真夜中の混浴まで仮眠を取るよ!
※えち、注意!
では、本編どぞ~。
◇
営業を開始した酒場で空腹も満たされ、軽く酒を嗜み、二人はほろ酔い気分で部屋に戻ると、プックルに二台のベッドの内一台を占拠されたままだったため、アベルが誘ったらアリアは黙って頷き、二人でもう一台のベッドに横になる。
「……アリア……、温かい」
「ぁ……ん……イヤぁ……、くすぐったぃ……」
夜中まで仮眠を……と思ったが、アベルは隣の彼女に触れずにはいられなかった。
アベルの手がアリアの背筋をなぞり、ぞくぞくとする甘痒い感触に彼女は震え、肌は泡立つ。
……酒が入っているからか、お互い顔がほんのり赤い。
ある程度、服の上からあちこち触った後で次は――、と。
アベルは向かい合うアリアの白いチューブトップの中央に、人差し指を引っ掛けゆっくりと胸元までずり下ろした。
白いトップスがずり下がると、淡い水色の布地に挟まれた白いスライムが二匹、重なるようにその姿を現す。
「……最後まではしないよ……?」
「んもぉ、いじわる……、してもい……ぁぁっ♡」
アベルの指が淡い水色の布地の中へと侵入し、指先を彼女好みの場所で優しく動かすとアリアは甘い声を上げた。
彼女の眉は顰められ、けれど嫌がっている様子は無い。
……アリアの言葉は“してもいいのに……”と続いたのだが、アベルの手業により最後まで聞き取れなかった。
アベルは小さく喘ぐ彼女の反応を楽しみながら、たっぷりと白い肌に触れていくが、その内に酒が入ったアリアは眠くなったのか、瞳に涙を湛えたまま眠ってしまった。
ふと、アリアの左手に目が留まり、アベルの目元が優しく弧を描く。
眠る彼女の左手薬指には、アベルのあげた
アベルは先ほど酒場で食事中に、アリアが右手にしていた【いのりのゆびわ】を左手に付け替えてやっていたのだ。
……少しばかり
「……フフ、今日も可愛かったよ、おやすみアリア♡」
――僕らは結婚を約束した者同士……♡♡
アリアの寝落ちは少々残念であるが、これ以上彼女に触れていたら、いくら忍耐強い自分でも我慢できそうにない。
……悶々としたものの、アベルは彼女の泣き寝入りした頬にそっと口付けて、興奮冷めやらないまま目を閉じた――。
◇
…………。
…………。
……目を閉じたアベルだったが、アリアの身動ぎで夢うつつ――。
頭がぼんやりしたまま、身体を起こした。
どうやらあれからすぐ眠りに就いていたようだ……。
「あ……あれ? アリア……?」
……眠りに落ちてから、まだそんなに長い時間は経っていない気がする。
アベルが身体を起こすと、隣で眠っていたはずの彼女の姿がない。
なんとはなしに窓へと目を転じると、アリアが外の景色を眺めているではないか。
窓の外は真夜中のはずなのに なぜだか昼間のような――、夜中らしからぬ明るさだ。
……が、外では雨が降っており、夜の闇とまではいかないが薄暗くはあった。屋根には雨が降りつけ、雨音が部屋に響いている。
ザァザァ……ザァザァ……――。
(雨……? いつの間に……珍しいな……、まあでも、前にも降られたしそんなこともあるか……。)
遠くでゴロゴロゴロと、雷の音も微かに聞こえる。
……そこそこの雨量だ。
そういえばアリアと気持ちが通じ合った日も、こんな風に雨が降っていたっけ――と、ぼんやりする頭で一年前の出来事を思い出していた。
……眠っている間に降り始めたのだろうか。
最近は雨など滅多に降られることはなかったのに、不思議なこともあるものだとアベルは未だぼーっとする頭で何となく考える。
なぜだか さっきから頭がぼんやりしたままで、はっきりしない。
どうにも妙な感じがするが、アリアがすぐそこに居たことに安堵し、アベルは彼女の傍へ行くことにした。
「アリア……温泉に……、え?」
アベルがアリアの後ろに立つと、背を向けていた彼女はアベルに振り返る。
こんな雨の中、温泉なんてとんでもないのだが、アベルの頭はぼんやりしたままだ。
考えなしに約束をそのまま口にしようとしたが途中で止め……、アベルはアリアを二度見した。
……彼女はマントを羽織ってはいたが、中には何も身に付けていなかったのだ――。
「な、な……!?」
――僕、さっき全部脱がせてないよね……!?
それにちゃんと元に戻したはず……!
ぼんやりしていた頭が急に冴え渡り、アベルは目を見開くが、アリアは黙って羽織っていたマントの留め金を外し、それすらも足元に落としてしまう。
ザァザァ……ザァザァ……――。
……雨の音がうるさくて、マントの落ちた音は聞こえなかった。
「…………」
マントが床に落ちると、アリアは生まれ落ちた時の姿で無言のまま、目の前に立つ男を見上げ、アベルの胸に白く細い指先をやんわりと添わせた。
「……したいの」
「っ……!?!? し、したいって……」
――あ、アレを……ってことですか……!?
刹那、ゴクリ。
アベルは生唾を飲み込む。
……さっき、いっぱい触っちゃったから我慢できなくなった……とか?
アベルの思考を余所に、アリアの指先はアベルの逞しい大胸筋の上を探っていく。
いったいなにを探しているのだろうか。
むず痒い感触にアベルは眉をぴくり。眉間に皺を寄せ、アリアの指がなにを探しているのか、鼓動をドキドキと逸らせながら見守る。
アベルの大胸筋を
……アリアは急所を探り当てると、小さく円を描くようにそれを優しくなぞる。
「あっ♡ っ……」
――そんなとこ、触ってくれたことないのに……♡
初めての感触にアベルの肩がビクリと揺れた。
思わず口から高めの情けない声が漏れ出てしまい、アリアがいつも甘い声を上げる理由を瞬時に理解したアベルは、恥ずかしさに顔を真っ赤に染める。
アリアはアベルを見上げて“くすり”。妖艶に微笑むとアベルの返事を待たず、また窓の外へと目を転じて降りしきる雨の様子を見始めてしまった。
“……したいの”
冗談かと思ったが一糸纏わぬ姿でそれはないだろう。
恐らくアリアは本気だ。
アベルの返事を待っているのだろうか……。
だがなぜだろう……。アベルは窓の外を見る彼女の横顔が、なんとなく思い詰めているような気がした。
……夕方に見た儚げな横顔を思い出し、アベルは腹を括る。
(……君が望むなら、そうしようじゃないか。)
アリアが真に望むのなら、アベルに断る理由はなにもない。
望まれれば致しましょう……!
むしろこの時を待っていたのだ。
思ったよりも早くこの時が来たな……!
――だけど、一回だけじゃ済まさないよ……? いいの……?
……と。念のため確認は取っておこうとアベルは思う。
これまで我慢に我慢を重ねたのだ、走り出したら恐らくしばらく止まれない――。
「いいの……?」
「うん……、最後だから」
互いの顔が映り込む窓越しに、アベルはアリアを背後から抱きしめ訊ねた。
……なにがどうしてこうなったのか……。
仮眠から目覚めたらアリアからのお誘い……。
どういう状況なのかは知らないが、先ほど酒も少し飲んでしまったし、アリアがエッチな気分にでもなってしまったのだろう。
酒が入ると解放的な面を見せてくれる彼女も、アベルは大好きなのだ。
「最後って……あぁ……恋人同士としてはってこと……?」
「…………うん。抱いて……?」
「アリア……」
アベルの問い掛けにアリアがはっきりと口にする。
据え膳食わぬは男の恥……、最後の一線は結婚まで待つと決めていたアベルだったが、愛しい彼女に二度も請われて断ることなどできようものか。
アベルは仰せのままにアリアを抱くことにした。
……彼女をベッドに
アリアの熱と、甘い声と涙……。
自分の腕の中で彼女の背中は何度も仰け反り、小さく
彼女とようやく一つに――。
繋いだ手を放すことなく、アベルは夢中でアリアと身体を重ね合わせる。
一頻り交わった後で、アリアが虚ろな瞳で告げた。
『はぁ…………抱いてくれてありがとう……――カ』
“……リュカ”
リュカ……www
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読了お疲れ様でした、そして読んでいただきありがとうございました!