ドラゴンクエストⅤ -転生の花嫁-   作:はすみく

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いつもありがとうございます、はすみくです。

指輪の番人なんておらんやろ~……。
戦闘回その①

では、本編どぞ!



第五百七十一話 指輪の番人

 

「……水のリング……」

 

 

 ――これを取ったらサラボナに戻るのね……、そしてアベルは……。

 

 

 アリアはふざけるのはこれくらいにして……と、【水のリング】に手を伸ばす。

 

 

 

 

 ……その時だった――。

 

 

 

 

 ヒュゥウウ~~~~……となにかが落下してくるような音がアリアの頭上、真上から聞こえた。

 

 

「え、なに?」

 

 

 アリアは音のした頭上を見上げる。

 すると上からは……ピンク色の肉の塊が。

 

 “シャララ~!”“シャララ~!”という何か切羽詰まったようなの声と共に落下してくるではないか。

 

 

「っ!? アリアっ……!!」

 

 

 アベルは瞬間アリアに手を伸ばし、即座に彼女をその場から遠ざけ後ろに下がった。

 ……ビアンカもプックルと共にすでに下がっている。

 

 

 ドッスーーンッッ(バッシャーンッ)!!

 

 

 【水のリング】の前に立ちはだかるように、ピンク色の大きな塊が地上に着地すると、足元の清水が飛び跳ねアベル達を濡らす。

 

 

「っ、冷たっ!」

 

「っ……あいつは……!」

 

 

 ビアンカは咄嗟にマントで水を避けたが、アベルはアリアの壁となってばっちり濡れてしまった。

 

 水も滴るいい男……なんてアリアが恐る恐るアベルを窺うが、彼越しに見えた目の前の物体にアリア、彼女は青褪める。

 

 

 

 

「いやぁああああっ! 巨大にくだんごぉおおおおっ!!!!」

 

 

 

 

 アベル達の目の前にはこの洞窟で幾度となく戦った【ガスダンゴ】の巨大版……【ギガガスダンゴ】が いやらしい笑みを浮かべていた。

 

 【ギガガスダンゴ】の小さな両手には【ベホマスライム】の触手がそれぞれ握られている。

 奴が落下する際真っ逆さまに落ちない様【ベホマスライム】の空中浮遊力を利用したらしい。

 

 だが、【ギガガスダンゴ】は巨体……。

 

 ゆえに、【ベホマスライム】の空中浮遊力は殆ど期待出来ずじまいでほぼ重力に倣い落下したわけだ。

 

 【ギガガスダンゴ】に強く握られていたせいか、【ベホマスライム】の触手は潰れたように萎んでいた。

 

 ……これから戦うというのに、【ベホマスライム】二匹は既にぐったりしている。

 

 

「アリアっ、あれはガスダンゴ! 肉団子は食べ物でしょ! 今度作ってあげるねっ♡」

 

「うん! 肉団子は食べもの!」

 

 

 ビアンカのツッコミにアリアは深く頷く。

 ビアンカの作る料理はどれも美味い。

 

 アリアは唾をゴクリと一飲みした。

 

 

「っ……こんなことは初めてだ……! けどこれなら……」

 

 

 ――アリアと結婚ができる……!

 

 

 見るからに厄介そうな魔物であるが、未来が変化していることがわかり、アベルは冷や汗を垂らし、奴を睨み付けながらもその口角は上がっていた。

 

 

 

 

 ……突如現れた【水のリング】を守護する魔物【ギガガスダンゴ】……。

 

 【ギガガスダンゴ】の亜種がいたとしたら【メガガスダンゴ】、【テラガスダンゴ】とでもいうのだろうか。

 三匹を早口言葉にしたら舌を噛みそうだ。

 

 ……奴の体長は通常の【ガスダンゴ】の三匹分はあるだろうか。

 かなりの大きさである(ムッチムチだ)。

 

 そして通常の個体よりも目付きがかなり鋭い。

 ……さらには、奴はまだガスを噴出してもいないというのに、その身体からは酸っぱいような腐ったチーズのような異様な臭気が漂って――。

 

 

「クサイぃ~……(アベルの匂い嗅いでリセットしたい……!)」

 

「なんなのこのニオイ……、ホントくっさいわね……アイツ……。加齢臭でも出てるんじゃないの?」

 

 

 アリアとビアンカが眉を寄せながら鼻を抓んでいる。

 

 

 ……そう、【ギガガスダンゴ】は臭いのだ。

 

 

「ぅぅ…………はー……(リセットリセット♡)」

 

 

 ――アベルのニオイすき……♡ 落ち着く……♡

 

 

 アリアはビアンカにばれないよう、こっそりアベルのマント引き寄せクンカクンカ、匂いを嗅ぐ。

 ……彼女はアベルの匂いで鼻をリセットしたかったようだ。

 

 

「っ……アリア……(ニオイ嗅いでる……)」

 

 

 ――アリア僕のこと好き過ぎでしょ……!

 

 

 アリアの行動に悪い気はしないアベルは“可愛いやつめっ♡”と胸をときめかせながら武器を手にした。

 

 

 

 

 ……さあ、派手に登場した初めての魔物との戦いだ。

 

 

 

 

 もちろんアベルは負けるつもりはない。

 

 

「アリア! これまで出遭ったガスダンゴから推測するに、毒の息攻撃と体当たり以外、なんの攻撃をしてくるかわからない。防御力を上げておいて欲しい!」

 

「はい! スクルト!×2」

 

 

 アベルの指示の下、アリアはさっと【まふうじのつえ】を手に、【スクルト】を二回唱える。

 

 ……アベル達の身体を守護のオーラが包み、防御力がかなり上がった。

 

 

「プックル威嚇してみてくれ!」

 

「ガァウゥッ!!!!」

 

 

 アベルの指示でプックルが口を大きく開け、キバを光らせ【おたけび】を放つ。

 プックルの【おたけび】に【ギガガスダンゴ】の身体が震えあがった。

 

 ……【ギガガスダンゴ】……奴は震えて動けないようだ。

 

 

「よしっ、効いた! よかった、通常の個体と変わらないみたいだ! ビアンカ、僕にバイキルト頼める!? 一気に畳み掛ける!」

 

「オッケ~! いくわよ…………バイキルト!!」

 

 

 ビアンカも指示された通り、アベルに身体能力を一時的に向上、攻撃力を倍増させる呪文【バイキルト】を放つ。

 アベルの肉体は一時的に強化され、身体に力がみなぎる感じがした。

 

 

「よしっ、くらえっ!!」

 

 

 アベルの一太刀が、動きを封じられた【ギガガスダンゴ】の腹に食い込み創傷を負わせる。

 

 かなりの手応えを感じた。

 

 

 ……ところが、アベルの付けた傷があっという間に消えていく。

 

 

「……っ!? 傷が……!! くっ……!」

 

 

 確かな手応えを感じたはずが傷は塞がり、いつの間に【ギガガスダンゴ】は震えから立ち直ったのか、カウンターとばかりに身体を一瞬大きく膨らませる。

 

 アベルは体当たり攻撃が来るのかと咄嗟に【ギガガスダンゴ】から距離を取った。

 

 

 ……が。

 

 

 次の瞬間、【ギガガスダンゴ】は【どくのいき】を濃縮したような紫色の霧……【もうどくのきり】を吐き出していた。

 

 

「ぅっ!!」

 

 

 アベルはまともに吸い込んでしまい、猛毒に侵されてしまう。

 

 アベルのすぐ後ろにいたビアンカ、プックル、アリアも【ギガガスダンゴ】から吐き出された【もうどくのきり】を受け、同様だった。

 

 

「うぅ……」

 

「ヴニ゛ャ゛~」

 

「ぁぅ……」

 

 

 アベルが三人を窺うと、ビアンカ、プックル、アリアの身体が紫に変化している。

 

 これが通常の【どく】ではないことがアベルにはすぐわかった。

 

 

「くっ……(身体の中を攻撃されてるみたいだ……苦しい……!)」

 

 

 通常個体の【ガスダンゴ】が吐き出す【どくのいき】とは違う症状……。

 

 【もうどくのきり】を浴びせられた皮膚から身体の中に毒が浸潤し、体内で毒が暴れているのだろう、チクチクとも、ズクズクとも得も言われぬ痛みが身体を蝕んでいる。

 

 アベルの身体も紫色に変色し、己のマントの色と見分けがつかないほどだ。

 

 

 ……これは早く解毒しないとまずい。

 




ゲーム中だと番人なんていないんだけど、ボス欲しいな~と思って作ってしまいました(厳密には番人ではないんですけども)。へへっ。

ガスダンゴにしたのは理由があるのですが、その辺の説明はステータスと共に次々回の後書きにて。

オリジナルの敵キャラを作ったのは初めてですが、元々いるモンスターとビジュアルがほぼ一緒だからわかりやすいですかね?

メガガスダンゴ・ギガガスダンゴ・テラガスダンゴ……、つい10回言っちゃった人!

ちな、私言ってみましたが、10回も言えませんでした。

※戦闘回が次回、次々回と続きます。

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読了お疲れ様でした、そして読んでいただきありがとうございました!
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