ドラゴンクエストⅤ -転生の花嫁-   作:はすみく

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いつもありがとうございます、はすみくです。

前回のプチあらすじ>クリエたちの探す“カケラ”はアベルたちには見えず……。

ピキーン!

では、本編どぞ。



第七百二十九話 ピキーンとねっ

 

「カケラの形、大きさはまちまちなんだ。全部見つけて修復したらボクたちは元の世界に帰れる……はず」

 

「「はず……」」

 

「えへへっ。不確定だけどねっ☆」

 

 

 “カケラ”が揃っても帰れるという保証はないらしい。

 

 アベルとアリアの呟きに、それでもクリエは明るく朗らかに笑う。

 シドーも腕立てを終え、クリエに倣うように口角を上げていた。

 クリエとシドーは元の世界に帰る手段が不確定ながら、悲観はしていないらしい。

 

 ……二人ともアリアと同じくポジティブな子たちのようだ。

 

 

「さってと。じゃあアベルお兄さん、闇のランプとやらを見せてもらってもいいかな?」

 

「あ、ああ」

 

 

 さて、クリエたちの旅の目的を聞き終えて、今度はアベルたちの番である。

 アベルは真っ二つに割れた【やみのランプ】を取り出し、クリエに手渡した。

 

 

「へぇー、これが闇のランプかぁ~。なるほど、不思議な力を感じるね」

 

 

 クリエが割れた【やみのランプ】を掲げて、上から、下から、横から、内側――と、目を凝らしてよく見てみる。

 彼女は不思議な力を感じることができるのか、興味深そうに真っ黒なランプの内側を人差し指で擦った。

 

 

「わかるのかい!?」

 

「うん。なんかこの内側の黒いススっぽいやつ? それに魔力が込められているみたいだね」

 

 

 アベルの驚きの声にクリエは人差し指に付いた黒いススを見下ろし、親指と擦り合わせる。

 すると黒いススは天井へ向けて煙となって溶けていった。

 

 

「異世界のアイテムもわかるなんてクリエはさすがだな。オレにも見せてみろよ」

 

「ほい」

 

 

 シドーがやって来て【やみのランプ】を見せろと言うので、クリエは快くシドーにそれを渡す。

 ……シドーも興味津々といった顔で瞳が輝いていた。

 

 

「……う、ん……? あー……確かに。これはあれだな、神が地上に残したやつっぽいな」

 

「そうなんだ?」

 

「オレのチカラに似たものを感じる。普通の人間じゃ直せないだろうな」

 

「へー」

 

 

 シドーの話を何でもないかのように聞き流し、クリエは声を発する。

 

 “オレのチカラに似たものを感じる”――とはいったい……。

 

 アベルとアリアには何のことかさっぱりで、二人は互いに顔を見合わせ黙り込むと再びクリエたちに視線を戻した。

 

 ……彼女たちは異世界から来た人間だが、普通の人間ではないのでは……?

 

 もちろんクリエが素晴らしい腕を持つマルチ職人(ビルダー)なのは解っている。

 が、シドー……。

 

 彼はクリエの手伝いをするだけで、あまり何かを作っているところを見たことがない。

 どちらかというと魔物退治や、荷物運びを主にしていて、その腕っぷしを買われて一緒に旅をする友達なのだと、修道院生活中はアベルもアリアも思っていたのだが、どうもそれだけではなさそうだ。

 

 

「だがクリエ。オマエならできる」

 

「そうかな」

 

「おう! オマエなら作業台のどれを使い、素材に何が必要なのか(ひらめ)くだろ?」

 

 

 シドーは割れた【やみのランプ】をクリエに戻し、彼女の両肩に手を置いて深く頷く。

 受け取ったクリエは首を縦に下ろしニカッと不敵に白い歯を見せた。

 

 

「ヒラメクの……?」

 

「あ、ボク、突然ピキーンと降りて来るんだよね」

 

 

 ふとアリアが呟くと、笑顔のクリエが自らの頭上を指差す。

 

 

「ピキーンと……?(どういうことだろう……?)」

 

 

 なぜ天井を指差しているのだろう……、今日はアリアの首が右へ左へとよく傾いて忙しい。

 アベルも同じ動きをしており、クリエの目は愉快そうに弧を描いていた。

 

 

「そうそう。……さて……キミを直すのに必要な材料はなんだろう。教えてくれる……?」

 

 

 クリエは手元の【やみのランプ】に話し掛ける。

 すると――。

 

 

 

 

 “ピキーン!!”

 

 

 

 

 不意にクリエの頭上に電球のような物が現れ、数回光ると跡形もなく消えた。

 

 

「えぇっ……!?(ヒラメキってそういう……!?)」

 

 

 アリアが驚きの声を上げる。

 隣でアベルも目を丸くし「イマ、ズジョウニナニカヒカッ……」とぶつぶつ。

 

 

「わかった~☆ 必要なのは金と銀と、空の闇を集める呼び水となる消えない魔力の炎。それとシドー君のチカラだ!」

 

 

 アベルとアリアの様子などお構いなしにクリエは話を続け、満面の笑みで【やみのランプ】からシドーに視線を移した。

 

 

「え、オレ?」

 

「うん、みたい。側はボクが復元できるけど、機能まで完璧に復元するにはシドー君のチカラが必要だよ」

 

「……そっか……、まさか異世界でオレのチカラが必要になるとは……。へへっ。オレにしかできないモノがあるなんてな……はははっ!」

 

 

 ……何やらシドーが嬉しそうだ。

 クリエが閃いた素材は、【金】と【銀】、それに消えない魔力の炎。

 

 そしてシドーの力……。

 

 

「金と銀と、消えない魔力の炎か……。集めるにはどうすればいいんだろう……?」

 

 

 アベルは告げられた必要素材を復唱し、腕組みをする。

 

 

 ――金属なんて加工品しか持ってないな……【銀】ならなんとかなるけど、【金】……メダル王に相談してみるか……?

 

 

 【銀】は【ぎんのかみかざり】を溶かせば手に入りそうだが、【金】はアリアにあげた【おうごんのティアラ】があるものの、できれば溶かしたくはない。

 ……他に【金】を持っていそうなのはメダル王である。

 

 彼に相談して城の一部を譲ってもらえれば、どうにかなりそうだ。

 だが、“消えない魔力の炎”とはなんのことだろうか……。

 

 今までそんなアイテム名を聞いたことがない。

 是非手に入れたいと思うが、アベルにはそれがどこにあるのか全く見当がつかず、頭を抱えてしまう。

 

 

「金と銀ならボクが持ってるから大丈夫だよ。けど、消えない魔力の炎はこの世界にあるかなぁ……」

 

「それってどういうものなの……?」

 

 

 “消えない魔力の炎”に首を捻るクリエに、今度はアリアが訊ねた。

 

 

「魔力の炎は魔力の炎だよ。ボクがいた世界じゃ、フレイムが適任ってとこだけど……フレイムっているかな?」

 

「フレイムって……炎のことよね……?」

 

「ちがうちがう。いや、炎っていうのは合ってるんだけど、フレイムは魔物の名前だよ」

 

「え? 魔物? それって……――」

 




物理的にピキーン。
あの効果音すき。

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読了お疲れ様でした、そして読んでいただきありがとうございました!
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