ドラゴンクエストⅤ -転生の花嫁-   作:はすみく

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ども、はすみくです。

だいごわです。
サンタローズの村を歩いてみたいな~。


ってなわけで、


では、本編どうぞっ!


第五話 散策

 

「さてと……、どうしよう……(あの子、大丈夫かなぁ……。父さんもどっか行っちゃったし……)」

 

 

 アベルは家を体よく追い出され、閉じられた玄関扉を見上げる。

 地下室に居る少女が気になるものの、父パパスのことも気になる。

 

 どうせ今は地下室に入れないし……、それならと――。

 

 

「父さんを捜しながら村を散策してみよっかな……」

 

 

 アベルは村の中を散策することにした。

 

 

 ……まずは村の南側へと足を運ぶ。

 

 武器屋のおじさんに話を聞いてみたり、宿屋でビアンカとも再会。

 ビアンカの父親の薬を取りに来たが、道具屋のおじさんが戻らないことを知る。

 宿屋を出ると、民家のおばさんが話し掛けて来るので、適当に挨拶して笑顔で別れた。

 

 民家の奥で畑を世話しているおじさんが居て、「寒くて作物が育たないよ」とか何とか話を聞く。

 

 高台から階段を下りると村の入口で、村を出て行くつもりはないけれど、行ってみたら門番の男性に「村の外は危険だ。坊やいい子だからお家に戻りなさい」と云われ来た道を戻った。

 

 

「……父さん居なかったな……どこに行ったんだろう……?」

 

 

 ――西に行ったのかな……? だとしたら、ここからだと家のある方面に一度戻らないと……。

 

 

 アベルは来た道を戻って、自宅の前へと通り掛かる。

 

 

「……入れるかな……?(お掃除終わったかな?)」

 

 

 コンコン、と家の扉をノックしてみる。

 けれどもサンチョは地下室を掃除しているのだろうか……、返事はなかった。

 

 

「……開かないや……」

 

 

 アベルがドアノブに手を掛け開けようとするが、鍵が閉められているらしく、開かなかった。

 

 

「……もう少し散策して来ようかな……」

 

 

 仕方なく家に入るのは諦め、北西に見える教会へと立ち寄る。

 ……教会は誰でも入れるようになっているのか、楽に扉が開いた。

 

 中に入ると、人の良さそうな神父のおじさんと、さっきパパスとアベルを歓迎してくれた、若いシスター(二十五歳くらいかな?)が居る。

 神父は祭壇の前で忙しそうにしているが、軽く会釈してくれたのでアベルも黙って頭を下げると、教会内を掃除しているシスターに話し掛けてみることにした。

 

 

「お姉さん、こんにちは」

 

「あら、こんにちは。遊びに来たの? 坊やのお母さんは、坊やが小さい頃お亡くなりになったそうね。でも負けちゃダメよ。あんなに強くてたくましいお父様がいるんだもん」

 

 

 アベルが話し掛けると、シスターは慈愛に満ちた微笑みを向ける。

 

 

「ふふっ、あなたのお父様、素敵よね。私、神に身を捧げていなければあなたのお母さんになっていたかもしれないわ」

 

「……え?」

 

「…………っ! きゃっ、私ったら何てことをっっ!」

 

 

 シスターは自分の言葉にはっとして、頬を覆ってしまう。

 そして、「きゃ~っ!」と黄色い声を上げた。

 ……耳まで赤い。

 

 

「……えと……」

 

「っ、ごめんねっ、お姉さんパパスさんのファンなのっ! パパスさんが帰って来てちょっと興奮してしまって……! じゃ、じゃあお姉さん掃除に戻るわねっ!!」

 

 

 戸惑いの目でアベルがシスターを見上げると、彼女は顔を真っ赤にして背を向け掃除を始めてしまった。

 

 

「ふ、ファン……、そう、なんだ……」

 

 

 ――お姉さんが僕のお母さんに……?

 

 

(お姉さん綺麗だから、僕いいよ!)

 

 

 と、シスターはそこそこに美しく、母親になってくれてもアベル的には一向に構わないと思ったのだが……、パパスにその気があるかはわからないので云わずにおいた。

 

 

「二人とも忙しそうなので、僕帰ります」

 

「ご、ごめんねっ!」

 

 

 ……アベルは教会を後にした。

 

 

「あっ、父さんだ!」

 

 

 教会は高台にあったので、そこを出てふと、西側に目をやると山の洞窟から川が流れているのが見える。

 なんとはなしに見ていると、丁度父パパスが桟橋から小舟に乗り込んで洞窟へ向かうではないか。

 

 

「……どこに行くんだろう……?」

 

 

 アベルはパパスを追いかけるべく教会前の階段を下り、川伝いにパパスが向かった方へと歩くが、そこには一軒の家が行く手を阻むように建っていた。

 

 その家の扉の前には老人が立ちん坊で日向ぼっこをしている。

 

 

「こんにちはおじいさん、僕の父さんがさっきここを通らなかった?」

 

「坊やはいい子じゃな? だったらお父さんのご用の邪魔はせんようにな」

 

 

 アベルの質問に老人は笑顔で頭を撫でてくる。

 

 

「邪魔なんてしないよ?」

 

「そうか、いい子じゃ、いい子じゃ」

 

 

 通してもらおうと思ったが、老人はアベルの頭を撫で「いい子じゃ、いい子じゃ」と繰り返してばかりで通してくれそうにない。

 

 

「……むぅ。僕、もう行くね」

 

 

 何を言っても無理そうだと判断し、アベルは不満気に頬を膨らまして老人宅を離れた。

 老人に通してもらった所で、あのまま桟橋に行っても舟は今ない。

 どの道パパスの帰りを待つことしか出来ないわけだから、それで良かったのかもしれない。

 

 

「……あれ? あそこは……?」

 

 

 アベルは再び階段を上がっていく。

 すると、北の山肌に扉があるのを見つけた。

 

 

(ひょっとして、道具屋かな?)

 

 

 そういえばビアンカ達から聞いた道具屋を、まだ見ていなかったなと思い出し、アベルは歩いて行くと扉を開く。

 ……内部は山をくり貫いて作ったような空間が広がっていた。

 

 

(……道具屋……だよ、ね……? すごいなぁ、これ掘ったんだ……)

 

 

 アベルは屋内のもの珍しさに、土壁や土天井を見上げつつ、その視線を部屋の奥へと移す。

 そこには若いお兄さんが、部屋の中を思い詰めた顔で行ったり来たりしていた。

 

 

「……あのー……」

 

 

 アベルはお兄さんに話し掛ける。

 

 

「困った困った。親方が薬を取りに行ったまま戻らないんだ。多分、この村の洞窟に入って行ったと思うけど、どうしたんだろうなあ……」

 

「捜しに行かないの?」

 

「僕はほらっ、留守を預かる身だからここを離れるわけにはいかないよっ。道具屋に用がある人に事情を話さないといけないだろう?」

 

「ふーん……」

 

 

 お兄さんはアベルに話した後、再び部屋の中を行ったり来たりし始める。

 

 

 そんなに心配なら捜しに行けばいいのに……、などとアベルは思ったが行けないならしょうがないか、と道具屋を後にした。

 

 

(なるほど、やっぱりここが道具屋だったかぁ)

 

 

 ……ビアンカのお父さんのお薬が、早く届きますように。

 

 

 アベルは道具屋の前でそう願って、再び村の散策を始めるのだった。

 




サンタローズのシスターってパパス好きだよね……。

パパス、三十五歳くらい?
それとも、三十?(個人的に三十二歳を推したい)

どちらにしても脂が乗って一番モテる時期なのでは。

雄々しい身体に誠実な人柄、女子供に優しい。
そりゃーモテますわ。
しかも王様で金持ちとか知ったら女が放っておかんやろね。

女目線で言うと、奥さん一番ってとこがまたイイんだな。

シスター見る目あるよねっ!

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読了お疲れ様でした、そしてお読みいただきありがとうございました!


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