情報集めはRPGの鉄則です。
では、本編どうぞっ。
『あ、あの人かな?』
「うん、じゃあ声を掛けてみるね。あの……」
先程屋上で見つけた人物にアベルが話し掛けようとすると、
「全く、ヘンリー王子のわんぱくぶりには呆れてしまうのう。あんな性格で、次の国王が務まるのか不安でならんわい……」
怒っているのか、ぶつぶつと不愉快そうな呟きが聞こえて来る。
『アベル、やめとこ。何か機嫌悪そうだよ』
「へ……? あ、うん、そうだね」
アリアはアベルのマントを引いて止めたのだった。
「じゃあ、次はどこに行く?」
「うーん……」
とりあえず、王の間まで戻ろう。ということで二人は王の間に戻って来たが、パパスとラインハット王はまだ話し中である。
まだ掛かりそうだね、と二人は下の階へと下りて行った。
下の階へと下りると、先程ラインハット王を警護していた兵士が声を掛けて来る。
「ああ、坊や。城内はどうだい? 何か面白いものでもあったかな?」
「んー、今探しているところだよ」
「そうか、見つかるといいね。坊やの父さんはサンタローズ村の人だよね」
ふと、アベルの頭を撫で、兵士が訊ねて来る。
「うん、そうだよ」
「はて? 前にどこかの城で見掛けたような気がするが気のせいかな……?」
「どこかのお城……?」
「はは、気のせいかもしれないね。あんまりおいたしちゃいけないよ。……っと、じゃあお兄さんは警備に戻るね」
そう云うと、兵士は持ち場に戻った。
「あの~……」
アベルは今度は隣の兵士に声を掛ける。
アリアはアベルの後ろで「あ、やっぱり色々話し掛けるのね」とくすくす笑っていた。
「ああ、君はさっきの……。うろうろして迷子にならないようにな。ところで、王様が内緒話とは一体どんな用を頼むおつもりだろうか? もしかして、ヘンリー王子の根性を叩きなおしてくれ、とか……」
「ヘンリー王子……?」
「この国の第一王子だよ。君と同じ位の歳なんだ。でもちょっと素行が悪……」
コッホン!!
先程話した兵士の大きな咳払いが聞こえる。
ちらっと、牽制する視線が喋る兵士に向けられていた。
すると目の前の兵士は「仕事中だからこの辺で」とアベルに手を振ると姿勢を正した。
「へぇ……」
アベルはヘンリーという王子が居るんだな、とだけ理解する。
『……ヘンリー……さっきの人も言ってたけど……』
どっかで聞いたことがあるのよね……。
アリアは腕組みしてうーんと唸るが、アベルに手を崩され引っ張られていく。
『も~……今考えてたのに……(強引さは中々直りそうもないわね……)』
まだまだ散歩は続く様で、先程通った西側の扉を開く。
「確かあそこが王妃様と第二王子の部屋だったかな? ……すいませーん!」
『……う、ん?』
行きに上った階段には下りずに、アベルはとある部屋の前に立つ兵士に声を掛けた。
「ここは王妃様と第二王子デール様のお部屋であらせられるぞ」
「うん、知ってる!」
「……ん? 挨拶をするならしても構わないが、粗相のないように」
はぁい! とアベルは返事して部屋の中へと入って行く。
『……なんていうか、すごい行動力よね……(物怖じしない子……)』
今更だけど、アベルがぐいぐい来る理由がなんだかわかった気がしたアリアだった。
アリアがアベルに続いて部屋に入ると、アベルは「こんにちは~!」と既に王妃らしき女性に声を掛けていた。
女性を窺うと高そうなドレスに美しい見目、けれども瞳は冷ややか、ツンとして高慢そうな印象を受ける。
「なんじゃ、そなたは? 我が子デールに挨拶に来たのですか? おほほほほ。そなたは小さい癖に、中々目先が利くと見える。兄のヘンリーよりこのデールの方が余程次の王に相応しいと……。そう思ったのですね。おほほほほ」
王妃は小指を一本立てて、閉じた扇を口元に当てながらいやらしく目を細めた。
上から見下すように笑うその様が、やはり高慢そうに見える。
『……こういう人ってどこにでも居るのね……』
アリアが目をぱちぱちとさせて、はー……と感心していた。
「こんにちは」
「ボク、王様なんかになりたくないよぉ……」
アベルが椅子に腰掛ける少年に挨拶をすると、デールと思しき男の子は先程の王妃の話を聞いていたのか首を左右に振っていた。
王妃とデールに挨拶を済ませ、アベル達は部屋を後にする。
「さて、じゃあ次は階段を下りて一階に行ってみようか」
「え? あれ? 東側には行かないの? あっちにも部屋がありそうだったよ……?」
「ん? それは後でいいよ。一階に教会があるからお祈りしておかない?」
ヘンリーって確か嫌な奴だったから、それは最後にしよっと。
アベルは
◇
一階へと下り、南へ。
突き当りの部屋には二階へと伸びる階段があり、先程行きに通った際通り過ぎていた。
それを横目に、今度は東へ。
すると、教会が見えて来る。
教会ではシスターと神父が何やらやり取りをしていた。
「こんにちは、シスター」
アベルは大人二人に臆することなく割って入り、声を掛ける。
「まあ、こんにちは。その昔、巨大な城が天空より落ちて来たそうです。そして、それ以来再び魔物が人を襲うようになったと言われています。坊やには信じられますか?」
「え? あ、えと、うん……?」
「真実は神のみがお知りなのでしょうね」
「はぁ……」
突然振られて、アベルは戸惑ってしまう。
『……天空の城……ラピ……っと』
アリアは慌てて口を噤む。
親方、空から女の子が……!
いやいやいや……。
じゃなくって、空から落ちた城……、か。
私に関係あるのかな……。
わからないな……。
シスターの話にピンと来たような、来ないような……と、アリアはとりあえず気に留めておこうと思ったのだった。
そして二人は教会で祈りを捧げ、冒険の書の記録をする。
『……ここの神父さまも目力が強いのね……』
記録を終えると“サンタローズもそうだったよね、アルカパはどうだったか忘れたけど”と、アリアが云うので、
「ぷぷぷっ、そうだね。大体あんな感じじゃない?」
アベルは笑いを堪えながら相槌を打った。
セーブ、忘れちゃダメ、絶対!www
ヘンリーとの出会いはもうちょっと先になります。
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