ドラゴンクエストⅤ -転生の花嫁-   作:はすみく

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いつもありがとうございます、はすみくです。

前回のプチあらすじ>月の形は変わってる……。

夫婦の時間って大切。

では、本編どぞー。



第七百二十話 夫婦の時間

 

「夜は明けてないけど、月の満ち欠けはちゃんとしてるんだよ。私、こまめに確認してるもの」

 

「そうだ……そうだったね。時が止まってるわけじゃないんだよね」

 

「うん。時が止まってたら私たち急ぐ必要ないでしょ?」

 

「それもそうだね」

 

 

 ――アリアって意外に色んなところを見てるんだな……。

 

 

 町の人々は時の流れに気が付いていないが、時が止まっているわけではない。

 ……世界の理の力でも働き、気付かないだけなのかもしれない。

 

 アリアの話にアベルは感心する。

 

 いつもにこにこ笑ってふわふわしているアリアだが、現状把握能力は高い。

 アベルが目の前の事柄に猪突猛進なタイプだとしたら、アリアは周りをよく見るタイプのようだ。

 話を訊いて問題解決を図るアベルと、周囲の状況を注意深く見ながら解決を図るアリア――。

 

 

 ……自分とは違う視点を持つ彼女がいれば、アベルはどんな困難も二人で解決できる気がした。

 

 

「……明日目覚めたら、きっとなにかいい案が浮かぶわ。だからもう寝よ?」

 

 

 アリアは毛布に包まり再びマットレスに横になる。

 

 

「アリア……」

 

「アベル、おやすみなさい」

 

「……うん、おやすみ……」

 

 

 ――まだ寝かせたくないな……。

 

 

 アリアが穏やかに目を細めてからアベルに背を向ける。

 アベルも隣に横になると毛布の中に潜り込み、背後から彼女を抱きしめた。

 

 

「っ! って……ちょっとアベルぅ~?」

 

「……アハハ……、なんか久しぶりにどうかなって……、ダメ?」

 

 

 アベルはアリアの耳傍に静かに口付ける。

 抱きしめた片手はすでに滑らかな太ももに伸び、スカートをたくし上げ優しく撫でていた。

 今日も彼女は紐パンらしく、アベルの手に触れた紐が強く引っ張られ解ける。

 

 

「……まぁ確かに久しぶりだけど……(手が早いんだから……)」

 

 

 結婚後からかなりの頻度で営んでいるためか、ぱんつ紐の片方を解かれたアリアは頬が熱くなりながらも冷静に返したが、アベルに背を向けたまま。

 

 ……ここ数日夫婦の営みがなかったアリアはかなり元気である――そう、走ることができるほどに。

 一回で終わってくれれば次の日も難なく動けるが、アベルが一度で収まった試しはない。

 

 

 ――どうしよう……しちゃう……?

 

 

 アベルの手が服の上から胸を揉むでもなく、ただ優しくアリアの腹を撫でている。

 彼の手は大きく温かくて、触れられるだけで心地が好い。

 

 ……触れられた箇所が温まっていき、撫でられる度にアリアの下半身はむず痒さを覚えた。

 したい気がなくはないが、こんな時にしてもいいのだろうか――、アリアは逡巡する。

 

 

「……アリアに抱きしめられたらほっとするんだ。頼むよ」

 

 

 ――アリア、こっち向いて。

 

 

 ちゅっ、ちゅっ、とアベルが囁きながら甘えるようにアリアのうなじ、背中とキスを落していく。

 

 

「ンッ! ちょ……ぁっ♡(くすぐったいっっ!!)」

 

 

 アベルから与えられる刺激に堪らずアリアは肩を震わせた。

 

 

「アーリア♡」

 

「ちょっ……もぉ、しょうがないなぁ……。おいで……?」

 

 

 ダメ押しのように ふぅっと、アリアの耳に息を吹き掛けたアベルに彼女は身を竦めてから振り返ると、両手を広げる。

 構って欲しかったアベルの顔は嬉しそうに綻びを見せた。

 

 

「へへへ♡ アリア大好きだよ」

 

「ふふっ♡ 私も愛してるよっ」

 

 

 ……アベルはアリアの胸へと飛び込んでいった――。

 

 

 

 

 

 

 

 

 次の日――。

 寝て起きてもやはり夜は明けなかった。

 

 世界はただただ、明けない夜が続いている……。

 

 

「おはようございます、アベル殿、アリア嬢。先ほど船から連絡がありましてお話したいことがあるそうで……」

 

「ん……ああ、わかった今準備する……」

 

 

 キャビンの外からピエールの声がして、アベルは上体を起こすと目を擦り、脱いだ服に袖を通す。

 

 

「ンン……?(寒い……)」

 

 

 ……アリアはマットレスに横になったまま、眠そうに目蓋を薄っすらと開いた。

 

 

「アリアはまだ寝てていいよ。今日は歩けないでしょ?」

 

「う゛、アベルのせいだよぉっ……!(膝と腰が痛ぁ~~いっっ!!)」

 

 

 アベルの声に自身も起き上がろうとしたアリアだったが、数日振りの身体の痛みに途中まで起きてマットレスに沈み、嘆いた。

 

 

「いや、だって久しぶりだったからつい……? ベホマっ!!」

 

 

 ……アベルは身支度を整え起き上がれなかったアリアの頭をナデナデ。

 にこにこと嬉しそうに目を細めて久しぶりの朝イチ……否、夜イチ……? の【ベホマ】を掛けた。

 

 

「だからってあんなにはっちゃけるってどうなの……!?」

 

「え、でもアリアだってもっとって言ってた――」

 

「うわぁああああっっ! そういうことピエール君の前で口に出しちゃダメぇっ!!」

 

 

 昨晩……いや、今も夜だからさっきが正しいか――。

 さっきの連戦は熾烈な戦いであった。

 

 アリアの負けは二戦目から決まっていたが、久しぶりだからか三戦目までねだったのは彼女である。

 三戦目以降はアベルのやる気に火が点いてしまい、アリアの記憶は途中から飛んでしまった。

 アベルは勝利し、身も心もすっかり軽くなって大満足。心なしか、肌がツヤツヤしているような……。

 

 

 ……アリアはアベルの口に手を押し当て黙らせるが、時すでに遅し。

 

 

「……あ、いえ、昨夜は久しぶりで少々声が大きかったようですが、別にいつものことなので、いまさら気にされなくても大丈夫ですよ」

 

「うわぁああああ……、私ったらなんてことを……!!(淡々とそういうこと言わないでよぉ~~!)」

 

 

 キャビンの外からピエールの冷静な声が聞こえ、アリアは毛布を頭から被ってマットレスに倒れてしまった。

 

 

「……ははは……、アリアって大胆なのか恥ずかしがり屋なのか忙しいな……(可愛い……)」

 

 

 毛布に包まり「うわぁぁぁぁ、私のバカぁ……」と恥ずかしがるアリアを横目に、アベルは「まだ休んでいていいよ」と伝え、一人馬車から降りて船へ向かうことにした。

 




仲魔たちは慣れっこっていう……。

年明け準備が諸々終わったので、大晦日なのに投稿ですw
今年も私の拙いお話にお付き合いくださり、ありがとうございました!

あと一時間ちょっとで年明けですが、皆さま良いお年をお迎えください。
またらいね~ん!

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読了お疲れ様でした、そして読んでいただきありがとうございました!
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