2回戦目。最初の組は出久と轟だ。
「デクくん大丈夫かな」
「彼の場合、個性の制御が難しいからな」
出久と仲が良いお茶子と飯田は心配する。ミツネは考える。
「うん。緑谷君の場合、氷山はデコピンで壊すと思うけど。それは10回しか使えないしね。でも作戦次第ではギリギリ引き分けに入ることが出来るかもしれない。」
「「え!?」」
そうしている内に二人がフィールドに立った。
《今回の体育祭、両者トップクラスの成績!!まさしく両雄並びたち今!!緑谷バーサス轟!!START!!》
二回戦の最初の組は出久と轟。プレゼント・マイクの合図が出た瞬間、轟は大量の氷を仕掛ける。出久はその氷をデコピンで破壊した。当然、使った指はボロボロである。
「ミツネちゃん。ギリギリ引き分けに入ることが出来るってどういうことかしら?」
梅雨の問いに興味を示したのか周りも聞き耳を立てる。
「お父さんの相棒の中に個性が氷の人がいるの。その人曰く使い過ぎると寒すぎて動きが鈍っちゃうって。だからヒーターが一番のサポートアイテムだって言ってた。」
つまり轟も使い過ぎたら動きが鈍るという事だ。その説明にお茶子たちや丁度客席に戻ってきた切島も納得する。
「考えりゃそりゃそっか…じゃあ緑谷は瞬殺マンの轟に…耐久戦か」
出久の事だから少しすれば気づくだろう。そうすれば鈍っている隙をついて攻撃に入ることが出来る。それゆえギリギリ引き分けになるという事だ。しかし今、右手の指は全滅した。
(今、右手に指は全滅。チャンスは後5回)
するとだ。
「全力でかかって来い!!」
なんと出久が轟を煽り始めたのだ。
「ええ?どういうこと?」
「なぜ緑谷くんは煽っているんだ!?」
(出久君。……まさか)
ドゴォ!!
轟の腹に一撃を入れる出久。その勢いで轟は飛ばされる。
《モロだぁー!! 生々しいの入ったあ!!》
プレゼントマイクの言う通り生々しい音だ。
「うお!緑谷スゲェ!!」
「まさか勝つのか!?」
「竜間さん!まさかこれは…」
飯田が慌てて聞く
「うん。轟君鈍っている!……でも指が限界になっているから…」
「デクくん…」
すると轟を殴りつけていた出久があることを叫ぶ。
「君の!力じゃないか!!」
その言葉に何か響いたのか
ゴオ
「使った」
轟が炎を出したのだ。出久と轟はこれで最後と言わんばかりに超パワーと大量の氷を出す。
「マズイ」
「え?」
「全員頭下げて!!!」
ゴオオオオオオ!!
ステージが大爆発を起こしたのだ。
「何だコリャ!!」
「爆発か!?」
「緑谷の個性か!?」
飯田は何が起きたかを説明する。
「いや。これは科学的にある事だ。極限まで冷やされた後、高温の炎を出した瞬間、熱され膨張。つまり今の様に爆発が起きるんだ」
「二人とも大丈夫なのかな」
「うーん。ア!緑谷くん居た!」
『えぇ!?』
「ほらあそこ!」
ミツネは指さす。
「緑谷くん……場外。轟くん三回戦進出」
勝ったのは轟。前半の猛攻で出久はボロボロ。そのため壁まで吹き飛ばされたのだ。
「デクくん!!」
「早く保健室!!」
ミツネ、お茶子、飯田、梅雨、峰田が代表として行くとした。そして出久の診察結果は…
「これから手術さね」
『シュジュツ―!!?』
やっぱり手術しないといけない結果だった。フィールドの補修作業が終わり、芦戸と飯田が中心に立つ。ミツネは次の試合に出るので出入り口に待機だ。
《さあさあ補修終了!!次はコレ!!強力な酸を使った機動力で上鳴を翻弄!芦戸 三奈!対するは思いっきり利用されちゃったよ!!眼鏡な爆走野郎飯田 天哉!!ではSTART!!》
プレゼント・マイクの合図が出た瞬間、芦戸は酸のボールを作り出し投げた。しかし当然、当たらない。
「レシブロバースト!!!」
騎馬戦で出久のハチマキを奪った技を出した飯田。彼女の後ろを取る。
「ヌオオオオオオオオ!!」
ごおおおおおお
「わわわわわわ!!Σ(・□・;)」
物凄いスピードで押されていく芦戸は慌てる。そして…
とん
「あ。」
「芦戸さん場外!!飯田くんの勝ち!!」
飯田の勝ちだ。
「ミツネ負けたぁ~」
悔しそうに言う芦戸。そんな彼女にミツネはヨシヨシと撫でる。
「三奈ちゃん。次は私だから応援してくれるかな?三奈ちゃんが応援してくれたら嬉しい」
「……うん。頑張れ」
《次はお互い人離れした個性!優美なドラゴンガール!竜間ミツネ!対するは影のモンスター常闇踏陰!!それでは…START!!》
「
「アイヨ!」
現れたのは鳥の姿、影のようなモンスター。名前は黒影。攻撃・防御・移動と汎用性に優れており、騎馬戦では出久チームの前騎馬担当。周りからの攻撃を防御。轟チームからハチマキを取り、ギリギリ4位に入れた功労者だ。
(ドラゴンになる前に場外へ!!)
しかし
シャアアアアアア
「残念」
「アァ!?」
《竜間!黒影から逃げた。フィギュアスケートの様に華麗に滑って逃げたぞ!》
《人型の時はスケートだからな。氷上競技選手の動きを勉強したな》
相澤の言う通り、人型の時はスケートの様に滑る。だからスピードスケート、フィギュアスケートやアイスホッケーの選手の動きを研究したのだ。
「黒影もう一回だ!」
「アイヨ!」
「無理だよ。ふ―――――…」
巨大シャボン玉を作ったミツネ。そして
ぽよん
「ギャ――――!!捕マッタ――――――!!」
「黒影!?」
巨大シャボン玉に捕まった黒影。これで常闇は攻撃も防御も出来ない。
シャアアアアアア
「常闇くん隙あり!!」
「く!」
猛スピードで滑走するミツネ。常闇は身構える。
ガシ
「ん?」
攻撃かと思えば常闇の腕を掴んだミツネ。ミツネはニッコリと笑い「滑るのは楽しいよー」と言う。
「ま、まさか」
その様子に常闇は察した。
「滑っちゃえ」
シャアアアアアア
「ヌオオオオオオオオ!?」
ずで
「常闇くん場外!竜間さんの勝ち!!」
《さっすが竜間。ドラゴンにならなくても勝っちゃったよ》
ドラゴンにならなくても勝ったことに周りのヒーローたちは興味津々であった。
最後は切島対爆豪だ。防御力が高い切島の方が有利かと思ったのだが…
《ああ―――効いた!!?》
最初は効いてなかった爆豪の攻撃が効いてきたのだ。
「ええー!どういうことー!!」
「三奈ちゃん。二人と騎馬組んでたわよね?」
「理由分かる?」
梅雨と耳郎の問いに芦戸は答える
「爆豪の爆破でも耐えられるからって!実際耐えてたし何で!?」
「うーん。あの状態で戦うっていうことは力を入れ続けているってことなのね。だから続ければいつか綻ぶから……爆豪君らしくみみっちくそこを攻撃し始めたね。」
そう言っている内に爆豪は爆発を込めた連打で切島を倒した。
《爆豪エゲツない絨毯爆撃で三回戦進出!!これでベスト4が出揃った!!》
「うわぁ…えげつない」
「って言うか爆豪相手あんたじゃん!」
耳郎は慌てて言う。そう、次の三回戦は『轟VS飯田』『竜間VS爆豪』となのだ。
「大丈夫。とっておきがあるから」