「うーん。どっちがいいかな 」
ミツネは八百万の助言に従い、2つのキャリーバッグを選び抜いたのだが、どちらも性能良し、デザイン良しなので悩む。
「うーん」
♪~
「うん?」
ミツネのスマホが鳴った。誰からだと思いながら見るとお茶子からのメールだった。集合時間はまだ先。疑問符を浮かべながら開くと固まった。メールには「皆大変!しがらきがデクくんに接触した!集合場所に来て!」とあったのだ。
「百ちゃん、響香ちゃんちょっと!」
「え?」
「何ですの?」
周りがパニックにならないよう、小声で八百万と耳郎に声をかける。
「声を上げたいなら小声で!!」
「「?」」
「これ見て!」
そう言って二人にメールを見せるミツネ。当然二人は驚いた。
「しがらきってUSJの!?」
「先生方が言っていた襲撃犯ですか!?」
しがらきとはUSJを襲った敵連合の
「だから行くよ!」
「ハイ!」
「わかった!」
呑気に買い物をしている場合じゃない。急いで集合場所へ走った。
ピンポンパンポーン
《お客様にご連絡します。ショッピングモール内に敵が現れました。至急警備員、警察、ヒーローに従い、避難してください》
「えぇ!?」
「敵!?」
周りの客たちは警備員に従って移動を始める。
「気にせず行くよ!」
「うん!」
「はい!」
ミツネ、耳郎、八百万はそれを気にせず集合場所へ向かう。集合場所が見えてくると首を押さえる出久と彼を心配するお茶子と警察官たちが居た。違う方向からは飯田たちが慌てて来た。
「緑谷くん!」
「緑谷!?大丈夫かよ!?」
「怪我は!?重傷になってないよね!?」
飯田、上鳴、ミツネは慌てて出久に確認する。
「怪我はしてない。……ただ精神的に疲れた」
弱弱しく疲れ気味に答える出久。出久自身ケガはしていないのだが「少しでも挙動が怪しいことをすると首から塵にするぞ」やヒーローが来ても「捕まるまでに30人は壊せるぞ」と脅されたそうだ。確かに精神的に疲れる。でも出久の対応のお陰でケガ人は出なかった。爆豪だったら間違いなく暴れてケガ人、最悪犠牲者が続出するだろう。
「とりあえず君達も避難しなさい」
「えぇー?」
「でもよー」
詳しく事情聴取を受ける緑谷以外は渋々避難させられた。死柄木はとっくに逃げていたのか見つからなかった。
ー登校日ー
「えー…合宿に必要な物を買いに行っていない奴に言っておく。ショッピングモールに死柄木が現れた」
『えぇ!?』
USJ襲撃犯が現れたので買い物に参加していない生徒は当然驚く。相澤はさらに説明した。
「奴は、自由行動で1人だった緑谷に接触を図ったとのこと。対応した緑谷との会話でなにか納得したのか暴れず去ったそうだ。ちなみに客たちは緑谷が落ち着いて対応したおかげで怪我一つしていない。」
雄英は敵を警戒し、合宿はいつも使っている場所ではなく、違う場所ですることになった。こうして普通じゃあり得ない濃密な前期が終わり、夏休みに入った。