龍の目を持つ悪魔(1年生編)   作:アニ督

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大変長らくお待たせしました。第16話です。どうぞ。


第16話 十師族

2093年8月12日

午後5時30分

東京 台場 某ホテル

九校戦が終わってから早くも2日が経った。今俺は、十氏族を中心とした人物が集まるパーティーに参加している。何故、今俺がここに居るかと言うと、昨日俺が家に帰った時、郵便ポストに4つの招待状が届いていた。その4つの招待状は全てこのパーティーの招待状であったが、この招待状を送ってきたのは七草家、十文字家、四葉家、九島家からだった。その後、真由美に連絡を取ったところこのパーティーには十氏族の当主や次期当主に、師補十八家という十氏族を補佐する一族も集まるとの事だ。そして、

裕翔「・・・・・いや、俺のような奴が来ていい場所じゃないだろ。」

と声に出てしまうほど、会場の大きさと人の多さに俺は驚いていた。すると、

克人「葉山。」

とパーティーに来ていた克人に声をかけられる。

克人「来てくれたのか。」

裕翔「あぁ、家に招待状が4つも届いたら流石に来るわ。まさか、七草家に九島家からも招待状が届くとは思ってなかったよ。」

克人「そうか。七草以外からもきてたのか。」

裕翔「あぁ、どうやらどの家も俺をどうしても引き入れたいらしい。」

と話していると、

?「克人。ソイツがお前が認める男か。」

と克人の後ろから克人と同じくらい体のがデカい中年の男が現れる。

克人「あぁ。葉山、紹介する。現十文字家当主で俺の親父のである・・・・・。」

和樹「十文字和樹だ。息子が世話になっている。」

とまさかの十文字家の当主に突如、挨拶される。

裕翔「いえいえ、此方こそお世話になっています。」

と俺は直ぐに頭を下げる。

和樹「うむ。確かに克人の言うとおり、中々良い男だ。」

裕翔「えっ?」

和樹「葉山殿に関しては息子からよく聞いております。なんでも今では珍しい龍の目の力をお持ちだとか。」

裕翔「・・・・・。」

和樹「葉山殿。君が今回、このパーティーに招待された理由はなんだと思う。」

裕翔「・・・・・俺を勢力に引き込む。」

和樹「確かに、それも理由の一つだ。しかし、それだけではない。君は各一族からに取って最大の味方でもあり、最大の敵でもあるからだ。それを確かめる為に私は呼んだのだ。葉山殿。君に一つ聞きたい。」

裕翔「何でしょうか。」

和樹「私の元に来いと言われたら。」

裕翔「断ります。私は今は、父が作り上げた葉山家を守り、導く身です。」

和樹「なら、力強くでと言われたらどうする。」

裕翔「・・・・・受けて立ちます。どの家にも助けを求めず同等と戦いますよ。」

と俺は答える。

和樹「フ、フハハハハハハ!!そうか。受けて立つか。確かに君は息子の言う通り君は中々の男だ。」

と言うと、俺の肩に右手を置き、

和樹「これからも息子を頼む。」

と言うと、どこか別の場所へと行ってしまった。そして、

克人「すまない。親父が試すような真似をして。」

と謝罪してくる。

裕翔「良いよ。気にしてないから。それよりも親父の後をつけなくて良いのか。一応、親父の代理としても動いてるんだろ。俺の事は良いから他の家に挨拶してこいよ。」

克人「すまない。感謝する。」

と言うと克人はこの場を後にした。そして、残った俺は飲み物でも取りに歩き始めた瞬間、

?「あら、裕翔様ではありませんか。」

と声をかけられる。

裕翔「うん?」

と俺は後ろを振り返ると、そこには九校戦で出会った一色家の一色愛梨の姿があった。

愛梨「まさか、こんな所で会うとは想定外でした。ところで何故ここに?」

裕翔「まぁ、単純に言えば色々な家に目をつけられてほぼ強制的に近い形で招待されたんです。」

愛梨「ふふ、そうですか。それよりも九校戦での優勝おめでとうございます。モノリスの会場で拝見させてもらいました。」

裕翔「そうですか。品のない試合だった自分は思いますが。」

愛梨「いえ、むしろ迫力のある試合でした。あの試合があったからこそ此処に裕翔様が居られるのでは。」

裕翔「まぁ、言われればそうですね。」

と話していると、

愛梨「裕翔様、この際に私から一つ提案があるのですが。」

裕翔「なんでしょうか。」

愛梨「私の家の養子として来る気はありませんか。」

裕翔「・・・・・。それはどういう意味でしょうか。」

と俺は聞くと、

愛梨「そのままの意味です。我が一色家には昔から魔法において才能ある子を養子に迎え、将来有能な魔法師を代々育てるのです。裕翔様は魔法のみならず、CADの制作や調整などのスキルを持ち合わせておられます。その力を更に上へと上げる為に我が一色家に来る気はありませんか。勿論、学園においても我が一色家が全て用意します。転校という形にはなりますが、三高への入学の手続きが可能です。そして、これは私個人としてのお願いです。私の専属のエンジニアになって頂けないでしょうか。」

裕翔「申し訳ありませんが、お断りします。」

と俺は断る。

愛梨「何故ですか!!もし足りないというので有れば、お金も。」

裕翔「そういう問題ではないんです。」

愛梨「え?」

裕翔「確かにそのような提案はありがたいと思います。ですが、今俺が通ってる一高にはどうしても放っておけない奴が居るんです。」

愛梨「・・・・・。」

裕翔「女のくせにいつも俺ばかり頼ってくる鬱陶しい生徒会長に、頭が悪くないのにいざとなったら放っておけないダメダメ男がいるんです。今まで俺はあまり人と関わるのが、好きじゃなかったんです。でも、ここ最近こういうのも悪くないと思えるようになってきたんです。アイツらにとって俺は必要な存在でもあり、俺にとっても必要な奴らなんです。ですので、そんなアイツらを置いていく事は出来ません。ですので、この件に関しては断らせて頂きます。」

と俺は断る。すると、

愛梨「そうですか。分かりました。裕翔様がそこまで言うのでしたら今回は引き下がらせて頂きます。」

裕翔「そうですか。ありがとう・・・・・うん?今回は?」

と愛梨の発言に違和感を感じいると、

愛梨「私は一度手に入れたいと思った物は必ず手に入れるつもりです。いつか、裕翔様も手に入れてみせます。それでは失礼します。」

と笑顔で言って、去っていった。そして、俺は

裕翔(女って、怖いな。)

と思いつつ、俺は飲み物を取りに向かった。

 

午後6時30分

あれから、どれほどの人から声をかけられただろうか。俺は一歩進む為に声がかけられ足を止めて、話を聞いた。しかし、どれも自分達の利益の事ばかりで、そのような話にはうんざりだった俺は全て断り続けた。しかし、十師族となると話は変わってくる。そして、今俺は

剛毅「どうも。初めまして裕翔殿。一条家当主の一条剛毅だ。」

と一条家の当主、一条剛毅と話していた。

裕翔「ど、どうも。葉山家当主の葉山裕翔です。こうして話すのは初めですが自分は一度、剛毅様にお会いしたことがあるんです。」

剛毅「ほう、それはどこで。」

裕翔「一年前の佐渡侵攻事件です。自分は、剛毅様ほど活躍はしていないので分からないかもしれませんが。」

剛毅「あぁ、あの時の少年か。覚えている。怯むことなく敵に立ち向かっていく君の姿、忘れるわけがない。」

裕翔「ありがとうございます。」

剛毅「そうか。あの時か。なら、今ここに君が居るのも運命とというべきかもしれんな。裕翔殿。」

裕翔「我が一族に加われいうので有ればお断りです。」

と先に言うが、

剛毅「違う。裕翔殿、ウチの次女の瑠璃の婿になれ!!。」

裕翔「ブッ!?」

と俺は突然の発言に吹きそうになる。そして、

裕翔「突然、何を言ってるんですか。」

剛毅「実は今回の九校戦で君の活躍を見た瑠璃が君に一目惚れしてね。是非、考えてほしい。歳はかなり離れているが。」

裕翔「え、何歳ですか。」

剛毅「今年、小学生になった。」

裕翔「十歳近く離れてるじゃないですか。流石に無理です。」

剛毅「なら、婚約者に。」

裕翔「尚更、無理です。すいませんが、婚約はするつもりはありません。」

剛毅「そうか。では、考えておいてくれ。それでは失礼する。」

と言うとようやく俺はひと段落つけると思ったその時、

真由美「はーやーまーくーん。」

裕翔「ウグ!?」

と嫌というほど聞き覚えある声が聞こえてきた。そして、

ガシッ

真由美「やっと、見つけた!!」

と直ぐに逃げようしたが結局、手を掴まれ逃げる事は叶わなかった。

 

 

午後6時45分

真由美「へぇ〜、私の家以外からも招待状が。だから、私に連絡してきたのね。私はてっきり七草家の招待状で参加したと思ってた。」

裕翔「どれでも良いだろ。全部このパーティーの招待状なんだから。それよりも他の家への挨拶はいいのか。」

真由美「そこはもう大丈夫よ。さっき終えてきたから。」

といつも通りの話していると、

?「お姉ちゃんから離れろ!!このストーカー。」

と俺と真由美の間に誰かが割り込んで来た。

裕翔「あっ、お前は。」

とその割り込んできた人物は

裕翔「確か・・・・七草の妹の・・・・・。」

香澄「香澄よ!!香澄!!」

と大声で言ってくる。それに続いて

泉美「か、香澄ちゃん。すいません葉山さん。」

と予想通り直ぐに双子の妹泉美が謝罪してくる。しかし、

香澄「さっさとお姉ちゃんの前から失せろ!!」

と泉美の謝罪を無に返してきた。

真由美「ちょっと、香澄ちゃん。流石に・・・・・。」

香澄「いつもお姉ちゃんをたぶらかして・・・・・最低!!」

裕翔「いや、たぶらかすも何も俺は普通にいるだけなんだが。それに、口の聞き方に気をつけろ。一応、言っておくが俺は歳上なんだか。第一に、そんな大声を出してたら、自ら自分の醜態を晒しているようなもんだぞ。」

香澄「グヌヌヌ・・・・・。」

とどうやら俺の発言に対して言い返せないようだ。すると、

?「あらあら、随分と楽しそうね。」

と後ろから声が聞こえてくる。

裕翔「やっぱり来てましたか。」

と言うと俺は後ろを振り返る。そして、声をかけてきた人物は

裕翔「四葉家当主、四葉真夜様。」

真夜「こうして顔を合わせるのは初めてすね。」

裕翔「えぇ、そうですね。」

と普通に答えるが、

裕翔(ヤバい。明らかに今まで見てきた魔法師の中一番気配が違う。)

と思いつつ、

裕翔「それで、俺に何のご用でしょうか。」

とこうして俺は父から受け継いだ葉山家にとって最大の敵の当主と出会ったのだ。

 

午後7時

忠敬「お持ちいたしました。真夜様。」

真夜「ありがとう。」

とクソ祖父が持ってきた紅茶を真夜様は口につける。

裕翔「それで、一体何の用ですか。こんな場所まで用意して。」

と言うが、俺は今真夜様と会ったパーティー会場から場所を変え、明らかに一泊するのに高額な金がかかりそうな部屋に来ている。そして、真夜様は紅茶のティーカップを置くと、

真夜「裕翔君。どうして、私の誘いを断るのかしら。理由を聞かせてくれないかしら。」

裕翔「そんなの当たり前じゃないですか。嫌だからですよ。俺達を見捨てた祖父の元で働くのが。それに、俺は元々十師族という存在したいが嫌いだからです。」

真夜「でも、あなたは既に十文字家の次期当主と七草家の御令嬢と随分と関わりがあるようだけど。」

裕翔「あの2人はただのクラスメイトとして接しているつもりです。」

裕翔「そう。でも、断るというなら貴方の妹さんとお姉さんを・・・・・。」

シャ

その瞬間、俺は怒りを力に変え持っていた小型のナイフを真夜様の喉を目掛けて突き立てる

忠敬「裕翔!!」

と執事である祖父は止めにかかる。しかし、

真夜「良いのよ。忠敬。」

と真夜様は止める。そして、

真夜「その姿が悪魔と呼ばれた由来ね。」

裕翔「そうだ。分かってると思うが、一度でも俺の家族に手を出してみろ。十氏族だろうが何だろうが容赦はしない。その行動をとった時点で俺はお前らを敵とみなす。俺は敵とみなしたら殺すまで止まらないぞ。」

真夜「それで、5年前に妹の仇を取ったの。怒りは何も生まない。殺しなら尚更。」

裕翔「黙れ。俺の事を何も知らないくせに。」

真夜「えぇ、知らないわ。そこまで言うなら今は引かせて頂きます。しかし、これだけは言わせてもらうわ。これから先、魔法界は貴方のような若者を中心に新たな時代を迎えると同時に新たな脅威も出てくる。そして、必ず貴方も巻き込まれる。言いたい事はこれだけよ。」

裕翔「フン、そんな事言われなくても分かってる。」

と言うと俺は部屋を出ようとする。すると、

真夜「忘れないで、時代はもう既に動き始めているわ。」

裕翔「・・・・・。」

バタン

と俺はそのまま部屋を後にした。

 

午後10時

ようやくパーティーもお開きの時間が近づいてきた。結局、パーティーに参加したことにより十氏族を中心とした多くの一族から俺自身を手に入れようと動いている事が改めて分かった。その中で特に俺が警戒しているのは四葉家だ。今日初めて現四葉家当主、四葉真夜と接触したがあの女の笑みには狂気を感じた。

裕翔(四葉真夜・・・・・何を企んでいる。)

と考えていると

弘一「葉山君。」

と七草弘一に声をかけられる。

裕翔「これは、弘一さん。今回のパーティーへのご招待ありがとうございます。」

弘一「気にするな。娘が世話になっているからね。今回の九校戦で娘が優勝できたのも君のおかげだ。それで、どうだった。十氏族の格当主に会ってみて。」

裕翔「正直に言うと、十氏族が魔法界において大きな存在だと改めて実感しました。」

弘一「そうか。でも、どの一族も今考えている事は一緒だ。分かっていると思うが、君の力の存在はどの一族においても無視はできない。だからこそ、手に入れようと考えている。私もその中の1人だ。」

裕翔「分かっています。ですが、今は答えるつもりはありません。俺も貴方と同様、父から託された一族の当主です。託された以上、手放す気はありません。」

弘一「そうか。だが、この世界は実力と権力がものを言う。少なくとも後ろ盾は必要だと思うが。」

裕翔「そこのところは、問題ありません。お気になさらず。」

弘一「なるほど。ところで話が変わるが、葉山君。今君には婚約者はいるかい。」

裕翔「いませんよ。例え、縁談が来たとしても断るつもりです。正直、恋愛や結婚などには興味が無いので。1人の方が楽ですし。」

弘一「それは結構。でも、当主であるならばいつかは跡取りが必要になる。」

裕翔「分かっていますよ。それぐらいの事。」

弘一「そうか。では、話は以上だ。良い夏休みを。」

裕翔「ありがとうございます。」

と話は終わり、俺はこの場を後にしようとすると、

弘一「葉山君。最後に一つ君に伝えておこう。真由美は今でもあの事件で君と会った事は覚えていない。私は今でも君との約束を忘れてはいないよ。」

と言うと弘一は去って行く。そんな後ろ姿を見つつ俺は、

裕翔「・・・・・分かっていますよ。それぐらい。」

と言うと俺はそのままこの場を後にした。

 

午後10時22分

東京 お台場

コトコト

とパーテイーも終わり、俺は1人で自宅に帰る途中だ。しかし、良い時間なのにお台場はある意味賑やかだ。そんな街を今俺は歩いている。そして、今俺はある事を気にしていた。それは、

真由美「・・・・・・。(ジーーー)」

とパーテイー会場からずっと真由美に後をつけられているのだ。

裕翔(アイツ、何してんだ。アレでバレてないとでも思ってるのか。)

と真由美の尾行はあまりにも目立ちすぎる。こんな人が多いところで電柱や看板の影に隠れつつ、俺の後を追ってきいるのだ。しかも、パーテイー会場から後を付けていることもあり、ドレスがよく目立つ。すると、

「ねぇ、そこの君。可愛いドレス着てるね。ちょっと、俺達の話しない。」

真由美「えっ!?いや、少し今は急用がありまして。」

「良いじゃん。ちょっとくらい。別に悪い事をしようってわけじゃないから。」

案の定、真由美は目立つドレスを着てる上、美人ということもありこの時間帯によく居るチンピラに絡まれる。

裕翔「ハァ〜、無視するわけにはいかんか。」

と俺はチンピラ達の元に向かい、

裕翔「すいません。ちょっと、その子俺の知り合いなんで手を出さないでくれませんか。」

と言うと、

「アァ、なんだお前。」

「チッ、今ちょうど良いところなのに。」

裕翔「すいませんねぇ。でも、その子は知り合いなので。」

と言うと

グィ

真由美「あっ!?」

と真由美の左腕を掴み、こっちに引き寄せる。すると、

「オイオイ。こんな美人な嬢ちゃんを知り合いのアンタでも渡すわけにはいかないね。」

裕翔「だから、言ってるじゃないですか。知り合いが困ってるのに放っていくわけにはいかないんですよ。そんな事も分からないのかよ。このクズチンピラ。」

「あぁ!?今なんて言った。」

真由美「ちょっと、葉山君。」

と一気にヤバい空気になる。

裕翔「こうでもしないとコイツらは引き下がらないぞ。いいから、黙って見てろ。」

と真由美に言うと、

「喧嘩売ってるのか。お前。」

と1人のチンピラが俺の胸ぐらを掴んでくる。しかし、その瞬間、

ガチャ

と隠していたM500の銃口をチンピラの顎先につける。

「なっ!?」

裕翔「いいから下がれ。じゃないとこの銃がお前の顎の骨を砕き、そのまま頭蓋骨を貫通するぞ。」

「ど、どうせ。おもちゃだろ。」

裕翔「なら、試してみるか。5秒待ってやる。1、2、・・・・・。」

ガッ

「すいませんでした!!」

と直ぐにチンピラは胸ぐらを離し、一目散に逃げて行った。

裕翔「ったく。・・・・・・ちょっと来い。」

真由美「あっ、ちょっと!?」

と俺は再び真由美の左腕を掴み、強引に強引に連れてこの場をを後にした。

 

午後10時30分

お台場 公園

裕翔「アホか!!お前!!」

真由美「・・・・!!」

と俺は真由美に対して怒鳴る。

裕翔「この際、言っておくが少しは周りの人の事を考えろ!!別に誰を尾行しようが何しようがお前の勝手だが、考えて動け!!前は渡辺と一緒で昼間だったから問題なかったが、今回のような夜遅い上に1人であんな所を歩いてたらああいったチンピラに絡まれるって事くらい考えれば分かることだろ!!」

真由美「・・・・・ごめんなさい。」

と謝ってくる。

裕翔「お前には俺と違って大事な家族がいるだろ。お前に何かあれば真っ先に悲しむのは家族だ。その事を忘れるな。一旦、家に来い。少なくとも外よりは安全だ。」

真由美「・・・・・ごめん。葉山君。」

裕翔「・・・・・・俺も怒鳴って悪かった。」

と真由美は俯いたままだ。

裕翔「ハァ〜、良いから行くぞ。」

と俺は真由美の右手を握り、エスコートする。

真由美「ちょ、葉山君。」

裕翔「この辺りは夜になると不審者も出る。さっさと行くぞ。」

と俺は真由美を連れて自宅へと向かった。

 

午後11時

自宅

裕翔「はい。これが今までの経緯です。」

と俺は念の為に真由美を家で預かっている事を七草弘一に連絡する。

弘一『そうか。真由美が迷惑をかけたね。帰ったら強く言い聞かせておくよ。』

裕翔「いえ、既に説教は勝手ながら俺が先にしておきました。だから、家に戻っても何も言わないでやってください。本人も反省しているようなので。」

弘一『分かった。君の頼みなら、これ以上私から言うのは控えておくよ。真由美は今、どうしてる。』

裕翔「風呂に入ってます。」

弘一『一緒に入らないのかい。』

裕翔「弘一さん。俺にも男としてプライドというものがあるんです。」

弘一『分かっているとも。だが、この際に真由美との間における決定的なものを作ってみるのも悪くないと思うが。』

裕翔「死んでもそのような無粋な行為をするつもりないのでご安心を。それで、迎えはどうされるおつもりですか。別にウチは基本、俺1人なので問題はありませんが。」

弘一『すまない。とりあえず、私もこれから仕事が盛り沢山でね。しばらく、真由美を預けても構わないか。』

裕翔「ハァ〜、そう言うと思ってましたよ。分かりました。預かる以上、彼女の身は守るのでご安心を。」

弘一『頼んだよ。それと今度君達友人だけで旅行に行くようだね。』

裕翔「はい。勝手に決められましたが。」

弘一『フフフ、そうか。勝手に決められたから。面白い話だ。葉山君。真由美は今までこういった遊園地などに私は連れて行った事がなくてね。当主となり、父親となってからも一族の事や仕事であまりあの子をそのような場所に連れ行ってあげる機会を作ってやれなかった。真由美は、今回の旅行を心より楽しみにしている様子だった。頼んでばかりだが、あの子を宜しく頼む。』

裕翔「分かりました。それでは、失礼します。」

と言うと、俺は電話を切る。

 

午後11時15分

ガチャ

真由美「お風呂・・・・・ありがとう。」

と真由美が風呂から出てくる。

裕翔「気にするな。弘一さんにはもう連絡しておいた。別に夏休み中は好きにして良いってよ。とりあえず、今日は泊まっていけ。夜も遅いから。」

と言うと、俺は立ち上がり、キッチンからコーヒーを取り出す。そして、

裕翔「ほらよ。」

と真由美の前にコーヒーを置く。

真由美「ありがとう。」

裕翔「・・・・・・。」

と先ほどの怒鳴った件もあり少し、気まずい空気が流れる。

裕翔「・・・・・。」

真由美「・・・・・。」

互いに沈黙が続く。いつもなら、互いにやかましく言い合いが続いているが、

裕翔(・・・・・ヤバい。気まず過ぎる。何か話題になる話を・・・・。)

と考えていると、

真由美「ねぇ・・・・・葉山君。どうして、葉山君はお姉さんと同じ道に進まなかったの。」

と真由美が問いかけてくる。

裕翔「・・・・・同じ道って。」

真由美「咲さんはアイドルや女優として光の世界ですごい活躍してる。でも、弟である葉山君は真逆で自ら手を汚す仕事をしてる。私ね時々考えるの、妹達が葉山君みたいな人生を送ることになったらどうしようって。別に葉山君の事を悪く言ってるわけじゃないの。でも、私には理解できない。兄妹なのに、どうしてそんな辛い道を進むの。」

裕翔「・・・・・今から、11年前、俺が4歳の時、当時3歳と雪と共に母がテロリストに殺される瞬間、目にした。その時から、俺は復讐という何も生み出さない道を選んだ。俺だけが苦しめばそれで良い。俺が苦しむ道を進み、家族を守れるたら親父も、姉さんも雪も苦しまずに済むと思ってた。でも、俺は守れなかった。親父も雪も。そして、残った姉さんの人生も狂わした。だから、せめて姉さんにはちゃんとした道を歩んでほしい。傷つくだけなら俺だけで良い。だから、この道を選んだ。例え、どれほど憎まれようとも俺は別になんとも思わない。それが家族を守れなかった俺への罪だから。真由美。お前には家族がいる。だからこそ、二度とあんな真似はするな。俺とは違ってお前には家族が居るんだから。」

真由美「・・・・・。」

そう言うと、俺は飲み終わったコーヒーカップをキッチンに片付け、

裕翔「今日はもう、休め。2階の手前の部屋。そこなら空いてるから。」

と言うと俺は地下へと向かった。

 

翌日、

午前6時

自宅の地下工房

ピッピッピッピッ

裕翔「ハァ〜、朝か。」

と朝の目覚まし時計が鳴り、目を覚ます。結局、昨日は真由美に寝るよう言ってから地下の工房でCADの制作に没頭している間に寝てしまった。そして、起きてからまずする事は、

ビーーー

バンッ

バンッ

バンッ

と射撃訓練と

ブン

ブン

ブン

と素振りをそれぞれ30分かけて行い、

 

午前7時

露天風呂

裕翔「よいしょ。ふぅ〜、生き返る。」

とこの家を建てた際に作ってもらった露天風呂。広さはよくある旅館の露天風呂と比べて狭いが、それでも1人だけで入るなら、充分な広さだ。そして、朝の訓練を終えたらいつも俺はこの露天風呂に入る。

裕翔「あぁ〜、気持ちいい。」

と10分ほど浸かり、

ザバァ

頭と体を洗い、流し終えると、

ガラガラ

裕翔「ふぅ〜、さっぱりした。」

と脱衣所に戻る。そして、いつもなら此処で何事もなく着替え、朝食の準備をするのだが、この日は、

真由美「・・・・・////。」

裕翔「へっ・・・・?」

とそこには予想外にも綺麗な肌をあらわにした真由美の姿があった。そして、

真由美「・・・・・あっ、あっ、////。」

裕翔「おい待て!!誤解だ!!話を!!」

真由美「きゃああああー!!」

パチン

 

午前7時30分

真由美「ごめんなさい。私が確認しなかったから。」

裕翔「いいよ、別に。俺もちゃんと確認してなかったから。」

と言うが、俺の右頬には見事に真由美のビンタによる後がクッキリと赤く腫れて残っていた。そんな右頬に俺は氷袋を当てつつ、

裕翔「それで、お前これからどうするんだ。」

真由美「えっ?」

裕翔「昨日、弘一さんと連絡した際に弘一さんは俺と七草に任せるってよ。俺は別に夏休み期間は泊まっていっていいぞ。どうせ、1人だから。後は七草が決めろ。実家に居たいなら送ってやるし。お前が選べ。」

真由美「・・・・・。」

裕翔「選ぶのはお前だ。」

と言うと、

真由美「少しの間だけどお世話になります。」

と真由美が言う。

裕翔「ハァ〜、了解。また少し間、面倒くさいお前の面倒を見てやるよ。」

真由美「ちょっと、それってどういう意味!?」

裕翔「そのままの意味。」

真由美「それなら、葉山君の方がもっと面倒臭いじゃない。」

とこうして真由美は少し間、俺の家に住むことになり、俺が今まで味わったことない夏休みが幕を開けたのだ。

 

続く

 

 

 

 

 

 




次回からディズニー編です。予定ではランドとシーを2話に分けて投稿する予定です。それでは次回もお楽しみに!!
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