「ただいまー」
「ミツネちゃんお帰り!」
「竜間お疲れ!」
ミツネが客席に戻ると皆がお帰りと言ってくれた。
「あれ?緑谷くん戻ったの?」
「治療は終わったから」
そこには両腕が包帯でグルグル巻きの出久が居た。
「ホントに大丈夫?無理しないでね。具合悪くなったら戻るんだよ」
「うん。心配かけてごめんね」
「分かればよろしい」
様子からして手術は無事に終わったようだ。
「にしても竜間さんの水ブレス凄かったね!かっちゃんの爆破はニトロのような汗を爆破するようなものだから水で流されたらしばらくは個性は使えない!間合いに入ろうとしても泡スケートによる滑走で回避できるから流石のかっちゃんも翻弄されていたよ」
「でも負けちゃったよ?まさか爆破で閃光弾を作るわ、お茶子ちゃん戦でやった爆破で攻撃を仕掛けてるわで」
「まあ確かにそうだけどよ。負けたのは場外になったからだろ?」
「そーそ!実戦だったらまだ分かんなかったよ!」
切島と葉隠の言う通り、負けた理由は場外になったからだ。実戦だったらまだ戦えていた。
「まあそうだね」
そう言ってミツネは髪の毛先を触る。ヒレの色はミツネの感情や体調を示している。ドラゴンなのにトカゲと馬鹿にされた時は怒り狂い、ヒレを真っ赤に染めた。そして反対に青だと疲れているというサイン。あの時はヒレの色はまだ青じゃなかった。ミツネはまだまだ戦えていたのだ。
「あ。爆豪と轟が出てきたぞ」
「とうとうかぁ」
「うん」
とうとう1年の優勝者が決まる。プレゼントマイクも普段以上にノリノリだ。
《決勝戦!!轟 対 爆豪!!今!!START!!》
その合図が出た瞬間、大量の氷が爆豪を襲う。しかし轟は当然の事、A組や周りも爆豪はやられてはいないと確信している。実際、小さな爆発音が氷の中から聞こえてきた。少しずつ大きくなる爆発音。次の瞬間。
ドゴオォン!!
「うお!やっぱ出てきた!!」
「ホント爆豪君はタフだね。疲れ知らずめ」
押し寄せる氷が落ち着くまでいつも以上の連続で爆破。落ち着いたらさらに爆破で掘り進めていたのだ。そして爆速ターボで一気に間合いを詰める。なんとも器用に轟が使いたがらない左側だけ掴んで投げた。このままでは場外。でも轟は氷の壁を滑って回避した。
「轟もスゲーな」
「一瞬で氷作るもんな」
「……しかし様子がおかしい」
(……轟くん)
(やっぱりだよね)
事情を知っている出久とミツネはなんとなく分かった。そうしている内に爆豪は轟に向かって怒鳴る。轟が全然本気を出してくれないからだ。
「何でここに立っとんだクソが!!!」
しかし轟は答えない。出久と戦って、自分はどうすればいいのか分からなくなってきているのだ。
「負けるな頑張れ!!!」
「轟君勝って!!」
出久とミツネは思わず叫ぶ。すると…
ボォ
二人の声が聞こえたのは炎を出したのだ。やっと本気を出してくれたことに爆豪は喜ぶ。
「
爆豪は自分が持っている技で一番の大技を出した。
ドオオオオオォォォォォン!!
「おおおおぉ!!大爆発!!」
「轟は!?爆豪は!?」
「煙で分かんねぇよ!!」
(轟君どこ?)
ミツネは慌てて轟を探す。実は轟。一回は炎を出したのかやはりまだ悩んでいるせいで消してしまったのだ。その状態で爆豪の技を喰らったらひとたまりもない。すると
「あ、轟居た!!」
耳郎が声を上げた。
「え?どこどこ!?」
「ほら、壁のトコ!」
壁を見ると砕かれた氷の上で気絶した轟がいた。そのことにフィールド内に居た爆豪はキレる。ミツネの時は彼女自身まだまだ戦えるのに自分の爆破と泡スケートのせいで場外になってしまった。轟に至ってはせっかく炎を出したのに直前に消した。それが許さないのだ。轟を起そうと怒鳴るがミッドナイトの個性・眠り香で寝てしまった。
「轟君場外!!よって爆豪君の勝ち!!」
こうして相手が本気を出していない状態で爆豪は優勝した。