「それじゃあ私準備しに行ってくる。」
「う、うん」
「気をつけてね」
「流石に不味かったら降参するんだぞ!!」
次が準決勝。「飯田対轟」「竜間対爆豪」。なのでミツネは早めに準備するために席を離れる一方、A組女子男子はミツネを凄く心配する。爆豪は誰だって容赦なし。ミツネが強くてもついつい心配してしまうのは無理もない。
「大丈夫なのかなぁ」
「とっておきがあるって言ってたけど」
「ケロ?とっておき?」
「黒影みたいに閉じ込めるとか」
「えー?流石に捕まらないと思うよー」
「私も爆豪さんはそう簡単には捕まらないと思いますわ」
そうしている内に飯田と轟がフィールドに立った。
《飯田天哉 対 轟焦凍!!》
ヒーロー一家出身者同士の対決だ。
《START!》
その合図に轟はいつもの様に氷で攻撃を仕掛ける。
ダァン!!
「お。フォーム満点」
しかし飯田は立ち幅跳びで攻撃を回避。一気に間合いを詰める。そして
「レシプロバースト!!」
自慢のスピードを乗せた蹴りをする。轟はギリギリ避けた。
(二回目がある)
ミツネが思った通り、二回目のレシプロバーストを轟の頭に決めた。
「うーん。アレは痛いな」
思わず頭をさするミツネ。実際、頭に喰らった轟もきつそうだ。出来た隙をつき、飯田は轟を掴んで走る。場外へ投げるつもりだ。飯田の勝ちだろう。誰もがそう思った時だった。
プスン
「え?」
飯田が急に止まった。飯田の事だから場外へ投げるまで止まらないはずなのに。
(まさか排気筒が?……轟君か)
どうやら轟は蹴りの瞬間、飯田の足の排気筒を凍らせたようだ。そうしている内に飯田は轟によって氷漬けにされ、行動不能になった。
(次は私)
《さあもう一つの準決勝!ドラゴンガールの竜間ミツネVS爆発野郎爆豪勝己の対決だぁ!!俺は竜間に勝ってほしい!》
《だから私情を挟むな》
《(無視)ではSTART!》
その瞬間、爆豪は爆発の威力で宙を飛ぶ爆速ターボ。ミツネはすぐにドラゴンへ変身する。
「本気出せよ泡トカゲ女!!!」
「……トカゲ?…ドラゴンよ!どこがトカゲだよ!ドラゴンを馬鹿にするなんてサイテー!!万死に値する!!喰らえ不良男!!!」
ヒレを赤く染めると大量の泡攻撃をするミツネ。
ブワアアアアア
「それがどうした!!」
あっさりと泡攻撃を避ける爆豪。
ブシャアアアアアアアアアアア
「な!?」
爆豪はすぐに避けた。
《水を吹き出した――!?その姿はまさにエンリューの火炎ブレス!!名づけるなら水ブレスだ――――!!》
「確かにエンリューだ!」
「つーか水も使えたのか?」
周りもビックリである。
「てめ…水を使えたのかよ!?」
「そりゃ勝ち進めば爆豪君が相手だからね。黙っているのは当然でしょ!?」
ブシャアアアアアアアアアアア
「く!」
「ミツネちゃん水使えるん!?」
「あ!USJで聞いたんだけどお母さんの個性が人魚って言ってたよ!」
「あーそれで泡と水」
「つーか爆豪にとって相性最悪じゃね」
「俺もそう思った」
爆豪の個性、爆破は掌の汗腺からニトロのような物質を出す事ができ、それを爆発させる。つまり水で流されたら爆豪はすぐに戦えないのだ。確かにとっておきである。
《ここまで自慢の爆破とセンスで戦い抜いた爆豪!しかし竜間の水ブレスとは相性最悪!!負けるのか!?ここでとうとう負けるのか!?》
(負けるかぁ!!!)
ドオオオン!!
爆速ターボで一気にミツネに近づこうとする爆豪。ただし泡滑走であっさり避けられ、また水ブレスが襲い掛かる。流石の爆豪も攻撃に転じることが出来ない。
(畜生…この水鉄砲に当たったら戦えねぇ!!)
ぶくぶくぶく
《お?竜間泡を作り出したぞ?》
ブシャアアアアアアアアアアア
「ち!」
《おお!泡を利用してスピンしながら水ブレス!爆豪ギリギリセーフ!》
「ガアアアアアアアア!!!」
ミツネは悔しかったのか咆哮を上げる。
ブシャアアアアアアアアアアア
「っ」
「ガアアアアアアアア!!!」
避けられたミツネはまた咆哮を上げた。そんな中、爆豪はあることに気づいた。
(水鉄砲やった直後は必ず大声出しやがる!!なら…)
ブシャアアアアアアアアアアア
水ブレスを避けた爆豪。ミツネが咆哮を上げた瞬間、爆速ターボで顔に一気に近づく。
「
カッ
「う!眩し」
目の前で起こった閃光に怯むミツネ。その隙を逃さず、爆豪はミツネに手を向ける。
「喰らえ!!」
ドゴオオォォン!!
《竜間とうとう喰らった――――!!爆発の勢いで転んだあげく泡で滑っていく!!このままじゃ場外だ!!止まれ!!止まれ――――!!》
キキキキキィ――――――
なんとか起き上がったミツネは爪で急ブレーキ。おかげで止まったミツネだがあることに気づく。
「ミッドナイト先生ちょっと」
「え?なになに」
《ん?どゆこと?》
《カメラロボット。アップしてみろ》
相澤の言う通り、近くのカメラロボットはズームアップする。映像には爪の跡が場外に1センチだけ出ていた。
《出ちゃってたよ!!Σ(・□・;)》
「竜間さん場外!爆豪君の勝利!」
場外なら仕方がない。しかし文句がある奴が一人いる。
「たったそんだけ出ただけだろうが!!俺は絶対認めねぇ!!」
御存じ爆豪だ。爆豪にとって勝敗を決めるのは相手が気絶するか降参するかだけ。それゆえ場外なんてもってのほかなのだ。
「爆豪君ルールなんだから仕方が無いよ」
「そうよ。この跡、どう見ても竜間さんの爪じゃない。ねぇ?」
「そうですよねぇ」
そう言いながらミツネは自分の爪をその跡に当てる。ピッタリだった。
「認めねぇ!場外で勝敗なんてぜってぇ「ふ―――――――…」
ぽよん
「てめ――――!!出せや―――――!!!」
爆豪は怒りを込めてバンバンと自分を閉じ込めるシャボン玉を叩く。そんな彼にミツネは言う。
「これ以上文句言ったらルール違反として敗退にされると思うけど?」
ミツネの言葉に爆豪は止まった。
《あ―――…止まってくれたかサンキュー竜間。それじゃあとりあえず
決勝は轟 対 爆豪に決定だぁ!!!》