龍の目を持つ悪魔(1年生編)   作:アニ督

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お待たせしました。第21話です。どうぞ。


第21話 動き出す脅威

2093年9月8日

第一高校 

午後5時30分

(第19話の続き)

裕翔「これが、4年前の真実だ。そして、この腹の傷は・・・・・最後の時に俺が受けた傷跡だ。」

と裕翔は4年前の起きた事、そして自分があの『悪魔』だという事を全て真由美達に明かす。

真由美「じゃあ、私が夢で見てたアレは・・・・・。」

克人「4年前の出来事の一部か。」

摩利「待ってくれ。確かに話は分かるが、スコーピオンという男はその事件でいつに会っているんだ。」

裕翔「それは、俺が4年前に最後にトドメ刺した奴だろう。おそらく、奴が今、テロ組織に傭兵として力を貸しているのは俺をお引き出す為だろう。そして、パーティーでの襲撃での奴の力を考えれば、今の俺でも勝てるか分からない。」

裕翔「全ては4年前に奴を殺し損ねた俺の責任だ。そして、ちゃんと話すべきだった。すまない。」

と裕翔は頭を下げる。すると、

キリト「別に謝る必要はないだろ。」

裕翔「・・・・キリト。」

キリト「過去の事を悔やんだって変わらない。大事ななのはこれから皆んなでどうするかって事だろ。それに、お前に責任があるというなら俺たちにもある。少なくともここにいる俺たちはあのパーティーにいた。あの時に俺達が全力で奴を叩いていたらこうはならなかったかもしれない。だけど、過去は変えられない。出来ることは今言った通りにこれから奴をどう倒すかだ。そう、自分を責めるなよ。」

とキリトは裕翔を励ます。

キリト「それで、これからどうするんだ。」

裕翔「・・・・・少なくとも奴らは直ぐには動かないだろう。重要な拠点を潰されたんだ。今は立て直しているところだろう。既に部下に奴らに関する情報を探らせている。そして、奴らが動く前に俺達で奴と奴の部下を見つけ、必ず倒す。」

キリト「・・・・了解。お前がそういうなら俺はお前の指示に従うよ。皆んなもそれで良いだろう。」

克人「問題ない。」

摩利「私もそれで良いと思う。」

アスナ「私も。」

リズ「私も。」

ミト「・・・・私も。」

キリト「七草もそれで良いだろう。」

真由美「・・・・・えぇ、それで良いわ。」

キリト「じゃあ、話もまとまった事だし俺はもう帰るぜ。」

とキリトは立ち上がる。すると、

裕翔「キリト・・・・・ありがとな。」

キリト「気にするなよ。それよりもちゃんと七草と話せよ。」

裕翔「あぁ。分かってる。」

キリト「それじゃあ、また明日な。」

というとキリト、アスナ、リズ、ミトは帰り、克人と摩利はそれぞれの学園の仕事に戻っていった。そして、

 

午後5時45分

生徒会室に残ったのは、真由美と裕翔の2人だけとなった。そして、

裕翔「・・・・・・。」

と裕翔が黙っていると

真由美「・・・・・どうして、4年前の事の記憶を消すように頼んだの。」

裕翔「あのまま、お前といればお前がいつか傷つくと思った。だから、魔法で記憶を消すように頼んだ。」

真由美「でも、消えた後でも会う事は・・・・。」

裕翔「直ぐに接触すれば、フラッシュバックを起こしてしまう可能性があった。お前が完全に4年前の出来事を記憶から完全にないという確証がもてない以上、上からの命令で接触する事は禁じられていた。それに退院後も任務で忙しくて、いつしか俺もお前や4年前のことも忘れていた。思い出したのは奴らが襲撃されるパーティー会場で、俺と弘一さんで話をしてた時に弘一さんから4年前の事を聞かれた。その時に思い出したんだ。」

真由美「・・・・・夢を見るようになったの、実は4年前からなの。まさか、魔法で消された記憶の一部だったなんて。ほんと、ロマンチックな話ね。」

裕翔「・・・・・無理にそんな事を言わなくていいんだぞ。恨んでるなら恨んでくれても構わない。お前にはちゃんに話すべき事を俺は隠してたんだからな。」

真由美「・・・・恨んでなんかないわ。例え記憶を消されていたのしてもその時のお陰で今の私がいる。それに4年前に葉山君が私を助けてくれなかったら私は今ここにいないから。」

裕翔「・・・・・。」

真由美「葉山君、これだけは約束して。もう、勝手に消えたりしないって。前にも言ったけど、どんな時でも私は葉山君の味方だから。」

裕翔「・・・・・分かった。約束する。」

真由美「約束ね。それじゃあ、最後にあと1つお願い、聞いてくれる。」

裕翔「まぁ、今回は聞いてやるよ。」

真由美「じゃあ、途中まで一緒に帰りましょ。」

裕翔「お願いは、それでいいのか。」

真由美「いいのよ。さっ、帰りましょ。」

言うと真由美と裕翔は生徒会室を戸締りし、学園を後にした。

 

午後6時

第一高校 正門付近

2人が学園の正門から出て、話をしつつ、帰っていた。

真由美「今度、また雪ちゃんの見舞いにいつも行ってもいいかしら。」

裕翔「別に、ダメという訳じゃないが急にどうして。」

真由美「葉山君の仲良くしている以上、見舞いくらいには行かないと。」

裕翔「なんだよそれ。婚約者じゃないんだからそこまでしなくていいよ。」

真由美「そういう問題じゃないの。こういうのはちゃんと行くことが大切なんだから。」

と話していると、

?「真由美様。」

と2人の進行方向に1人の男が現れる。

裕翔「何者だ。」

と裕翔は刀を抜こうとするが、

真由美「待って。葉山君。この人は私のボディガードの名倉さん。敵ではないわ。」

三郎「初めまして。葉山様。真由美様のボディガードをしています名倉三郎と申します。以後、お見知りおきを。」

裕翔「葉山裕翔です。刀を抜こととしたこと、お詫び申し上げます。」

三郎「いえ、ここ最近、良からぬ者ともが動いているので警戒するのは当然です。今回は真由美様と葉山様をお迎えに上がるよう弘一様からのご命令で。」

真由美「お父様が。」

三郎「はい。話がしたいと。葉山様、急な事ではありますが、一緒に来て頂けないでしょうか。」

裕翔「・・・・・分かりました。」

三郎「では、こちらに。車はこちらで用意してありますので。」

と裕翔は真由美と共に七草家の本邸へと向かった。

 

午後6時23分

七草家 本邸 応接室

コンコン

三郎「弘一様、葉山様をお連れしました。」

弘一「入ってくれ。」

ガチャ

裕翔「・・・・・。」

と第一高校の制服から自衛隊の制服に着替えた裕翔が応接室に入り、一礼する。

弘一「まぁ、座ってくれ。」

と言われ、

裕翔「失礼します。」

と席に着く。そして、

弘一「わざわざ、来てもらってすまない。本来なら前回を最後だと思っていたのだが事態が急変したのでね。さて、話を始めたいところだが、まだ娘が来てないのでね。もう、少し・・・・・。」

コンコン

真由美「失礼します。」

と黒いドレスに着替えた真由美が入ってくる。そして、弘一の隣の席に座り

弘一「では、揃ったことだ。話を始めよう。まず初めに、葉山君。君は前に行ったはずだ。これ以上、七草家には関わらないと。なのに君はそれを守らなかった。」

真由美「お父様、それは私が。」

弘一「真由美。黙っていなさい。お前がとった行動も問題だが、その前に彼の問題をしっかりと把握しておく必要がある。葉山君。今、私が言ったこと間違いはないね。」

裕翔「はい。そちらとの約束を反故した事はここで、お詫び申し上げます。」

と裕翔は頭を下げる。

弘一「間違いないのだね。」

裕翔「はい。」

弘一「そうか。さて次は真由美。お前だ。」

真由美「・・・・・。」

弘一「私はこれ以上、葉山君に関わるなと言った筈だ。なのにお前は私の命令を無視し、勝手に動いた。そのような事をすればどうなるか分かっているはずだ。」

真由美「・・・・・申し訳ありません。」

裕翔「弘一様。約束を反故した私が言うのは難ですが、全ては私の責任です。今回の事態は4年前の私の不始末が原因です。彼女には何の罪もありません。」

真由美「・・・・葉山君。」

弘一「・・・・・その様子だと既に真由美には話したようだね。」

裕翔「・・・・・。」

弘一「本来、真由美の記憶を魔法で消すよう頼んだのは、葉山君。君のはずだ。決定したのは私と君の上官である古田君だが、この話を持ち出したのは君だ。その君が自ら全て話すのは少し口が軽すぎるのではないのかね。」

裕翔「・・・・・。」

弘一「もし、この先真由美や我が七草家が巻き込まれるようなことがあれば、君は責任を取れるのかね。」

裕翔「その時は・・・・・自ら腹を斬るつもりです。」

弘一「それで、私が満足するとでも・・・・・。もし、何かあった時は、君の人生の一生を賭けて、私に尽くす。これでいいかね。」

裕翔「・・・・・分かりました。何があろうとも娘さんはお守りすると約束します。」

弘一「その言葉、裏切られない事を期待しているよ。話したかった事はこれだけだ。わざわざ、来てもらってすまない。帰りは名倉に家まで送らせよう。真由美。お前も一緒に送ってきなさい。」

真由美「・・・・・はい。」

その後、裕翔はそのまま着替える事なく車に乗り、三郎が運転する車で七草家の本邸を後にした。そして、裕翔が帰った後、1人応接室に残っていた弘一は、

弘一「流石はお前の息子だな。昔のお前を思い出すよ。」

と呟きつつ、月を見上げていた。

 

午後6時45分

裕翔の家

真由美「今日はわざわざごめんね。」

裕翔「いや、俺もちゃんと話すだと思ってたから、いい機会だったよ。」

真由美「そう。それじゃあ、また明日ね。」

と言うと

ブーン

真由美が乗った車はそのまま、七草家の本邸へと戻っていった。そして、車が見えなくなると、

裕翔は家のドアに手をかざそうとすると、

裕翔(家、鍵が開いてる。)

戸締りをした筈の家の鍵が開いていたのだ。

カチャ

裕翔は直ぐにグロック17のCADを取り出し、

ガチャ

ゆっくりと家の中に入る。

裕翔(女と男の靴。一体誰が。)

玄関に入るとそこには見覚えのない男と女の靴がそれぞれ1セットずつ綺麗に並べられていた。裕翔は恐る恐る家に上がり、リビングの方へと向かう。そして、グロック17を構えつつリビングに入ると、そこには

真夜「そんなに警戒しなくても大丈夫よ。裕翔君。ただ少しお邪魔さしてもらっただけよ。」

リビングで紅茶を飲む、四葉家当主、四葉真夜と裕翔の祖父であり、真夜の執事である葉山忠教がいた。

裕翔「人の家に勝手に入るとは、随分と四葉家は無作法なのですね。」

真夜「こうでも、しなければ貴方は話を聞いてくれないと思いまして。さて、話をしたいのですが、まずは座ってくれませんか。」

裕翔「・・・・・。」

裕翔は黙ってソファーに座る。そして

真夜「ここ最近、色々と忙しかったようですね。七草家の当主との会談はどうだったかしら。」

裕翔「なぜ、それを知っているのですか。」

真夜「貴方が第一高校に戻った事を七草家に伝えたのはこの私です。」

裕翔「なるほど、確かにそれだと辻褄が合いますね。それで、四葉家は何が目的なんですか。今回の事態には四葉家は関係と思いますが。」

真夜「それは貴方が一番知っていると思いますよ。貴方は今まで私からの招集を幾度となく断ってきた。私は貴方が欲しいのです。それに七草家の長女の記憶を消したのはこの私です。全く関係ないというわけではないのですよ。」

裕翔「そうですか。ですが、貴方が求めてるのは俺ではなく、俺の力でしょ。生憎、俺自身に四葉家に従う理由がありません。特に何かの恩があるわけでもないのに。」

真夜「それは私の元に憎い祖父がいるからかしら。」

裕翔「・・・・・確かにそこの祖父は憎いです。ですが、俺が貴方に従わない理由はそれだけではありません。主な理由は俺自身が十師族を嫌っているからです。」

真夜「そうですか。そこまで言うなら・・・・・・分かりました。今回は引き下がりましょう。ですが、これだけは言っておきます。この先、貴方のような力の持ち主は一人で生きていくのは不可能です。いずれ、それが分かる時がくると思います。その時が来た時、貴方はどこに着くのか楽しみです。」

と真夜は裕翔に睨みつつ言うと、

真夜「後、これは特別に話しますが。今貴方が追っている男は、昨日貴方が今まで潰してきた組織の残党と合流したとの事です。恐らく、近いうちに動くつもりでしょう。それとこの『スコーピオン』という男が所属している傭兵会社は、どうもかなり大きな裏があると思います。私から話せるのはこれくらいです。詳しい内容はメモリーデータで確認して下さい。では、今日はこれで帰るとしましょう。葉山さん。行きましょ。」

忠教「御意。」

と2人は家を出て、真夜は既に迎えにきていた車に乗り込む。そして、忠教は車に乗り込む直前、

忠教「裕翔。真夜様は本気だ。何かあろうともお前を手に入れる為に動く。もしお前が正直に従わなければ、その刃はお前の家族や友人までに被害が及ぶ事になる。くれぐれも真夜様を怒らせるような事はするな。」

裕翔「・・・・・アンタに言われなくてもそんな事重々承知だ。」

忠教「2人に貰った命だ。無駄にするなよ。」

と車に乗り込み、そのまま去っていく。そして、それを見送った裕翔は家へと戻っていった。

 

翌日

午前7時

第一高校 1-A

昨日の七草家当主との会談と、四葉家当主の訪問という予想外な出来事を終えた後、裕翔は真夜から貰った情報を閲覧した後、就寝に着いた。そして、朝を迎え、学園に登校した裕翔は1人、自分の机の上で考えていた。

裕翔(昨日、四葉真夜から得た情報には『スコーピオン』と合流した組織が詳しく書かれていた。《レッドムーン》、《インステッドウルフ》。どれも俺が潰したテロ組織だ。確かに俺に恨みをもつ残党組織なら奴と手を組む事は賢い選択だ。だが、奴らがどう動くか全く読めない。)

と考えていると、

真由美「葉山君?」

と横から真由美が声をかけてくる。

裕翔「お、おう。七草か。おはよう。」

真由美「うん、おはよう。昨日はごめんね。父があんな事を言って。」

裕翔「気にするな。それよりも家に帰った後が大変だった。」

真由美「何かあったの。」

裕翔「家に帰ったら四葉家の当主、四葉真夜が家に来てた。」

真由美「四葉家の当主が!?」

裕翔「あぁ、あの人どうやら俺をどうにか四葉家に取り込みたいらしい。後、今回俺が学園に戻った事の情報をお前の親父さんに送ったのは四葉真夜だった。」

真由美「そんな・・・・・一体、何を・・・・。」

裕翔「気になるところではあるが、それよりもまずは『スコーピオン』の動きだ。奴は前に俺が潰したテロ組織の残党と手を組んだとのことだ。動きが読めないんだ。」

真由美「・・・・私に何か手伝える事はある。」

裕翔「・・・・・そうだな。とりあえず、一応、得た情報は共有しておいた方が良いだろ。」

とタブレットで情報を送る。しかし、

裕翔(四葉真夜が言ってた奴を雇用している傭兵会社。一度、調べておいた方が良いな。)

と思いつつもこの日は何事もなく1日が過ぎていった。しかし、同じ頃

 

東京都 某廃ビル

?『作戦は予定通り進んでいるようだな。』

スコーピオン「はい。貴方の言う通りでした。葉山裕翔はやはり単純です。心も力も弱いままです。」

スコーピオンは廃ビルで通信をとっていた。

?『だからこそ、面白いんだよ。弱い筈なのに、彼は選ばれた。そして、この僕を殺した。君をそう思うだろ。』

スコーピオン「はい。おっしゃる通りです。」

?『さて、次の作戦も頼んだよ。』

と通信は切れ、スコーピオンは立ち上がりそのまま、壁に貼られた2枚の少女の写真を見つめ、

スコーピオン「はい。貴方ためにも予定通り次は・・・・・・葉山裕翔を追い詰めるために彼女達を狙います。フフフフ、葉山裕翔。貴方の本来の姿、もっと見せてください。」

と言うとスコーピオンはスコーピオンはビルを去っていき、再び動き始めるだった。

 

続く

 

 

 




ご愛読ありがとうございます。次回もお楽しみに。
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