な分は二匹でいいとのこと。

 

 アベルは残り三匹はそのまま放置することにし(※倒した魔物はゴールドを残した後、勝手に消えていく)、手にした【プクプク】をアンコウでも捌くかの如く、吊り下げたままとりあえず真っ二つにした。

 

 【プクプク】は身体が大きいため、最初の解体に苦労する。

 真っ二つにしておけば残りが捌きやすいのだ。

 

 

「……なんか、昔もこんなことがあったような……いや、実際には解体してなかったっけ……(アベルとビアンカちゃんて息がピッタリ……)」

 

「そうなのですか……?」

 

 

 アリアとピエールが見守る中、アベルとビアンカは【プクプク】の解体を続けていた。

 

 

「あ、アベル、そこ毒があるから気を付けてね。食べたら死にはしないけどお腹壊すわよ」

 

「そうなんだ? わかった」

 

「皮は細く切って。湯引きするから。身は一口サイズね!」

 

 

 ビアンカの指導の下、アベルは素直に従い【プクプク】を捌く。

 二人はどうやらアリアが言った「海鮮鍋」「楽しみ」の言葉に応えるため、腕を振るっているようだ。

 

 

((アリアに新鮮な海の幸を食べさせてあげたい……!))

 

 

 アベルとビアンカは黙々と作業を進めていた。

 

 

「アベル……、手を切らないようにね」

 

「わかってる、切るのは得意だ。任せてよ」

 

「へえ……意外~」

 

「アリアに教わったからね」

 

「へ~……」

 

 

 大きな皿に【プクプク】の欠片がどんどんと積み上がっていく。

 アリアも途中で 捌くのを手伝う、と申し出たが断られ野菜の準備をすることにした。

 

 

「……一緒に準備してていいな……」

 

 

 アリアは鍋に使用する野菜を運びながら、楽し気に【プクプク】を解体するアベルとビアンカを遠巻きに眺め呟く。

 

 

「……アリア嬢……」

 

「……っ! あっ、なんでもない……! えへへっ、鍋の野菜といったらネギと白菜ね、ありがとピエール君。そこに置いてくれる?」

 

 

 ――っと、失言失言……、なに言ってんの、私? アベルとビアンカちゃんが仲が良いのは今に始まったことじゃないでしょ!

 

 

 ピエールに聞かれてしまったアリアは慌てて笑顔を作り、野菜を切ることにした。

 

 

「…………はい……」

 

 

 ピエールが運んで来た白菜とネギをアリアの指定した場所に下ろす。

 

 

「ネギは……、プックルとメッキ―はやめた方がいいかな……? 鍋を分けよっか」

 

「え、そうなのですか?」

 

 

 アリアは人間用の鍋と、魔物用の鍋を分けることにし、野菜を切りながら片方には白菜とネギ。片方には白菜のみを入れていく。

 白菜のみの鍋はかなりの大きさの寸胴鍋である。

 

 

「うん、なんかね~、昔、猫とか犬とかってネギがダメとか聞いたことあるんだよね~」

 

「なんと……! そういった話は初めて聞きました。アンドレは何を食べても腹など壊さないもので……」

 

「消化できないみたいだよ。プックルは魔物だけど、ネコ科っぽいし、野菜サンドを作る時はタマネギを一応抜いてるんだー。体調不良になったら可哀想だからね」

 

 

 ザクザクザクッ、とアリアは白菜を切り刻み、二つの鍋にそれぞれ投入していく。

 ピエールも見様見真似でそれに倣っていた。

 

 アリアの周りに 馬車にいた仲魔達も集まり、興味津々で調理を見守る。

 

 

「アリア嬢はお優しいですね……」

 

「……えっと……優しいとかそういうんじゃないの。私、いつも役立たずだから、なにかみんなのサポートしたくって。健康管理くらいはね」

 

 

 ピエールが静かに語る中、白菜を切り終えたアリアはにっこりと彼に微笑み掛ける。

 ピエール、彼は。

 

 

「役立たずだなんてそんなことは決してないですよ……! アリア嬢がいるおかげで旅の最中だというのに毎日美味しいものが頂けて、身も心も満足しているのですから……!」

 

 

 ――ヒラヒラのスカートも、中身もありがたいのです……本当に……。

 

 

 ……ピエールも男だった。

 

 

「……ありがとうピエール君。それもあと少しだから、ちょっと淋しいけど、最後までがんばるね……!」

 

「アリア嬢……そんな……。アベル殿はあなたを おしたぃ……」

 

「……ふふっ、アベルなら大丈夫だよっ。あ、お豆腐は無かったね。キノコは……馬車か。採って来るね! スラりんお願い」

 

「ピキー! まかせて~!」

 

 

 アリアは近くにいたスラりんを伴い、馬車へと向かう(スラりんに踏み台になってもらうか、上から引っ張ってもらうと馬車にすんなり乗り込めるのだ)。

 

 

「アリア嬢……」

 

 

 ……淋しそうにはにかみ、馬車に向かうアリアの背を、ピエールは静かに見守ることしか出来なかった。

 




今回、次回、次々回とクッキング回が続きます。
クッキング回一話目。

プクプク食べれるんですねえ……www

船の上でもマイペースですw

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読了お疲れ様でした、そして読んでいただきありがとうございました!
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