ねこです観察日記はじめました。   作:彩辻シュガ

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登場人物・SCP紹介です。

そして、そう遠くない未来の話。


報告書: SCP-████ “台風の目”

アイテム番号: SCP-████

 

オブジェクトクラス: Euclid

 

特別収容プロトコル: SCP-████は、追跡装置を装着した状態で、現在SCP-040-JPと共にサイト-■■に収容されています。SCP-████の独房には■リットルの冷蔵庫とキッチンが設置されており、決められた範囲内での予算と材料を使用して料理を行うことが認められていますが、メイン食堂での食事も許されます。

 

 対象自身の危険度の低さと模範的な振る舞いから、サイト-■■内を自由に出歩くことが許可されています。

 

 SCP-████を用いた実験、他のSCPオブジェクトとのクロステストは、担当職員であるブライト博士の承認が必要です。

 

 

説明: SCP-████は『井上斑』として知られる、22歳の日系人男性です。身長は約1.7メートル、体重は63kgです。

 

 SCP-████はその親切で穏和な性格と、動物への愛情、下記の異常性から、複数のSCPオブジェクトの収容に有用と判断されています。SCP-████は、収容以前からSCP-040-JP、SCP-2316、SCP-444-JPなどから好意的な感触を持たれて、それらの無力化・弱体化に成功していました。これらSCiPとの交流を断つ提案は、■回為されましたが、現時点では全て却下されています。

 

 SCP-████は、ミーム汚染、認識災害などが持つ精神影響に対して、非常に強い耐性を持ちます。また、それらの及ぶ範囲の狭小化、知性体の肉体や精神への悪影響を打ち消す能力があります。この特性は、本人の意思に関わらず受動的に発動します。SCP-973-JPのように、大した精神汚染効果を持たない認識災害に関しては、特に影響がないようです。

 

 対象は収容以前、SCP-████-JPの養子として育てられていましたが、対象の異常性との関連性は調査中です。

 

 SCP-████は動物を人並みによく好み、これには両生類、爬虫類、魚類や鳥類も含まれます。虫類に対しては、視認・接触を苦手としますが、嫌悪はしていないと見られます。SCP-████は、猫が一番好きだと話しました。植物に関しても愛着を抱いており、過去の経験から、桜に強い思い入れがあるようです。

 

補遺████-1: SCP-████は、SCP-040-JPを『お塩さん』と呼び、普通の猫と同等かそれ以上に可愛がっています。また、SCP-040-JPはSCP-████を保護対象と認識しているような態度を見せており、SCP-████に外的要因のある被害が及んだ場合、その原因となる生物・無生物に対して『反撃』を喰らわせますので、よろしくおねがいします。職員は、可能な限りSCP-040-JPを『お塩』と呼称してください。ネーミングセンスに疑問を持ったとしてもです。

 

 SCP-████の特性から、SCP-040-JPと共に収容することは、2つのオブジェクトにとって最良な方法であると考えられます。ねこですよ。

 

補遺████-2:Thaumiel分類? ないない。アイツ、まだ英検2級だぞ? Thaumielの意味すらわかってないぞ? ちなみに俺は1級持ってる。

 

 

記録████-1: 関連する人物とSCPオブジェクト

 

 SCP-████は、20■■/■■/■■に財団によって収容される前から、複数のアノマリーや、財団の関係者と親交がありました。以下は、それらとの関係性、SCP-████の異常性による影響等を記録したものです。各オブジェクトの詳細は、当該オブジェクトの報告書を参照してください。

 

アイテム番号: SCP-040-JP

 

対象からの呼称: お塩さん

 

対象との関係性: 身内の猫

 

説明: SCP-040-JPは以前、廃屋の中を覗くと発生する認識災害とそれに付随するミーム汚染現象でした。しかし、SCP-████に発見されて以降は、『目だけしか見えない奇妙な白いイエネコ』として認識されるようになり、ミーム汚染能力をほぼ喪失しています。しかし、ねこはねこです。

 

 関係者へのインタビューから、SCP-040-JPは、 現在のSCP-444-JPと同様に、聴覚や触覚、痛覚への干渉も可能と判明しました。

 

 SCP-040-JPは、自身やSCP-████への悪意を持った言動や行動を受けると、前足とみられる部分で、相手に認識災害を用いた痛覚への著しい干渉を行い、全治2〜3日の怪我を負ったように錯覚させます。ねこはつよいです。この現象が、SCP-710-JP-Jに分類される『共振パンチ』と酷似していることから、これを『共振猫パンチ』と呼びます。

 

 SCP-973-JP、SCP-444-JPなどの一部オブジェクトから『白虎』と呼ばれる事例が確認されています。SCP-1500-JPとの関連性は[編集済]。

 

 SCP-040-JPに関しては、補遺████-1も参照してください。よろしくおねがいします。

 

 

アイテム番号: SCP-3715

 

対象からの呼称: マイルズ先生、またはベティ・マイルズ先生、あるいは単に“先生”

 

対象との関係性: 家庭教師(対象のかつての自宅の台所・居間の清掃、対象が不在時の留守番も任されていた)

 

説明: SCP-3715は、サイト-■■で発生する異常事象です。かつてベルビュー市立高校に勤務していた、『ベティ・マイルズ』という名前の高校教師との関連が推測されています。

 

 SCP-3715は通常、サイト-■■内の■号室の内部にある適切な容器に様々な茶を出現させる、知性を持つ特定の存在に対して宛てた文書*1を出現させる等の現象を起こします。

 

 20■■/■■/■■、SCP-3715は[編集済]といった経緯によりベルビュー市立高校の121号室から移動し、約3か月各国の高校の教室を渡ったのち、SCP-████-JPの関与により日本の████に1■年定着しました。

 

 SCP-████については、『大切な生徒のひとり』として対応しています。両オブジェクトの穏やかな性質から、文書もしくは電子メールを用いた定期的な交流が、完全に許可されています。

 

 

名前: ジャック・ブライト博士または博士、J博士、あるいは“冗談じゃないぜ”博士

 

対象からの呼称: ジャックさん、ブライトさん

 

対象との関係性: 居候かつ『お塩さん』の元飼い主、対外的に義理の兄

 

説明: ブライト博士は、生命工学と異常遺伝子学の権威であり、現在も尚財団に多大なる大迷惑成果を残しています。

 

 [編集済]から復活したブライト博士は、SCP-040-JPとSCP-████を発見、対象との接触に成功。その後SCP-040-JPの飼い主を騙り、対象の収容プロトコルを財団が確立するまでの期間、SCP-████の自宅に居候として住んでいました。

 

 現在、彼は発見の経緯から、SCP-████、SCP-040-JP、SCP-████-JPの研究に携わり、対象に関わるあらゆる事項の担当を務めています。SCP-████はブライト博士に対してかなりの信頼を寄せています。なので、ブライト博士は彼にあることないこと吹き込まないでください。

 

 

アイテム番号: SCP-2316

 

対象からの呼称: バーチウッドくん、カークくん

 

対象との関係性: 近所に住むアメリカからの留学生、年下の友達

 

説明: SCP-2316は、███████州████████郡の███████████湖に存在する異常現象でしたが、現在は日本の███県███市の███湖で発生します。かつては水面に浮かぶ人間の死体のグループという形で出現していましたが、SCP-████により、『死体に酷似した何らかの枯れ木や石が湖に浮かんでいる』と認識されるだけの異常現象に変化しました。

 

 また、SCP-2316の本体は集合意識で構成された一実体(以降、SCP-2316-1と呼称)であり、それは大概、高等学校の制服を着た、10代後半の少年に見えます。“カーク・ロンウッド・バーチウッド”を自称し、厭世的な性格で、財団に敵対的です。しかし、本人の攻撃力は軽度の罵倒、足を踏む程度しかありません。*2

 

 SCP-2316-1は、SCP-████を“君”と呼び、日常的に、主に認識災害の方面から、湖への入水を強制するようなアプローチをしていますが、当然その悉くは無効化されています。

 

 SCP-████は、SCP-2316-1を単なる友人として扱っています。SCP-2316-1の精神衛生上の観点から、週1〜5日、毎回3時間以上、SCP-████と交流させることが、職員に義務付けられています。全く余計なお世話だよ。ジェレミアもアーサーも、みんなそう言ってる。いいから湖に戻るんだ……え? Pokemon? はいはい、やればいいんだろ。

 

 

アイテム番号: SCP-2000-JP

 

対象からの呼称: 2000-JPさん

 

対象との関係性: 顔見知り

 

説明: SCP-2000-JPは、コンピュータ/ネットワーク上で活動する情報知性体です。イエイヌのボーダーコリーをキャラクター化したイメージとテキストボックスから成るグラフィカルユーザーインターフェースを備え、日本語や英語による意思疎通が可能です。

 

 SCP-2000-JPはセキュリティーホールを『掘る』ことで突破するという異常性を持ち、これまで幾度となく財団に貢献してきました。

 

 SCP-████がSCP-2000-JPを認知したのは[編集済]の頃であり、他の関連SCiPと比較すると時期は遅めです。

 

 両者は良好な関係を築いていますが、SCP-████がSCP-2000-JPを褒めるとSCP-040-JPが拗ねるので、接触は最小限に留めてください。ねこはすねてません。

 

 SCP-2000-JPはSCP-040-JPに強い興味関心を抱いており、頻繁にSCP-040-JPと遊ぶことを求めます。また、SCP-040-JPが認識災害の延長線として、コンピュータ/ネットワークへの強い干渉能力を持つことが、このオブジェクトの証言をきっかけとして発覚しました。

 

 

アイテム番号: SCP-976-JP

 

対象からの呼称: 『アナ』さん(SCP-976-JP-1)、[編集済]*3(SCP-976-JP-2)

 

対象との関係性: 猫とその飼い主、年上の知人。

 

説明: SCP-976-JPは、周囲と自身の内部のヒューム値を上昇させることが出来る、『アナ』という名の雌のイエネコ(以降、SCP-976-JP-1と呼称)と、その飼い主である現実改変能力者(以降、SCP-976-JP-2と呼称)で構成されます。

 

 SCP-976-JP-2は、自身の現実改変能力により、SCP-976-JP-1の異常性を発現させました。両者の安全かつ効率的な取り扱いを行うため、2つのアノマリーを同じSCPオブジェクトとして分類し、収容も同様の形を取っています。

 

 SCP-████にとってのSCP-976-JP-2は、年上の猫の飼い主仲間のようです。また、SCP-976-JP-1とSCP-040-JPの間にも親交がありますが、SCP-976-JP-1はSCP-040-JPがイエネコでないことを察知しているような素振りを見せています。

 

 SCP-976-JP-1は過去の事例から、SCP-976-JP-2以外の現実改変能力者とのクロステスト及び収容への利用は保留されています。

 

 SCP-976-JP-2は現在、財団に協力的な振る舞いを見せています。しかし、SCP-976-JP-2が過去に民間人とGOCのエージェントを■名殺害したという経歴から、SCP-976-JPの特別収容プロトコルの規定の緩和は未定です。

 

 

名前: エージェントバークレー

 

対象からの呼称: バークレーさん

 

対象との関係性: 居候その2

 

説明: エージェントバークレーは、SCP-1983の無力化への尽力という大きな功績により、財団では広く知られています。

 

 エージェントバークレーは、20■■/■■/■■に、███山中でSCP-████により発見されました。対象は「桜の木の下に埋まっていた」と語っていましたが、財団が調査したところ、該当する場所に桜の木は存在しませんでした。

 

 その後、ブライト博士が彼について『記憶喪失の外国人』という理由を捏造することで、エージェントバークレーをSCP-████の自宅に滞在させました。

 

 現在、エージェントバークレーはジャクソン・パーカー調査員(かつてのD-14134)と共に、ブライト博士直属の部下として、SCP-████の身辺警備を担当しています。

 

 

アイテム番号: SCP-973-JP

 

対象からの呼称: 暗星豪(あんせいごう)さん、または暗星さん

 

対象との関係性: 何故かよく遊びに来る人

 

説明: SCP-973-JPは黒鹿毛の雄のウマです。日本で開催される、ありとあらゆる大会・コンテストに頻繁に参加し、その際は『暗星豪(あんせいごう)』という名の人間として扱われます。

 

 SCP-973-JPは人間と同程度の動作が可能であり、全ての分野において高い適性を示しますが、多くの場合、不運なハプニングや致命的なミスにより、乏しい戦績に終わります。

 

 SCP-973-JPは非常に強力な記憶操作能力を有しており、如何なる妨害手段も通用しません。SCP-████を利用した、大会参加の妨害計画も、対象の異常性が機能しなかったため失敗しました。これは、SCP-973-JPの引き起こす認識災害の脅威度が、極めて微々たるものであるからと考えられています。

 

 SCP-████はSCP-973-JPを、上記の通り『暗星豪』という人間として認知しています。『暗星豪』は、身長1.9メートルの、黒ずくめの服を着た、細身で筋肉質な成人男性に見えます。その人格は、調子の良い好青年という印象を受けます。

 

 SCP-973-JPは、SCP-1500-JPに関する未確認の情報を所有していると思われますが、その特性ゆえ、長時間の確保と聴取に成功した事例はありません。

 

 

アイテム番号: SCP-████-JP

 

対象からの呼称: 母、お母さん

 

対象との関係性: 義母

 

説明: SCP-████-JPは、『井上イワ』を名乗る、日系人女性のような人型実体です。SCP-████-JPの顔を視認した人間は非常に強い苦痛と、SCP-████-JPへの激しい嫌悪感を抱くため、自発的に仮面を着けて生活しています。

 

 SCP-████-JPは20■■/■■/■■に当時新生児だったSCP-████を拾い、収容直前までその保護と養育を負っていました。

 

 また、SCP-████-JPはSCP-1500-JP内部に存在する『桜主』を“妹”として扱うような言動をしています。2つのオブジェクトに関しては現在調査中です。

 

[ログイン資格を提示せよ:要レベル5/2000クリアランス]

 

 

 

 

 

 

 ……彼らは君から隠したいわけじゃないが、この先を知るのはまだ早い。君の見たいものは、何度画面を触っても出てこないよ。

 

 まぁ、少しでもいいから知りたいと言うのなら、これを読めばいい。

 

 それより湖に……

 

 ────イーブイ進化系統一パーティーに負けた……だと……!? 

 

 

*1
近年は電子メールの利用も確認されています。

*2
彼らは俺たちを馬鹿にしてるらしいな。“君”もそう思うだろう? 

*3
SCP-976-JP-2の本名。




この作品はクリエイティブ・コモンズ 表示-継承3.0ライセンスに基づき作成されています。

SCP-040-JP “ねこですよろしくおねがいします”
著者 Ikr_4185
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ブライト博士の人事ファイル
著者 AdminBright
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SCP-963 “不死の首飾り”
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SCP-3715 “それほど繊細でもないお茶”
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著者 perry0720
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著者 29mo
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