ドラゴンクエストⅤ -転生の花嫁-   作:はすみく

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ども、はすみくです。

だいろくわ。

サンタローズの洞窟に潜入です!(のわりにあっさりだけど)
慎重派(否ビビリ)な私は何度も洞窟と村を行ったり来たりしたものです。


では、本編どうぞっ!


第六話 サンタローズの洞窟

 

「……こんな所に洞窟があるなんて……。魔物もいっぱい出るし……」

 

 

 アベルはいつの間にか村の北西にあるサンタローズの洞窟へとやって来ていた。

 

 ……一人で魔物全てを倒すのは初めての経験である。

 この洞窟に入ってからもう何度か魔物と遭遇し、戦闘を重ねていた。

 

 

「いてて、薬草持って来てて良かった……」

 

 

 魔物から幾度となく受けた攻撃により傷ついた体力を回復すべく、アベルは袋から薬草を取り出すと噛み砕く。

 すると、擦り傷、切り傷などの痛みが消えていった。

 

 サンチョが多めに薬草を持たせてくれていたので、少女に使った余りが役に立ったようだ。

 

 

「……いったん村に戻ろうかな(薬草もなくなったし、天使のことも気になるし)」

 

 

 ……アベルは【やくそう】の在庫もなくなったこともあり、一度村へと戻ることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

「坊ちゃん! その傷はどうなさったんですかっ!?」

 

「え? あ、ははは……、ちょっと転んじゃって……」

 

 

 自宅に戻ると鍵は開いていて、サンチョが目を見開く。

 後頭部を掻くアベルの身体には小さな傷が複数ついており、所々に血が滲んでいた。

 

 

「こ、転んだって……、どんな酷い転び方をしたんです!?」

 

 

 サンチョは慌てて奥の部屋へと走ると、【やくそう】をいくつか持って来て、アベルに食べさせてくれる。

 

 

「……ありがとう、サンチョ」

 

「危険な遊びはダメですよ?」

 

「うん、わかってるよ」

 

 

 “めっ”ですよ! とサンチョはアベルに注意するのだが、アベルはにこにこと頷くだけ。

 

 

「…………あれ? 坊ちゃん少し逞しくなられました?」

 

「あっ、わかる? 僕強くなったみたい! 呪文も使えるようになったよ!(ホイミだけだけど)」

 

 

 アベルは細腕に力こぶを作ってサンチョに披露する。

 サンチョはその力こぶを眺めて目を細めたものの。

 

 

「……強くなられるのは大変結構なのですが、危険な遊びはくれぐれもおやめ下さいまし。坊ちゃんに何かあったら旦那様が心配なさいます。もちろん、私もですよ!」

 

 

 アベルを心配してか、サンチョの眉尻は下がってしまった。

 

 

「うん、わかってる。ねぇ、サンチョ。もう地下室に行ってもいい?」

 

「地下室ですか……? ええ……、掃除は終わっておりますが……」

 

「じゃあ、ちょっと行ってくるね!」

 

「あ、はい。寒いので長居しませんように」

 

 

 ……サンチョの言葉に「うん」と告げて、アベルは地下室へと下りる。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……まだ眠ってる……息は……」

 

 

 地下室に下りると、少女が毛布の上に横たわっていた。

 ……アベルはそっと彼女の口元に耳を近づけてみる。

 

 

 すぅすぅ……。

 

 

 小さな寝息が聞こえる。表情も穏やかで、苦しそうには見えない。

 どうやら生きているようだ。

 

 

「……生きてる、良かった……」

 

 

(でもどうして毛布が上に掛かってないで、下に敷かれてるんだろう……?)

 

 

 サンチョには、毛布を部屋中央に掛けておいてくれと言っておいたのに。と、アベルは不思議に思う。

 

 

「……うーん……?」

 

 

 腕組みをして考えてみるが何も思い浮かばず、わからなかった。

 

 

「……今日はもう目覚めないのかな……(温かいや……)」

 

 

 アベルは眠る少女の隣に腰を下ろし、しばしの間見守っていたものの、彼女が目覚める気配は無い。

 

 

「…………、温かい…………なんか、眠くなって来ちゃった……」

 

 

 疲れていたのか少女の温もりに誘われ、次第にアベルの目蓋が閉じていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、あれ……? ここは……」

 

 

 アベルが目を覚ますと、そこは二階のベッドの上だった。

 窓から朝陽が差し込み、小鳥達の歌声が聞こえる。

 

 ……アベルは身体を起こし、ベッドから出ると、階段へと向かった。

 

 

「おはよう……」

 

「ああ、坊ちゃん。おはようございます。昨日、地下室で眠ってしまわれたのを憶えていますか?」

 

「え……?」

 

「あっはっは。妙な恰好で眠っていたそうだな」

 

 

 アベルが一階に下りてくると、サンチョがタオルを手に傍に寄ってくる。

 パパスは朝食を摂りながら笑い飛ばした。

 

 

「妙な恰好??」

 

「はい、何も無いのに何かを抱えるような仕草で眠っておられて」

 

 

 こう……、と、抱き枕を抱えるような体だが、肝心の抱き枕がない、空気を抱きしめるような恰好なのだと、サンチョが身振り手振りで教えてくれる。

 

 

「っ……! それ、本当っ!?」

 

「あ、ええ……。器用だな……と思いまして。ですがその内寝返りを打って身体を震わせたので、二階にお連れしたんですよ」

 

「そ、そうだったんだ……」

 

 

 ――僕、ひょっとして天使に抱きついて寝てた……!? あの子、すっごく温かくて……眠くなって……それで……。

 

 

 あわわ……!!

 

 

 アベルの顔がぽっと赤くなる。

 恥ずかしかったらしい。

 

 

「さて……と。アベルも起きたことだし、父さんはまた出掛けるがいい子にしてるんだよ」

 

 

 朝食を終えたパパスは今日も出掛けるらしく、アベルの傍にやってくると頭を撫でた。

 

 

「はーい!」

 

 

 アベルはパパスに頭を撫でられ、にっこり笑って頷く。

 そうしてパパスは昨日同様、家から出て行ってしまった。

 

 

「さぁ、坊ちゃん朝食前に顔を洗って来てください。終わったら席に着いて下さいね」

 

「うん、わかったよ」

 

 

 サンチョにタオルを渡され、アベルは顔を洗いに行って戻ってくると、朝食を摂る。

 

 

「…………(あの子、ご飯食べるかな……?)」

 

 

 パンを齧りながらふとそんなことが気になって、アベルはこっそりとサンチョの目を盗み、自分のパンを半分、布に包んで袋に入れた。

 

 

「じゃあ、僕、一度地下室に寄ってから出掛けて来るね」

 

「わかりました。あまり遠くに行ってはダメですよ?」

 

 

 サンチョが朝食の片付けをしながら、温容な表情で「うん」と返事するアベルが通り過ぎるのを見送る。

 

 

「ふふふっ、一体何を隠しているんですかね……? ふふふーん……♪」

 

 

 階段を下りるアベルの背にサンチョの鼻歌が聞こえた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……まだ起きてないのかぁ……よく寝るなぁ」

 

 

 地下室へとやって来たアベルの足元に少女が寝そべっている。

 昨日確認したように彼女の口元に耳を近づけると、“すぅすぅ”と静かな寝息が聞こえた。

 

 

「……生きてる。良かった……」

 

 

 アベルはそっと少女の頬に触れてみる。

 相変わらず青白くて、顔色は良くないが、温かくてすべすべした感触。

 プラチナブロンドの髪は細く滑らかで、つい触りたくなってしまう。

 

 

「……僕、出掛けて来るから、良かったら食べてね」

 

 

 少女の頭をなでなでしてから、袋から先程こっそり入れたパンの包みを彼女の傍に置いた。

 

 

「……強くならないと」

 

 

 やせ細って儚げな少女を見下ろし、アベルは小さな手で拳を握る。

 

 

 

 ――この子が起きたら、護ってやるんだ。

 

 

 だって、この子はまた(・・)じゃないから。

 

 

 

 アベルは決意してサンタローズの洞窟で独り、魔物たちとの戦いに身を投じていった。

 




天使と縁があるなぁ、と最近思います(何の話だ)。

さて、一週間毎日投稿を頑張ったので、次回の更新は近々に致します……と思ったのですが、まだアベルとアリアが出会っていないので(次話で対面します)明日までは毎日投稿です。

現在ゲーム追体験的なノリになって来て、毎日楽しく書いていますが、各話見直しが終わってなくって、誤字脱字チェックが進んでおりません(チェックしてても漏れがあるっていう、ね)。
ですのでチェック終わり次第投稿していきます。
楽しみにしてくださってる方いらっしゃいましたら、すこーしお待ちいただけたらと思います、ありがとうございます。

マジ二次創作楽しい。

ヤバイ。
幸せ過ぎる。

ドラクエプレイ出来ただけで幸せなのに、二次まで書いてしまって、読んで下さる人も居るとか、思い残すことはもう特になく……、いやまだ死なないけども。

ありがたいなぁ~と。
感謝感謝の毎日です。

他サイトにて一次創作のモチベ維持目的で始めてみたのもの、めっちゃ楽しいっていう。
本末転倒とならぬよう、どっちも楽しく続けて行きたいと思います!

一次創作の方はまた、その内こちらでも載せられたらいいなぁ……。
R18だけど……w

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読了お疲れ様でした、そしてお読みいただきありがとうございました!

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