第二次は救助だ。設定はテロによるもの。受験生たちは要救助者役をしてくれる民間職、
《一人でも多くの命を救い出すこと!!!START!》
その合図に受験者は走った。
「おじいちゃんが!!ひっ潰されてぇ!!」
「ええ!大変だ!!どっち!?」
大泣きする子供に出久はどっちを先に救出すればいいのか悩むと
「減点だよォオ!!」
「!?」
要救助者役が採点する形式だった。
(まさか要救助者役が採点とは)
でも間近にいる要救助だからこそ、採点が的確になるから納得だ。すると
「う…あ…」
「!」
女性が倒れていた。
「大丈夫ですか!?助けに来ました!」
ミツネはすぐに女性の下へ駆け寄る。ただし女性の様子がおかしい。
「あ…あ…」
「?」
疑問符を浮かべるミツネ。でも自分の耳を指さす女性の行動でわかった。
「……あ、聴覚障害者」
(そう。要救助者は健常者だけじゃなく障害者もいる。コミュニケーションが取りづらい聴覚障害者に対してどう対応するかしら?)
するとミツネは女性の右手を優しく取る。
モウダイジョウブ タスケニキマシタ アルケマスカ?
指と手のひらを使った筆談だ。
(一番わかりやすい筆談を選んだわね。ちゃんと安心させる言葉を書き、状態も聞いてるから減点無し)
アルケマス デモウデイタイ
「よし それじゃあ救護所に行きましょう。障害者であることは私が説明します。」
そのことを女性の手のひらに書いた後、ミツネは女性と共に救護所へ向かった。
「要救助者です!怪我は左腕!軽傷ですが聴覚障害者です!」
「わかった!任せろ!」
他校の受験生に任せた後、ミツネはまだ助けられていない要救助者を探しに行く。
「…ゔ」
「助けに来ました!しっかりしてください!名前言えますか!?」
ミツネは男性の様子を確認する
(意識なし。頭から出血。呼吸もおかしい)
男性の場合はかなりの重傷の設定だ。
「ふ―――」
ミツネは男性をシャボン玉に入れた後、救護所へ向かった。
「要救助者です!意識なし!呼吸おかしい!頭から出血のトリアージ・赤(最優先治療群)です!」
「わかったわ!」
シャボン玉から男性を出し、すぐに応急処置をしている時だった。
ドオオオン!!
『!!?』
爆発が起きた。更にそこから現れたのはギャングオルカとその相棒たちだった。
「ギャングオルカ!?」
「マジかよ!」
「つーか違和感0!」
「さすが敵に見えるヒーロー」
受験生たちに納得されてしまったギャングオルカだった。でもそうしているヒマなんてない。ミツネはドラゴン姿になる。
「ふ―――――――――――」
ぽよんぽよんぽよんぽよんぽよんぽよんぽよんぽよんぽよんぽよんぽよん
応急処置された要救助者たち全員をシャボン玉に入れた後叫んだ。
「大至急敵から離れます!ヒーローの皆さん!ケガ人が入ったシャボン玉を持って移動してください!!」
「あ、そうだったな」
「早くシャボン玉を持って行かないと!」
体育祭を見ていたおかげでミツネの作り出すシャボン玉はどんな物かを理解している受験生はシャボン玉のお陰で運びやすくなったケガ人たちを運び、その他はまだ助けられていない要救助者を探す。ミツネはそんな彼らの邪魔をしようとする敵役のギャングオルカたちを見た。
ガガガガガガ
大量の氷の壁が出来上がった。
「轟くん!」
轟がギャングオルカの気をそらしてくれた。
「轟君!皆を守るよ!!」
「ああ」
ただし夜嵐がなぜか轟を煽る。実は夜嵐はヒーローに一番大切なものは「熱さ」という持論を持ち、その対極に位置する私怨に囚われたエンデヴァーを嫌悪しており、その息子の轟も激しく嫌悪しているのだ(雄英に進学しなかったのも推薦入試で出会った当時一匹狼だった轟に無視されたため)。なので最終的に言い争いになる。さらには他校の受験生が巻き込まれそうになっていた。
「何をしてんだよ」
「いい加減にしなさい!!!!」
「「!!?」」
出久は怒りながら他校の受験生を助け、ミツネは轟と夜嵐を叱る。。ミツネは二人に言った。
「轟焦凍ぉぉ!!」
「は、はい」
「夜嵐 イナサァァ!!」
「は、はいっス!!」
ヒレが真っ赤。ブチ切れ状態だと分かった轟と夜嵐は思わず敬語で応えた。
「あんた達は何になるの!!?ヒーローになるんじゃないの!!?敵が目の前にいるのに喧嘩するんじゃない!!!」
その言葉に轟と夜嵐はハッとした。そうしている内にギャングオルカたちは攻撃を仕掛けようとしていた。
「させるか!!」
今のミツネがブチ切れ状態。ならあの技が出せる。ミツネはあの時の事を思い出しながら放った。
「泡!?」
「俺たちを捕まえるつもりか!」
ドゴオォン!!ドゴオォン!!
『ぎゃああああ!?』
「泡の爆弾かぁ。名づけるなら狐火泡ブレスかな?」
泡が爆発したことに相棒たちは驚く。ミツネの相手をしているのはマズイ。彼らは分かれて行動することにした。轟と夜嵐は自分たちの行動に反省したのか協力して炎の渦を作り出し、ギャングオルカを捕らえた。他の受験生たちも相棒たちの制圧に協力する。
ビ―――――――
『!!』
いきなりの音に固まる受験者たち。この音の理由はこれだ。
《仮免試験全行程終了となります!!!》
二次試験が終わったのだ。しばらくして合格発表がされる。
《とりあえず合格点の方は五十音順で名前が載っています。今の言葉を踏まえた上でご確認下さい》
名前が出た瞬間、全員は自分の名前を探す。ただし爆豪と轟の名前がなかった。理由はわかる。爆豪は知っての通りケガ人を全然心配しない自分勝手な言動。轟は夜嵐との衝突。負傷した受験者を攻撃に巻き込みかけるという致命的なミスを犯してしまったからだ(当然夜嵐も落ちた)。夜嵐はそのことを反省しているのか「ごめん!!」と頭を下げた。
「あんたが合格逃したのは俺のせいだ!!俺の心の狭さの!!ごめん!!」
轟自身も反省しているのか「よせよ」と言った。しかしその後ある連絡があった。
《三か月の特別講習を受講の後個別テストで君達にも仮免許を発行するつもりです》
目良曰く至らぬ点を修正をすれば合格者以上の実力者になる者らしい。それを聞いた三人は当然受けることを決めた。
「あの竜間さん!!迷惑かけてすみませんでした!!」
そう言って夜嵐はミツネに頭を下げた。
「俺もだ。竜間にかなり迷惑掛けちまった」
轟もミツネに謝罪する。
「ううん。ちゃんと反省しているなら別に良いよ。でも次はこんなことしないでね?」
「ああ」
「ハイっす!!」