龍の目を持つ悪魔(1年生編)   作:アニ督

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第3話 違う世界

2093年4月5日

午前7時30分

東京 八王子 国立第1魔法科高校

 

この第1魔法科高校では、昨日のある騒動が原因で朝から騒がしかった日となった。

「ねえ、聞いた。」

「聞いた、聞いた。」

「昨日、1人の男子生徒が、同じクラスメイトを殺そうとしたんだって。しかも、その生徒ってSAOサバイバーとよく連んでいたそうよ。」

「ほんと、SAOサバイバーと仲良くするなんて頭おかしいんじゃない。」

と朝からその首謀者のことを罵る話ばかりが聞こえてきていた。そして、その首謀者は、

裕翔「かーーーーーーーーーーーー。」

朝から自分の席でいびきをかきつつ爆睡していた。すると、

キリト「おいおい、朝からこんな所で爆睡かよ。」

リズベット「ほんと、呑気な奴ね。」

アスナ「でも・・・・・昨日、私達を庇ったせいで、裕翔君までこんな事を言われて・・・・・。」

裕翔「気にするな。俺が勝手にやった事だ。お前らが気にする事はねぇよ。」

キリト「って起きてたのかよ。」

裕翔「いや、寝てたよ。ただ、周辺の気配をずっと感じとっていただけ。」

リズベット「アンタ、相変わらず人間離れしてるわね。」

裕翔「そうかい。それは褒め言葉として受け取っておくよ。」

すると、

摩利「おはよう。葉山。」

摩利が裕翔に挨拶をしてくる。

裕翔「・・・・・・おはよう。それで、何のようだ。昨日事ならこれ以上話す事はないぞ。」

摩利「いや、その事じゃなくてだな。今日お前学園に来てから真由美の姿を見かけたか。」

裕翔「いや、登校してから、ずっとこの教室にいたが、七草の姿は見てないぞ。」

摩利「そうか。本当なら、今日は朝から生徒会で会議があったはずなんだが。まだ、真由美が来てなくて他の生徒会メンバー共に私も探しているのだが・・・・。」

キリト「家の用事とかじゃないのか。七草の家って十氏族の一つなんだろ。」

摩利「私もそう考えているのだが、学園にも連絡がきてないんだ。それにこちから連絡しても繋がらなくてな。」

すると、

ヴー、ヴー、ヴー

突如、聞き覚えのある着信音が聞こえてくる。

キリト「裕翔。お前のスマホからじゃないのか。」

そう言われたので、俺はスマホを取り開くと、

裕翔(古田上官から。何でこんな時間に。)

裕翔は席を立ち上がり、

裕翔「悪い、少し出てくる。」

そう言って、裕翔は教室を出て行く。すると、裕翔と入れ違う形で、克人が教室に入ってくる。

克人「渡辺。」

そう呼びつつ摩利とキリト達の元に克人がゆっくりと歩いてくる。

摩利「何か。分かったのか。」

克人「あぁ、少しヤバい事になった。」

アスナ「何があったんですか。」

克人「あぁ、お前達も共に聞いてもいいが、この事は基本他の生徒には話さないでくれ。」

キリト「分かった。」

そう返事をすると、

克人「実は、七草は何者かによって拉致された。」

摩利「えっ!?」

そんな真実が伝えられた一方、裕翔の方でも

裕翔「本当ですか。それは。」

古田『あぁ、間違いない。七草真由美様は昨日何者かによって拉致された。」

裕翔も同様に古田上官から報告を受けていた。

古田『昨日のトラック爆発事故の事はもう知っているかね。』

裕翔「はい。今日朝のニュースで知りました。」

古田『あれは、事故などではない。あれは、明らかに人の手によって行われた事だ。そして、昨日の夜。そのトラックの後ろを走っていたのが七草真由美様が乗っていた車だ。そして、トラックが爆発した後、謎の集団が七草真由美様を連れ去って行く姿が防犯カメラからも確認できた。おそらく計画的犯行だろう。』

裕翔「その集団の事は分かっているのですか。」

古田『あぁ、防犯カメラを解析した結果、その集団の1人1人の肩にあるマークが付いていた。そのマークは赤い月だ。これを聞けば君も分かるだろう。』

裕翔「《レッドムーン》。」

古田『その通りだ。まさか、七草家の長女を拉致するとわね。君はどうする。』

裕翔「俺は何もしませんよ。どうせ、警察も動いているでしょうから。」

古田『そうか。では念のために報告しておくが、《レッドムーン》が真由美様を連れ去った場所も我々は既に把握している。だが警察はまだ見つけられていないようだ。』

裕翔「そうですか。わざわざいらない情報をありがとうございます。」

そう言って裕翔はスマホを切る。

裕翔(俺には関係ない事だ。)

そう思いつつ、裕翔は教室へと戻った。

そして、何事もなく授業は進み、あっという間に今日の全てが終わる。

そして、

 

午後4時

裕翔は昨日とは違い、1人で帰っていた。

裕翔「ハァ~、疲れたな。本当に疲れた。」

そう言いつつ校門に向かっていると、

克人「葉山。」

突如、克人に後ろから呼び止められる。

裕翔「ったく、何のようだよ。」

そう言いつつ、後ろを振り返ると、そこにはカットの他に摩利、キリト、アスナ、リズベットの姿があった。

裕翔「へぇ~、昨日のことを考えれば有り得ないメンバーだな。」

克人「葉山。お前に頼みがある。」

裕翔「何の頼みだ。」

克人「七草についてだ。」

裕翔「・・・・・。」

克人「今日、七草が来なかったのは・・・・。」

裕翔「拉致されたからだろ。」

摩利「どうしてそれを・・・。」

克人「どこでその情報を手に入れたかはあえて聞かん。だが、知っていたら話が早い。葉山裕翔。七草を助けるために手を貸してほしい。」

彼らが裕翔達に頼んだ理由は今から数十分前

 

摩利と克人は、生徒会室で話し合っていた。

克人「そうか。分かった。」

克人は状況を確認するために家に確認をとっていたのだ。

摩利「どうだった。」

克人「親父の話によれば、まだ七草の居場所は分かっていない。警察も苦戦しているようだ。」

摩利「そうか。一体何者なんだ。真由美を攫った連中は。」

克人「俺が考える限り、おそらく日本テロ組織の1つである《レッドムーン》だと思う。」

摩利「なぜ、そう思うんだ。」

克人「実は、ここ最近十氏族がスポンサーにはいっている魔法関係の施設が《レッドムーン》の襲撃を受けていたのだ。」

摩利「何だと。」

克人「俺も奴らが何かを企てているとは思っていたが、まさか七草を拉致するとは思っていなかった。」

そして、

摩利「なぁ、十文字。私たちで真由美を助ける事はできないのか。」

克人「できない事はないが、おそらく厳しいだろう。。」

摩利「じゃあ、どうするんだ。

克人「・・・・・1人だけ頼れる人物がいる。」

摩利「そいつは誰なんだ。」

克人「葉山だ。」

摩利「葉山・・・だと・・・。」

克人「あぁ、特に葉山の魔法を無力化する能力は必要だ。アイツの能力さえあればおそらく七草の救出の成功確率は大幅に向上するだろう。」

摩利「だが、葉山がそれを承諾すると思うか。」

克人「おそらく、断るだろうな。だが、やらないよりはマシだと俺は思う。この際、お前にも協力してもらうぞ。桐ヶ谷。」

摩利「えっ!?」

すると、何もない生徒会室の角からキリトの姿が現れる。

摩利「どういうことだ。いつからそこに。」

キリト「最初からだよ。お前達がこの部屋に入った時からずっといたよ。」

克人「幻影魔法か。」

キリト「その通りだ。それで、俺も裕翔の説得に協力すればいいのか。」

克人「あぁ、よろしく頼む。」

このような話し合いが行われ、今に至る。

 

裕翔「断る。」

だが、答えは克人達が予想した通りだった。

摩利「何故だ。葉山。真由美はお前の友人ではないのか。」

裕翔「友人なわけないだろ。アイツとは、ただの知り合いなだ。」

摩利「それでも、同じ学園に通う仲間だろ。」

裕翔「それに、俺が七草を助けるメリットがない。これが理由だ。」

摩利「そんな理由で仲間を見捨てるのか!?真由美は必死に差別をなくそうと考えているのだぞ!!」

裕翔「差別をなくす・・・・。そんなの不可能だろ。」

摩利「そんなの分からないだろ!!」

裕翔「分かるさ。俺は、ガキの頃からこの世界の本当の姿を見てきた。俺はなぁ、4歳の頃に母親をテロで失い、10歳の時にもテロで親父を失い、その1年後には妹までもが爆破テロに巻き込まれて、その時からずっと目を覚さずにいる。そして、俺は周りからは出来損ないの人間として扱われてきた。だから、分かるんだよ。この世界ななぁ、実力主義なんだよ。強い者が弱い者を虐げるいつの時代でも一緒なんだよ。そして、俺は今まで多くの人間を殺してきた。俺とお前達が生きてきた世界は違う。俺は今まで1人で生きてきた。お前達と違ってなぁ。悪いが、俺はお前達とは協力するつもりはない。だから、やるなら勝手にやってくれ。」

そう言うと、裕翔は再び家に向かって歩き出す。すると、

克人「お前の気持ちはよく分かった。だが、少し考えてくれないか。今日の7時までこの学園の校門で待つ。答えが出たらここに来てくれ。」

と克人は伝えるが、

裕翔「・・・・・。」

裕翔は何も言わずに、学園を去っていった。

そして

 

4時30分

裕翔の自宅

あれから裕翔は帰宅した後、1人で家のガレージにあるバイクの点検をしていた。

裕翔「よし、これで少しはマシになっただろう。」

と言っていると、

キリト「こんな、時間からバイクの点検かよ。」

裕翔「何しに来た。」

そう言いつつ裕翔は振り返ると、そこにはガレージの自動シャッターの所にキリトの姿があった。

キリト「別に、ただ様子を見に来ただけだ。」

裕翔「そうか。なら、さっさと帰れ。今俺はお前と話す事はないからな。」

キリト「裕翔。あれでいいのか。」

裕翔「・・・・・何の事だ。」

キリト「とぼけるな。そんなの十文字から頼みに決まってるだろ。」

裕翔「・・・・・。」

キリト「本当に、いいのか。あれで・・・・。」

裕翔「・・・・良いんだ。俺には何の関係もない事だ。そんな関係のない事で、わざわざ命を危険に晒す必要性は全くないんだからな。」

キリト「・・・・俺は協力すると決めたよ。」

裕翔「そうか。じゃあ、頑張れよ。」

キリト「裕翔。七草はきっと本当に学園を変えることができる人物だと思うぞ。俺は、七草を信じる。だから、お前も・・・・。」

裕翔「キリト。差別をなくす事は簡単ではない。この魔法がある世界では、特にな。」

キリト「そうかもしれない。でも、可能性はゼロではないはずだ。」

裕翔「・・・・・。」

キリト「7時まで校門で待ってるからな。」

そう言うと、キリトは去っていった。

そして、

 

午後6時55分

国立第1魔法科高校の校門

そこでは、真由美の救出ためにキリト、アスナ、リズベット、摩利、克人が集まっていた。

摩利「やはり、来ないな。葉山。」

克人「仕方がない。そろそろ時間だ。行くぞ。」

キリト「・・・・・。」

そんな時、

アスナ「ねぇ、キリト君。あの車。なんか変じゃない。」

キリト「えっ!?」

そう言われて、キリトは北の方を見ると、そこには猛スピードでキリト達の方に向かってくる1台の装甲車の姿があった。

そして、

キーーーーーーーーーーー

その装甲車はキリト達の目の前で、停車する。そして、

ガチャ

装甲車のドアが開く。そして、その装甲車の運転席には、

摩利「葉山!!」

裕翔「・・・・今回だけは協力してやる。」

キリト「やっぱり、来てくれたんだな。」

裕翔「ただの素人をテロリスト相手に戦わせるわけにはいかないからな。さて、出発するぞ。さっさと、乗れ。」

こうして、裕翔も七草の救出作戦に参加することになったのだった。

 

つつく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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