助けたネコが「にゃー」と言う   作:ぉけいさん

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ほわいと&ちょこれーと

 

「ニャー! あそぼー!!」

 

 保育園から帰ってくるやいなや、車から降りた息子はネコミミ幼女の元へと駆けていく。

 

「コラ琥珀! 先に手を洗いなさい! あと砂だらけだから服着替えるよ!」

 

 その後ろから息子の荷物を抱えた妻がバタバタと追いかけ、家が砂だらけになるのを防ごうとしていたが、時すでに遅し。息子はネコミミ幼女が居るリビングに到達していた。

 

 間に合わなかった。と項垂れる妻を横目にレジ打ちしつつ、お客様と目が合うと互いに苦笑いを浮かべ、

 

「大変そうですね」

 

「ですねぇ」

 

 と軽い会話をするのであった。

 

 

 

 

―――――――――――――

 

 

 

「ニャーなにするぅ?」

 

「にゃー! ぅあらーまぁ」

 

「よくわからないけど、まぁいっか。オモチャであそぼー」

 

 リビングの一角で子ども達はおもちゃ箱をひっくり返して、各々そこにあった目ぼしい物で遊び始める。その様子を微笑ましく見ながら、砂だらけの服と砂だらけになった床をキレイにしながら眺める。

 

 琥珀はすごく嬉しそうに、白い女の子にオモチャの遊び方をレクチャーし、白い女の子も初めて見るオモチャに目を輝かせながら琥珀のレクチャーを見様見真似する。

 

 

 

 

 

 そうやってキャッキャとはしゃぐ二人を眺めていると、頬に一筋涙が溢れたのを感じた。

 

 

 

 

 

 

「凛ちゃん掃除しとこうか? ―――って、凛ちゃんどした? なんで泣いてるの?」

 

 店の方が一段落したのか、大和くんがこちらの様子を見に来ていて、私が泣いてる姿に動揺をしていた。

 

「なんかね、二人が遊んでる姿を見てるとね、すごく嬉しくて、すごく切ないんだ。琥珀がいつも一人で遊んでる姿を見てるのが申し訳なくて、辛かったから」

 

 言葉に出すと涙が押し寄せてきて、瞳からずっと溢れ顔を濡らしていく。大和くんはそんな私の頭に手を乗せゆっくりと撫でてくれた。

 

「もしかしたらこの光景って、あり得たんじゃないかなって思ってしまったの。琥珀の隣に(スイ)がいて、こうやって二人で楽しく遊んでたのかなって。そう思ったらすごく切なくなっちゃった」

 

 部屋の隅にある小さな仏壇に目を向かわせながら心情を吐露する。本来見れてたかも知れない兄妹が遊ぶ姿。奇しくも血の繋がった兄妹ではないが、年齢差もそれに近い二人を見て心を揺さぶられてしまう。

 

「本当に仲良く遊んでるね。友達というより、兄妹みたいにみえるね。琥珀が兄ちゃんやってるように見えるからさらにそう感じちゃうね」

 

 自分の思ったように遊んでくれない白い女の子に、どう教えたら分かってくれるのか四苦八苦している琥珀を見ながら大和くんはそう言った。確かに自分より幼い子に頑張って伝えようとするその姿は、すごく大変そうだけど、でも何処か得意気に見えた。少なからずそれは琥珀なりに年上でお兄ちゃんだからという気持ちがどこかにあるのだと思う。

 

 私達二人は、子ども達の遊ぶ風景をしばらく見つめながら肩を抱き寄せていた。

 

 

 

 

 

―――――――――――

 

 

 

「お腹すいたね。お菓子食べよ」

 

「にゃーい」

 

 ニャーとふたり、お菓子が入っている扉に行く。

 

「待っててねニャー、今取るからね」

 

 うんしょうんしょと、椅子を持ってきて少し高いところにある扉の前に置く。そして、椅子に登って立ち上がると僕でも扉が簡単に開く。ニャーはその様子を期待がこもった目で見てくれている気がするからなんだか気分がいい。今日は沢山出しちゃおう。

 

 ポテチに、クッキー、チョコにキャンディ。今日はニャーがいるからパーティーだ。

 

 意気揚々とお菓子を取り出し椅子から降りようとする。そんな僕を見てニャーは早く頂戴と急かしてくる。

 

「待ってね。机に持っていくからね」

 

 服の下を伸ばしてその中に回収したお菓子を入れて机に向かう。

 

「ぅわぁ、ニャーダメだって」

 

 しかし、ニャーが相当お菓子が欲しかったのか机に向かう途中で服を引っ張ってお菓子を取ろうとしたため、床にお菓子が全部落ちた。

 

 ニャーは落ちたお菓子を拾って食べようとしていたけど、お菓子の袋の開け方がわかってないのか、困った顔でこっちを見てきた。

 

「お兄ちゃんが開けるから貸して」

 

 そう言って手を差し出すと、お菓子を僕に渡してきたので袋をベリっと開けて中身を再びニャーの手に渡す。するとニャーはすごく嬉しそうな顔をしてそれを食べる。

 

 その様子を見て僕はなんだか楽しくなって、机にお菓子を乗せるのも忘れて、床に座りながら袋を開けてはお菓子をニャーにあげていた。

 

 

 

 

――――――――――

 

 

 琥珀の服を手洗いしたり、お店のフォローをしたりしてリビングに戻ると、二人は床にお菓子を広げて食べていた。

 

 

 クッキーや、ポテチの欠片が床にポロポロ落ちているのを見て、やられた、掃除が大変だ。なんて思ったのも束の間、私の目に映ったお菓子の空袋に背筋に冷たいものが走った感覚があり、そしてその目を白い女の子に移した瞬間、私は駆け寄った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 元ネコの白い女の子はチョコレートを口にしていた。

 

 

 

 

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