急募:ラスボスに転生した一般人が平和に生きる方法 作:鬼怒藍落
1:名無しの保護転生者
あのスレ消失事件から半日? イッチからの音沙汰がありません
2:名無しの保護転生者
次元もイッチの世界が特定できないせいで渡れないしよ
3:名無しの保護転生者
せっかく魔法創造兄貴が次元渡れる魔法創ったのにな
4:名無しの保護転生者
まあ欠陥あるけど
5:名無しの保護転生者
それで何人か集ったの笑えるけど今は笑えない
6:名無しの保護転生者
大丈夫なのかイッチは?
7:名無しの保護転生者
死んでないよな
8:名無しの保護転生者
マジで心配なんだけど
9:名無しの保護転生者
というか、イッチのレスを乗っ取った奴は誰だったんだ?
10:名無しの保護転生者
言及するなまたスレが消える
11:名無しの保護転生者
ごめん
12:名無しの保護転生者
いい、それより今はイッチの生存を願うんだ
13:名無しの保護転生者
原作の吸血鬼のこと知ってるけど、今回ばかりは許せない
14:名無しの保護転生者
分かる
15:名無しの保護転生者
やっちゃいけないことがあるよね
16:名無しの保護転生者
彼奴らが悪い
17:名無しの保護転生者
もう戦争だ
18:名無しの保護転生者
マジで彼奴ら許せねぇ
19:名無しの保護転生者
俺吸血鬼に喧嘩売ってくるわ
20:名無しの保護転生者
俺も行く
21:名無しの保護転生者
私も同行しよう
22:一般ラスボス
視界共有が始まります
23:名無しの保護転生者
こんな時に誰だよ
24:名無しの保護転生者
ってイッチ!?
25:名無しの保護転生者
無事だったのか!?
『――起きろ、小さき者よ』
「まってあとちょっと寝かせて」
『我も暇ではないのだ起きろ人間』
「だから待ってってアリア……って、は?」
いつものようにアリアに起こされたと思ってそう反応したんだけど、なんか聞こえてくる声が違くて俺は間抜けな声を出してしまった。それに掲示板の通知が凄いし、何があったんだろう。
あとベッドにいると思ったんだけど、周りを見てみたら此処はどうしようもなく外で、なんというか森だった。
25:名無しの保護転生者
無事かイッチ!?
26:名無しの保護転生者
なんだあのでかい狼
27:名無しの保護転生者
マジでけぇ
28:名無しの保護転生者
なんでフェンリルの所にいるんだ?
29:名無しの保護転生者
見えない間に何が……
30:有能ニキ
とりあえずイッチ、思考まで共有してるぞ
31:名無しの保護転生者
何というか森だったわ小並感が過ぎるわ
32:名無しの保護転生者
安心のイッチ
33:名無しの保護転生者
あぁ、本当に良かった
「皆? というかなんで森……え、いや――ほんとなんで?」
『忘れたのか? 貴様は蝙蝠共に襲われていたであろう』
「そうだっけ……というか誰?」
なんか無駄に威厳のある声なのは分かるんだけど、こんな声心当たりないんだよね。一応反応的に相手は僕の事を知ってそうでどっかの映画の狼みたいな声だけど、ほんとうに心当たりがない。
こんな特徴的な声とか一度聞いたら忘れないだろうし、初対面だと思うだけど……。
『貴様を救ったフェンリルだ――ショックで記憶でも失ったか?』
「そうだっけ――ん、あ……そうじゃん僕は貴方に助けられたんだよね」
一瞬ノイズが走った気がしたが、確か僕はこのフェンリルの元に辿り着くことが出来て、吸血鬼から助けて貰ったんだ。それで緊張が解けちゃって気絶したんだ。
うん、覚えてる。
怪我もいっぱいしたし死にかけたけどなんとか助かったんだよ僕は。
「ありがとね、フェンリル様?」
『シフでよい、貴様には家族を救われた恩があるからな』
「救われたって――って事はあの子は無事ってことだよね!」
34:名無しの保護転生者
めっちゃ嬉しそう
35:名無しの保護転生者
そりゃあね
36:名無しの保護転生者
この様子だと助けられたみたいだし喜ぶのは当たり前
37:名無しの保護転生者
というか間に合ったんだな
38:名無しの保護転生者
よかったなイッチ
39:名無しの保護転生者
でもおかしくないか? あの乗っ取り野郎が何かしない訳ないし
40:名無しの保護転生者
フェンリルから聞けるんじゃね来たって事は――
頭に過るのは腹を貫かれるフェンリルの姿。
あの時の感覚は思い出せるし、何より忘れるなんて出来ない。でもよかったあの子は生きてたんだ。
――え、生きてた? 違うあの子は目の前で死んで――そうだ生きてた……いや生きてるに決まってるじゃん、僕達は間に合ったんだし。なんか妙に頭が痛いけど、何も問題ない僕は目的を達成できたんだから。
41:名無しの保護転生者
イッチ?
42:名無しの保護転生者
なんだこのリアルな記憶
43:名無しの保護転生者
思考共有ってここまでリアルに共有されるのか
44:名無しの保護転生者
やっぱりおかしくね?
45:名無しの保護転生者
いやイッチの記憶通り生きてるぞ
『無事に決まっておろう、ここまで来た主らを守ったのは我だぞ?』
「そうだった本当にありがとう、シフさん?」
『呼び捨てで構わぬ、さん付けなどむず痒いわ』
「そう? じゃあシフ……本当にありがと、おかげで助かったよ」
46:名無しの保護転生者
いや辿り着いてなくね?
47:名無しの保護転生者
辿り着いてたじゃん
48:名無しの保護転生者
どっちだっけ?
49:有能ニキ
…………大丈夫かお前ら?
50:名無しの保護転生者
大丈夫だと思うけど
見た目に反してかなり優しいよねこのフェンリル様。
そう思いながらも一度彼の姿を僕は見てみた。
数十メートルある白銀の巨体に額には紅い宝石を持つ巨大な狼、僕でも感じられるほどの魔力を持ってるこの聖獣は見る者を圧倒するようなオーラを纏ってるのにどこか暖かくて落ち着いてしまう。
あ、というか掲示板魔法が勝手に使われてる? あとで確認しないとね皆にも心配かけただろうから。
「……というか改めて見るとすっごい広いねここ」
言いながら周囲を見渡して今いる神殿の風景を観察する。
日の光に照らされた荘厳な神殿。奥にある台座にはフェリルの王であるシフが座っていてそこを起点として柱が幾つも並んでいる。そしてこの神殿を囲むように木が生えていて、とても穏やかな空気が周りに満ちているのだ。
で、神殿の中には色んな動物が寛いでいて動物好きな僕からしたら天国のような場所に見える。
60:名無しの保護転生者
確かに動物天国だな
61:名無しの保護転生者
レアな魔物多過ぎで草
62:名無しの保護転生者
ゲーム勢の俺びっくり
63:名無しの保護転生者
乱獲できそう
64:名無しの保護転生者
やめろそんな事考えるな
65:名無しの保護転生者
いまは平和を噛みしめさせてくれ
66:一般ラスボス
とりあえず無事です
67:名無しの保護転生者
お帰りイッチ!
68:名無しの保護転生者
無事で良かったぞ!
69:名無しの保護転生者
肉食おうぜ肉!
「うんそうしようね……あ、そういえば体が全く痛くないんだけど傷とかどうしたんだろ?」
吸血鬼と戦って僕は何度も傷を負ったことを覚えている。
その傷のせいで何度も意識を失いかけたし、出来る事なら二度と体験したくない……うん、ちょっと服をまくって見たけどやっぱり傷はないよね。
『傷なら我が治療したぞ、感謝するが良い』
なんだこの聖獣様、子供に優しすぎるでしょ。
何これ推せと? いやもう推すよ僕、威厳ある声と口調なのに子供に優しいってギャップで死ぬよ僕。
『何か妙な事を考えていないか?』
「気のせいだよ? それよりシフ、キキョウを知らない?」
『あぁあの狼か、それなら今頃我の家族達と遊んでいるぞ』
そうなんだ。
てことはキキョウも無事なんだね。
でもさっきまで死にかけてたんだし、もうちょっと緊張感を持って欲しいんだけど……本当なら死んでたかもしれないんだしさ。
まぁそれはそれでキキョウらしいので、元気って事だから嬉しいな。
うん、皆無事って事はハッピーエンドでいいんだよね。
「…………あ、どうしよ」
70:名無しの保護転生者
マジのハッピーエンドだな
71:名無しの保護転生者
皆無事でハッピーエンド
72:名無しの保護転生者
文句なし!
73:名無しの保護転生者
イッチ何に気付いたんだ?
安堵した所で思い出したのだが、僕は今回コジロウさんと一緒に森に来ていたのだ。真面目な彼の事だ今頃僕の事を探してる筈だし、すっごい心配されているだろう。
それに何時間ここにいたか分からないから今頃村に僕が行方不明になった事が伝わってるかもしれないし、そうなればアリアがバーサークするのは確実で、この森に突撃してくる可能性がある。
それはやばい。
この平和な森がどんな風になるか分からない。
74:一般ラスボス
これって心配されるよね
75:名無しの保護転生者
だろうな
76:名無しの保護転生者
アリアちゃんなら絶対来る
77:名無しの保護転生者
一日は経ってるだろうしな
78:一般ラスボス
これ、僕オワタ?
79:名無しの保護転生者
詰みじゃね
80:名無しの保護転生者
大手
81:名無しの保護転生者
帰ってこない+イッチと一日会ってない+遊び相手消失
82:名無しの保護転生者
三倍役満
83:名無しの保護転生者
詰みだね
84:有能ニキ
早く帰れイッチ
「…………あのさシフ、一つ頼みがあるんだけどいいかな?」
『なんだ? 言ってみろ、余程の事でなければ叶えるぞ』
「僕の村まで送って貰うこと出来ない? このままだとすっごい怒られるんだ」
『そのぐらいなら構わぬぞ、だがその代わりに我の頼みも聞いてくれ』
頼み……聖獣フェンリルであるシフ程のものが僕に頼みだって?
なんだろ、無茶降りかな? それかゲームであった試練かな? いやでも流石にこんなタイミングでそんな事をこのいいヒトが言ってくる訳ないだろう。
多分きっと大丈夫、それにここまで助けて貰ったんだ頼みの一つぐらいは受けないとね。
「いいよ。で、何すれば良いの?」
『それはな我の家族を一人連れて行って欲しいのだ』
「待って、ごめんもっかい言ってくれない?」
『ん? 聞こえなかったか……仕方ないな、もう一度言うぞ。我の家族を主の仲間に迎えて欲しいのだ』
すっごく申し訳ないんだけどさ、言ってることは分かるのにどうしても意味が理解出来ないんだ。
冗談かと思ったけど、フェンリルの顔はいたって真剣で……いやイヌの表情なんて分からないんだけどさ。なんか凄い真面目だし、冗談を言っているように見えないのだ。
85:一般ラスボス
この中に誰か犬の表情分かる人いる?
86:名無しの保護転生者
いねーよなぁ!
87:名無しの保護転生者
動物会話ネキ今寝てるからな
88:名無しの保護転生者
一晩中イッチの心配してたししゃーないよ
89:一般ラスボス
ご心配かけてすいません
90:名無しの保護転生者
というかイッチ、現実逃避はそこまでにしろ
91:名無しの保護転生者
やったねイッチ、仲間が増えるよ!
92:名無しの保護転生者
おい馬鹿やめろ
『キキョウという娘から聞いたが、主はこの森に飛行能力持ちの魔物を探しに来たのであろう? 我らフェンリルは、成長すれば風を走る事が出来るのだ。だから仲間にして損はないだろう』
……仲間になるなら嬉しいよ?
フェンリルってゲームだとかなり強いし仲間にする条件も分かってなかったモンスターの一匹だし。これからさきの事を考えるとすっごい心強いのは確かだ。
だけど違うんだ。僕みたいな子供がフェンリルほどの魔物を仲間にしたら絶対に不審がられる。いや、最悪どっかの貴族に目を付けられるなんて事も……。
「断れたりは……アッハイ、無理ですね」
93:名無しの保護転生者
今絶対断ったら殺すって目してた
94:名無しの保護転生者
怖かった
95:名無しの保護転生者
寿命千年縮んだわ
96:一般ラスボス
怖いよぉ
97:名無しの保護転生者
悲報:イッチ幼児退行
断れませんかと聞こうとしたら凄い眼光で睨まれたので、絶対に仲間にすると首を縦に振るまでこの森から帰してくれないだろう。
もうこれ覚悟決めた方がいいのかなぁ。
「是非……仲間にさせていただきます」
『そうかそうか、なら生まれたばかりのこの子を連れて行くが良い。きっと主の良き仲間となると思うぞ』
ぶんぶんと尻尾を振りながら喜びシフさん。
次の瞬間、周りに風が吹き出して何か銀の毛玉を運んできた。その毛玉は俺の頭の上に運ばれてきて、乗った後可愛らしい鳴き声を上げたのだ。
『では村へと向かうとする、準備は良いか?』
「なんというかもう色々大丈夫です――出発してください」
「何故敬語なのか分からぬが、出発するか』
難しい事は考えるのが苦手な僕は結局これ以上考えないことにしてこの先の人生で体験できる事のないだろう聖獣シフの毛並みを体験することにした。
頭には子フェンリル、背中にはキキョウ、そして真下は聖獣ととても贅沢な感触にもう何も考えないことにした僕はそのまま意識を落として寝ることにした。
98:一般ラスボス
次回、子フェンリルの名前決めます
99:名無しの保護転生者
おk
100:名無しの保護転生者
りょーかい、今日は休めよ