ドラゴンクエストⅤ -転生の花嫁-   作:はすみく

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いつもありがとうございます、はすみくです。

雪の女王戦です。

では、本編どうぞっ。



第五十九話 雪の女王

「っあ、キレー……」

 

「今度は私が相手です。さあ、いらっしゃい!」

 

 

 アリアが「綺麗な人だな~」と云おうとした途端、なんと雪の女王は魔物に姿を変えたのだった。

 

 

「イじゃなかったぁあああ!! 目が怖いぃ~!」

 

 

 これはどう見ても敵っ!

 

 

 アリアはすかさずアベルの後ろに隠れる。

 

 

「っと……。雪の女王の瞳ってアリアと同じ色だねっ!」

 

「私あんなに怖い目してるぅ!?」

 

 

 アベルは悠長に背後のアリアに笑い掛けた。

 

 

「全然っ! アリア、はいっ」

 

「えっ、あっ何……?」

 

 

 バシャッ。

 

 

 突然アベルに液体を掛けられる。

 何かと思ったら、アベルの手には【まほうのせいすい】が握られていた。

 すると、アリアは魔力が漲るのを感じる。

 

 

「あ……それ、まほうのせいすい……?」

 

 

 【まほうのせいすい】は魔力を回復してくれるアイテムである。全快とは行かないが、

 

 

「そっ! アリア、雪の女王に火炎系の攻撃を頼むね!」

 

 

 アベルはそれだけ言うと、雪の女王に【ブーメラン】を投げ付けたのだった。

 

 

「頼んだわよ、ルカナンッ!」

 

「っ、うん、任せて! ……メラ! それからも一つメラっ!」

 

 

 ベラが守備力を下げ、アリアは【メラ】を二回放つ。

 小さな火の玉は雪の女王に確実にダメージを与えた。

 

 雪の女王は火の玉の攻撃に不快な顔を露わにして【ヒャド】や【こおりつく息】を放って来たり、手にした冷たい冷気の塊をぶつけて来たりする。

 

 

 

 

 

「っ、スカラっ!」

 

 

 ダメージは確実に入っているはずなのだが、暫く戦っても雪の女王が倒れる気配はなく、アベルは長期戦になるような気がして、守備力を上げる呪文を唱えた。

 

 

「ベラっ、アリアっ、今君達にも呪文を……!」

 

 

 ベラが雪の女王にギラを放つ間に、アベルは次の【スカラ】を唱える準備をしていたのだが、

 

 

「っ、アベル、私もやってみるねっ!」

 

「え……?」

 

「……ベラちゃん、スカラ! それと、プックルにもスカラ!」

 

 

 アリアはベラとプックルに向け、【スカラ】を放ったのだった。

 

 

「おっ! ありがっと~! アリアっ!」

 

 

 っ!!? ……痛ったぁ~!

 

 

 アリアの【スカラ】が届いた後で、ベラが雪の女王からの攻撃をくらうが、ダメージは最小で済む。

 プックルも「ガウガウッ!」と雪の女王に攻撃を仕掛けていった。

 

 

「っ……!? アリアって……何でも使えちゃうの……!!?」

 

「…………ふふっ、わかんないけどっ、見たら覚えれる(?) みたいだねっ!」

 

 

 チート級じゃないっ!!?

 

 

 得意げにアリアはアベルに答える。

 

 

 だが。

 

 

「っ、けど、ごめん。あとメラ二回分くらいしか魔力がなさそう!」

 

 

 アリアの魔力は再び尽き欠けていた。

 

 

「私も! ギラッ!」

 

 

 ベラも同様に魔力切れが近いようだ。

 

 

「わかった! あとは僕とプックルで! プックル行くよ!」

 

「ガウッ!」

 

 

 アベルとプックルは雪の女王に攻撃を仕掛けて行った……。

 

 

 

 

 

 

 それから、間もなく。

 

 

「はぁっ、はぁっ……そろそろ、倒れて欲しいんだけど……っ。アリアっ、メラをお願いっ!」

 

「っ、わかった! メラッ! メラッ!」

 

 

 アベルに言われ、アリアはありったけの魔力を込めて【メラ】を放ったのだった。

 

 

 ボウンゥンンッ!

 

 

 火の玉が雪の女王に当たり、破裂する音が聞こえる。

 雪の女王はアリアからの火の玉で焼かれ、背後に倒れていった。

 

 

「やったかな……!?」

 

「はぁっ、はぁっ……ど、どう……?(もう魔力ゼロ! これ以上は無理だからねっ!)」

 

「はぁ、はぁ……もういい加減倒れて欲しいわね……」

 

 

 アベル達は長い戦いに疲れを見せていた。

 

 

 が。

 

 

「っ、そんな……!」

 

 

 アベルの目が見開かれる。

 

 

 雪の女王が苦悶の表情を浮かべ、倒れ掛けた身体を起こしたのだった。

 まだ戦うのかとアベル達に一瞬緊張が走るが、それ以上攻撃されることはなかった。

 

 

 くそ……、人間の子供め……!

 たかが子供と油断しておったわ……!

 

 

 そして、

 

 

 憎き妖精め、ギラなんぞ使いおって……。

 

 

 ……それに、

 

 

 キサマ、何者だ……!?

 天空人が何故この世界に……!

 

 お前さえいなければ……!

 

 

 雪の女王はアリアを睨み付ける。

 アリアの【メラ】を受けた身体は溶け始めていた。

 

 真っ白な蒸気が雪の女王の身体から噴き出したかと思うと、ピシピシピシッ、と全身の皮膚に(ひび)が入っていく。

 

 

「グググググ……! ああ、身体が熱い……ぐはあっ!」

 

 

 次第に、雪の女王の身体は氷が砕けるかのように粉々に散らばり、弾け飛んだ。

 最後には宝箱が残され、彼女は消える。

 

 

「……勝った……!」

 

「うん……」

 

「やったわね!」

 

 

 やったやった! と三人はハイタッチをすると、抱き合って長い戦いの勝利を喜び、分かち合う。

 残された宝箱には【キメラのつばさ】が入っていた。

 

 雪の女王が消えると共に、台座の宝箱を覆っていた氷も無くなる。

 

 

「なんだ、雪の女王様って悪い怪物だったんだっ! オレ騙されてたみたいだなあ……」

 

「だから言ったでしょ? ポワン様はお優しい方だって」

 

「うわーっ、まずい! じいちゃんに叱られるぞ! 帰らなくっちゃ!」

 

 

 ザイルは雪の女王の正体に漸く気が付いて、慌てて駆けていく。

 氷の上だからか、脚の動きが素早くコミカルだ。

 

 三人は走って行くザイルに声を掛ける間もなく、ただ見守るしか出来なかった。

 

 ところが、途中でザイルは立ち止まると振り返る。

 

 

「あっ、そうだ! 春風のフルートならそこの宝箱に入ってるはずだぜ! 忘れずに持って行けよ。そ、それと、天使! お、お前今度洞窟に遊びに来るといいぜっ! 待ってるからなっ! じゃあなっ!」

 

「へ……?」

 

 

 ザイルはアリアに投げキッスを送って、去って行った。

 

 

「ザイル行っちゃったわね。それにしても、ごめんなさいの一言もないのかしら! アリアに投げキッスなんか贈る暇があるなら謝ればいいのに……はぁ」

 

「あはは……」

 

 

 ベラの溜息にアリアは乾いた笑いを浮かべた。

 何が何やらである。

 

 

 天空人って人気者なのかな……?

 

 

「…………アリア。遊びに行くの……?」

 

「え? あ、えっと……」

 

 

 どうしようかな……。

 まぁ、妖精の村に住むんだったら、ご近所だし時々遊びに行くのもいいかな……?

 

 

 アベルに訊かれて、アリアは考え込んでしまう。

 その様子をアベルは窺い見ていた。

 

 

「さあ、早く春風のフルートを!」

 

「っ、そうだった!」

 

 

 ベラに促され、三人は宝箱に駆け寄り開く。

 

 

「あ、ブーメランと……、春風のフルートねっ!」

 

 

 やったー!!

 

 

 と、ベラが満面の笑みでアベルとアリアに抱きついてはしゃぎ出す。

 

 

「「わっ!(苦しいっ!)」」

 

 

 アベルとアリアは嬉し涙を浮かべてはしゃぐベラの横顔に、「よかったね」と互いにアイコンタクトを取ったのだった。

 




ベラの涙は出世確定の嬉し涙だったりして……www

そして、ブーメラン、あんたは要らないんだよ……。
もう持ってるってねっw

次回、春風のフルート奪還、エピローグです。

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評価いただけるとモチベ上がりますので、良かったら下さいっ。
感想など頂けたらめっちゃ嬉しいです。

読んでいただきありがとうございましたっ!
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