ドラゴンクエストⅤ -転生の花嫁-   作:はすみく

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いつもありがとうございます、はすみくです。

指輪探索へ行くのは……?

では、本編どぞ。



第五百四十六話 探索メンバーは?

 

 

 

 

 

「さあ、到着よ!」

 

 

 ビアンカの声がアベルとアリアの後ろから聞こえる。

 ……船が滝の洞窟の入口に接岸すると、操縦室からビアンカが出て来た。

 

 

「ああ、ビアンカ操縦ありがとう! 船の操作が上手だね」

 

「ふふっ。褒めてくれてありがとっ! けど私はアベルが舵を調節してくれたまま見てただけよ?」

 

 

 操縦室から出たビアンカにアベルはお礼を告げる。

 ビアンカは弾けるような笑みを返した。

 

 

「そっか。ビアンカは濡れなかったかい?」

 

 

 アベルは髪を拭き終え、ターバンを巻き巻き。

 

 

「ええ! 操縦室は屋根があるから問題なかったわ。アリアがずぶ濡れにならなくて良かった。ね?」

 

「あっ、うん……、ぁ」

 

 

 アベルの気遣いに応えながら、ビアンカはアリアの元へと近付き、彼女の髪に僅かについた水滴に触れる。

 

 ビアンカは見えないから知らないだろうが、アリアに近付いた際に偶然黒い(もや)が触れ、それはまたも霧散し消えていった。

 

 

 ――靄が消えた……、ビアンカちゃん すごい……ありがとう……。

 

 

 アリアは心の中でビアンカに礼を言う。

 ……ビアンカ様様である。

 

 

(私の心が弱いから、残渣がまだ消えないのね……。あ、でも……これって……)

 

 

 ――ビアンカちゃんの傍にいたら、もう呪われることはないんじゃ……?

 

 

 アベルから行動を共にするよう言われてしまったアリアだったが、ビアンカの傍にいれば黒い靄を払うことが出来ることに気が付いた。

 

 黒い靄が現れる原因の一つが今はビアンカ……なのだが、それを払ってくれるのもまたビアンカである。

 

 彼女の傍にいれば例え黒い靄が襲って来ても、触れれば霧散するのだ、知らずの内にビアンカが払ってくれるだろう。

 そして、その間に残渣も量を減らしていき最終的に消えゆくはず。

 

 ……アリアはアベルとビアンカの邪魔をするのは忍びなかったが、再び呪われる事態を避けるのにいい機会だと考え方を改めることにした。

 

 

「よっと……、ついに来たわね……」

 

 

 ビアンカは独りでさっと華麗に乗り口を飛び越え、船を降りて行く。

 

 

「アリア、大丈夫かい? ほら、掴まって」

 

「あっ、ありがとう……」

 

 

 ――アベル、こんな風に優しくしてくれたらビアンカちゃんにバレちゃわないかな……。

 

 

 船の乗り口でアベルがアリアに手を貸してくれるが、アリアはビアンカの様子が気になって仕方なかった。

 

 

 ……アベルの手を借り、アリアは船から降りる。

 そして、ビアンカの元へ二人で向かった。

 

 後ろにはピエールとプックルが続いている。

 

 

「お待たせ、ビアンカ」

 

 

 ――一瞬でもアリアと手が繋げてよかったー……!

 

 

 今日もアリアは小さくて可愛い……!

 

 

 アベルはアリアを船から降ろし、僅かに触れた彼女の感触に心を弾ませた。

 

 ビアンカの手前、堂々とアリアとイチャつくことはできないが、触れ合える機会は絶対逃したくない。

 

 

 ……二人の関係をはっきりと口にすることはできないが、それとなくビアンカに察してもらえないだろうか……。

 

 

 アベルは滝の洞窟に入る直前、わざとビアンカの前でアリアに近付き、タオルのやり取りを見せていたのだ、が。

 

 

「ふふっ、見てたわよ~。アリアは乗り口を飛び越えられないのね」

 

「あっ、あはは……うん。私、どんくさくて……」

 

 

 自分の元にやって来たアベル達に、ビアンカが特になにかを感づいている様子は無い。

 アリアがビアンカに申し訳なさそうに眉を下げて耳に後れ毛を掛けていた。

 

 

 ……アベルは“あれ……?”と思いながらも様子を見守る。

 

 

「ウフッ。言ってくれれば私が助けたのに! アリアったら水くさいわね。帰りは私がお手伝いするわっ」

 

「あ、ありがとう……」

 

「えぇ……(それは僕の役目なのに……!)」

 

 

 ビアンカに優しく微笑み掛けられ、アリアが照れたように頷くとアベルは眉を寄せた。

 

 

 ――ビアンカ……気付いてないのかな……。

 

 

 結構わざとらしくアリアに迫ったつもりなのだが……と、アリアに微笑み掛けているビアンカをそっと盗み見る。

 

 

 そんなビアンカが洞窟内部を見回し口を開いた。

 

 

「なんだか すごいところね! 水門の先にこんな洞窟があったなんて……。なんだか どきどきしちゃうわ。小さい頃三人でお化け退治に行ったのを思い出すわね」

 

「…………そうだね」

 

 

 ビアンカの言葉にアベルが同意するが、彼女(ビアンカ)はアリアの腕に抱きつく。

 

 

「ね~っ、アリア~?」

 

「へ? あっ、う、うん!」

 

 

 ――ビアンカちゃん……? どうして、私に同意を求めるの……?

 

 

 肩にこてん。ビアンカの頭がのせられるとアリアは戸惑う様に微苦笑した。

 

 

「…………っ」

 

 

 アベルの顔は複雑に歪んでしまう。

 

 

「……主殿。この先の通路は馬車で抜けられそうにありません。あまりぞろぞろと連れ立って行くのもどうかと」

 

「……そうだね、じゃあ指輪を探しに行く仲間と、船に残る仲間を分けようか」

 

 

 これから向かう先、前方を見ていたピエールが、洞窟の先の通路が狭く馬車が通れないことに気付く。

 アベルは知っていたからか、すぐに洞窟内を探索する仲間を選別することにした。

 

 とはいえ、三人は決まっているので、残るは仲魔の内誰か一人である。

 ……まあ、それもほぼほぼ決まっているわけだ。

 

 

「私は行くわよっ。ここまで来たんだもの、冒険しなくっちゃ!」

 

「ハハッ、そうだね。じゃあ僕とビアンカとアリアとピ――」

 

 

 アベルがふと、ビアンカと自分の隣にいたはずのアリアに目を向けたが、そこに彼女(アリア)の姿はなかった。

 

 アベルは“あれ? アリアは?”と、目をぱちぱち、大きく瞬かせる。

 

 

 

 

「わぁああああっ!? プックルなにするのぉっ!?」

 

 

 

 

 最後に“ピエール”と云おうとしたタイミングで前方から急にアリアの悲鳴が聞こえた。

 アベルはすぐに前方へ目を転じる。

 

 なんと……!

 

 アリアがプックルに洞窟奥へ引き摺られて行くではないか。

 

 プックルは器用にアリアのマントのフードを口に咥えズルズル。

 ……アリアは首が絞まらないよう、なんとか首元を押さえている。

 

 ジタバタと足をばたつかせ抵抗しているようだが、非力な彼女がプックルの力に敵うはずもない。

 

 

「っ、アリアっ!? プックル! なに勝手に先に……!!」

 

「アベル! 急いで追いかけましょう!」

 

 

 ビアンカはそう云ってプックルの後を追って行った。

 

 

「っ、ああ! ピエールごめん! 馬車と船を頼んだ! 合流出来そうなら後で来てくれ……!」

 

 

 アベルもビアンカに続き、駆け出す。

 

 

「は、はい……!(プックル殿……!?)」

 

 

 ――アリア嬢……どうかご無事で……! 私も後で追いつきます……!

 

 

 ピエールは本当は一緒について行きたかったが、馬車と船を任された手前、先ずはそちらを優先させねばならない。

 

 突然のプックルの行動に困惑しながらも、ピエール、彼は一旦その場に残ることにした(後でパトリシアの食事の準備やスラりん達の様子を見てアベル達に合流できればするつもりである)。

 




指輪探しはアベル・ビアンカ・アリア・プックルと相成りました。
ピエールは合流するのでしょうか……。

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読了お疲れ様でした、そして読んでいただきありがとうございました!
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