ドラゴンクエストⅤ -転生の花嫁-   作:はすみく

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いつもありがとうございます、はすみくです。

結婚式当日(蛇足な回)の始まり始まり。

では、本編どぞ~。



第六百三十三話 似た展開……?

 

 

 

 結局山奥の村で一泊してしまったが、アリアも昨日は疲れただろうから、ゆっくり身体を休めたことだろう。

 

 予定通りにいかないのは毎度のことだ。

 そのお陰で良いこともたまにはある。

 

 ……災い転じて福となす。

 

 予定を狂わされたというのに、アベルは朝起きてすぐにテンションが一気に上がり、それから気分がずっと高揚していた。

 一日待ったからか余計なのかもしれない。

 

 今日は、サラボナに戻れば、二人の結婚式――。

 

 ビアンカやフローラとの結婚式を、アベルはなんとなく思い出していたが、アリアとの結婚式はいったいどんな風になるのだろう……。

 

 

「ドレス姿のアリアが綺麗なのは想像がつくけど、結婚式がどうなるのか……ちょっと想像がつかないな……」

 

「はっはっはっ。初めてのことですからね」

 

 

 まだサラボナに戻ってもいないのに、アベルの胸は期待に高鳴る。

 ……漸くここまで辿り着けたのだ、なんとしてもアリアと結婚式を挙げ、彼女を幸せにしなければ――。

 

 ピエールの笑い声は明るく、ピエールの下、アンドレも嬉しいのか弾む様に坂を下って行く。

 

 

「アリア、もうすぐだから待っててね……――」

 

 

 村の入口までやって来ると、昨日の豪雨の被害は果樹園の樹の枝が多少折れたり、実が落ちたりしただけで、他は問題なさそうに見えた。

 

 自分がなにか手伝う必要はなさそうだ、これなら安心して村を後にできる。

 

 

 ……アベルは息をすぅっと大きく吸い込む。

 

 

 

 

 “【ルーラ】!!”

 

 

 

 

 アベル達の身体は空に舞い上がり、サラボナへ――。

 ……山奥の村を後にしたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「は~……やっと戻って来たー!!」

 

 

 ――アリアっ♡ 早く君に会いたい……! 今日は最高の結婚式になるからね!

 

 

 サラボナの町の入口まで【ルーラ】で戻り、アベルは早速ルドマンの別荘を目指した……のだったが。

 

 

「主殿。あの行列の先頭、ルドマン殿では?」

 

「え? あ、本当だ……」

 

 

 ピエールの声にアベルが町のメインストリートに目をやると、入口に向かってやって来る集団が目に入る。

 その集団――ルドマンが先導し後ろに馬車が続くが、両脇にはヘンリーとマリアまでいるではないか。後ろにも来賓なのだろうか、アベルの位置からは見えないが複数人の話し声が聞こえた。

 

 

「……主殿。我々は馬車で待機しておりますゆえ、ルドマン殿になにがあったのかお訊ねください」

 

「あ、うん……」

 

 

 ピエールはアベルをその場に残し、プックルとスラりんを引き連れ馬車へ戻ってしまう。

 

 

 ――まさか、結婚式が中止……なんてことはないよね……?

 

 

 別世界のフローラとの結婚式と、展開がなんとなく似ている気がするが、アリアもなのだろうか。

 ……アベルは近付いて来るルドマンに事情を訊くことにした。

 

 

「ルドマンさん……! これはいったい……」

 

「おお、アベル! やっと戻ったか! 結婚式の会場ははるか北東の海に浮かぶカジノ船に決めたぞ! 本来は船で行く場所なので最近の危険な海の状態ではと諦めていたのだが……。昨日こちらに着いたヘンリー王子からいい話を聞いたものでな」

 

 

 アベルが駆け寄ると、ルドマンは結婚式場をカジノ船にすると言い出す。

 

 

「え、それフ……」

 

 

 ――それっ、フローラさんと一緒……!

 

 

 アベルは喉から出掛かって言うのを止めた。

 事情がわからない人に別世界の話をしても、混乱させるだけである。

 

 アベルが目を瞬かせていると、ルドマンの後ろにいたヘンリーが駆け寄って来た。

 

 

「やあアベル! 久しぶりだな! 結婚式の招待状をもらって慌てて来たんだけど……。悪かったかなあ。お前がルーラを使えること、ルドマンさんに話しちゃったんだよ」

 

「ヘンリー……」

 

 

 ――知ってるよ……! けど、余計なこと言っちゃってえ……!

 

 

 別世界でも似たようなことがあった気がして、アベルは眉を寄せる。

 ヘンリーの話を訊いた途端、アベルにはこの後のことがなんとなく予想できてしまった。

 

 

「へへへ、ごめんな!」

 

 

 ……ヘンリーは愛想笑いで誤魔化している。

 

 

「アベルさん。ご結婚おめでとうございます。ルドマンさまはとてもいいお父さまですわ。おふたりのためステキな結婚式場を……」

 

「マリアさん、遠くからわざわざありがとう」

 

 

 マリアも傍にやって来て微笑むので、アベルも笑顔で返した。

 ……アベルの笑顔にマリアの頬がぽっと赤らむ。

 

 

「なんだよアベル。オレには不満顔で、マリアには愛想よく笑っちゃってさ~、オレの奥さんに色目使うなよな。アリアに言い付けるぞ」

 

「なっ!? 別に僕はそんなつもりじゃ……!」

 

「なーアリア~。アベルの奴、これから結婚式のくせに人の奥さん誘惑してるぞー!」

 

 

 ヘンリーは口を尖らせてから、馬車に向け声を張り上げた。

 

 

「ちょ、ヘンリー! なんてこと言うんだ……!」

 

 

 アベルは慌ててヘンリーに詰め寄る。

 

 ……ヘンリーがそういうのも無理はない。

 普段アリアがいないとそう笑顔を見せないアベルが、今日は朝からずっと機嫌が良く、誰に対しても(※ヘンリー除く)笑顔なのだから。

 

 アベルの笑顔は女性を魅了する。

 この世界ではすっかりアリア中毒のアベルだが、彼は元々イケメン――女性にモテるのだ。

 以前、ヘンリーは悔しい想いを何度もしている……。

 

 

 だが、ちょっと意地悪が過ぎやしないか。

 久しぶりにあった友に、なぜそんな嫌がらせを……。

 

 

 アベルは眉を寄せ、ヘンリーの肩を掴んだ。

 

 

「わっはっは、アベルよ。さあ行こうではないか! わしの記憶を辿ればキミの呪文でカジノ船まで飛べるはずだろう! ささ、準備はよいかな?」

 

 

 アベルとヘンリーのやり取りを見ていたルドマンが割って入り、式場へ行こうと促してくる。

 

 ……だが、ちょっと待って欲しい。

 

 これから行う結婚式は、自分とアリアの結婚式で合っているのだろうか。

 

 

(アリアは馬車に乗っていて、僕と結婚するってことで間違いないよね……?)

 

 

 フローラとの結婚式の流れと酷似していたため、今し方ヘンリーの発言はあれど、アベルは確認がしたかった。

 

 

「っ、ちょっと待ってください。アリアは馬車に乗ってるんですよね?」

 

「ん? 乗っておるが? キミは変なことを言うのだな」

 

 

 アベルの質問にルドマンが眉を寄せる。

 アベルはいったいなにを言っているのだろう……という顔だ。

 

 だが【世界の理】の力が働けば、急遽フローラとの結婚になってしまうことも考えられる。

 

 ……ここは要確認――いや、アベルはただアリアの顔が見たいだけなのでは。

 

 

「……確認していいですか?」

 

「確認……、ふむ……キミは心配性だね、気になるなら見て来ればいい。アリアがいるのを確認したら移動呪文を頼むよ? 私と手を繋いでな!」

 

 

 ルドマンの許しを得てアベルは馬車に近寄り、アリアの名を呼ぶ。

 

 

 

 

「アリア」

 

 

 

 

 アベルが馬車のキャビンを見上げると、覆われていた布が捲られた。

 




もっとあっさり結婚式を……とも思ったのですが、二次創作だし、ゆっくりじっくり書いてもいいかなと思いまして。

しばらく結婚式の話が続きます。
いちゃいちゃできる時はいっぱいさせたい。

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読了お疲れ様でした、そして読んでいただきありがとうございました!
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