平日の学校帰りの睡魔と戦いながらいつも執筆しているのですが、昨日(2/22)は特に辛く、今日引き継いで作業をしていたのですが……
どっどどど童貞の学生に同棲中の仙人(ほぼ)カップルの話なんてかけるかァッ!!(睡魔関係なし)
現実離れしすぎてるわボケェ!!(至極真っ当な八つ当たり)
日が完全に落ちきり、璃月港へ夜が訪れる。
外から聞こえていた商人たちの喧騒も鳴りを潜め、近隣からは家族団らんの声がよく聞こえ始めていた。
「……ふむ。面白かったが、よくこんなタイトルと内容のものの出版を影ちゃんが許可したな」
今朝に甘雨との話の話題に出した本を閉じ、表紙とタイトルを改めてみてみる。
あの凛としていた影ちゃんの姿とはかけ離れた、快活そうな表情をした『雷電将軍』が表紙のど真ん中で決めポーズをしながら夢想の一太刀を構えている絵の上には『雷電将軍に転生したら、天下無敵になった』と、不敬罪もびっくりなほど七神に対して不敬なタイトルが陣取っている。
今朝の甘雨の様子から見て、この『八重堂』という出版社の偉い人はどうやら影ちゃんにどうにか言われても何とかすることができる能力や地位を有しているのだろう。
でなければこんなタイトルの娯楽小説など出版できるわけがない。
ちなみにだが、璃月で同じことをしようとすれば七星……特に刻晴殿辺りが激昂しながら執筆者をズタズタに切り裂いてしまうだろう。
風神は……笑いながら続きを催促してきそうだ。
と、
「ただいま帰りました~」
玄関の扉がガチャリと開き、甘雨が帰宅する。
「お疲れ様。鞄、持つよ」
「ありがとうございます。……わぁ、今日も美味しそうですね!」
甘雨から預かった鞄をラックへかけていると、卓の上に並べられた夕飯を見て甘雨が目を輝かせていた。相も変わらず、昔から食に目がない女の子である。
手を洗ってきますね、と風呂場の方へ消えていった甘雨を尻目に、僕は先に椅子へ座っておく。
甘雨の家に居候を始めて、最初こそ暫く料理などしていなかったためにできるか不安だったが、いざやってみれば意外と順調にできた。
僕は仕事柄、子供と接する機会なんて滅多になかった。見るのは敵意を隠そうともせずに襲い掛かってくる魔物や魔神で、この先も僕には戦いしかないのだろうと考えていた。
そんな矢先に飛び込んできた、知り合いの仙人の吉報。
幼い子供と接する機会など滅多になかったし、璃月港へ出向くよりも簡単に行ける場所に甘雨の家はあったので、頻繁に赴くようになった。
その過程で甘雨のお母さんに料理を教えてもらったり、甘雨の遊び相手になってあげたりしているうちに、いつしか甘雨の元へ行くのが楽しみになっていった。
「何か嬉しいことでもあったのですか?」
「いや……そういえば今は『行く』ではなくて『帰る』だったな、と」
「ふふ……いつの日か、私が「おかえりなさい」と兄さまに言ってあげたいです。
? 兄さま? 顔が赤いですよ?」
「えっ!? あっ、いや、な、何でもない……そ、それより! 食べよう! いただきます!」
「……? いただきます」
かかか、甘雨が僕に向かって「おかえりなさい」という事は、つっ、つまり甘雨が七星の秘書の仕事ができない程の
甘雨なら怪我をしてでも仕事をしそうなのに対し、どうしても仕事を休まなければいけない事情なんて、そ、そんなこと――――っ!!
ぶんぶん、と頭を振ってこの邪な考えをかき消す。
先ほどもそうだったが、まだ恋仲にすらなっていない甘雨を妄想の中とはいえ
「おかしな兄さま……。あっ、このポテトサラダ、とっても美味しいです!」
「そ、そうか……なら、また作ろう」
「はい♪」
とにかく、今はこの屈託のない笑顔を見せる甘雨の期待に応えられるように、また香菱の元で料理を鍛えよう。うん。そうしよう。
「往生堂……ですか?」
「ああ。甘雨は働かなくても良いと言ってくれたが、やはり甘雨の兄として、そして一人の男として、せめて仕事だけはさせてほしい」
食事も終わり、使っていた食器も洗い終わってひと段落ついたところで、昼間の話を切り出す。
まんまと胡桃に乗せられてしまった感じがするが、やはりほかの仕事よりも往生堂が一番いいと思ったので僕としては異論はない。
それに、往生堂には何度も世話になっているというのもある。
僕は、基本的に祓うべき相手が妖魔かそうでないか、祓うか祓わないかの判断しかできない。だから時には害を及ぼす気のない霊を断ち切ってしまったりしてしまうことがあった。
しかし、往生堂の堂主たちは代々死者の『そういうところ』に敏感で、害意の有無、戦闘力の有無を一目で見分けることができる。
この霊は祓わなくても大丈夫、この霊は危ないけれどまだ戻せる、この霊はもう既に手遅れ。
妖魔を祓っている中で出会った往生堂の堂主たちは、それらを判断してから改めて僕に退治を依頼したり、祓わないで退却してほしいと言ってきた。……そして、女性の場合はその殆どが僕に求婚してきた。なんでだ。
その時には特別意識はしていなかったが、心のどこかで既に甘雨の事が気になっていたらしく、それとなく躱していたのだが……
(もしや今日の胡桃も……いや、流石に考えすぎか)
そもそも当人の性格からして恋愛には疎そうだし、今日の様子を見てもそんな感情があるように思えなかった。
話が逸れたが、僕には往生堂には十分に借りとはいかなくとも少なからず世話にはなっているのだ。それらを働いて返すのは理由としては十分だろう。
「……兄さまが言うのでしたら、私に異論はありません」
甘雨の表情が少し暗い。
僕に仕事をさせるのがそんなに嫌なのだろうか。
「ですが、私は、兄さまに平和になった璃月で、自由に暮らしてほしいんです」
僕の年齢は5700と少し。
岩王帝君と帰終様に育てられ、親の血筋の影響か、僕の身体能力は普通の仙人よりも遥かに高く、龍王と共に帝君の側近として、数多の魔神共と軍を率いて戦っていた。
そんな戦争まみれの生活に、自由なんてものは殆どなく。
璃月港が建設され、他の魔神が闇の外海へ逃げ出すまでの間は、とにかく戦い続きだった。
「やっと戦いから、任務から、仕事から解放された兄さまを、何も気負わせることなく過ごさせてあげたいんです……」
一週間前、僕は帝君との『契約』を破棄し、実質自由となった。
この世界に生を受けてから4000年以上戦ってきた僕に、甘雨は楽をしてほしいのだという。
けれど、それは違う。少なくとも僕はそう感じていた。
「仕事もせずに、家の事だけして他の事は甘雨に頼りっぱなし。僕は、そんな生活は嫌だな。
確かに、戦いから解放されて璃月港を自由に歩き回りたいっていうのはあるが、でもそれだけじゃ僕の心は満たされない」
本当に璃月で何もすることなく暮らすだけなら、それは僕に大切なものが何もないときだろう。
喜怒哀楽を共にする人が誰にもおらず、『契約』もない僕ならば、甘雨に言われなくともそうしていただろう。でも、この状況の僕は違う。
共に笑い合ったり、怒られたり、悲しんだり、楽しんだりした人が、甘雨がここにいるから。
「僕は、甘雨と一緒に支え合って暮らしていきたいんだ。僕が一方的に享受するだけの生活なんて、するつもりはない。
少なくとも僕は、ずっと二人で生活していきたいと思ってる。だから、許してほしい」
思っていることをそのまま口にする。
一方的に甘雨に施されるがままの生活なんてするつもりはないと。互いに支え合っていきたいんだと。ずっと二人で暮らしていきたい……ん……だと……あれ?
「に、兄さま……」
僕、もしかしたら甘雨にとんでもないこと言わなかったか……!?
「わあああああっ!!! す、すまない甘雨っ!! 今の発言の最後の方だけ記憶から消してくれっ!!」
「――――ふふっ」
わたわたと慌てる僕を見て、甘雨がふわりと笑う。
慈愛に満ちた表情。聖母のような微笑み。総てを包み込んでくれるような笑顔だった。
「兄さまは普段頼りになりますが、こういうところだけおっちょこちょいですね。
――――っ、私も、兄さまとずっと一緒に暮らしたい……です。
なので、一緒に支え合っていきましょう」
そんな訳で僕は往生堂へ務めることが確定し、就寝時に甘雨が「きょ、今日は一緒に、ね、寝ません……か?」と頬を赤く染めながら聞いてきたので断るわけもなく迎え入れ、共に眠って夜を明かした。
べっ、別にやましいことは何もしてないからな!!
※本当に何もしてません。ただ抱き合って寝ただけです。……してんな。
渦の余威戦は久劫兄さまは関わらないのでちゃちゃっとキング・クリムゾンしつつ、その後の海灯祭で今まで溜まっていた分の、それはもうイッチャイッチャのデッレデレをやってやろうじゃないか。
書いてる私ですら「早くくっつけ」って思いながら書いてます。あと2、3話の辛抱だッ……!!
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