ドラゴンクエストⅤ -転生の花嫁-   作:はすみく

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いつもありがとうございます、はすみくです。

本日も古代の遺跡攻略です。

では、本編どうぞっ。



第八十七話 父を追って

 しばらく遺跡の通路を歩き、何度か魔物と遭遇しながらもアベルとアリアはパパスの元へと向かっていた。

 

 

「アリア、これ使って」

 

「あ、薬草! ありがとっ!」

 

 

 魔物に襲われ戦闘が終わると、アリアに薬草を渡した。

 アリアの身体はボロボロである。

 

 先程から、【スライムナイト】と【ホイミスライム】、【ブラウニー】なんかはアリアを認識出来るようで、普通に攻撃して来るのだ。

 アリアは【ひのきのぼう】や呪文で応戦してはいるが、度重なる戦闘で少しずつ怪我も増えていった。

 アベルも庇ってはいるのだが、現れる魔物の数が多く、庇い切れないでいた。

 

 

「……アベルの武器、強そうだね」

 

「ん? あ、これ……? ラインハットで買ったんだよ」

 

 

 薬草を食べ終え、アリアはアベルの持つ【チェーンクロス】に興味を示す。

 

 

「鎖のムチかぁ……。アベルって武器の扱い上手よね。私も使えるかな?」

 

「えっ、そう? 使ってみる?」

 

 

 アベルは、はいどーぞとアリアに【チェーンクロス】を手渡す。

 

 

「わ……意外と軽いのね……。でも、これ当たったら痛そう……」

 

 

 アリアはピシっと床に【チェーンクロス】を打ち付けた。

 通路の床石が少しだけ欠ける。

 

 

「あ、使えそう?」

 

「ん? うん、いけそう!」

 

 

 にぎにぎと持ち手の感触を確かめながらアリアは頷く。

 

 

「! そっか! ならそれあげるよ」

 

「ええっ!? いいのっ!?」

 

「うん、もう一本あるから」

 

 

 驚くアリアを余所に、アベルは【ふくろ】の中からもう一本【チェーンクロス】を取り出したのだった。

 

 

「……よ、用意、いいねぇ……」

 

「ひょっとしてアリアも使えるかなーって思って、色々買っておいたんだ」

 

「えっ!? 色々っ!?」

 

「うん、鉄の杖でしょ? あと、鉄のツメ。銅の剣とブーメランは僕が使ってたお古になっちゃうけど……、あ、毛皮のマントも買っておいたんだけど、着る?」

 

 

 アベルは袋から武器の数々と【毛皮のマント】を取り出す。

 床に並べられたそれらを前にアリアが「はー……」と感心の溜息を漏らした。

 

 

「っ……アベル、あなたあんまりモノ捨てない人なのね?」

 

「えっ、ぃ、いけない? っ、お、思い入れがあって……」

 

 

 アリアが訊ねるとアベルは頬を真っ赤にする。

 収集癖とまでは行かないが【ふくろ】には何でも入るので、ついそのままにしているのだが、指摘されると少し恥ずかしく感じたのだった。

 

 パパスやサンチョから整理整頓は大事だぞ、物は増やさない方がいい。と言われたことがある。

 だが、【ふくろ】には何でも入るのにどうしてだろう……。と言われた意味がわからずそのままであった。

 

 

「……あんまりたくさん入れると、取り出すの大変じゃない?」

 

「っ……、えと、要らないのは処分します……」

 

 

 アリアに云われシュンと、アベルは俯いてしまう。

 

 

「あ、いやっ、大事なら別に処分しなくてもいいんだよ? 整頓とかしてあるならいいと思って」

 

「整頓……。あっ! そっか! それもそうだね。整頓すればいいよね!」

 

 

 アベルは【ふくろ】の紐を締め、中身が出ないように固く結ぶ。

 そして、紐部分を握ったと思ったら上下にガチャガチャと振り出し、その後ぐるぐるぐると縦回転させ回し始めたのだった。

 

 

「うん、……え? ちょ、何やってるの……!?」

 

 

 アリアは目を見開く。

 

 

「え? 整頓だけど……?」

 

「えっ!!? 整頓っ!?」

 

「うん。こうすると、種類別に勝手に分かれてくれるんだ。ほら、見て、道具と武器と分かれたでしょ?」

 

 

 驚くアリアに【ふくろ】を開けて中を見せる。

 アリアが覗くと、道具と武器、防具と分別されていたのだった。

 

 

「……それ、欲しいっ!」

 

 

 フリフリするだけで整頓とか、何ソレ素敵!

 

 

 アリアはキラキラと瞳を輝かせる。

 

 

「あはは、でも結構重いよ?」

 

「そうなの?」

 

「持ってみる?」

 

 

 アベルは【ふくろ】を床に下ろし、「持ってみて」とアリアを促した。

 アベルに言われた通りアリアは【ふくろ】を持ち上げようとするが、それはずっしりと重く、持ち上がらなかった。

 

 まるで、持ち上げられるのを拒否するかのような【ふくろ】の意思を感じる。

 

 

「っ、重っ……何でアベルはこんな重い物が持てるの?」

 

 

 一体何キロあるの……?

 うんともすんとも言わないんだけど……?

 

 

 アリアは紐を引っ張るが、【ふくろ】はビクともしなかった。

 

 

「え、そこまで重くないはずだけど……?」

 

 

 ほら、とアベルは軽々と【ふくろ】を持ち上げ、腰に付ける。

 

 

「……アベルって力持ちね」

 

 

 もしかしたら、主人公しか使えないものなのかも……?

 だとしたらしょうがないか。

 

 

 アリアは納得するしかなかった。

 

 

「えへへ、僕強いからね」

 

「あ、これ、貰うね」

 

「うん、ちゃんと身に着けておいて」

 

 

 アリアは【毛皮のマント】を羽織り、にっこりと微笑む。

 アリアの防御力が上がる。

 

 

「ありがと、アベル」

 

「これで怪我もし辛くなるね」

 

 

 良かった、アリア嬉しそうだ。

 実は、ずっと【ぬののふく】だったから心配だったんだよね……。

 

 

 アベルはアリアの武器と防具が整ったので、床に散らばった残りの武器を【ふくろ】に仕舞った。

 

 それから再び二人は歩き出す。

 そろそろ、パパスの居たフロアに出るはずなんだが……。

 

 

「あっ、ねえ、あそこを潜った先じゃない?」

 

「……うん!」

 

 

 二人の前に煌々と燃える燭台が見えて来た。

 燭台は奥へと続くトンネル状の通路の手前、左右に設置されている。

 ここを潜り抜ければパパスのいるフロアへと辿り着くはず……。

 ふと上を見上げると、先程アリアと共にパパスを見下ろした二階の通路が通っており、遺跡内をぐるりと回って来たことが分かる。

 

 通路を潜って行くと奥のフロアから“ガチャガチャ、カキンッ”と何かが激しくぶつかる音が聞こえた。

 




アリアさんの装備が整って良かったです。

鞭、使えるようです。

もう直ぐ少年期終わりですね……(もうちょっと続くんじゃ……)。

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感想など頂けたらめっちゃ嬉しいです。

読んでいただきありがとうございましたっ!
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