ドラゴンクエストⅤ -転生の花嫁-   作:はすみく

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いつもありがとうございます、はすみくです。

突然の求婚。

では、本編どうぞっ。



第七十六話 求婚

 

 ヘンリーの部屋に戻ると、部屋の主の姿は見当たらなかった。

 

 

「……また居ない……」

 

「どこに行っちゃったのかしら……」

 

 

 二人は再びパパスの元へと向かい訊ねるが、パパスはヘンリーはここに来ていないぞと頭を横に振るだけである。

 今度こそ本当だよ! とアベルはパパスを引き連れヘンリーの部屋に戻るのだが、またもヘンリーは部屋でお絵描きをしており、パパスを睨み付け怒鳴って追い出してしまう。

 

 

「な、なんで……?」

 

『…………う~ん……』

 

 

 狐につままれた気持ちになったアベルが目を見開くと、アリアは腕組みして思案顔をしていた。

 

 その後、アベルはもう一度ヘンリーに子分になるか問われ「なる」と言って宝箱を調べるのだが、やはり中は空っぽのまま。

 そして、ヘンリーの部屋に戻ると、またヘンリーの姿が見えなくなる。

 三度目の正直だとパパスを連れて戻ると、ヘンリーは席に着いているという怪現象が起こってしまっていた。

 

 

「うー……何でだろう……?」

 

「ね、アベル。私ヘンリー王子の部屋で待ってるから、今度はアベル一人で隣の部屋に行ってみて?」

 

 

 アベルが苦々しい顔で口を尖らせると、それを見ていたアリアが優しく微笑んで提案する。

 

 

「え……?」

 

「ヘンリー王子がどんな魔法を使って姿を消しているのかわかるかもっ?」

 

「あっ、なるほど! …………、……っ?」

 

 

 チリッ。

 

 

 アリアがヘンリーの部屋で見張っててあげると提案したその時、アベルのこめかみに小さな痛みが走った気がした。

 

 

「アベルどうかした?」

 

「いやっ、何でもないよ。じゃあもう一度宝箱を調べに行くね」

 

 

 今、一瞬、何かわかった(・・・・)気がしたんだけど……。

 気の所為かな……?

 

 やっぱり、また(・・)っていう感覚は消えてないのかな?

 

 

 アベルは一瞬額を抱え、ふぅ、と息を吐いたのだった。

 

 

 

 そして、

 

 

 

 アベルはヘンリーの部屋の扉を開け放つ!

 

 そして、ヘンリーに声を掛ける!

 

 

 

「ヘンリー王子! 今度こそ!!」

 

「どうだ? 子分のしるしを取ってきただろうな!?」

 

「いやだから……何も入ってなかったんだけど……?」

 

「なに? 宝箱は空っぽだったって? そんなはずはないぞ! 子分になりたければもう一度よく調べてみな!」

 

「…………わかったよ……(アリア頼むね!)」

 

 

 アベルはアリアに目配せし、ヘンリーに云われるまま隣の部屋へと今度は一人で向かうのだった。

 アリアは「任せて!」とサムズアップして、アベルを見送った。

 

 

 

 

 

 

 アベルは隣の部屋で、宝箱を開ける。

 

 

「……うん、ないね! ……あ、引き出し……調べてなかったな……」

 

 

 ふと、部屋の隅に引き出しがあるのを見つけ、アベルはもしかしたら、ここに入れて忘れてる可能性もなくはないと思い、探すことにした。

 

 

 がさ、ごそ。

 

 がさ、ごそ。

 がさ、ごそ。

 

 がさ、ごそ。

 がさ、ごそ。

 がさ、ごそ。

 

 

 【子分のしるし】とやらが何かはわからないが、そう大きなものではないのだろうと踏んで、アベルは引き出しの中を隈なく探していく。

 

 

「……――!」

 

「……――……――、……――?」

 

 

 探しているうちに、隣の部屋からアリアとヘンリーの声が聞こえて来た。

 

 

「っ!?」

 

 

 今、アリアとヘンリー王子の声が聞こえなかった……!?

 

 

 引き出しの中を探すアベルの手が止まる。

 

 

「だから……ヘンリー王子――」

 

「そん……――から……――」

 

 

 アベルが耳を澄まして音を拾うと、アリアがヘンリーの名を呼んでいるではないか。

 

 

「っ! 子分のしるしなんか探してる場合じゃない!!」

 

 

 アベルは急いでヘンリーの部屋へと戻るのだった。

 

 

 

 

 

 

「アリアっ!?」

 

 

 バンッ!

 

 

 と、扉を勢いよく開きアベルはヘンリーの部屋に入ると、目の前の状況に目を見開いた。

 ヘンリーがアリアの手に触れ、その甲に口づけを落としている。

 

 

「あっ、アベル……!」

 

「っ!? ……おい、お前! この女は誰だ!? て、天使じゃないか!」

 

「なん……???」

 

 

 ……どういう状況?

 

 

 アベルは瞬時に理解できず、固まってしまった。

 

 

「おいっ! お前聞いているのか!? 子分なら親分にこのオン……、コホンッ! 女性を紹介しろと言っているんだぞ!?」

 

 

 ヘンリーはアリアの手を取ったまま、顔を真っ赤に染めてアベルを怒鳴りつける。

 子分のしるしを渡したわけでもないのに、ヘンリーは既にアベルを子分と認定しているようだ。

 

 

「っ、あ……えと、ヘンリー王子。もしかして…………アリアが見えているの?」

 

「っ、アリア!? おま……いや、あなたはアリアというのかっ!! なんて素敵な名前なんだ!!」

 

 

 ヘンリーは瞳をきらめかせながら、アリアの手をぎゅっと握る。

 

 

「っ……アリアっ、これっ、どういう状況!?」

 

「えぇ……とぉ~……(私もよくわかんないんだよぉ……)」

 

 

 アベルにヘンリーが握る手とは逆の手を取られ、アリアは困惑していた。

 

 

「アリア! オレの嫁になれ! オレの嫁になれば将来は安泰だぞ!? なんたってオレは次期ラインハット王になるんだからなっ!!」

 

「っ、嫁って何? よくわかんないけど、ダメっ! アリアは僕の友達なんだから!!」

 

 

 アリアはヘンリーとアベルにそれぞれ手を引っ張られる。

 

 

「ちょ、いった! 痛いぃ~……!!」

 

 

 二人ともそんなに引っ張ったら、腕抜けちゃうよ!

 

 

 アリアは顔を顰め痛みに耐えていた。

 

 

「っ、おい、お前! その手を放せ! アリアが痛がってるぞ!」

 

「ヘンリー王子こそっ!!」

 

 

 少年二人は互いに放す気はないようで、引っ張る力を強める。

 

 

「っ、ひぎぃぃぃ~……! ぁぁああああっ!!(死ぬぅ~~……!)」

 

 

 アリアは涙目になり、本当に痛いらしく一粒涙が頬を伝っていった。

 

 

「っ! ……アリアっ!」

 

 

 アリアの涙に気付いたアベルは“ぱっ”と手を放す。

 

 

「うわっ!」

 

「わっ、きゃあっ!!」

 

 

 どすん。

 

 と、床に身体を打ち付ける音がする。

 反動でヘンリーの方へとアリアの身体が倒れこんだのだった。

 




プロポーズは突然に。
ヘンリーと結婚したら転生の花嫁 ―完― ですね。
マリアはどうした!?

まだ終わりません……。
アベルといちゃらぶするまで終われません……www

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評価いただけるとモチベ上がりますので、良かったら下さいっ。
感想など頂けたらめっちゃ嬉しいです。

読んでいただきありがとうございましたっ!
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