美鈴と昼食を摂る咲夜さんのお話

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美鈴と昼食

「美鈴」

 

「なんですか咲夜さん?」

 

「なんでもないわ美鈴」

 

「はぁそうですか。てか戻らなくて良いのですか?」

 

「戻るって今日、私オフよ」

 

「あぁーそうでしたね。もう土曜日なのですね」

 

「そうね美鈴。だから今日は貴女も早上がりでしょ」

 

「そうでしたね咲夜さん。それで明日は私がオフと」

 

「そうね美鈴」

私が今日がオフで明日、美鈴がオフなのにはお嬢様が

メイド長と門番の業務改革と称しながら私と美鈴の

関係を考えて下さった結果、毎週土曜日は私がオフ

日曜日は美鈴がオフにして貰い、どちらか片方がオフだと

もう片方が通常業務時間より三時間早く上がれる様にして下った。

それだと私オフの日のお嬢様の世話は誰がするかって

それは食事は仕方ないけど、それ以外はお嬢様が

ご自身でされる様になったわ。

それは妹様同様に

じゃぁ美鈴がオフの日は誰が門番をするかって

それはパチュリー様の魔法結界で美鈴の代わりになって下さったわ

 

「咲夜さん飽きないんですか?」

 

「飽きるって大切な人の仕事姿を見て

飽きる奴なんているかしら?」

 

「ははっ確かにそれもそうですね」

 

「あら。そろそろ昼食の用意をしないとだわ」

 

「もうそんな時間ですか」

太陽の位置を確認するために上を見上げる美鈴の横顔は

整っていて正直羨ましいわね。

 

「どうしましたか咲夜さん。私の顔になにか付いてますか?」

 

「なにも付いてないわ美鈴。ただ貴女の横顔に見惚れてただけよ」

 

「そうでしたか咲夜さん。咲夜さんの顔も充分

見惚れる程の美しさはありますよ」

 

「ありがとう美鈴」

私もだけど、どうして美鈴はあんなにも恥ずかしげも無く

あんな事を言えるのかしら?

 

「どうしましたか咲夜さん?」

 

「いえ、なんでもないわ美鈴」

 

「そうですか咲夜さん。そう言えば今日のお昼ご飯はなんですか?」

 

「そうね。今日はオフだしお嬢様と妹様には簡単なサンドイッチをと

考えているけど、美鈴はなにかリクエストはあるかしら?」

 

「そうですね〜。咲夜さんの作ったご飯はなんでも

美味しいからねぇ」

 

「ありがとう美鈴。で昼食どうするのよ?」

 

「そうですねぇ。咲夜さんがオフなのも考えると

あまり手の込んだ料理は咲夜さんに負担を掛けるし

かと言って簡単なものをお願いすると私が午後キツくなるから」

 

「嬉しいけどそんなの考えなくて大丈夫よ美鈴」

 

「そうですか咲夜さん?」

 

「えぇそうよ美鈴」

 

「じゃぁ咲夜さんのオススメに任せますよ

きっと咲夜さんなら美味しい昼食を作ってくれますから」

 

「わかったわ美鈴。じゃぁ少しの間、待ってくれるかしら?」

 

「そのぐらい大丈夫ですよ咲夜さん」

 

「じゃぁ作って来るわ美鈴」

私はしばしの間、離れる美鈴に別れを告げると同時に

懐中時計で時を止め館の調理室に向かう。

 

 

さて、お嬢様と妹様にお出しする

サンドイッチの具は何にしようかしら?

私は冷蔵庫の中を一通り目を通して考える。

今日はたまごサンドにピクルスをお出しする事にするわ。

あと、美鈴の分はこのたまごサンドと少し時間は掛かりはするが

カツサンドにしようかしら。

そうと決まれば私は水と油を別々の鍋に張り

水が沸騰したところで卵を投入し、吹きこぼれ無い様に火力を弱め

その間にバットにバッター液を作り豚ヒレの用意をする。

どうやら茹で卵が茹で上がったので鍋のお湯を捨て殻を剥き

白身を黄身に分けそれを細かくする。

ひとまずたまごサンドの作業をここまでにして

油が適温まで温まったからバッター液にくぐらせ衣を纏わせた

豚ヒレを油の中に入れる。

揚げ物の時は何回やっても油ハネが怖いわね。

それに顔にハネた時なんてやけどでお嬢様はもちろん

館の皆が心配してくれるし何より美鈴が心配するから

あまり油ハネとかして欲しくは無いのよね。

良い具合に揚がったヒレカツをバットに移し余分な油を落とし

冷めない様に軽くラップをかけてたまごサンドの作業に戻る。

フライパンに生卵を落としそこに牛乳を入れる。

どうやらこれは外の世界の方々がたまごサンドの

スクランブルエッグを作る時に入れるそうで

私も外の世界から流れ着いた料理本を見て最初は驚きはしたものの

お嬢様を始めとした館の皆にお出ししたら

好評だったから続けてるわ。

牛乳を入れた生卵を良く溶いてから弱火に掛ける。

そこからは固まり過ぎない様にかき混ぜ

良い具合になったところで細かくした茹で卵と一緒にして

マヨネーズ 塩 砂糖を適量入れて白身の食感が残る様にしながら

かき混ぜ、これでたまごサンドの種は完成。

あとはヒレカツと食パンを適当な大きさに切ってから

ピクルスを添えて今日のお嬢様と妹様

そして美鈴の昼食が完成したわ。

私はお嬢様と妹様の分は盆に載せ少し小さなバスケットに

美鈴の分と私の分を入れる。

そして私はまたしても時を止め

この時間にお嬢様と妹様が居るであろうお嬢様の執務室に向かった。

この時間帯は良くお嬢様が妹様と談笑を楽しまれる時間であり

私の作るお食事を食べながら会食をするのが

ここ数年の日課になりつつある。

お嬢様の執務室の扉の前に着き私は時を動かし

 

コンコンコンとノックする

すると中からは

 

「良いわよ咲夜」と、

お嬢様の一言が聞こえる。

 

「咲夜入ります」と、断りを入れ執務室に入室をする。

 

微笑を交えながら

「フフそんなに硬くならなくて良いのに」と、言うお嬢様に

 

「いえ、そうは行きませんのでお嬢様」

 

「うちのメイドは硬いわねフラン」

 

「そうねお姉様。でもこれはこれで咲夜らしいから好きよ」

 

「そうねフラン。これも咲夜らしいわね」

 

「それで昼食を持って参りました」

 

「土曜日までもご飯だけは作らせてしまって悪いわね咲夜」

 

「大丈夫ですよお嬢様。この日の調理はメイドの仕事と言うよりは

家族としての意味合いが強いので」

 

驚きの顔を出しながら私に

「あら、咲夜も言える様になったわね」

 

「そうでしょうかお嬢様?」

 

「そうよ咲夜。以前の貴女ならこんな事、言えないわね」

 

 

「めーりんが居るじゃないかしらお姉様?」

 

「そうねフラン。それが大きいわね」

 

「ところで今日は何かしら咲夜?」

 

「今日はたまごサンドとピクルスとなっております」と、

メニューをお伝えしてお二人の目の前に皿を置く。

 

「咲夜のたまごサンド好き〜」と、喜んで下さる妹様

そしてお嬢様からは感謝のお言葉が

 

「ありがとう咲夜。じゃぁ食器はいつも通り調理室で洗って戻すわ」

 

「ありがとうございますお嬢様

では私はこれで失礼します」と、

私が退室しようとした瞬間お嬢様から

 

「美鈴にいつもありがとうと伝えなさい

それと来週の日曜日は咲夜、貴女も休みにさせるから

二人でどこかへでも遊びに行きなさい」

 

私もそこまでのバカでは無いから変にものを言わず

 

「ありがとうございますお嬢様

ではお言葉に甘えてそうさせて貰います。」

 

「咲夜も早く美鈴のとこに行ってあげなさい

美鈴も咲夜の料理を待ってるわ」

 

「わかりましたお嬢様。では失礼します」と、言って

執務室を退室し、時を止めサンドイッチが冷めない様にして

美鈴の居る門前に向かう。

玄関を出てから時を動かし門を開け美鈴に会う。

 

「来たわよ美鈴」

 

「おかえりなさい咲夜さん。今日は少し遅いですね」

 

「そうかしら美鈴?でも今日は揚げ物を

揚げたからかもしれないわ」

 

「そうだったのですね通りで。てか今日は油ハネ大丈夫ですか?」

 

「えぇ今日は大丈夫よ美鈴」

 

「良かったです。咲夜さんにお怪我が無くて」

 

「私もそんなにドジでは無いわよ美鈴」

 

「確かにそうですね咲夜さん」

美鈴に心配されるのは悪い気分にはならないけど

私ってそんなに心配される様な人間なのかしら?

まぁでも以前に比べれば丸くなったと言うか緩くなったと言うか

なんと言えば良いかがわからないけど

心に余裕を持てる様になったのは自覚はあるわね。

 

「確かにそうですね咲夜さん

それで今日のお昼ご飯はなんですか?」

 

「そうね今日はたまごサンドと

ヒレカツのカツサンドにピクルスね」

 

「おぉー良いですね咲夜さん!」

 

「そうでしょ。じゃぁ食べましょ美鈴」

 

「えっ食べましょって一緒にですか!?」

 

「えぇそうよ美鈴。私の分もこのバスケットに入ってるわ」

 

「はぁーそうなのですか咲夜さん。」

 

「オフの日ぐらい私がどこで昼食を摂ろうなんて勝手でしょ」

 

「まぁ確かにそうですけど、最近多くないですか?」

 

「言われてみればそうね美鈴

でも大切な人と食事を摂ってはダメなんて無いでしょ」

 

「確かにそうですけど、最近言う様になりましたよね咲夜さんって」

 

「そうかしら?それはさっきお嬢様にも言われたわ」

 

「そうですよ咲夜さん。やっぱり余裕があるじゃないんですか?」

 

「やっぱそう思うのね美鈴。私も最近はそう思うわ」

 

「やっぱ平和だからですか?」

 

「それもあると思うわ美鈴。幻想郷に来た最初の頃は

大変だったけど、今じゃぁ来客もそこそこでその来客とも

交流は深められてるし、何より美鈴が居る事ね」

 

「おっそれは愛の告白ですか咲夜さん?」

ニヤケながら言う美鈴に呆れつつも私は

 

「そうかもね美鈴。それより早くしないと時間無くなるわよ」

 

「おっとそうでしたね咲夜さん。では食べましょうか」

 

「そうね美鈴。じゃぁ食べましょう」

私はバスケットから私と美鈴の分の

昼食を取り出し美鈴に渡す。

 

「おぉーこれまた今日も美味しそうな

サンドイッチですね咲夜さん。それにピクルスまで」

 

「美鈴。前、貴女が私に言ったじゃない

私の作る漬け物が漬け物では一番って」

 

「そうでしたね咲夜さん」

 

「「いただきます」」

手を合わして挨拶をしてからサンドイッチを口に運び始める。

紅魔館ではお嬢様の方針で挨拶だけは

いつでもちゃんとすると定めたのでこうゆう場面でも

挨拶はしっかりする様にしている。

 

「っ…やっぱり咲夜さんの手料理は一番です!」

 

「ありがとう美鈴。私も作り甲斐があるわ」

 

 

「良いんですよ咲夜さん!」

この屈託の無いを笑顔を私に見せてくれる。

やっぱり美鈴ってイケメンよね

どうやったらこんなにもイケメンになれるのかしら?

 

「どうしましたか咲夜さん?なにか考え事ですか?」

私の顔を覗き込み心配そうな顔を浮かべてるけど

やっぱり美鈴ってイケメンだからどんな顔をしても様になるわね。

少し無理やりだけど話題を変えないとだわ。

そうださっきお嬢様に言われた事を言えば良いじゃないの

 

「そうだ美鈴。さっきお嬢様から美鈴に伝言を預かってるわ」

 

 

「お嬢様からですか?」

美鈴が食い付いたからこれで話題は変えられそうね

 

「そうよ美鈴」

 

「伝言ってなんですか咲夜さん?」

 

「まずはいつもありがとう、と仰てたわ

それに来週の日曜日はオフにして貰ったわ」

 

「そうでしたか咲夜さん。

って今オフにして貰ったって言いましたか?」

 

「えぇそう言ったわ美鈴」

 

「じゃぁそのどこかに出掛けろと」

 

「そうね美鈴。話が早くて助かるわ」

 

「そうですか咲夜さん」

 

「まぁ私は出掛けるって言っても人里の方は買い出しで

行く程度だからその辺は美鈴の方が詳しいでしょ」

 

「確かにそうですけどそれで良いのですか?」

 

「えぇ良いわよ美鈴」

 

「わかりました咲夜さん。じゃぁご飯食べましょうか?」

 

「えぇそうね美鈴食べましょ」

私と美鈴がサンドイッチを食べるのを再開しようとしたその瞬間

空の方から

 

「おっ咲夜と美鈴じゃん」

 

「これは魔理沙さん今日もパチュリー様とのお茶会ですか?」

 

「そうだぜ美鈴」

 

「パチュリー様からお話は聞いているのでどうぞ中へ」

 

「それは話が早いんだぜ美鈴」

 

「これでも一応門番ですから事前に来客で

どなたが来るかは普段は咲夜さんから聞いているので」

視線を美鈴から私に移して

 

「そうなのか咲夜?」

 

「そうよ魔理沙。今日は私がオフだから直接パチュリー様から

美鈴に話は行ったけど普段は私に話は来るわ

そうじゃないと接客が出来ないから」

 

「確かにそ〜だけど。話に聞いてなくとも咲夜なら

時を止めてすぐに対応出来るんじゃないのか?」

 

「それも出来なくは無いわ魔理沙。でも準備が大変なのよ魔理沙」

 

「ふーんそうなのか咲夜。でっ今は美鈴とデート中と」

 

「っデートじゃないわよ魔理沙。ただ一緒に昼食を摂ってるだけよ」

 

「へいへい、わかったんだぜ咲夜」と、言って

いつもの様に箒を肩に担いで門を通って行く

魔理沙の後ろ姿をただただ見るだけだった。

 

「大丈夫ですか咲夜さん?」

 

「ふぇっ大丈夫よ美鈴」

思わず変な声が出てしまったけど変だと思われて無いかしら?

 

「取り敢えずお茶飲みますか?」

バスケットの中に入ってた水筒の中を紙コップに分けてくれたのを

渡してくれる美鈴から素直に受け取り

魔理沙のせいで取り乱した心を落ち着かせるためにも

美鈴が入れてくれたお茶を啜る。

お茶を用意したのは私だけど美鈴が注いでくれただけで

充分、嬉しいし落ち着くわね。

 

「ありがとう美鈴。落ち着いたわ」

 

「そうですか咲夜さん。良かったです」

安心してくれる美鈴を見ると私が大事にしてくれるのがわかるわね。

 

「じゃぁ今度こそ続き、食べましょうか咲夜さん?」

 

「そうね美鈴。そうしましょ」

こうして私は週末のひと時の楽しみを楽しんだ。

 


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