「それでは次はこれだ!Bチームヒーロー!Iチーム敵!」
オールマイトの手にはBとIのボール。次はミツネ、葉隠、尾白のIチームと赤白の髪の男子で個性・氷と多分熱の轟焦凍、両肩から膜のある2対の逞しい腕を生やした怪力長身の男子・障子目蔵のBチームだ。
「さてと。まず絶対に触れることが出来ない様に核を閉じ込めよう。そして周りに色付きのシャボン玉沢山ね」
そう言ってミツネは核(の形をしたハリボテ)を巨大シャボン玉で閉じ込め、普段のシャボン玉の他に、赤色、緑色のシャボン玉を作った。
「おお!近づくの怖いね!」
ミツネはシャボン玉で握力測定器の取っ手を潰した。そして今、目的の核の周りに赤や緑の色付きシャボン玉があるので怪しい。葉隠の言う通り、近づくのが怖く思ってしまう。
「効果とかあるの?」
尾白の問いにミツネは「ううん。遊びで作っただけで効果は無い。」と答える。
「でも透ちゃんの思っているように今は精神的な効果があるよ。それじゃ作戦会議しよ」
すると葉隠が「はーい!提案!」と挙手する。
「はい!透ちゃん!」
「あたしは透明人間だから偵察係が良いと思うの!」
確かに偵察向きであるから葉隠の提案は良いだろう。すると尾白が言う。
「確かに葉隠さんの言う通りもいいけど……せっかくだから待ち伏せとかもどうかな?」
「待ち伏せ?」
「ああ。透ちゃんは今偵察に行っている。ここに居るのは守備係だけって勘違いさせるんだね?」
ミツネはなるほどと納得する。それもまた一つの手だ。
「うん。守備係に何かが起きても対処できるだろ?」
「よーし!あたし本気出しちゃうぞ!」
そう言って葉隠は手袋、ブーツ、最終的には耳に着ける小型トランシーバーも外した。
「………竜間さん」
「尾白くん。知らないほうが幸せってこともあるよ。」
優しい笑顔で言うミツネの様子に尾白は何かを察した。
「それじゃあ後は轟君の氷攻撃第一波に備えてシャボン玉に入ってよう。攻撃が終ってシャボン玉を割った後、私が出ていい?」
「いいよー」
「ここは任せてくれ」
《それでは訓練スタート!》
オールマイトが開始の合図を出す。ミツネは各自に巨大シャボン玉を作った。
その瞬間
パキパキパキ
「おービルがカチンコチン」
葉隠の言う通り、ビルが氷漬けになった。三人はシャボン玉のお陰で無事である。
「竜間さんが居て助かった」
尾白はミツネが居なかったら間違いなくビルに様になっていただろうと思っていた。
「それじゃあ二人とも作戦開始!」
「「了解!」」
3人のシャボン玉を割ったミツネは自慢の機動力で轟、障子チームへ向かった。
***
シャアアアアアアアアアアアアアア
「轟!音が聞こえる!この音は竜間だ!」
「そう簡単に行かねぇか」
轟は推薦で入学した。だから首席になった人物には興味を持ったが、例の首席は女。個性は泡と落胆した。ただし
シャアアアアアアアアアアアアアア
(な!?)
バキャ
(壊した)
ふよふよ
(人も)
泡で滑走。特殊な泡だったのか握力測定器を壊し、自分も浮かばせるなどして個性把握テストは好成績だった。
「(必ず倒す)俺があいつの相手をする。お前は核んとこへ行け」
「分かった」
障子は違う通路から尾白と葉隠がいる核の部屋へ向かった。
シャアアアアアアアアアアアアアア
滑走する音が大きくなっていく
(……来い)
「ヒーロー見っけ!」
「!」
ドゴッ!
「残念。避けられたか」
「残念そうに見えないが」
轟の言う通り、ミツネは残念そうに見えない。だって轟の個性把握テストの結果はミツネと上位である。だからミツネはそう簡単に思えないからだ。
「そう簡単に避けられるからねェ。それじゃあ捕まってね」
ぶくぶく
泡スケートで間合いを詰めようとするミツネ。轟は氷攻撃を仕掛ける。
「あ、ヤバい」
勢い在りすぎて捕まってしまう。轟も映像で見ていたオールマイト、A組もそう思っていたが
「なーんてね」
すい~
「!?」
フィギュアスケートの如く下がった。なので捕まらない。
「それじゃあ潰れてね」
そう言って巨大シャボン玉に氷を入れる。そして
バキャ
氷は潰れた。
「じゃあ今度こそ捕まってね!」
シャッ
「速!」
「先輩直伝腹パン!!」
ドゴォ!!
「ガッ!!」
轟に見事な腹パンを喰らわすミツネ。泡スケートによるスピードが合わさった強烈な腹パンによって轟は倒れた。
「………やりすぎた」
罪悪感が浮かんだミツネ。捕らえた証であるテープを轟の腕に巻くと膝枕をしてあげた。流石に気絶した人を氷の上に寝かせるのはヒーローとして駄目だからだ。
しばらくして
ジリリリリリリリ
《時間切れ!!敵チームWIIIIIIN!!》
時間切れによってミツネ達が勝った。
「轟君。起きて」
「う……腹痛ぇ」
やはりお腹痛がっていた。
「まさか個性が泡の奴に腹パンでやられるとはな」
轟は不満気に起き上がる
「あー私の個性。本当は変身なんだよ」
「………は?」
轟は固まる。無理もない。いつも泡ばかり出していたミツネの個性が本当は変身だからだ。
「ある物に変身するんだけど屋内じゃあ狭すぎてねぇ」
「どんくらいデカいんだ?」
「んー…」
少し考えるミツネ。答えは
「エンリューよりは小さ目だからリューキュウぐらい」
「は?」
***
「轟テメェ羨ましいんだよ!!コンチクショウがぁ!!!」
「?」
なぜか血の涙を流す園児並みに小さい男子、峰田実が叫ぶ。彼の性格はエロいの大好き。なのでミツネに膝枕をしてもらった轟が羨ましくて仕方が無いのだ。
「ハイハイ峰田少年止まろうな」
「むぐー!!!」
オールマイトによってやっと止まった。
「さーて今回のMVPは竜間少女!どうしてか分かるかな!?」
「はいオールマイト先生」
手を上げたのは八百万だ。
「竜間さんは核に絶対に触れることが出来ないようシャボン玉でコーティングし、さらには色付きのシャボン玉を作り出すことで相手…今回は障子さんの動きを鈍らすなど……」
八百万は評価を言い始める。周りはしっかりと聞くが一人だけ聞いていない者がいる。爆豪だ。爆豪にとって出久は道端の石ころ。どうでもいい存在。でも今日、自分は負けたと実感してしまった。八百万の評価には納得してしまったし、轟の個性には敵わないと思ってしまった。そして爆豪がミツネを睨むのは訳がある。実は爆豪は見た目に反して入試2位の好成績で入学した。しかしオールマイトの通知が来た日。
《おめでとう!君は2位で合格だぁ!!》
「ハアアアァァァァァ!!?」
爆豪は自尊心の塊。周りは皆モブキャラ。自分が1位じゃないと気が済まない。それ以外の順位は皆ゴミ同然と考えている男だ。2位合格は屈辱でしかない。いつも何でもできる自分を2位にした奴は誰だ。
「絶対倒す!完膚なきまで倒す!」
そんな気持ちで入学した。首席は女で個性は泡。これなら絶対に勝てると思ったのに個性把握テストは自分より上だった。今だって見事な作戦。敵わないと思ってしまった轟に勝った。ミツネには一生勝てないと思ってしまった。
………この挫折で爆豪の性格が少しでもマシになる事を祈ろう。