龍の目を持つ悪魔(1年生編)   作:アニ督

11 / 19
大変お待たせしました。第10話です。皆様の応援で10話まできました。それでは、どうぞ!!


第10話 もう一つの力

2092年5月30日

午後6時

東京 銀座の某ホテルのパーティー会場

 

ガヤガヤガヤ

と多くの人が集まるこのパーティーに俺は居た。理由は、数日前に誘われ。いや、来るように言われたからだ。

裕翔「ハァ〜、やっぱりこの感じは慣れないなぁ。」

とタキシードを着た俺は呟く。昔から周りに劣等扱いを受け続けてきた俺はこんなパーティーに来るたびに親族から辛い事言われ続けてきたからだ。だから、俺は慣れない以前にこのような感じのパーティーは嫌いだった。そして、そんな空気の中1人でいると

キリト「よ、葉山。」

とキリトとアスナ、リズ、シリカ、ミトと合流する。

裕翔「来たか。」

キリト「まぁな。にしても、随分と嫌そうな顔をしてたな。」

裕翔「こういうのは、昔から嫌いだったからな。」

キリト「まぁ、その事に関してはなんとなく想像がつく。だから、模索するのは辞めておくよ。」

裕翔「そうしてもらえると助かる。」

と話していると、

リズ「それにしても、葉山。アンタ、随分と良い服を来てるじゃない。こういうパーティーを着てる割には服装もしっかりしてるし。」

裕翔「これでも、一家の当主だ。それなりの作法は学んでるよ。」

シリカ「でも、とてもお似合いです。」

裕翔「ありがとう。」

と礼を言っていると、

?「少し、良いかな。」

と突然声をかけられる。そこには2人の男性が居た。1人は中年の男で、もう1人は執事らしき男だった。そして、この執事らしき男とは俺も一応面識はあった。

裕翔「何か御用ですか。」

龍郎「私の名は、司波龍郎と言う。どうぞ、よろしく。」

裕翔「名は知っていますよ。それで、四葉家の方が俺に何か用ですか。」

と返すと、

青木「少しは口の聞き方に気をつけたらどうだ。この無能めが。」

と言ってくる。こいつは青木。四葉家に仕える序列第4位の執事だ。俺がガキの頃からある意味随分と世話になった男の1人だ。すると、

キリト「おい、アンタいきなり葉山に無能とは失礼じゃないか。」

とキリトが言う。すると、

青木「失礼。笑わせる。真の葉山家を追い出された男の息子のとこが無能ではないと言うのだ。」

と言い返す。

キリト「テメェ!!」

とキリトが殴りかかろうとするが、

裕翔「やめておけ。」

と俺は止める。

キリト「だけど。」

裕翔「これは俺の家の問題だ。気持ちはありがたいが、お前じゃあ相手が悪すぎる。だから、ここは俺が対応するからそこでじっとしていろ。」

と言う。そして、

裕翔「それで、要件は何ですか。」

青木「き、貴様・・・。」

龍郎「分かった。では、話そう。私は、四葉家当主から真夜様から伝言を頼まれてね。葉山君、四葉家に仕えないか。」

まぁ、その発言に対して俺は想定した通りだった。

裕翔「・・・・・前にも同じ返事しましたが、俺は四葉家に仕えるつもりはありません。」

龍郎「理由はあるかな。」

裕翔「俺らが、苦しい時に手を差し伸べてくれなかったクソ一家が仕える家になぜ、俺が仕えないといけないのですか。」

青木「貴様!!」

裕翔「言っておきますが、俺はあの葉山忠教を一度も実の祖父だと思った事はありません。それに、四葉真夜が欲しいのは俺ではなく俺の力はずです。そんな家のために俺は仕えるつもりはありません。」

ときっぱりと断る。すると、

青木「貴様、真夜様のお誘いを断るつもりか。」

裕翔「そうだ。」

青木「無能は、黙って言うこと聞いていれば良い事を。大体、貴様ような家族すら守ることが出来なかった男がこのような誘いを貰えることすら私は認めたつもりはない。それは、貴様の妹も同様だ。」

裕翔「・・・・・。」

青木「もはや、死んだも当然な妹ために戦い続ける貴様は愚かな男だ。さっさとあの娘もあの時に死んでおけば、兄にこんな辛い人生を歩ませなかったものを・・・・・。」

裕翔「いい加減したらどうだ。」

と俺は青木に言う。

裕翔「青木。アンタ言って良いこと悪いことがあるって思わないのか。例え、俺は悪く言うのは構わない。だが、俺の家族を家族を悪く言うことだけは絶対に許さない。」

と言いつつ、俺は青木を睨む。

すると、

?「その通りだ。」

と誰が言ってくる。その声がする方を向くとそこには、七草家の当主の七草弘一の姿があった。そして、隣には真由美の姿も。

弘一「彼は、私の娘の恩人でもある。そんな、彼を陥れるような発言は辞めてもらいたい。」

青木「これは、七草家の当主弘一様。ただ、私は口の聞き方もままならないコイツをただ説教していただけで。」

と言い訳を言うが、

真由美「例え説教でも、彼の亡き両親や妹さんを悪く言ってよい事にはならないと思いますが。」

弘一「娘の言う通りだ。それに彼の亡き父親は私の大事な親友だ。亡き親友とその息子に対する愚弄に関しては今後やめて頂きたい。彼は、これからの魔法界においても重要な人物だ。下がりたまえ。」

と言う。

青木「くっ・・・・・失礼します。」

青木も流石に立場が危うくなると思ったのか下がる。すると、

龍郎「葉山君。私の執事がすまなかった。」

と俺に対して頭を下げてくる。

裕翔「いえ、別に罵られる事には慣れてるので気になさらないでください。」

龍郎「そうか。だが、真夜様からお誘いに関しては少し考えてみてくれ。それでは、失礼するよ。」

そう言うと彼は去って行った。そして、

裕翔「ありがとうございました。」

と俺は弘一さんに頭を下げる。

弘一「そう、気にしないでくれ。君は娘の恩人だ。当然の事をしただけだ。それでは、私は他の方との挨拶もあるから真由美、後は好きにしなさい。」

そう言うと弘一さんは他のお偉いさん方の元へと行ってしまう。そんな弘一さんに俺は再度頭を下げる。すると、

真由美「葉山君!!」

と真由美が後ろから抱きついてくる。

裕翔「なんだよ。」

真由美「もう、助けてあげたのに何よその態度。」

裕翔「あぁ、それについて感謝する。だが、抱きつくのはやめろ。」

と言うと、

キリト「ホント、流石は魔法界てで権力がある一家だな。」

とキリトが言ってくる。それに対して、

アスナ「キーリートークーン。それって、真由美から聞いたら嫌味に聞こえると思うんだけど。」

リズ「ホント、アンタって女の心が分かってないわねー。」

ミト「ホントよねー。」

キリト達が話していると、

?「居たー!!お姉ちゃん!!ちょっと、勝手に置いていかないでよ!!」

と誰かの声が聞こえてくる。声がする方を見ると、そこには見覚えのない女の子が2人いた。

裕翔「誰?」

と俺が呟くと、

真由美「ごめん。だって、お姉ちゃんも挨拶があったから。」

と真由美が2人の女の子に謝る。その姿見た俺は、

裕翔「七草。お前、その2人って。」

真由美「うん、皆んなに紹介するね。この2人は、妹の香澄ちゃんと泉美ちゃん。今回初めてこういったパーティーに参加する事になったの。ほら、挨拶。」

泉美「七草泉美です。よろしくお願いします。」

と挨拶してくる。それを見た俺は、

裕翔「七草。この子、本当にお前の妹?」

真由美「それって、どういう意味!?」

と話していると、

香澄「アンタが、葉山裕翔?」

ともう1人香澄と言う妹が聞いてくる。

裕翔「あぁ、そうだけど。」

と返すと、

香澄「アンタの事、いつもお姉ちゃんが話してるけど。私は絶対にお姉ちゃんをアンタになんか渡さないから。」

と言ってくる。

すると、

真由美「ちょ、ちょっと!!香澄ちゃん!!何を言ってるの!?」

と真由美は慌てるが、俺は

裕翔「安心しろ。別に取る気はねぇよ。」

と言う。

香澄「分かった。失礼しました。」

一礼し、香澄は下がる。

すると、

真由美「ごめんね。葉山君、なんか妹が失礼な事を言って。」

裕翔「気にするな。お互いに妹がいるんだ。ああいう、大抵の女の子の事くらいある程度は分かってる。」

そう話していると、

摩利「真由美、葉山。」

摩利と合流する。

摩利「すまない。遅くなった。」

摩利は、少し家の事情で遅れると連絡がきていたのだ。

裕翔「後は、今のところ見てないのは十文字くらいか。」

と呟くと、

克人「俺なら、ここに居るぞ。」

と後ろから急にいわれる。

裕翔「お前、こういう時くらい気配を消してくるな。」

克人「すまない。もともと早く来てたのだが、挨拶もあって遅くなった。」

と克人も合流し、今日のこのパーティーに来ているメンバーが全員揃った。そして、 

真由美「じゃあ、皆んなが揃ったところで乾杯!!」

皆んな「乾杯!!」

裕翔「乾杯。」

と皆んなでジュースが入ったグラスで乾杯をする。その後はみんなで雑談を話していた。そんな雑談を俺は適当に聞いていると、

弘一「葉山君。少し、良いかな。」

と途中で弘一さんが話しかけてくる。

裕翔「はい。何の御用でしょうか。」

弘一「少し、場所を変えて話したいが良いかな。」

裕翔「はい。構いませんよ。」

と言うと、俺は弘一さん共に少し場所を変える。

 

午後7時32分

ホテルのとある一室

 

俺は、弘一さんと話す為にここまで来たのだ。そして、

弘一「葉山君。君に一つ聞きたい事がある?君は、5年前に姿を現した悪魔なのか。」

と問い詰められる。

裕翔「それは、どう言う意味ですか。」

弘一「そのままの意味だ。5年前、突如現れ、当時巨大なテロ組織であったエンジェルハウンド。その組織を一夜にして壊滅させ、姿を消し今だに正体をも分からない謎の男。葉山君。正直に答えて欲しい。君が例の悪魔じゃないのかね。」

裕翔「・・・・弘一さん。もし、俺が仮にそうだとしたら貴女は、俺をどうしますか。」

と返す。すると、

弘一「今から4年前、私は悪魔と会った。」

裕翔「・・・・4年前。」

弘一「当時、その時私は娘の真由美を連れて北海道にいた。しかし、私が目を離した時に真由美は、当時エンジェルハウンドの数少ない残存のテロリストどもに誘拐された。私は、すぐに護衛を連れて、真由美の救出に向かった。だが、その日は不安にも暴風で、視界がきかない状態だった。その時、黒いボロボロのマントを被った少年が眠ったままの真由美を抱えて、私の前に現れたんだ。その少年は、負傷していたが、私たちに真由美を返すと、そのまま再び、姿を消した。その少年の顔は、確かに悪魔と告知していた。そして、葉山君。今の君にも似ていた。答えて欲しい。君が悪魔なら正直に。」

その言葉に俺は直ぐには声が出なかった。そして、

裕翔「・・・・・分かりました。俺は・・・・。」

キィ

と答えようとした時、閉まっていたドアが微かに開く。そして、その空いたドアの隙間から、黒い筒らしき物が姿の見せる。そしてその黒い筒は見るからに銃口だった。それを見た俺は、

裕翔「伏せて!!」

と言いつつ、俺は弘一さんの頭を押さえ、一緒に近くのソファの裏に隠れる。それと同時に

ズダァーン

と大きな音と共に弾が飛んでくる。俺は少し、ソファーから顔を出し、敵を確認する。

すると、部屋には2人の敵が入ってきていた。1人はショットガン、もう1人はAKを持っていた。すると、ショットガンを持った敵と目が合ってしまう。俺は、直ぐにソファーに顔を隠すと同時に

ダァーン

と散乱弾が飛んでくる。そして、

コトコト

と近づいてくる足跡が聞こえてくる。

裕翔「弘一さん。ここで動かすにいて下さい。直ぐに片付けます。」

と言うと、俺は

バッ

と敵の前に出る。

「何?」

と敵も出てくるとは思っていなかったらしく、直ぐにショットガンを構えてくるが、

裕翔「フン!!」

と敵のショットガンの銃口先を、足で蹴り、相手のバランス崩す。そして、

ドッ

と敵の腹に1発のパンチを喰らわせる。

「ぐはっ。」

と完全にショットガンが敵の手から離れる。それをすかさず直ぐに手に取ると、

ガッ

と敵の首を腕で押さえ、盾にすると、

バババババババババ

とAKを持った敵が発砲してくるが、それは盾にした敵に全弾命中する。すると、

「チッ・・・・・。」

ガチャ

敵は、AKから手を離し、腰につけてるハンドガンに手に取ろうとする。それを見た俺は、

裕翔「弾切れか。なら・・・・・。」

俺は、盾にしていた敵を離し、一気にもう1人の敵にスライディングで近づく。そして、

裕翔「チェックメイト。」

確実に敵を殺傷できる距離まできたと同時に、俺は敵から奪ったショットガンを敵の頭へと照準を構え、

ダァーン

ブシャ

敵の頭は、近距離あったこともあり、頭から上はフルーツのように破裂する。

そして、俺は部屋の安全を確認すると、

裕翔「弘一さん。もう、大丈夫です。敵はいませんよ。」

と言うと、

弘一「ありがとう。助かったよ。」

とソファーの裏から出てくる。

裕翔「おそらく、パーティー会場は既に制圧されています。パーティーにいた人は人質にされているでしょう。俺は今からパーティー会場向かいます。弘一さんは、先に避難を。」

弘一「いや、私も協力しよう。」

裕翔「・・・・・お言葉ありがたいですが、現状、2人しかいない事を考えるとどちらかがこの状況を伝えなければなりません。俺は、1人での戦闘には慣れています。ですので、ここは俺が。」

弘一「分かった。気をつけてくれ。」

そう言うと、俺は弘一さんと別れ、俺は自分の私物を預けてあるロッカーへと向かった。

 

一方、パーティー会場では、

「クソッ!!VIPルームの様子を見に行った2人からの連絡がない。」

「やられたのか!?」

「分からない。情報では、警察関連の者はいないと聞いてたが。」

と今回の主犯であるテロリストグループが話している。すると、

?「早く、動かなければ此処はすぐに包囲されますよ。早く目的を果たしてやるべき事をしてください。」

と1人のローブを被った男がテロリストグループに伝える。すると、

「お前は、傭兵だろ!!言われた事を守ってればそれで良い。金でしか動くことのできない奴がごちゃごちゃと口出ししてくるな!!」

と1人のテロリストがローブを被った男の胸ぐらを掴む。すると、

シャッ

ゴトッ

ローブを被った男は胸元を掴んできたテロリストの首を刎ねる。

「きゃあああああ!!」

人質にされている人々はパニックを起こす。

「貴様!!どういうつもりだ!!」

とテロリストがライフルを構えるが、

?「例え、クライアントに雇われているとはいえ、このような暴力は気に入りません。それに勘違いしないでほしい。私が今此処にいる理由は、少なくとも悪魔と会うためですから。」

と男は不気味な笑みを浮かべる。

それを見ていた真由美達は、

真由美「今、悪魔って。」

摩利「あぁ、確かに言った。アイツ、悪魔の存在を知っているのか。」

克人「だとすれば、奴は此処に悪魔が来る事を知っているのか。」

と話していると、

ガチャ

ドアが開く。そして、

ガダガダガダ

テロリスト達が黒色の機械らしき物を運んでくる。

キリト「何だ。あれは?」

克人「分からない。何かの機械のようだ。」

と見ていると、

「おい、始めろ。」

とテロリスト達が動き始める。すると、

ピ、ピ、ピ、ピ

と端末を1人のテロリストが操作し始める。そして、

ウィーン

ガチャ

ガチャ

と黒い機械が動き始め、変形し人形のロボットへと姿を変える。

キリト「何だ。アレは・・・・・無人兵器か。」

と見ていると、

ガチャ

とロボットはアサルトライフルを手に取り、他のテロリストと同様に人質を見張るようにアサルトライフルを構える。

「素晴らしい。これさえあれば、あらゆる実行も容易く行える。」

とテロリストが喋る。

すると、

ガチャ

と突如、1体のロボットがドアの方を向き、武器を構える。

「何だ。」

テロリストが言うと、端末を操作しているテロリストが、

「誰かこっちに来てる。3人だ。」

「熱源センサーを使って、ドア越しに確認しろ。」

と言うと、テロリストは、端末を使って確認する。すると、そこにはドア越しに3人の男が立っていた。

「どうする。」

「おそらく、さっきVIPルームに行った奴らだ。入れてやれ。」

と言うと、1人が言うと、ドアの近く位にいた。テロリストが

ガチャ

ゆっくりとドアを開ける。すると、

ダァーン

1発の銃声が鳴り響くと同時にドアを開けたテロリストは、頭から血を流して倒れる。すると、ドアから1人の男が現れる。そして、その男は手に持った2つのピストルを構え、

ダン

ダン

ダン

ダン

と撃ち始めたのだ。

 

 

 

俺は、人質当たらないように2丁のデザートイーグルを撃つ。

裕翔「クソ、よりによって無人兵器かよ。」

と言うと、

ダン

ダン

ダン

と撃ちまくる。しかし、

ダダダダダダ

と相手も応戦してくる。すると、パーティー会場の窓際に真由美達がいるのを確認すると、

裕翔「やってみるか。」

と言うと、俺は

ダン

ダン

とデザートイーグルを撃ちつつ、真由美達の方まで走る。

ダダダダダダ

とテロリストや無人兵器も撃ってくるが、

裕翔「うおりゃあああああ!!」

と叫びつつ、なんとか弾が命中する事はなく、無傷で窓際に辿り着く。

真由美「葉山君!!大丈夫なの!!」

と真由美達の元にと辿り着くと真由美が心配そうに声をかけてくる。

裕翔「大丈夫だ。弘一さんは既に避難させた。後は此処をどうにかするだけだ。」

キリト「だが、あのロボットをどうにかしないと、此処にいる全員避難させるのは無理だぞ!!」

裕翔「分かってる。クソッ、なんでテロリストがあんな最新鋭の兵器を持ってるんだよ。」

ミト「知ってるの。あのロボットについて。」

と聞いてくる。それに対して俺は、

裕翔「あれは、今年の2月にアメリカの大手軍事企業が発表した無人2足歩行方戦闘兵器『グレイズ』。あらゆる戦場において汎用性を持つ兵器だ。十文字。」

克人「何だ。葉山。」

裕翔「俺があのロボットの気を引く。その間に、お前の魔法で人質全員をこの会場から逃がしてほしい。そうすれば、そこから俺がなんとかする。」

と言うと、

克人「分かった。」

と承諾してくれる。

裕翔「七草や、キリト達も避難の方を優先してくれ。」

と言うと、俺は

ガチャ

とデザートイーグルをリロードし、

ダン

ダン

ダン

裕翔「こっちだ!!やれるもんならやってみろ!!」

と言いつつ、敵の注意を引く。すると、

ウィーン

ダダダダダダダダダ

とグレイズが此方に向かって撃ってくる。

裕翔「ヤベ!!」

と俺は直ぐに近くの柱に隠れる。そして、銃撃が止むと、

ダンダンダン

と障害物を利用しつつ、一機のグレイスに近づく。そして、

ガチャ

グレイズの目の前まで近づく事に成功する。そして、迷う事なく

裕翔「くたばれ!!鉄屑め!!」

ダン

ダン

とグレイズの目を撃ち抜く。すると、

ウィーン

ガシャーン

とグレイズは倒れる。それを俺は、

裕翔「使わせてもらうぜ!!」

と倒したグレイズを盾にして、グレイズが装備していたマシンガンを

ババババババババババババ

と撃ちまくる。それを見た敵は、

「撃てー!!撃ちまくれ!!」

と俺に集中砲火を浴びせてくる。そのタイミングで、

裕翔「今だ!!」

と叫ぶ。すると、

克人「ふん!!」

と克人が十文字家お得意魔法を反射障壁(リフレクター)を展開する。お陰で人質とテロリストの間に壁ができた。そして、

真由美「今のうちに避難を!!こっちです!!」

と真由美が人質達の避難の誘導を開始する。

「クソッ!!撃てー!!」

タタタタタタタタタタ

とテロリストは人質に向かって撃つが、

カンカンカンカン

と克人の反射障壁(リフレクター)に弾かれてしまう。そして俺は、

ダン

ダン

ダン

ダン

とデザートイーグルを連射しまくる。

「グハッ!!」

「グッ!!」

と少しずつテロリストの数を減らしていく。

裕翔「後少し。」

とテロリスト数を確認すると、

ダン

ダン

ダン

と撃ちまくる。すると、

克人「葉山。人質は全員避難できた。」

と反射障壁を展開する克人が知らせてくれる。

裕翔「分かった!!お前らも早・・・・。」

シャキン

と俺が先に逃げるように伝えようとした瞬間、

シャッ

タッ背後から殺気を感じだ為直ぐに後ろへ下がった瞬間、俺の目の前で刀の先端が横切る。

裕翔「チッ・・・・あぶねー。」

と一度下がり、俺を背後から攻撃したやつを確認する為、前を見るとそこには背が高く頭からローブを被り、手には刀を持った人物が立っていた。すると、

?「クククククク・・・また会いましたね。」

とローブを被った人物話す。

裕翔「!!」

俺はその声を聞いた瞬間に、この人物状態は直ぐに分かった。コイツは・・・・

裕翔「傭兵の。」

?「ええ、そうですよ。覚えてくれていましたか。」

と言うと男はローブを脱ぎ捨てる。

すると、

「いいぞ!!そのままやれ!!」

とテロリストが前に出てくるが、

?「彼は私の獲物です。手を出さないでください。」

と他のテロリストを止め、

?「さぁ、始めましょう。命懸けのパーティーを。」

裕翔「勝手にやってろ。お前は此処で殺す。それだけだ。」

そう言うと、俺は

シャキン

腰に付けてた2本のうちの1本を抜き、構える。

すると、

真由美「葉山君!!」

と声が聞こえてくるが、

裕翔「先に行け!!」

と言うと、

裕翔「いくぞ。」

と言い、

キンッ

男に攻撃を仕掛ける。

しかし、

?「惜しいですね。」

男は余裕の笑みで俺の攻撃を防ぐ。そして

?「ジャアアアア!!」

シュッ

と男が攻撃仕掛けてくる。

裕翔(速い。)

と俺は思いつつ、攻撃避けるが、

?「シャアアアア!!」

キンッ

キンッ

キンッ

キンッ

と連続で攻撃を仕掛けてくる。

裕翔(ヤバい。コイツ・・・・強い。だが・・・・・。)

と思いつつ男の攻撃を防ぎ続ける。

 

一方、その様子を見ていた真由美達は、

摩利「葉山が・・・・・押されてる。アイツは・・・・一体。」

真由美「葉山君・・・・・。」

と様子を見ていると、

アスナ「キリト君!?何をするつもりなの!?」

キリト「決まってる。葉山を援護する。」

とキリトが裕翔を助けに向おうとするが、

克人「桐ヶ谷。辞めておけ。お前には無理だ。むしろ、葉山の足を足を引っ張るだけだ。」

と克人が止める。

キリト「じゃあ、このまま見てろと言うのか!!」

克人「そうだ。今はアイツを見守るしか・・・・・。」

と話していると、

真由美「十文字君。」

と真由美が割って入ってくる。

真由美「助けるべきです。」

と真由美が言う。

克人「正気か。七草。」

真由美「葉山君は、今まで私達を助けてれた。今度は私達が葉山君を助ける番よ。」

克人「・・・・・・。」

真由美「協力してくれないかしら。」

克人「・・・・・・・良いだろう。」

と克人が答える。すると、

摩利「真由美。私も手伝うよ。」

リズ「私もやるわ。」

とこうして皆んなもは裕翔の援護する為に集まったのだ。

 

キンッ

キンッ

一方、俺は相変わらず状況が変わる事もなく押されていた。

裕翔「くっ・・・・。」

?「さぁ、どうきましたか!!悪魔の力はその程度ですか!!」

と攻撃してくる。すると、

真由美「葉山君!!避けて!!」

と声が聞こえたので、後ろを確認すると、真由美がCADを構えていた。

裕翔「チッ・・・・・。」

と舌打ちをすると、

キンッ

俺は連続で繰り出される攻撃を弾き、

タッ

裕翔「今だ!!」

と叫ぶと、

シュッ

シュッ

シュッ

と氷らしき物が男に向かって飛んでいく。

裕翔「今のは・・・・・ドライ・ブリザード。」

真由美が使ったのは魔法の種類の一つである、ドライ・ブリザード。魔法でドライアイスを作り、一気に射出する魔法だ。

?「チッ・・・・・。」

しかし、ドライ・ブリザードを男は、

キンッ

キンッ

キンッ

恐ろしく速い斬撃でドライ・ブリザードの攻撃を弾く。すると、

?「全く、勝手に手を出されるのは困りますねぇ。こうなったら、仕方ないですね。」

と言うと、

ガチャ

ガチャ

ガチャ

の残っていたテロリスト達が俺たちに銃を向けてくる。

裕翔「まずいな。」

俺が辺りを見ると、テロリスト達は俺たちを包囲する形で銃を構えていた。 

泉美「お姉ちゃん。」

と真由美の妹達が真由美の手を握る。

真由美「大丈夫よ。」

と真由美が2人を庇うように前に出る。その姿を見た俺は、

裕翔「十文字。俺が合図したら反射障壁を展開しろ。」

克人「方法があるのか。」

裕翔「一つだけな。だが、威力が強いからお前達を巻き込みかねない。」

と伝え、俺は前に出て、

カチャ

今まで右手に持っていた刀をしまい、

シャキン

もう1本の刀を抜く、

真由美「葉山君。」

と心配そうに俺を見る真由美に対して、俺は

裕翔「安心しろ。直ぐに終わる。」

と言うと、

裕翔「スゥ~・・・・・ハァ~。」

と大きく深呼吸をして、

裕翔「君臨せよ!!闇を打ち払いし炎龍よ!!今こそ、契約の下に力を与えたまへ!!インフェルノ!!」

と唱えると、

裕翔「十文字!!やれ!!」

と合図する。

克人「ふん!!」

と反射障壁をドーム状に展開する。

そして、それと同時に俺はもう一つの竜の目を発動した。

 

そして、それを見ていた真由美達は、

香澄「何、あれ?」

泉美「お姉ちゃん葉山さんは、一体・・・・・。」

葉山が竜の目を発動する様子を見ていた香澄と泉美は、困惑する。

真由美「・・・・・葉山君。」

真由美達が目にしているのは、前に見た時は違い、雷ではなく炎を纏った裕翔の姿であった。また、前に見た雷竜ブラックインフェルノとは少し似ているが、ブラックインフェルノの時とは違い裕翔の目は、黒ではなく、赤色の目をしていたのだ。

シリカ「あれが、竜の目の力。」

ミト「アスナ達が見た葉山の竜の目・・・・。」

キリト「ああ確かに竜の目の力だがあの時とは少し違う。あの時は雷を操る竜をアイツは使ってた。でも今は炎を操る竜の力を使ってる。」

前に裕翔のブラックインフェルノの力を見た真由美達も困惑を隠せない状態でいた。

 

そして、インフェルノの力を使った裕翔は、

裕翔「どうした。テロリスト共。攻撃してこないのか。」

と俺は竜の目に困惑したテロリスト達に向かって煽ると、

「この化け物め!!撃てー!!」

タタタタタタタタタタ

と恐怖と混乱で支配されたテロリスト達は、俺に向かって発砲してくるが、

裕翔「無駄だ。」

と言うと俺は地面に刀を刺す。すると、

ゴォォォォオオオオオオ

突如、俺を中心に炎の竜巻を展開する。これにより、敵が放った弾丸は、灼熱の炎の竜巻による温度により消滅してしまう。そして、

裕翔「その程度か。なら、こちらも少し本気でいかせてもらうぞ!!」

と言うと、俺は炎の竜巻を解除し、刀を上に掲げ、

裕翔「火炎高龍!!」

と叫ぶと、

刀は炎にたちまち包まれ、そこから小さな炎の竜が無数に出てくる。そして、

裕翔「焼き殺せ!!」

と言うと、

ゴォォォォオオオオオオ

と大きな轟音を立てて、小さな炎の竜は、パーティー会場に壁や物などに当たり、一気にパーティー会場を炎に包む。

「アアアアアアア!!」

「熱い!!熱い!!助けて!!」

と炎に焼かれるテロリスト達の悲鳴が聞こえてくる。しかし、そんな中であの男は、

?「素晴らしいですね。クククククク。でも、これはこれで面白いものが見れましたよ。」

と男は呟く。

裕翔「焼き殺せだと思ったが、威力不足だったか。この際に聞いておく。お前は何者だ。」

?「私は、貴方に4年前に一度殺された者ですよ。悪魔さん。私のはコードネーム「スコーピオン」。少し遅くなりましたが、以後お見知り置きを。そして、また会いましょう。悪魔さん。」

と言うと、スコーピオンという男は炎の中に姿を消していく。

裕翔「次にあった時は、必ず殺す。」

と言うと、俺は

シャキン

ゴォォォォオオオオオオン

刀をしまう。それと同時に竜の目も解除する。そしてパーティー会場の炎は一斉に鎮火され、残ったのは黒く焦げたパーティー会場だけだった。

 

午後10時

「急げ!!まだ、残党が居るかもしれない!!」

とパーティー会場となったホテルには警察や消防でいっぱいだった。そして俺は

古田「また、使ったのかね。インフェルノの力を。」

裕翔「あの時は、インフェルノの力を使う事が1番最善の方法でしたので。」

と俺は駆けつけた古田上官と今回のテロについて話していた。

古田「分かってると思うけど。竜の目の力の代償は契約者の命も奪うものだ。」

裕翔「分かっています。ですが、あの時は七草達を守る為にはああするしか方法が。」

古田「・・・・・ふふふ。」

すると、古田上官が少し笑い。

古田「そうか。七草君達を守るためか・・・・・葉山君も少しは大人になったようだね。」

その言葉に対して俺は意味が分からなかった。

古田「君は、今まで誰かを守る為など言ったことがなかったね。ずっと、復讐の為だけに戦ってきた君が。葉山君。これからは自分にとって大切な者を見つけて守っていきなさい。それが君にとって自分自身で誇れる事になると私は思うよ。」

裕翔「・・・・・・はい。」

と返すと、

真由美「葉山君。」

と突如真由美が声をかけてくる。そして、後ろにはキリトやアスナ、摩利に克人もいた。

真由美「説明してくれるよね。」

裕翔「ハァ~、黙っていたが、俺は2つの竜の目を使えるんだ。1つは、前の七草がが誘拐された時に使った雷竜ブラックインフェルノ。そして、さっき使ったのが伝説ではブラックインフェルノの兄竜あたる炎龍インフェルノだ。」

摩利「兄竜ってお前の2つのその竜は、兄弟竜って事か。」

裕翔「そうだ。伝説にはそう記されている。この際に話しておくよ。竜の目にはたくさん種類の竜の力が存在する。そして竜3つのクラスに分かれている。下級竜、中級竜、そして神の竜とも言われる上級竜。」

キリト「神の竜。」

裕翔「俺が使ってるこの2つは下級竜に過ぎない。だが、さらに上のクラスの竜の力となると代償もでかい。」

と俺が説明する。すると、

克人「葉山。お前が知っている限りでどれほどの竜の目を使える者がいるのだ。」

と聞いてくる。

裕翔「現在、世界各地で分かっている限りだと竜の目を使える者は10人。そのうち日本には俺を含めて3人いる。」

摩利「3人も・・・・日本に。」

裕翔「だが、どれも下級竜の使いだ。現状、中級竜以上の使いは確認されていない。だが、もし・・・・テロリストなどの中に使える奴がいたら話は別だ。」

と俺が言うと、

皆んな「・・・・・・・。」

と黙りこむ。そして、俺は

裕翔「悪い。ちょっと、お手洗いに行ってくる。」

と言うと俺はその場去った。

 

午後10時10分

今俺は

裕翔「カハッ・・・・・グフッ・・・・。」

インフェルノの力を使った事による代償を受けていた。

裕翔「力を・・・・使い過ぎた。」

ドサッ

俺はあまり苦しさ、痛みにより吐血し、膝から崩れ落ちる。すると、

真由美「葉山君!?」

と真由美の声が背後から聞こえた。そして、

真由美「どうしたの!!大丈夫!?・・・・って、これは。」

真由美は俺が吐血した様子を見て驚く。

裕翔「これが竜の力の代償だ。・・・・カハッ。」

再び、吐血する。

真由美「そんな、これが代償。」

裕翔「こんなのまだ、軽い方だ。最悪命を奪う力だ。言わば呪いと一緒だよ。だが・・・・。」

と俺が立とうとすると、

真由美「大丈夫。分かってる。どうして・・・・・葉山君がここまでするかを・・・・・もう、誰にも葉山君と同じ辛い想いをしてほしくないからだよね。だから・・・・・無理だけは絶対にしないで。」

と言うと、真由美は膝をついた俺をそっと抱きしめる。

裕翔「ドレスが汚れるぞ。」

真由美「これくらい、専門の人に頼むから大丈夫。」

裕翔「そうか。・・・・・ありがとう。」

真由美「お礼を言うのは私の方よ。私と妹達を助けてくれてありがとう。」

と言いつつ抱きしめてくれる真由美。

裕翔(やっぱり、この優しい臭い。あの時の・・・・ありがとう。)

と思いつつ、俺と真由美は改めて互いに感謝した。

 

そして、2日後

午前12時16分

魔法科第1高校 生徒会室

真由美「ちょっと!?それどう言う意味!?」

裕翔「そのままの意味だ。」

といつも通り俺あの生活を送っていた。

今回のテロにおいて負傷者は数名出た者の人質に死者はゼロだった。しかし、未だに今回の主犯格のテロ組織についてはまだ分かっておらず。あのスコーピオンという男についても現在、調査が行われている。

裕翔(まぁ、どちらにせよスコーピオンという男は絶対に昔、俺と一度は戦っている。次にあった時は・・・。)

と思いっていると

真由美「ちょっと!?聞いてる葉山君!?」

と頬を膨らませ不満そうな顔をしている真由美が言ってくる。

裕翔「うるさいな。少しは、静かにできないのか。ここの生徒会長は。」

真由美「また、バカにして!!生徒会長として命令します。」

裕翔「拒否します。」

といつも通り言い合いが続いた。

キリト「あんな事があったのに、なんか・・・・・。」

アスナ「いつも通りって感じね。」

リズ「まぁ、ああ言う2人に限って良い感じになるのよね。」

摩利「確かに、もしかしたら2人は将来夫婦になったりしてな。」

とヒソヒソと話しているが、

裕翔「聞こえてるぞ。誰がこんな女と結婚するか。」

真由美「葉山君!!」

とそれからも俺と真由美による2人の言い合いは続いのだった。

 

続く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回から九校戦編です。次回もお楽しみに。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。