ドラゴンクエストⅤ -転生の花嫁-   作:はすみく

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いつもありがとうございます、はすみくです。

アリアのイラストを描きたいのだけど、時間が取れないのでいつか描きたい。
画力が追い付かないけど可愛い子を希望します。

では、本編どうぞっ。



第五十八話 可愛い女の子に手なんてあげられない

 

「許さないからなぁっ!!」

 

 

 ザイルは再び斧を振り上げアベルを狙おうとするのだが、アベルは今、女の子二人の後ろに位置している為、仕方なくベラとアリアを見る。

 

 

 ……くっそぉ~! 二人共可愛い!

 

 特に何? あの翼の生えた天使!

 めちゃくちゃカワイイじゃないか!!

 

 もしかしてあれが天空人!?

 

 初めて見たっ!!

 

 

 ザイルはつい、アリアを凝視してしまう。

 その視線がつい、睨んだように見えてしまい……。

 

 

「っ、アリア、下がって!」

 

「っ、アベルっ、でも……っ!」

 

 

 アベルはアリアの前に立ちはだかったのだった。

 

 

「ざ、ザイル君っ、話を聞いてっ! ポワン様は……!」

 

 

 尚もアリアは説得を試みるのだが、「ふざけるなよっ! お前ばっかり!」とアベルにお怒りである。

 

 

「アリア、ダメよ! 怒りで我を忘れてるんだわ。鎮めなきゃ、春風のフルートが……!!」

 

「その台詞どっかで聞いたことあるよっ!」

 

 

 ベラの言葉にアリアは即座につっこんだ。

 

 

「アリア、戦おう。言って通じる相手じゃないよ」

 

「アリアっ、戦いましょ! 少し痛い目見せないと話が通じないわっ!」

 

「でもっ、ザイル君こんなに小さい子なのに……!」

 

 

 アベルとベラが呪文を構えるが、アリアは気が引けるのか、【ひのきのぼう】をぎゅっと握るだけ。

 けれどもザイルはアリアの言葉にカチンと来たらしく、いきり立ってアベルを横切り、アリアに襲い掛かった。

 

 

「っ、オレをバカにするなぁああああっ!!」

 

「っ!? きゃあああっ!!」

 

 

 ザイルの刹那の攻撃にアリアは身を屈め怯える。

 

 

「「アリアっ!」」

 

 

 アベルとベラがアリアの名を叫んでいた。

 

 

 が。

 

 

「……………………っ。(カワイイっ!)……やっぱこっち!! くらえぇぇっ!!」

 

 

 ザイルは目前に迫ったアリアを見て踵を返し、アベルに襲い掛かったのだった。

 

 

「ぇ、ええっ!? ぼ、僕ぅっ!? っ……!!」

 

 

 アベルは急に矛先を変えられたものの、何とかすれすれのところで避けるが、ダメージを受けてしまう。

 

 

「アベルっ! ホイミ!」

 

「ありがとうっ!」

 

 

 ベラがアベルに回復呪文を掛けると、傷が回復した。

 

 

「……っ……? あ、あれ……?」

 

 

 アリアは自分に向けられていた筈の攻撃が一向にやって来ないことに気が付き顔を上げる。

 

 

「アリア、戦うよ!」

 

「アリア! 呪文、ぶっ放しちゃって!」

 

「え? あっ、はい! ルカナン! それから、メラっ!」

 

 

 ベラに云われアリアはザイルの守備力を下げ、火の玉をザイルにぶつけた。

 【ルカナン】、複数の敵の守備力を下げる呪文だが、アリアはここに来るまでに使えることが分かり、使用したのだった(ビアンカやベラが使う所を見て覚えたのかどうかは定かではないが使えたらしい)。

 

 

「ぅっ、お前っ、一気に二回も呪文を……! くそっ、マホトラっ……!」

 

「あっ……!」

 

 

 ザイルはあちち、と【メラ】の火を叩いて消すと、アリアに向け魔力吸収呪文を唱える。

 アリアの魔力を奪ったのだった。

 

 

 へへっ、どんなもんだいっ!

 

 

 と、ザイルは嬉しそうに斧をぶん回し、小躍りしている。

 

 

「ぁっ、魔力が……!」

 

 

 アリアは身体から魔力が抜けた気がして、【メラ】を構えてみるが魔力不足で発動出来そうもなかった。

 

 

「もうっ、だから温存しておきなさいって言ったのに~……」

 

「っ、ごめ~んっ!」

 

「アリアは下がって! 今度は僕が……!!」

 

 

 ベラとアベルはアリアを後ろに下がらせ、ザイルに攻撃を仕掛ける。

 

 ザイルは二人に畳み掛けられ、途中自ら【ホイミ】で回復をするのだが、先程のアリアの【ルカナン】が効いているのかダメージの量が多く、回復が間に合わなくなり徐々に体力が削られていった。

 

 途中からアリアも【ひのきのぼう】で殴りつけて来るので、

 

 

「っ、痛っ、…………っ、痛いって……! 胸が痛いぃ~……(初対面なのに殴られるなんて……!!)」

 

 

 ザイルは涙目でアリアを見つめ、無抵抗で殴られていた。

 

 

 こ、こんな可愛い子に殴られるなんて……!!

 

 

 アリアからの攻撃ダメージは大したことはなかったが(-1ずつ)、ザイルは精神的ショックで、打ちひしがれる。

 その隙にベラは【かしのつえ】で、アベルも【ブーメラン】を振り上げ殴りつけて来るのだった。

 プックルに至っては足首を齧って来る。

 

 

 痛いっ、痛いっ、痛いいぃぃぃっ!!

 

 

 ザイルは苦痛に顔を歪ませた。

 

 

 

 

 

 そうして……。

 

 

 

 

 

 

「くそー! お前はなかなか強いな……」

 

 

 ザイルはタコ殴りされ体力も尽き、やっと冷静になれたのか「はぁはぁ」と息苦しそうにアベルを睨みつけ、これをくれてやるから、勘弁しろ! と、【まほうのせいすい】をアベルに投げつけたのだった。

 

 アベルもザイルと同様に「はぁはぁ」と肩で息をし、【まほうのせいすい】を受け取る。

 

 

「はぁ、はぁ……。ザイル……、ポワン様じゃないんだ」

 

「はぁ、はぁ……、え……?」

 

「はぁ……、村から君のおじいさんを追い出したのはポワン様じゃない」

 

 

 アベルはここに来て漸く説得を試みる。

 

 

「はぁ……、そうよ。ポワン様はとってもお優しい方なんだから……!」

 

「はぁ、はぁ……。私みたいな得体の知れない奴も村に住んでいいって言ってくれたのよ?」

 

 

 ベラとアリアも続いた。

 

 

「え? じいちゃんを村から追い出したのはポワン様じゃないって? けど雪の女王様が……」

 

「雪の女王様……?」

 

 

 ひょっとして、あの、あれ……!?

 世界的に有名なネズミの国の……!?

 

 

『ハハッ!』

 

 

 アリアの脳裏に甲高い声、黒く大きな丸い耳のネズミの王様、その姿が浮かぶ。

 その王様がいる世界には、雪山の氷の城で青いドレス姿で歌いながら氷の魔法を放つ、雪の女王がいる。

 

 

 もしかして、ソレ!?

 

 

 まっさか~、と思いながらアリアは辺りを見回す。

 

 

 すると、

 

 

「ククククク……。とんだ邪魔が入ったこと……。やはり子供をたぶらかしてという私の考えは甘かったようですね」

 

 

 突如三人の目の前に、雪が舞い旋風を描いたかと思うと、その中心に美しい雪の女王が姿を現したのだった。

 




ザイルはアリアに殴られ精神的ショックが大きいようです……。
初対面の女の子に(しかもちょっといいなと思った子)に殴られるとかショックでか過ぎる……。

この世界コブシで解り合うとこあるからなぁ……。
仲間モンスターなんて典型ですよねw

今更アリアのイメージですが、護ってあげたくなるような可愛い女の子です。
天使なもんで特別感満載。
そして計算高くはないが少々あざといwww
子供時代の髪型はⅥのターニアに近いです(髪色は違うが)。
大人になると全然違うけど。

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評価いただけるとモチベ上がりますので、良かったら下さいっ。
感想など頂けたらめっちゃ嬉しいです。

読んでいただきありがとうございましたっ!

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