ドラゴンクエストⅤ -転生の花嫁-   作:はすみく

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いつもありがとうございます、はすみくです。

前回のプチあらすじ>占いババが“明けない夜”について占い始めて……。

やみのランプを復元できる人はだれ……?

では、本編どぞ~。



第七百二十三話 復元できる人物とは?

 

「……ふむ、フムフム……ほぉ……。そうかそうか……そういうことじゃったか」

 

「あ、あの~……?」

 

「確かに闇のランプの修理が最優先じゃろうな。しかし、闇のランプが壊れたなんてのはわしも長く生きておるが聞いたことがない。これを復元する者が必要じゃが――」

 

「誰に頼めばいいんでしょうか?」

 

 

 水晶玉の前で独り何かに納得した占いババは、何度も深く頷きアベルたちの解決方法で合っていることを教えてくれるがアベルの問いには――。

 

 

「……残念ながらこの世界の住人には無理じゃな」

 

「え?」

 

「たとえドワーフでも直せんじゃろう……ふぅ……」

 

 

 占いババの首は左右に振られ、諦めにも似たため息が漏らす。

 手先の器用なドワーフでも【やみのランプ】の復元はできないらしい……。

 

 

「で、ではどうすれば……」

 

 

 ――せっかく占いババが気が付いてくれたというのに、ここで諦めるなんてできない……!

 

 

 アベルたちしか知らない事実を理解してくれた占いババなら、きっと解決方法を見つけられると思ったのに、見通しが甘かったのだろうか。

 もう彼女から以外、他に手掛かりを得られる気がしない――。

 

 ……アベルは諦めきれずに訊ねていた。

 

 

 すると――。

 

 

「……遥か遠く……次元を越えてやって来た器用な者ならば可能じゃろう。その者ならば闇のランプを元通り、完全復元できるじゃろうて」

 

「遥か遠くの次元……って異世界――?」

 

 

 ――まさかアリアが……?

 

 

 アベルは脇から顔を覗かせていたアリアに視線を移すが、目が合ったアリアの頭は左右に振れている。

 

 

「あ、私は無理だよ? 私がくっつけるとしたらアロン〇ルフアでくっつけちゃうけど、そんなもの持ってないし(器用じゃないし……)」

 

「だよね……(器用じゃないもんね……)」

 

 

 ――アロン〇ルフアってなんだ……!?

 

 

 でた! アリアの難しい単語! と、……時々出て来る妻の謎の単語は難しい。

 

 

 アリアが続けて「アロン〇ルフアなら五秒もあればくっついたのにな~」と口にするが、アベルはスルースキルをフルに生かして相槌を打っておいた。

 

 

「占いババさま、その人の特徴ってわかりませんか?」

 

 

 不意にアリアは身を乗り出し訊ねる。

 

 

「フム……、そうじゃな……その人物……、おぬしたちとはすでに顔見知りのようじゃぞ?」

 

「顔見知りですか?」

 

 

 占いババが水晶を見つめながらそう言うと、今度はアベルが訊ねた。

 

 

「うむ。水晶にはおぬしとその少女が笑い合っていた過去が映っておる」

 

「少女……ってまさか……」

 

 

 ――その子、僕知ってる気がするんですが……?

 

 

 占いババによれば、なんとその人物はアベルの顔見知りらしい。

 しかも、性別は女の子……。

 

 

 女の子の顔見知り……で器用な子……。

 

 

 ……アベルはある一人の少女を思い出していた。

 

 

「え、ひょっとしてその少女ってクリエ……ちゃん?(彼女、異世界から来た人だったの……!? ということはシドー君も……!?)」

 

 

 アリアも同時に思い至ったらしく、アベルより先に“クリエ”の名を挙げる。

 

 

「名前までわしは知らんが、二つ結びの金髪の少女じゃな」

 

 

 占いババの両手拳が頭上に持ち上げられ、その拳はツインテールを想起させた。

 

 

「「クリエちゃんだ……!!」」

 

 

 アベルとアリアの声が歓喜に沸き重なる。

 

 クリエ……、まさか彼女が異世界の人間だとは思わなかったが、異世界の住人だと言われると妙に納得できてしまうから不思議だ。

 

 

「ふぉっふぉっふぉっ。知り合いで良かったのう。彼女に頼めばどうにかなるぞえ」

 

「っ、ですが、彼女も旅をしていて居場所がわかりません。どこにいるかわかりませんか?」

 

 

 占いババの目蓋が弧を描くが、アベルはすぐに次の質問を問い掛けていた。

 

 

 ……朝を迎えるために必要なのがビルダーだったとは思わなかったが、確かにクリエなら何でも修理できそうだ。

 ビルダーの彼女ならば博物館の【展示台】も直せるに違いない。

 

 クリエがいれば、世界の闇を終わらせることも、博物館のオープンも同時に叶う。

 それに、彼女ならきっと協力してくれるだろう。

 

 

 だが、クリエはアベルと同じく旅をしている――。

 居場所がわからなくては依頼もできないではないか。

 

 

 ……そんなアベルの不安を吹き消すかのように占いババは不敵にニヤリ。

 

 

「ほう……? わしにわからぬものはないぞ?」

 

「…………、お願いします」

 

 

 不敵な笑みを浮かべる占いババに、アベルは黙り込んでから頭を下げた。

 

 

「……おぬし、今なぜ間を空けたのじゃ……」

 

「あ、いえ別に……」

 

 

 ――僕たちから話を聞かなかったら世界の闇に気付かなかったよね……!?

 

 

 別に占いババが悪いわけではない。

 【世界の理】は人々にそれぞれ決まった言葉を話せという使命を与えているのだから、ある程度は仕方ないのだ。

 

 それから外れるにはきっかけがなければならない。

 

 

 ……占いババに睨まれたアベルは気まずさにそっと目を逸らした。

 

 

「お願いします! プリティーキュートな美しい占いババさまっ♡」

 

 

 不意にアリアが占いババの手を握る。

 ……今度は見た目を褒めるスタイルらしい。

 

 

「ええい、お前さんは調子がいいのぉ! もっと言え!」

 

「ああんっ♡ 占いババさま素敵~! そんな愛らしいお姿で私のだんなさまをメロメロにしないで~♪」

 

「ふぁっふぁっふぁっ、わしも昔はお前さんのようにピチピチギャルだったんじゃぞ! そりゃもうセクシーかつミステリアス、男が毎日代わる代わる求婚に来たくらいじゃ!」

 

「すっごぉ~い♡♡ さすがです天才占いババさまぁ~♡ 私なんて足元にも及びませんわ~! あ、シュシュ付けてみませんか? 似合うと思うんです~♡」

 

 

 どうやらアリアの褒め殺しが効いているらしい……、占いババは頬を染めつつ満更でもない様子でアリアに笑顔を見せた。

 ……占いババが男性以外に笑顔を見せるのは珍しいかもしれない。

 

 アリアは決して口撃を緩めず、“可愛い可愛い”と普段使いのシュシュという髪飾りを占いババの二つに結んだ髪に付けてやっている。

 

 

「アリア……そんなに持ち上げなくても……(さすがに調子乗り過ぎなんじゃ……)」

 

 

 占いババはどう見ても三白眼の皺くちゃオババである。

 正直なところ臭いも独特だし、プリチーでも、キュートでも何でもない。

 

 お世辞なんて言えない正直者のアベルにはアリアの真似は出来そうにないので様子を見守ることにした。

 

 

 ……これで占いババが機嫌よく占ってくれたなら儲けもの――。

 

 

「わぁ♡ 占いババさまカワイイ~♡」

 

「ふふん♪ まあ、ええじゃろ。この天才且つびゅーてぃふぉーな占いババさまがその少女の居場所を占ってしんぜよう」

 

 

 なんと! 占いババのテンションが上がっている……!

 

 占いババはアリアの付けたシュシュとやらがいたくお気に召したらしい。

 上機嫌に水晶玉に手を(かざ)し始めた。

 

 

「わ~い♡」

 

「……どれどれ……、ウム……、ム……? ほうほう……」

 

 

 水晶玉が僅かに光り、占いババの顔を下から照らす。

 闇夜の中であおり気味の灯りはちょっとしたホラーを映し出し、束の間喜んだアリアはビビったがアベルのマントを掴んでなんとか耐える。彼女(アリア)は「顔がコワイ……」と、ぶるぶる震えながら様子を窺った。

 

 

「……っ、どこにいますか!?」

 

「……ここから西……、西じゃ!」

 

 

 アリアが震えて言葉を発せないため、アベルもちょっとばかし怖かったが代わり応える。

 占いババは西の方角へと鋭い視線を向けた。

 

 

「西って……、西の大陸……?」

 

「いや、船に乗る必要はない。西の方角じゃ!」

 

「……つまり、サンタローズかアルカパ……か……」

 

 

 ――それらしい人は見掛けなかったけどなぁ……。

 

 

 アベルが半信半疑で首を傾げると、占いババが自信満々に言ってのける。

 それを聞いたアベルは腕組みして首を捻った。

 

 ……サンタローズにも、アルカパにも数日前に顔を出している。

 それらしき人物の姿を見掛けた覚えはないし、彼女らの話も聞いていないのだが……。

 

 

「とにかく西じゃ。西に急げ! わしの腰を早く救うのじゃ!」

 

 

 占いババの片手、人差し指が西の方角を力強く指し示す。

 もう片方の手は腰をトントン――、腰痛が辛そうだ。

 

 

「いや、家に帰ればいいのでは……」

 

「やかましい! 夜の間は営業すると決めておるんじゃ! 女の決心は固いんじゃぞ!」

 

 

 ファサッ! 占いババは顔をプイッと横に向け、髪を靡かせる。

 アリアのあげたシュシュが重力にならって遅れて落ちた。

 

 加齢臭なのか……何とも言えない独特の香りが漂ってくる……。

 




ビルダークリエ……! ビルダーズが好き過ぎてクロスオーバーしまくってすみません。楽しいです♪

西に行けばクリエたちに会えるそうなので、次回からクリエ&シド―君捜しの始まりです。

おばあちゃんのニオイ、私は好きです!

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読了お疲れ様でした、そして読んでいただきありがとうございました!
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