助けたネコが「にゃー」と言う   作:ぉけいさん

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名前はまだニャー

「ニャー、ママ、パパおやすみなさい」

 

「おやすみ、琥珀」

 

 はしゃぎ疲れたのか、いつもより早い時間に息子がおネムとなった。名前を決めた後、ニャーを優しく抱きしめ、撫でていた息子にニャーが粗相をしてしまい、それに驚きギャン泣きしたり、ニャーをお風呂に無理矢理連れて行こうとして、駄目だと注意したら、嫌だー!と地団駄踏んで大泣きしたりなどのかわいいトラブルがあったのが原因だろう。

 

 斯くいう自分も、朝から慣れないことの連続で変に気疲れをしているみたいだったので、早めに布団の中に入ることにした。

 

 妻を一人ゆっくりお風呂に浸からせて、一応なにかあったらいけないので、ゲージにニャーを入れて寝室に連れてきている。

 

 隣でスヤスヤと眠る息子の様子を眺めながら段々と微睡んできていると、ゲージからニャーニャーと寂しそうな鳴き声が聞こえてきた。

 

「どうした? 一緒に寝たいのか?」

 

 返事がないことは承知だが、あえて聞いてみると、ニャーと一鳴きした。人間の言葉わかってるのかな?とふと考えさせるほど自然に返答がやってきたので、思わず微笑んでしまった。

 

 ゲージを開け中からニャーを優しく抱き上げながら自分の布団に入り込み、ニャーを仰向けの自身の腹の上に乗せる。軽いが確かにある重みと生き物ならではの温かさを感じながら微睡みに身を任せ始めた。

 

 

 

 

 

 

 その時自分でも寝ぼけてしまっていたのだろうか、ニャーに付いているエリザベスカラーのマジックテープを無意識に外し、手のひら全体で頭を撫で回しながら意識を眠りの世界に向かわせるのであった。

 

 

 

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 柔らかな日差しの中、芝生が青々しく生い茂った公園に家族でやってきた。妻がレジャーシートを広げたので、その上に荷物を置いて、空いたスペースに座る。息子は公園に着いたと同時に駆け出して走り回ってる。

 あまり遠くに行くなよ。と声をかけると、元気よく返事をしてくるその姿を見ながら、隣に座ってきた妻の手を握りしめ微笑んだ。

 

「天気もいいし、良いときに来れたね」

 

 そう妻に語りかけると、そうだねと妻も微笑み返してくれた。

 

 穏やかな空間だなぁ。

 

 見上げるとそこには本当にキレイな青空が広がっており、少しだけ浮かんでいる雲が空の景色のいいアクセントとなっている。

 

 こんな穏やかな日がこれからも沢山味わえたらいいな。そう考えながら視線を走り回ってる息子に戻した。

 

 すると息子よりひと回り小さい子どもが息子と遊んでいる姿が見えた。その様子は普段からよく一緒に遊んでいるようで、子どもたちがはしゃぐその風景を少し離れたレジャーシートの上でボンヤリと眺める。

 あまりに自然な風景に思考が回らなかったが、ふと違和感に気づいた。

 

(あの子、いつからいたんだ?)

 

 公園に来たときには自分達家族以外だれも居らず、貸し切り状態だったのに、目線を空に少し移してから息子に戻したその間に小さな子が現れたように感じられた。

 

 息子とその突然現れた小さな子は楽しそうに遊んでいて、それを見ている妻もニコニコとその様子を眺めている。異様なことが起きているはずなのに、何故か急にその感覚や違和が無くなり、それが当たり前のように思えた。

 

 すると小さな子がこっちの方を見て満面の笑顔で手を振っていたので、こちらも笑顔で振り返す。そして気づいた。

 

(あ、これ夢だ)

 

 小さな子は手を振りながら、なにか楽しそうに声を出しているけど、その声はこちらの耳に入る前に無音となっていた。そしてなにより口元以外の顔がボヤけたように認識されて、現実ではありえない見え方をしている。

 ただ、傍から見たらありえない状態にも関わらず、心の中はとても穏やかになり、それがとても尊く感じる。

 そして気づいたら目から多くの温かい涙が溢れていた。

 

 夢は夢でも、これはもしかしたら本当は見れていたかもしれない景色だったのではないか。でももうそれは決して叶うことはなく、自分達夫婦が乗り越えないといけないことでもあった。

 

 ふと目の前に小さな子がやって来て、こちらをジッと見ている。―――といっても顔が全体的にボヤけて見えてる為、見ているだろうという思い込みだが。

 

 

 

 そして多分、いや、間違いなく満面の笑みを浮かべながらムギュっと抱き着いてきて、コチラの顔を見つめながら口を開いた。

 

 

 

 

 

 

―――ただいまっ!―――

 

 

 

 

 

 

 声は音がなく聞こえなかったが頭の中にその言葉が聞こえたような気がした。

 

「あぁ、おかえり!」

 

 小さな子を抱きしめ返す。頬を伝う涙は止めどなく流れるが、その涙と抱きしめた小さな子の温かさに身を委ねるのであった。

 

 

 

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「っは!」

 

 なんの夢を見ていたか覚えてないが、夢の中で泣いていたのか、自身の頬に伝う涙で目を覚ました。目覚めた時にあまり不快感が無かったので悪い夢ではなかったのだろう。

 

(まだアラーム鳴ってるわけじゃないし、しっかり寝とこう)

 

 一度開いた目を再度閉じ、時間一杯睡眠を貪ろうとしようとしたのだが、お腹の当たりに寝る前とは違う、それなりの重量の物が乗っている感じがした。

 

(また琥珀が寝ぼけて乗ってきてるな)

 

 子ども特有の寝相の悪さか、時折息子が自分に乗っかかってくることがある。そういった時はいつも息子の体を転がすようにして元の位置に戻す。

 寝ぼけた意識の中、いつもどおり転がそうと体を持とうとしたとき強烈な違和感に襲われ、思わず呟いてしまう。

 

「琥珀ぅ、寝ながらなんで裸になってんの?」

 

 本来あるべき布の感触が全く感じられず、代わりに感じた人肌の感触に驚きながら、もぞもそとそこらへんに有るであろう服を手探る。

 

「んぁあ? ねぇなぁ」

 

「なにもぞもぞしてるの?」

 

 先程の呟きと、布団をガサガサとしている音のせいか、妻を起こしてしまったようだ。

 

「ごめん。起こしちゃったね。琥珀が全裸でオレの上に乗ってきてるんだけど、服そこらへんにない?」

 

「服ぅ?そんなのないよ。というか琥珀は私の横にいっ―――!?」

 

 すごい中途半端な所で言葉を区切った妻の方を薄目を開けて見てみると、まさに驚愕っ!といった顔でこちらの方を見ている。

 

「ん?どしたの?―――っぁえ?」

 

 驚愕した顔でフリーズしている妻を見ていると、ふと顔になにかペタペタ当たる感触を覚える。

 その当たってくる感触の原因が居るであろう方向に顔を向けると、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 おっさんの顔を楽しそうにペタペタしている全裸の幼女が眼前に現れた。

 

 

 

 

 そしてその幼女はこちらと目が合うと嬉しそうにニッコリ笑いながら

 

 

 

 

「にゃー」

 

 と言った。

 

 

 




はじめまして!ぉけいです!
ひとつのアイデアがふと頭に浮かんで、その場面を文書にしようとしてたらなんやかんやバックボーンとかも浮かんだり、考えたことを文書に起こそうとしてたら1ヶ月近く掛かってしまいました。
そして、なんとかその浮かんできたアイデアの欠片をこのページに収めることができました。
これからこの浮かんできたアイデアをしっかり表現できるよう拙い文書ではございますが、マイペースに連載してまいりますので、お付き合いよろしくおねがいします。

2022.2.25

2022.2.26 一部修正しました。
本筋は変わっておりませんが、一部表現を変えております。
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