ドラゴンクエストⅤ -転生の花嫁-   作:はすみく

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いつもありがとうございます、はすみくです。

ヘンリー、助けに来たよ~! の巻き。

では、本編どうぞっ。



第九十一話 助けに来たよ

 

『えっ……?』

 

 

 アリアは口をぽかんと開け、目を丸くするとパチパチと大きな瞳を瞬かせていた。

 

 

「アリア……」

 

『え? あ……、え?』

 

「っ、今の呪文って、前に言ってた扉を開く呪文……だよね?」

 

 

 目をパチクリさせて驚いている様子のアリアに、アベルは訊ねる。

 

 

『っ、ど、どうだろ……パパスさんが、ガチャガチャ動かしたから外れたのかも……?』

 

「そうかなぁ……」

 

 

 “カチャンッ”って、鍵の開いた音を聞いた気がするんだけど……。

 

 

 ……こんなこと初めてだ。

 やっぱりアリアがいれば、父さんを助けられるかもしれない!

 

 

 アベルは希望が見えた気がして、アリアを瞠目した。

 

 

 

 

「ヘンリー王子!」

 

 

 

 

 パパスが奥でヘンリーの身体を起こしているので、アベルとアリアもそちらへと向かう。

 

 

「ふん! 随分助けに来るのが遅かったじゃないか。まあいいや。どうせオレはお城に戻るつもりはないからな」

 

 

 アベルとアリアも駆け付けるとヘンリーは口を尖らせ、チラッとアリアを見た。

 

 

『っ、ヘンリー……? 何言って……』

 

「王位は弟が継ぐ。オレは居ない方がいいんだ」

 

 

 悪かったな、アリア。

 お前を嫁にしてやれそうにない。

 

 

 せっかくオレを安心させてくれて、信じても良さそうだと思った女の子だったっていうのに……と、ヘンリーは諦めたような瞳でアリアを見る。

 

 

『ヘンリー……』

 

 

 どうしてこんな小さな子が、自分が居ない方がいいだなんて言わなければならないの……?

 

 そんなこと、言わないで欲しい……。

 

 

 アリアの瞳は悲し気に揺れていた。

 

 

 

 

「王子!」

 

 

 

 

 不意に、パパスの大声が聞こえたと同時、

 

 

 パシンッ!

 

 

 乾いたビンタの音が聞こえた。

 するとヘンリーの頬が赤く色付き、痛みに手を頬に添える。

 それは熱く、じんじんと痛んだ。

 

 

「なっ! 殴ったなオレをっ!!」

 

「王子! あなたは父上のお気持ちを考えたことがあるのか!? 父上は、父上は……」

 

 

 一瞬、何が起きたかわからなかったヘンリーだったが、殴られたと気付き反抗するのだが、パパスは彼を戒める。

 

 

「…………っ、…………」

 

 

 ヘンリーは唇を噛み締め、瞳を潤ませパパスを睨み付けていた。

 パパスは黙ってヘンリーを見下ろし、言葉を探しているようだった。

 

 アベルとアリアはパパスのビンタに驚いたものの、心配そうにヘンリーを見守っている。

 

 

「…………、…………、……まあともかくお城に帰ってから、ゆっくり父上と話されるがいい。さあヘンリー王子! 追手の来ない内にここを!」

 

 

 パパスはあまり多くを云っても伝わらないだろうと切り上げ、脱出しようと踵を返した。

 

 

「ヘンリー、急ごう」

 

『……行こう?』

 

 

 パパスが扉の方へと歩いて行くと、アベルとアリアはヘンリーに手を差し出す。

 

 

「っ、お前ら……」

 

 

 ヘンリーは二人の手を取ろうか躊躇い、手を出せずにいた。

 

 

「っ、早くしてよっ!」

 

 

 アベルはつい、大きな声を上げる。

 ヘンリーがビクッと肩を震わせ慌てて二人の手を取ると、三人でパパスの後を追った。

 

 パパスは牢を出た所で辺りを警戒して見回しており、三人が扉を潜ると話し掛けて来る。

 

 

「アベル、大きな声を出してどうした?」

 

「あっ、いや……急いだ方がいいかなって」

 

 

 アベルの額に冷や汗が浮かんでいる。瞳の動きも彷徨い、揺れていた。

 

 

「ああ、それもそうだが……、…………ふむ……」

 

 

 アベルの奴、何だか落ち着きがないな……。

 一体どうしたというのだ……。

 

 

 どこか落ち着きのない息子の様子に、パパスは注意深く観察するが、今はそれよりもここから脱出するのが先決だと、とりあえずアベルの頭を優しくぽんぽんと撫でる。

 安心させるように、口角もわずかに上げておいた。

 

 そんなパパスをアベルは不安気に見上げ、

 

 

「っ、父さん急ごうっ!」

 

 

 早くイカダに乗って脱出しようと、アベルはパパスの手を取り引っ張る。

 

 

「お、おい、アベルっ!? どうしたのだっ!? 追っ手か!?」

 

 

 パパスは辺りを見回す。

 近くには魔物の気配はない。

 

 ヘンリーもアリアもアベルが急に引っ張ったので驚いたが、走り出すのでついて行こうとしていた。

 

 

「みんな急いでっ!」

 

 

 アベルは皆を引き連れイカダまで一目散に走る。

 

 

 確か、ここで魔物が現れて父さんと離れ離れになるんだ。

 

 

 だけどまだ、魔物は出ていない。

 未来は変わったのかもしれない。

 

 

 けど、まだ安心は出来ないから。

 本当に急がないと、また(・・)……。

 

 

 アベルはどうにか未来を変えたくて、以前とは違う行動を起こしていたのだった。

 

 

 この行動が別の未来に繋がりますように。

 アリアがいるのだから変わるよね。

 

 

 アベルは後ろを走るアリアをちらりと見返す。

 

 

「アリアがいればっ、大丈夫だよねっ!!」

 

『…………え、な、何が……?』

 

 

 急に振られて要領を得ないアリアは、ポケーっとした顔で目を丸くしていたが、アベルは目を細め飛び切りの笑顔を見せた。

 ヘンリーもわけがわからず頭に疑問符だらけのまま走る。

 

 

「だって、アリアは…………、………………………………ぁ」

 

 

 急にアベルは立ち止まる。

 視線が最後尾のプックル、の、更に後ろを見ていた。

 

 

「……っ! アベルっ!」

 

 

 パパスの足も止まり、アベルの手を振り解く。

 そして、パパスは最後尾へと走って行った。

 

 

『っ、魔物っ!?』

 

「っ、くそっ!」

 

 

 アリアとヘンリーも立ち止まり、目を見開く。

 アリアはヘンリーを庇う様に前に立ちはだかり、武器を構えた。

 

 背後に追っ手……、魔物の群れが現れたのだった。

 今にも殿のプックルに襲い掛かろうとしている。

 

 

「く! さっそく現れたかっ!? アベル! ここは父さんが引き受けた! お前は王子を連れて早く外へ!!」

 

 

 パパスは現れた魔物に切り掛かって行く。

 プックル目掛け振り下ろされた拳はパパスの剣が弾いていた。

 

 

「ガウガウッ!」

 

 

 プックルは咄嗟に身を翻し、アリアを護るように彼女の前に位置を取ると、魔物を睨み付ける。

 

 

「父さんっ!! ダメだっ!」

 

 

 アベルはヘンリーの手を解くと、今度はパパスに向かって手を伸ばし叫ぶが、パパスは聞こえない様子で魔物達と戦い始めていたのだった。

 




このままだと少年期だけで百話超えそうです(※ギリ超えません・投稿時追加後日談)。
おかしいなぁ……こんなに書くつもりは……。

楽しい……♪

私プロットとか書かないので勝手にストーリーが進んでいきます。
キャラにぶん投げなので歩みは遅いけど、最後まで付き合っていこうと思ってます。
最後までお付き合いいただければとても嬉しいです。

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評価いただけるとモチベ上がりますので、良かったら下さいっ。
感想など頂けたらめっちゃ嬉しいです。

読んでいただきありがとうございましたっ!
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