ドラゴンクエストⅤ -転生の花嫁-   作:はすみく

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いつもありがとうございます、はすみくです。

進みがスロゥリィ……。

では、本編どうぞっ。



第五十三話 スライムつんつん

 

 アリアの爆弾発言後、三人は洞窟の奥へと進んで行った。

 奥へと進むと、村で聞いたドワーフと、スライムが一匹暮らして居る部屋を見つける。

 

 

「ねえ」

 

「うわ! 人間と妖精と天使だ! フルートを盗んだのはボクじゃないよっ。ザイルがやったんだよ!」

 

 

 アベルがスライムに声を掛けると、ぷるぷる身体を震わせながら緊張した面持ちで返事をする。

 

 

「おぉっ! 喋るスライムさん、こんにちは!」

 

「えっ、あっ、こ、こんにちは……?」

 

 

 アリアは興味津々で元気良くスライムに挨拶をすると、スライムは目を丸くして応える。

 アリアが「触ってもいい?」と訊ねるので、スライムは「ち、ちょっとだけなら……」と了承した。

 

 

「ふふっ、ぷるぷるしてる~! 一度触ってみたかったんだ~。キミ、気持ちいいねっ」

 

 

 アリアは目を細めてしゃがむと、スライムをつんつんと優しく突く。

 

 

「っ、か、かわいい。天使……!(そこ、弱いんだヨ……ぁ、ダメ……)」

 

 

 スライムはうっとりと、アリアを見つめた。

 

 

「へ……? ありがとう、キミもカワイイスライムだね」

 

「っ、っ!? ぷるぷる……(何? 今身体の奥がきゅーんって……!!)」

 

 

 スライムはアリアに急所を突かれたらしく、瞳を輝かせる。

 

 

「……アリア楽しそうね(何か急に元気になったわね……)」

 

「だね……、フフッ。あ、ドワーフのおじさん、ちょっと聞きたいことがあるんですけど」

 

 

 スライムと戯れるアリアをそのままに、アベルとベラはドワーフに話し掛けたのだった。

 

 

「全く、ザイルにはあきれてしまうしまうわい! わしがポワン様に追い出されたとか勘違いして仕返しを考えるとは……」

 

 

 そこのスライムが言っていただろう? とドワーフはザイルのことを話しだした。

 

 ザイルというのはこのドワーフの孫らしい。

 

 

「あの……それで、僕、氷の館に行きたいんです。でも、入口に鍵が掛かっているらしくて」

 

「妖精の村から来たお方よ。お詫びといってはなんだが鍵の技法を授けよう。鍵の技法はこの洞窟深く、宝箱に封印した。どうかザイルを正しき道に戻してやって下され」

 

「わかりましたっ、僕に任せてっ!」

 

 

 ドワーフから鍵の技法を貰えることになり、アベルは胸元に拳をとんっ、と添えて深く頷く。ベラも同様。

 

 話を聞き終えると、アベルとベラは部屋から出ようと踵を返した。

 

 その間もアリアはスライムをつんつんしている。

 余程感触が気に入ったようだ。

 

 

「アリア行くよー」

 

 

 アベルが部屋の出入口でアリアに声を掛けるが、アリアは聞こえていないのか機嫌が良さそうにスライムと戯れていた。

 

 

 スライム……好きなんだ……。

 

 

 アベルはにこにこと楽しそうにはしゃぐアリアの笑顔に釣られ、口角を上げる。

 

 

「……アリア、いつまでやってるの? 行くわよ?」

 

「へ……? あっ、うん! ……スライム君、名残惜しいけど……」

 

 

 ベラに肩を叩かれ、アリアは立ち上がると残念そうに眉をハの字に下げ、アベルが待つ場所へと歩いて行った。

 

 ぷるぷるぷる。とスライムの瞳も悲し気に揺れる。

 もっと触ってくれても良かったのに……。と哀願の眼差しでアリアを見送るのだった。

 

 

 

 

 

 

 ドワーフの部屋から出て、“鍵の技法”を身に付けるため、洞窟内を探索し始める。

 アリアはスライムとの別れが名残惜しいのか、悲し気にドワーフの部屋を何度か振り返って見ていた。

 

 

「ね、アリア。喋るスライムなら妖精の村にも居るわよ?」

 

「そうなのっ!? じゃあ戻ったらお話してみようかなっ」

 

 

 ベラの言葉にアリアは一気に明るい笑顔を取り戻す。

 そんなアリアを見て「現金ねぇ……」と、ベラは苦笑いをしていた。

 

 

「……アリアってスライム好きなの?」

 

 

 前を歩くアベルが振り返る。

 

 

「えっ、あ、触り心地がすごく気持ち良かったの。ぎゅーってしたいくらい! 何だろう……ひんやり感もあって、ジェルマットのような……。クッションにしたら気持ち良さそう……」

 

「……クッションって……、スライムをお尻に敷くつもり……?」

 

 

 ジェルマットって何だろうとアベルは思いながら、うっとり話すアリアに訝しい顔を向けた。

 

 

「あっ、だ、ダメだよね! そんなことしたら、スライム潰れちゃう???」

 

 

 アリアは慌ててアベルに訊ねる。

 

 

「ぁ……ううん、多分大丈夫だと思うけど……」

 

「……ん……? なら何で訊いたの……?」

 

「え? ぁ、な、何でだろう……」

 

 

 ……何でだろう……?

 

 僕、今、一瞬スライムが羨ましいって思っ……、た……???

 

 

 アベルは首を傾げて……、

 

 

「っ! ……っ、な、何でもないっ、ただ聞いただけっ!!」

 

 

 頬が急にボッと火が点いたように赤くなってしまい、アベルは身体の向きを前方へと戻した。

 

 

「ん? あ、うん……わかった(……アベル何か顔赤くない?)」

 

 

 アリアはわけがわからず目を瞬かせていたのだった。

 

 

「スライムナイトもいるから、スライムに乗っかるくらい平気だと思うわよ?」

 

「そうなんだ。スライムナイトってよくわかんないけど、スライムに乗ってる騎士かな?」

 

「そうそう、よく知ってるじゃない。妖精の(この)世界にはいないけどね」

 

 

 アリアの隣を歩くベラがスライムナイトについて教えてくれるので、当てずっぽうで言ってみたのだが、当たっていたらしい。

 

 

「……スライムナイトか……」

 

 

 そういえば、ピエールは居るのかな……。

 また(・・)どこかで会えるよね……?

 

 前はどこで会ったんだっけ……?

 

 

 …………………………、

 

 

 ……あれ?

 

 

 ピエールって誰だっけ……。

 

 

 …………仲間……、だった……? ような……?

 

 

 後ろを歩く女の子二人の会話を聞きながら、アベルはかつての仲間であるスライムナイトのことを思い出していた。

 

 少しずつではあるが、アベルは何か(・・)を掴めるようになって来ているようだった。

 




スライムとの会話、「ちょっとだけよ」「アンタも好きねぇ」……と言わせたかったけど踏ん張った。

アベルも少しずつ、何かを掴んで来ているようで何よりです。


今回はちょっと短め。

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評価いただけるとモチベ上がりますので、良かったら下さいっ。
感想など頂けたらめっちゃ嬉しいです。

読んでいただきありがとうございましたっ!
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