ドラゴンクエストⅤ -転生の花嫁-   作:はすみく

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いつもありがとうございます、はすみくです。

前回のプチあらすじ>展示台は壊れたのではなく壊された……?

館内を調査していきます。

では、本編どぞー。



第六百九十四話 館内調査

 

「ええっ!?」

 

「ほら、これと他の展示台も見てよ。どれも似た形で壊れてる。年単位で放置していたとしても、こんな風に壊れるわけないよ」

 

「ホントだ……。同じ壊れ方してる……、これも……あれも……!」

 

 

 アベルの指摘にアリアは壊れた【展示台】を一つ一つ確認して目を丸くする。

 

 

「……ゆうじいさん」

 

「ぅっ、ぅっ……なんじゃ……?」

 

 

 ゆうじいはすでに泣いていたようだ……。

 目蓋を擦りながら傍にやって来たアベルを見上げた。

 

 

「この館内に、あなた以外に誰か住んでいたりしますか?」

 

「いや? わし独りじゃけど?」

 

「……二階と三階にも展示室があるんでしたっけ」

 

「二階にも展示室と、三階に特別展示室があるな。じゃがわし、しばらく上の階には行っておらなんだ」

 

「ふむ……、もしかすると上の階に勝手に誰かが住んでいて、そいつが破壊したのかも……」

 

 

 ――こんなことする奴はロクな奴じゃないだろうな……。

 

 

 人の夢……ゆうじいは幽霊だが、夢は捨てていない。

 人から幽霊に変わろうと、死んだ後まで夢のためにずっと博物館を管理してきたのだ。

 

 その夢を踏みにじる輩は許せない。

 

 

 ……アベルは天井を見上げる。

 

 

「なぜじゃっ!? なぜこんな酷いことをするんじゃっ!!」

 

「……ここに人が集まるのが嫌とか……? もしくは……なにか目的があって……?」

 

 

 泣き叫ぶゆうじいにアリアはハンカチを渡した。

 アリアの顔もゆうじいに釣られてか、悲しそうだ……。

 

 

「目的か……、もう少しこの部屋を調べてから二階に行ってみよう」

 

 

 アベルたちは壊れた【展示台】を全て調べてから二階に向かうことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……二階に続く階段を上がると、二階のホールには灯りが点っており、何の変化も感じられない。

 物音も特に聞こえないため、二階には何もなさそうだが、一応展示室を確認しておいた方がいいだろう。

 

 アベルは念のため二階の展示室を覗いた。

 

 

「……ここも真っ暗か……」

 

「早いとこ灯り点けちゃおっか」

 

「そうだね」

 

 

 二階の展示室も一階同様、静かだが闇の中――。

 アベルはアリアを部屋中央に引き連れ照明装置を探した。

 

 【ランタン】の明かりを頼りに照明装置を見つけ、アリアに【メラ】を放ってもらうと、部屋の灯りが復活する。

 

 

「……ここも壊されてる……」

 

「ひどい……(ゆうじいさん可哀想……)」

 

 

 灯りの復活に周囲の様子がはっきりと見える。二階の展示室の【展示台】も破壊されていた。

 ゆうじいが一緒に来なくてよかった……と、アリアが壊れた【展示台】の破片を拾って眉を寄せ、辛そうに抱きしめる。

 

 

 ……部屋には【展示台】が壊されている以外、他は特に変わった様子は見受けられない。

 

 

「三階……かな?」

 

「……行くっきゃないよね。許せない……!」

 

 

 アベルが天井を見上げると、アリアは頬を膨らませ憤怒の様子――。

 犯人を見つけたらとっちめて、弁償させてやると息巻き【グリンガムのムチ】を引き伸ばしピンッと張った。

 

 

「っ、アリア落ち着いて……、一応全部調べてから行こうね?」

 

 

 ――そのムチで打たれたら死にそうだけど……ちょっと打たれてみたい気もする……。

 

 

 ゴクリと、アベルは唾を飲み込む。

 アリアにはいつかムチを自分に振るって欲しい……、なんてことは決して口にはしないがアベルの秘かな夢の一つである。

 

 

「……あっ! はいあなた。取り乱してごめんなさい。つい、苛立っちゃって……」

 

「あなっ……うん♡」

 

 

 ――あなた呼び……新鮮……♡♡

 

 

 アリアは普段怒らない分、キレると冷静を欠くところがあり、怒らせると怖い。動揺していたのだろう、ハッと我に返った彼女は【グリンガムのムチ】を仕舞った。

 アリアの“あなた”呼びにアベルは萌えつつ、二階の調査を終え、アベルたちは今度は三階の展示室へ向かうことにした。

 

 

 三階に続く階段の先――その先は暗闇に包まれ、月明かりすら入り込む余地がない。

 犯人は本当に三階にいるのだろうか……。

 

 

「ねえアベル……、また真っ暗……オバケなんて出ないよね?」

 

 

 暗闇に包まれた三階に足を踏み入れると、アリアはアベルの腕にしがみつきながら辺りを見回した。

 あまりに暗すぎて【ランタン】の灯りが届かない場所は何も見えない。

 

 

「大丈夫だよアリア。もしオバケが出ても僕が倒してあげるから。怖いなら僕の腕にしっかりしがみついてなよ」

 

「うぅ……、そうじゃないんだよぉ……。そこは出ないよって言って欲しいんだよ……」

 

 

 ぼんやりした灯りの中でアベルが優しくアリアを見下ろすが、彼女は涙目だ。

 

 

「フフッ、出ない出ない(たぶんね~)」

 

 

 幽霊がゆうじいだけとは限らない。

 確証の持てないアベルは気休めでもアリアを安心させておく。

 

 

「ほっ……アベルがそう言ってくれるとそう思えるから不思議……。ね、さっきの金の輪っかってなんだったのかな……? ほら、腕に通せそうな大きさだったじゃない?」

 

「腕輪……かなぁ……?」

 

 

 先ほど崩れた【展示台】の中でアベルは何の変哲もない細めの“金の輪”を見つけていた。

 大きさはアベルの手首より一回り大きい程度――、材質は【金】のようだ。

 どういったものなのかはわからないが、見たままで言えば腕輪のように見える。

 

 

「だよね……! うん、よかった。あれが腕輪なら、相手は生身の人間もしくは魔物だよね!」

 

 

 幽霊ないし、オバケが身に着ける物は触れられないはず……、というのがアリアの意見だ(アリアはゆうじいが物に触ることができるのを忘れているらしい)。

 

 

「ははは、アリアはオバケが本当に苦手だよね」

 

「得体が知れないものは怖いの」

 

 

 ……二人は会話を続けながら暗い廊下を歩き、特別展示室らしき扉を見つける。

 

 

「……アリア、戦闘になるかもしれないからプックルの後ろに」

 

「っ……そ、そうなの?(主人公の勘てやつ……?)」

 

「わからない……、こんなこと今までなかったから……。魔物がいないならいないに越したことはないけど、ピエール、プックル、準備はいいかい?」

 

 

 アベルの言葉にアリアはプックルの後ろに回る。

 するとプックルが「ヴニ゛ャ゛!!」と声を上げ、アリアが「ごめんっ!」と謝っていた。

 毛でも引っ張られたのだろうか……暗くてよくわからない。

 

 ピエールからは「いつでも良いですよ」との頼もしい声が聞こえる。

 隊列を変えたため、ピエールまでは灯りの範囲はあれど、その後ろのプックルとアリアの姿は殆ど見えない。

 

 

「アベル、私も準備おっけーだよ」

 

「がうがう(アリアおヒゲ引っ張るのやめて欲しい、尻尾を掴んでろ)」

 

 

 アリアとプックルの声がして、アベルは頷く。

 ……各々準備は良さそうだ(?)。

 

 

「ごめんごめん、見えなくて……あ、尻尾つかまってるね。ありがと~プックルだいすきよ♡」

 

「グルルル♡(我も愛してるぞ♡)」

 

 

 アリアとプックルの小さな声はアベルには聞こえなかった。

 

 

 ……ゆうじいからは照明装置は部屋の中央に位置していると聞いている。二階もそうだったし、三階も同じだろう。

 敵がいるとしても、先ずは灯りを確保したいところだ。

 

 

「中も暗いと不利だから、そしたら先ずは灯りを点けないとか……、アリアまた頼める?」

 

「うん、もちろん!」

 

 

 アベルが振り返り背後を【ランタン】で照らすと、アリアが笑顔で快諾する。

 

 

「じゃあ、中に敵がいるにしろ、いないにしろ、僕たちがなんとか照明装置までアリアを誘導するよ」

 

「わかった、照明装置は私にまかせて!」

 

 

 アリアの返事を聞き、アベルは扉に向き直り手を掛けた。

 

 

 

 

 ギィィィ……。アベルの手が扉を押し開くとそこには――。

 




魔力にて点灯する照明装置。
チャージした分の魔力で半永久的に点いているという不思議な灯りです。
メラでなくてもヒャドでもホイミでも実は点くが、火種がいるという無駄設定があったりしますw
メラは灯り特化なのですぐ作動するっていう。

いや、便利だな~w
あ、勝手に捏造設定ですw

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読了お疲れ様でした、そして読んでいただきありがとうございました!
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