教会にセーブに来ますた。
では、本編どうぞっ。
――アリアの前世の父親は、アルコール依存症のモラハラ親父だった。
母親は小学生の頃に亡くなっている。
アリアには兄がいて、二人は高校生になるまで実家に居たが、度重なる罵詈雑言と暴力に耐えかね卒業と同時に兄妹で実家を出ていた。
母と兄と自分を散々苦しめた父。
母に至っては、元々身体が弱かった所へ父のモラハラに暴力で疲弊し、無理をし過ぎて死に至ってしまった。
実家を出てからは、父からたまに電話が来るくらいで、顔を合せることは年に一度あるかないか。
父親らしいことなどしてもらったことは殆ど記憶にない。
幼稚園生の頃、遊んでもらったかな……? 程度である。
それでも、
アリアの中に何だかんだで、父親に対する愛情の欠片みたいなものが僅かに残っていたようで……。
あいつ、私が死んで泣いてくれたんだろうか……。
…………、はは、ないな……。
少し期待して、頭を左右に振るう。
もう、今更思い出す必要はない相手なのだが。
けれどそんな父親だったので、アベルが羨ましいと思うのも無理はない。
パパスは強く逞しく優しい。
「アリア……?」
アベルが窺うようにアリアを見て来る。
「っ、あ、ごめん。せっかくここまで来たんだし、教会にでも行ってお祈りしておく?」
「え? あ、そうだね」
アリアが階段上の教会を指差すので、二人は教会へと向かった。
◇
アベル達が教会の扉を開けば、祭壇の前に見知った人物が祈りを捧げている。
左肩に肩当て、大きな剣を背負った背中に、筋肉隆々の腕、一つにまとめた長い黒髪の人物。
捜していたパパス、その人だった。
アベル達も祭壇へと近づいていく。
「父さん!」
「おおアベルか! 今までどこにいたんだ!? 随分捜したぞ」
アベルが声を掛けるとパパスが振り返り、一瞬驚いた顔をしたが、すぐに安堵したのか破顔する。
「僕もだよっ! 村の出入口に行ったら、まだ来てないっていうから捜してたんだよ?」
「まあいい。父さんは旅立つ前に神にお祈りをしていた所だ。お前も祈っておくといいだろう。父さんは村の入口で待っているからな」
アベルが抗議するが、パパスは優しい笑顔でアベルの頭を撫で、教会を出て行こうとしていた。
「あっ……父さ……」
アベルがパパスの背に声を掛けようとするが、
“ドクンッ”
アベルの胸の鼓動が急に強く波打つ。
「……っっ!!?(な、何……?)」
そして次には、“ビリリッ”と、頭が締め付けられアベルは頭を抱える。
『アベル……? どうし…………――…………――――!?』
アリアが何か話し掛けて来るが、耳に入って来ない。
何か、云っているのはわかるのだが、上手く聞き取れない。
パパスも教会から既に出たのか、戻って来る気配もない。
頭が真っ白になるってこういうことなのだろうかと、視界もぼやけてきた。
“……ラインハットに行っちゃだめだ。”
突然、アベルの脳内に誰の声なのかはわからないが、その言葉が流れる。
――ラインハットに行っちゃだめだ。
ラインハットに行っちゃだめだ。
ラインハットに行っちゃだめだ。
ラインハットに行っちゃだめだ。
ラインハットに行っちゃだめだ。
ラインハットに行っちゃだめだ。
ラインハットに行っちゃだめだ。
ラインハットに行っちゃだめだ。
ラインハットに行っちゃだめだ。
ラインハットに行っちゃだめだ。
ラインハットに行っちゃだめだ。
ラインハットに行っちゃだめだ。
ラインハットに行っちゃだめだ。
ラインハットに行っちゃだめだ。
ラインハットに行っちゃだめだ。
ラインハットに行っちゃだめだ。
ラインハットに行っちゃだめだ。ラインハットに行っちゃだめだ。ラインハットに行っちゃだめだ。ラインハットに行っちゃだめだ。ラインハットに行っちゃだめだ。ラインハットに行っちゃだめだ。ラインハットに行っちゃだめだ。ラインハットに行っちゃだめだ。ラインハットに行っちゃだめだ。ラインハットに行っちゃだめだ。ラインハットに行っちゃだめだ。ラインハットに行っちゃだめだ。ラインハットに行っちゃだめだ。ラインハットに行っちゃだめだ。ラインハットに行っちゃだめだ。ラインハットに行っちゃだめだ。ラインハットに行っちゃだめだ。ラインハットに行っちゃだめだ。ラインハットに行っちゃだめだ。ラインハットに行っちゃだめだ。ラインハットに行っちゃだめだ。ラインハットに行っちゃだめだ。ラインハットに行っちゃだめだ。ラインハットに行っちゃだめだ。ラインハットに行っちゃだめだ。ラインハットに行っちゃだめだ。ラインハットに行っちゃだめだ。ラインハットに行っちゃだめだ。ラインハットに行っちゃだめだ。ラインハットに行っちゃだめだ。ラインハットに行っちゃだめだ。ラインハットに行っちゃだめだ。ラインハットに行っちゃだめだ。ラインハットに行っちゃだめだ。ラインハットに行っちゃだめだ。ラインハットに行っちゃだめだ。ラインハットに行っちゃだめだ…………
……………………。
何度も何度も、脳内に
同じ言葉を被せるように、同じ声が上書きされていく。
何度も、何度も。
いつ終わるともわからない、同じ言葉。
いつまで聞き続ければいい……?
……なんだよ、もう……。
どうしてそんなこと云うんだよぉ……。
アベルはわけがわからなくて、脳内に木霊するその言葉に次第にうんざりしてくる。
「………………ちゃ、だめだ……。ラインハットに行っちゃ……」
知らない間に、アベルは同じ言葉を口にしていた。
『……ベル、アベルっ、アベルっ!! しっかりしてっ』
アリアはアベルの肩を揺する。
先程からアベルの焦点が合わず、アリアは何度もアベルに呼び掛けていたのだった。
「ガウッ!」
そんな中、二人の様子を見ていたプックルが“ガブリ”とアベルの手に齧り付いた。
「ぃっ!!? 痛ったっ!! プックル何で噛むのっ!?」
アベルはプックルに噛まれてやっと気が付いたのか、プックルに怒る。
プックルはしゅんと耳を伏せてしまった。
『あ……アベル、良かった……』
アリアがプックルをフォローするように頭を撫でながら、ほっとしたような顔でアベルに微笑み掛ける。
「え……?」
『アベル、急に涙なんて流すから、私、びっくりして。どうしちゃったの……?』
パパスを呼ぼうにもアベルを放っておけなくて、アリアはそこに留まっていたのだ。
「なみだ……?」
アリアに云われ、アベルがそっと頬に触れると泣いていたのか濡れていた。
それも、マントの襟元がぐっしょりと濡れる程。
涙なんて
「……っ、な、何これ……?」
『…………大丈夫? アベル、何があったの……?』
アベルはいつも元気で、泣いたことなんてないのに……。とアリアは心配になってアベルの様子を窺っている。
「ぁ……、っ。わかんない……。けど……」
アベルはアリアに向き直り、彼女の手を取る。
『アベル……?』
「……アリア、もう少し一緒に居てもらえないかな。僕、まだ君と一緒に冒険したいんだ」
『え……?』
アリアの手を握るアベルの手は、震えていた……。
アリアの前世の父親の話、要らなかったかなぁ……と思いつつ。
まぁ、いいや(本当はもっとだらだら細かいこと書いてたけど消した)。
パパスはいいお父さんだなーと思います。
ムキムキマッチョ、ステキッ!
ただ、お髭はあまり好きじゃない(私の好みはどうでも良かったわwww)
さて、次回ラインハットを目指します!
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評価いただけるとモチベ上がりますので、良かったら下さいっ。
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読んでいただきありがとうございましたっ!