ドラゴンクエストⅤ -転生の花嫁-   作:はすみく

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いつもありがとうございます、はすみくです。

……事後?

では、本編どぞー。



第五百六十八話 ……の後で

 

 

 

 

 

 ……アベルとアリアの唇を鳴らす熱の入った長い演奏が終わると、二人はぐったりした様子で乾いたアベルのマントの上で横になっていた。

 

 

「はぁ……アベルぅ……」

 

「はぁ、はぁ……、ん……?」

 

 

 向かい合うようにして、アリアが胸元に抱えるアベルの頭上に語り掛けると、アベルが顔を上げる(ぱふぱふしながら休憩してたらしい)。

 

 

「最後までしなくてよかったの……?」

 

「ぅ……、し、したかったけど……僕まだ十七だし……」

 

 

 アリアに訊かれてアベルは口籠もる。

 

 

 ――僕にも準備ってものがあるし……。

 

 

 ……アベルには色々と気になることがあるらしい。

 アリアを守るためなのだが、彼女は多分気付いていない。

 

 

「……ふふっ……、私との約束憶えてくれてたんだね」

 

「そうだよ? だからお触りしかしてないでしょ?」

 

 

 “君との約束を忘れるわけないじゃないか……!”と、アベルは彼女の胸元から移動し、アリアに腕枕をしてやる。

 

 

 

 

 ……色々あったが、この二人……まだ(・・)らしい。

 

 

 

 

 アリアは物欲しそうな顔をしていたが、アベルは最後の最後でなんとか欲求を抑えて、己に打ち勝ったのだ。

 

 

「そのお触りがエスカレートしてて参ってるんだけどな……」

 

「そう? けど、慣らしておかないと……(多分無理だと思うんだよね……)」

 

 

 ――アリア小さいからなぁ……。

 

 

 こんな場所で初めてというのもなんだし……。

 

 

 ……アベルは「ハハハ……」と笑っておいた。

 

 

「え?」

 

「あっ、いやっ、なんでもない。結婚してからでいいかなって……!」

 

「…………、そっかぁ……」

 

 

 アリアからは落胆の声。

 ……かなり残念そうだ。

 

 

「アリア残念だったね? ごめんね、もう少しだけお預けだよ。待っててね」

 

「うん、おあず……っっ!? ンもうっ! アベルのえっち!! なにが残念なのっ!? 残念じゃないもん」

 

 

 彼女のこめかみに軽くキスをし、アベルが破顔するとアリアは始めは残念そうにしながらもハッとしてアベルの胸を叩く。

 むず痒いような小さな衝撃にアベルの心は幸福で満たされていた。

 

 

「ハハッ、そうかい? アリアの顔、すごく残念そうに見えたよ?」

 

「っ、違うったらっ!!」

 

「ハハハ……、アリア。愛してるよ」

 

「アベル…………ん、私も……」

 

 

 赤い顔のまま抗議するアリアだったが、アベルが優しく告げた途端 大人しくなってしまう。

 

 それから二人は微笑み合い、アベルはアリア抱きしめそのまま眠りに就いた。

 

 

 

 

 ……長い夜はそうして更けていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして夜が明けた……――!

 

 

「っ……、なに……? アリアどうかしたのかい……?」

 

「ん? ううん……? べ、別に……?」

 

 

 アベルは半身を起こし、乾いた服を手に首を傾げながら、少し離れた場所で警戒するようにこちらを見るアリアに目を向ける。

 

 

 

 

 ……今朝目が覚めたら、二人は寒さにいつの間にか互いに脚を絡めて密着していたらしい。

 一応、掛布団代わりに保温性の高いアリアのマントを掛けて眠っていたのだが、それでもやっぱり寒かった。

 

 アベルが温かいからか、アリアは眠っている間に自らアベルにくっついていったようだ。

 

 だが、目覚めた彼女はアベルから距離を取り、乾いた服を着て三角座り。

 アベルを警戒するように窺っていた。

 

 

 ……アリアの顔は昨夜と同じく真っ赤である。

 

 

「……っ、き、昨日は……その……」

 

 

 アベルが服を着替える様子をこそこそと見つめながらアリアはボソッと零す。

 

 

「……気持ちよかった? 痛くなかった?」

 

 

 アリアの視線をひしひしと感じつつ、アベルは着替えを続ける。

 

 

 ――アリアって……僕の身体そんなに好きなのかな……、すごい見られてるんだけど……。

 

 

 イイ……、ああ、もっと僕を見て……♡

 

 

 ……朝の定期、生理現象は治まったが、アリアの視線はアベルの胸を高鳴らせる。

 

 最近めっきり見ていないが、妖艶なブラックアリアの目線で(はずかし)められたらと思うとそれだけで興奮してしまいそうだ。

 

 

 なにせ、お預け期間が長い。

 妄想力だけは誰にも負けない自信がアベルにはあった。

 

 

 ……が、今は朝だ。

 

 

 アベルは早朝リセットが掛かった新たな性的欲求を抑えつつ、昨夜の感想を爽やかな笑顔で訊ねていた。

 

 

「っ……!? い、痛くはなかった……けど……、でもアベルは……?」

 

 

 ――なんでそんな爽やかに笑うの……!?

 

 

 アベルの笑顔にアリアはつい乗せられ素直に答えてしまう。

 そしてついアベルにも訊ねてしまった。

 

 

 

 

 ……昨夜二人は一線を越えなかったとはいえ……それなりに……――。

 

 

 

 

「僕もよかったよ。またしようね♡」

 

「ぁぅ……」

 

 

 着替えを終えたアベルが傍にやってきて、アリアをそっと抱き上げ額に口付けを落とす。

 

 ……アリアはちょっぴり涙目だ。

 

 

「ここは寒いから、焚き火の前でパンでも食べようよ」

 

「アベル……」

 

 

 軽々と持ち上げられたアリアは焚き火の前に下ろされた。

 

 アベルは【ふくろ】からパンを取りだし彼女に渡すと、アベルも隣に腰を下ろしパンを齧る。

 

 ……ビアンカ達も今頃朝食を摂っている頃だろう。

 

 

「ビアンカ達と合流しないとね。それから水のリングを手に入れに行かないと」

 

「うん……」

 

 

 アベルの話にアリアもパンを咀嚼しながら目の前で揺らめく炎を見つめる。

 ビアンカのことでも考えているのか……、アリアの表情は曇っていた。

 

 

「アリア、水のリングが手に入ったら ちゃんと言おうね?」

 

「ぅ、ぅん……」

 

「ビアンカならきっと わかってくれるよ」

 

「……うん、そうだね」

 

 

 アベルが不安そうな顔でアリアの顔を覗き込むと、彼女は小さく頷く。

 覚悟を決めてくれたのだろう、最終的にははっきりした返事が返ってきて、アベルはほっと胸を撫で下ろした。

 

 

 ……二人はパンを食べ終え焚き火を消すと、フロア奥に見つけた宝箱(中身は味方一人の魔力を全快させる【エルフののみぐすり】)を回収してから階段を上り、巨大な地底湖のエリアへと戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……アベルとアリアが落ちた滝壺のある広い湖のエリアに戻って来た二人は、ビアンカ達が来るであろう通路を戻って行く。

 

 

「アリア体調は大丈夫かな?」

 

「ん? あ、うん。元気だよ?」

 

「そっか、よかった。ここかなり寒いから風邪ひかないようにね」

 

「うん、気遣ってくれてありがと。アベルも風邪ひかないようにね」

 

 

 二人は互いを労わる声を掛け合いながら歩みを進めていた。

 

 

「僕は大丈夫! アリアがいるといっつも熱くなるからね!」

 

「っ……もぉっ、すぐそういうこと言うぅ……」

 

「ハハハッ!」

 

 

 アベルが自信満々に自己の胸をドンと叩くと、アリアは頬を膨らましアベルの脇腹を突く。

 

 

 ……ツンツン。

 

 

 少しくすぐったいが こんなやり取りは久しぶりだ……。

 

 

 アベルの心は弾み、気付けば呵呵大笑していた。

 




事後って言うか……この二人まだなんだけどね……。
ピロートークを楽しんでしまいました。テヘ☆

何があったかはご想像にお任せします。

アリアの態度も少しずつ変化してたり……。

アベルの性癖が相変わらずちょっとアレですけど、雰囲気を楽しんで下さい……w

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読了お疲れ様でした、そして読んでいただきありがとうございました!
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