【急募】貰った悪魔召喚プログラムの使い方   作:貴司崎

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短編集:大社とネオベテルの温度差

 ◇大社と神樹と踊る会議の章

 

 

「……成る程、讃州中学校の旧校舎に現れた大悪魔【バグス】は山田君と件の【ネオベテル】所属の悪魔召喚師が倒したと」

「はい……とは言え旧校舎自体の霊質は未だに不安定です。一応結界を強化しておきましたが、早急に専門の浄化系術者の手によって浄化と解体を行うべきです」

「それは当然じゃな。讃州中学には異能者の子供や霊能家系の後継が多く通っておるし、彼等に悪影響が出た後では遅い」

「然り、可能な限り早く人員を派遣しよう」

 

 香川県の霊能組織【大社】の本殿、そこでは山田先生が複数の仮面を付けた大社幹部・職員達へ旧校舎であった一件の詳細情報を報告し終えていた所だった。

 ちなみに職員達が仮面を付けているのは『私心を捨てて大社と神樹へと尽くす』と言う意味と、仮面自体に隠蔽の術が掛かっているので単純に顔と自分の情報を隠す事による呪い避けの意味があったりする。

 

「しかし、ここ一年間だけでレベル20越えの悪魔が現れたのはもう()()()だぞ」

「やはりヤタガラスから報告のあったGPの上昇が関わっている様だな。神樹様のお力で霊脈を安定させてはいるが、あくまでこの周辺の狭い範囲だ」

「それよりも頻出する悪魔事件による人材の損耗が問題だぞ。今でも山田殿の言った旧校舎解体の人員を用意するのも苦労するレベルだ」

「他の霊能組織への協力要請……も無理だな。というか四国では我らが一番余裕があるから逆に援軍を寄越せないかと言われたぞ」

「そんな余裕はこちらにも無いんだがな。……とはいえ他の霊能組織が壊滅してこちらにしわ寄せが来るのは避けたい所だが……」

 

 そんな滅私の意思で神樹を奉じ、香川県一帯の霊的な事件を解決してオカルト的平和を守っている大社ではあったが、加速度的に上昇するGPによって強さを増す悪魔とそれにより起こされるオカルト事件の対処に苦労している状況であった。

 ……最も他の地方の霊能組織には事件の解決すら出来ずに壊滅寸前まで行っている所もあるので、相対的に見て大社はかなり頑張っている方である。

 

「事件そのものは何人かの術者が神樹様の力を多量に引き出す術を使うなどしてどうにか解決出来たが、それを使った術者が後遺症で現在も動けないのではな」

「神樹様の御力は花の如く咲き誇るが、それが終われば花弁の如く散ってしまう……先達達が国津神様達から託された神樹様の加護を我らが受け止めきれないとは不甲斐なし」

「近年の神樹様は専属の巫女達のお陰で安定しているのは幸いだな。少なくとも過剰に力を引き出さずに最低限の加護で済ませるなら後遺症などは残らん」

「巫女の育成に力を入れたのは正解だったか。神樹様の力を最大限に引き出す【勇者システム】も試験運用の結果は好調であるし……問題は今の所『適正のある年若の少女』にしか使えないという点だが」

 

 尚、彼等が奉ずる【神樹】とは戦後の日本オカルト組織の大粛清の際に大社と協力関係にあった複数の国津神が自らが封印・退去させられる前、その氏子達が霊的組織として活動していける力を持つ為に自分達の霊力を高位の霊木に集めて作り上げた一種の神器であり分霊なのだ。

 当時は若木だった事と大社の先達の苦心によって粛清から逃れ、その後も霊脈と接続して守り育てていった事で現在ではレベル換算で40以上の霊樹となり、地脈の安定化・大社の霊能者へと加護を与えるなど彼等が地方霊能組織でも最大級の勢力を持てる理由となっている。

 ……まあ、そんな神樹の加護を受けた大社の霊能者達であってもレベル10以上、時にはレベル20を超える悪魔が出現する現状はかなり厳しい状況だと言わざるを得ないのだが。

 

「まあ勇者システムの本格的な量産はまだ先であるし、量産するにしても神樹様への負担を考えると少数生産か性能を落とした廉価版しか作れんだろうが」

「適正の面や本格運用までの時間も考えるとアテにし過ぎるのは危険か。……山田君、君の勇者部に通っているネオベテル所属だという生徒がレベル10以上の悪魔を四体同時に制御していたというのは間違いないんだな?」

「はい、少なくとも呼び出された悪魔達は通行君の言う事を聞いており、更には味方である私に配慮した戦い方をしていたので十分に制御は出来ていたと思います。更には十数分の戦闘を経ても彼のマグネタイトが尽きる様子はありませんでした」

「……信じられんな。悪魔召喚師が使役出来る悪魔は良くて一体、二体なら超一流でそれ以上となれば神域の達人のみに許された技の筈だが」

「しかし山田君がこの様な場で虚言を成す筈もなし……我らでも神樹様の分霊である【地霊 スダマ】辺りを使役する術はあるが、それも適正がある者が低レベルのものを一体といった所だというに」

「とは言えそれが本当であればその通行君とは“良い関係”を持っていきたい所だな。……神樹館の方に通う彼の妹も、勇者達からの報告によれば高レベルの異能者で友好的な様だし」

 

 そんなギリギリの状況である大社なので、突然現れた高レベルの異能及び彼等が所属する組織について期待と不安がないまぜになった反応をするのもやむをえない事であるのだろう。

 そしてその話題の渦中である彼等と繋がりのある山田先生、神樹館小学校の大社系職員勇者及びネオベテルについて調べていた職員への質疑応答が白熱するのもまた当然だった。

 

「ふむ、学校での態度などを見るに少なくとも両者共に人格的には問題無いようだな。むしろこの年頃の異能者としては真っ当過ぎるとも言えるが」

「兄の方は確認済みだが妹の方の戦闘能力もかなり高い様だな。……というか乃木家の御息女よりレベルが高い上、軽い組手とは言え勇者システムを使用した彼女達と互角以上に渡り合っているとは……」

「これで覚醒したのが数ヶ月前とか本当なのか? ネオベテルで鍛えたらレベルが上がったとあるが一体どんな秘術を使ったんだ? こうもあっさり高レベル異能者を育て上げられるなら、かの組織は一体どれだけの……」

「戦前から活動しているレベル30の霊犬? 兄妹の家系が元霊能者の家系でそれの守護をしているという話だが、なんでそんな家系が近辺にいて気が付かなかったんだ?」

「元の家系は白鳥家……確かに同じ国津神を奉ずる家系として戦前は繋がりがあった様ですが、戦後のゴタゴタに加えてあちらが霊能者として解散した事もあって繋がりは切れた模様です」

「戦後の資料や伝聞などは神樹様の情報を最優先にしたせいでそれ以外がほぼ散逸していますからな。或いは白鳥家の末裔を保護する協定があったのかもしれませんが、既に残っていないかワザと残さなかったとも考えられます」

「これだけの大戦力を本部から離れた地方に送り込むネオベテルとは一体なんなのだ? ……ヤタガラスからの報告によると関東近辺の壊滅寸前の霊能組織に援軍を送っているという話だが」

「我らと繋がりのある霊能組織からの情報でもそれで間違いない様ですね。何でも発生したいくつかの高レベル異界を攻略したとか、メシアガイアの過激派とぶつかって勝利したとか」

「“ベテル”とは聖書に出て来た単語なのにメシア教とは敵対してるのか?」

「確か非メシア系一神教組織も加入しているとか。あそことメシア教は犬猿の仲ですからね」

「そもそも名前に“万神連合”や“ウルトラスープレックスホールド”などと付いている時点で……」

 

 ……最も報告に挙げられた情報がどれもこれも大社含む一般的霊能組織の常識からはちょっと考えられない内容ばかりだったので、大社の本殿は一転して様々な意見が飛び交う喧々囂々な空間と化したりしたが。

 

「……とにかく木原兄妹とは今後も友好的な関係を築きつつ、こっちの手が回らない様な依頼を頼む方針で行こう。神樹館の勇者部の方にも依頼を増やす事になるだろう」

「それと彼等からネオベテルの情報を出来る限り聞き出して貰いたい。可能であればネオベテルとの協力関係を結べる様に口利きをして欲しいな」

「何分このままでは我らの処理能力を超える事態になりかねない。……他の霊能組織も似た様なものだから頼れんし、帝都ヤタガラスや京都ヤタガラスも『援軍を派遣する余裕がない』と梨の礫だからな」

「「「分かりました」」」

 

 最終的に大社の幹部達は山田先生達勇者部担当者に木原兄妹の扱いを丸投げする感じで会議は終わった……まあ、直近で何か不都合がある様な議題では無いし、彼等には他にも解決せねばならない問題が山積みなのでしょうがないのだが。

 

 

 ──────◇◇◇──────

 

 

 ◇ネオベテル技術班とデモニカと生けに……被験者の章

 

 

 そこは最近話題の霊能組織【万神連合ネオベテル・ウルトラスープレックスホールド】の本部である転生者のみが入る事を許されている博麗神社、その敷地の一角に建てられた【博麗神社特別霊能研究所】である。

 

「ではこれより【試作デモニカスーツ】の動作試験を行おうと思います!」

「「「「「おー!」」」」」

 

 そこの広く作られた実験室内でロボキチニキこと【エルネスティ・エチェバルリア】がバックに複数のパワードスーツ──【試作デモニカスーツ】を侍らせながら、集まった転生者達に向かって実験の開始を宣言していた。

 ……ちなみにこの特別霊能研究所はまだ表に出すべきでは無い研究を転生者だけで行う為に作られたという一面もあり、逆に知られても構わないと判断された技術(量産型造魔・COMPなど)については他の支部で現地民天才枠の協力者と共に発展研究が進められていたりする。

 

「とりあえず皆様からの要望で外見デザインは原作通りのバケツヘルムの他にガ○ダム・マジ○ガー・ボト○ズ・仮面ラ○ダー・スー○ー戦隊・ウルト○マンスーツなどなどそれっぽいのを色々と用意しましたので、試験運用係の非覚醒者の方は技術班の指示通りに好きなのを付けて下さい」

「よっしゃァー! これで俺もライ○ーに!」

「ばっかお前ここはウル○トラマンだろ!」

「俺はガン○ムで行く!」

「むせる」

「やっぱりメガテニストとしてはバケツヘルムは外せないだろ!」

 

 そんな風に意気揚々と試作デモニカスーツに向かって行く非覚醒者の転生者達……彼等の多くは未だに覚醒出来ない事に焦りを感じていたり、どうにかしてキツい修行を受けない様に悪魔に対する自衛の手段を手に入れたい今回のデモニカスーツテストに進んで志願した面々ばかりなのでやる気だけはあるのだ。

 

「……グゴゴ……ちょっとこのデモニカスーツ超重いんですけど⁉︎ まともに動けないんだが!」

「技術レベル的な問題で専用の大容量MAGバッテリーだけでも10キロ近くあるからな。非覚醒者用に色々と機能を試験的に積み込んだからかなり重くなってるぞ」

「パワーアシスト機能も付いてるんだけどこの機構だと重量を支えきれないかー。……まあこのタイプの試験データも欲しいから後3時間程メニュー通りに動かしてくれる?」

「チクショォォ──!!!」

 

 ……まあ、その試験内容は初めて作ったので色々と不具合がありまともに動かないデモニカスーツを着ながら、ただひたすらに事前のメニュー通りの動作をしてデータを取るという当たり前だが地味なものであるが。

 

「アガガガガガガァッ!!! か、関節が逆方向にぃぃ!!!」

「む、パワーアシスト機能に不具合があったな。各種関節部分のデータを上げてくれ」

「それよりも助けてくれぇ〜!!!」

「大丈夫よ……ちゃんと回復魔法要員も連れて来たから、全身の関節が逆方向に曲がっても直ぐに直せるわ」

「アバババババババ!!!」

 

 ある所ではまるで壊れたマリオネットの様に変なダンスを踊るデモニカスーツ及び悲鳴をあげる中身を見ながら、技術者達がその叫び声をスルーしながらデータを取っていたり。

 

「ギャァァァァァッ⁉︎ ローラーが制御出来なくて腰がァッ!!!」

「むむ、脚部ローラーによるダッシュ機能が上手く機能しておりませぬな。まるでイナバ○アーの如し」

「やっぱりパワーアシストとの噛み合わせが悪いかなぁ。アシスト機能の調整や関節の固定とか色々データが足りんか」

「ガガガガがががが!!!」

 

 またある所では足裏に付けられたローラーに引っ張られる形でブリッジしながら爆走しているデモニカスーツに対し、技術班が他のデモニカから取れたデータなどと自分達のものを見比べて原因を割り出そうとしていたり。

 

「さて、それじゃあ悪魔を認識する【デビルサーチ】機能の実験をするぜ。とりあえず脇巫女ネキに頼んで【キンキ】さんを借りて来たから、彼がどの位置にいるかを当てて模擬銃で攻撃してみてくれ」

「分かった……むむ、何かモヤの様なモノが見えるな。そこか!」

『(・ω・)b』

「おお、非覚醒者でも悪魔に攻撃を当てられたな。これは結構な成果じゃないか?」

「だがモヤの様にしか見えんのであれば戦闘に耐えられるとは言えん。もっとデータを集めなければ……次はキンキさんが軽く攻撃するから避けるか防ぐかしてみてくれ。戦闘で得られるデータが欲しい」

「え? ちょ『(o`・д・)≡〇』)`Д゚)グハッ!!!」

 

 別の所では脇巫女ネキの仲魔である【妖鬼 キンキ Lv72】の通常攻撃(微弱)を食らって吹っ飛ばされるデモニカスーツから、技術班達が悪魔認識機能やそれの耐久性データなどを真面目に取っていたり。

 

「次は対環境試験ですね。やはりデモニカともなれば南極などの極限環境下でも活動出来なければ!」

「寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い……」

「熱熱熱熱熱熱熱熱熱熱熱熱ァァァァァァァァァァッ!!!」

「……うーむ、環境対策はしたつもりなんだけど思ったより効果が無いみたいね。これだとシュバルツバースはおろか普通の特殊環境異界にも対応出来なさそう」

「これは前途多難ですねぇ」

 

 或いは術式により灼熱と極寒の環境を再現された部屋にデモニカスーツを閉じ込めた技術班が、悲鳴を上げている中身の生体データを取ったり思った様にいかない事にため息を吐いていたり。

 

「なんだこの地獄絵図はぁ! こんな事が許されていいのか!!!」

「クソ! こんな所に居られるか! 俺は逃げるぞ!!!」

「残念ですが事前に書いてもらった契約書に『実験中はこちらの指示を聞いてもらう』『この実験で如何なる被害を負ってもこちらに責任は無い』『実験中及び実験後しばらくの間は機密保持の為に情報を外部に持ち出せない』とあるので」

「なので貴方達はここから出られないし実験から逃れる事も出来ないのだー! まあデモニカの実物が完成したら専用機をタダで作ってあげるんだし、ネオベテルの仕事扱いで給料も払うんだからそのぐらいのリスクは覚悟の上よねー」

「カガクノハッテンニギセイハツキモノデース」

「「ちっくしょォォォォ!!!」」

 

 そんな光景を見て逃げ出そうとする転生者もいたが、事前に書いてしまった契約書の効力を非覚醒者である彼等ではどうにかする事が出来ずにあっさりと技術班に捕まってしまい実験へと強制連行されていった。

 ……とまあ、割とアレの実験風景ではあったが決して死人は出さない様に厳重に管理されてはいるし、得られたデータも有用なものばかりなので実験としては上手くいってはいたのだが。

 

「とは言え、良いデータは取れましたが完成にはまだまだ時間がかかりそうですねぇ」

「資金面にも余裕がある訳でもないしな。……何分造魔やCOMPの研究にも金が掛かっているし」

「あっちはヤタガラスを巻き込んで資金を出させる方針みたいだから、こっちも外部にスポンサー作らない? どうせ既存技術の組み合わせで作ってるから秘匿する必要も無いでしょ」

「いや非覚醒者でも悪魔と戦える装備って結構ヤバいからな。割とパワーバランスが崩れるレベルで」

 

 そうして実験風景を代表として監督していたロボキチニキは他のデモニカスーツ担当メンバーであるカニっぽい頭髪の男性【不動遊星】、メガネを掛けたロングヘアーの女性【真島百由】、ワカメの様な頭をした少年【間桐慎二】等と各種データを見ながら今後の展望について話し合っていた。

 ……実験そのものは順調に進んではいるのだが現在のネオベテルは組織拡大の真っ最中であり、それ故に人も物も金も足りていないので潤沢な環境での実験・開発は少々難しいだろうとロボキチニキは思ったのだ。

 

「やはり転生者だけの研究開発では早々に行き詰まりそうですね。……僕としてもデモニカスーツの開発を足掛かりとしてロボット開発を行いたいと思っているので、ここは早急に外部の現地人協力者やスポンサーを募る方向で行きますか」

「……動機はともかくデモニカの早期開発という選択肢も悪くはないと思う。だが技術公開は脇巫女ネキ上級幹部の許可も必要だぞ」

「まーCOMPの存在が既に明かされている以上、現地人がこの手の技術に辿りつくのもそう遠くはないだろうしさっさと公開してしまうのもありじゃないかなー」

「上の方針も技術はホントにやばいモノ以外は公開して協力を求める感じだしなぁ。……だがどうする? 確かにデモニカは優秀な装備だが、今のヤタガラスはCOMPや造魔の技術導入の方に積極的だが、多分デモニカまで回す余裕はないと思うぞ」

 

 尚、ネオベテルと協力関係になった帝都ヤタガラスは必要とされる適正が無くとも悪魔を使役出来るCOMP、誰でも運用出来る人間に忠実な戦力である造魔というチート技術を見て狂喜乱舞しながら全力で技術協力を申し出ている。

 そうしてすったもんだの交渉の結果、様々な人材や資材を可能な限り積極的にネオベテルへ提供する代わりに自分達もその開発や運用に関わる事が出来ているのだが、それと霊能組織として日々忙しくなる仕事のせいでそれ以外に目を向ける余裕が無い状況だ。

 

「確かに今関東ヤタガラスに協力を求めるには難しそうですね。それ以外の繋がりのある霊能組織はこちらが求めるレベルのものを提供出来ないでしょうし」

「じゃあこのまま地道に研究を続けるのか? 急がなければデモニカを作る事は不可能じゃないと思うが」

「いえ、スポンサーには別の組織を頼ろうと思います。ちょうど周回ネキや政界ニキ達から()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()の情報を入手したのでね。彼等なら画一した装備であるデモニカは欲しがるでしょう」

 

 ……そう言ったロボキチニキの手にした資料には【日本国自衛隊陸軍・対霊歩兵部隊】と書かれたタイトルとその部隊の詳しい情報が載っており、その一番目立つ場所には【陸上自衛隊五島陸将】の写真とプロフィールも載っていたのだった。




あとがき・各種設定解説

神樹:国津神達の置き土産
・複数の国津神の加護を得た霊木であり謂わば樹木の異能者とも言える存在であり、一応明確な意思もあるがかつて国津神から命じられた『氏子である大社を助けよ』という命令に忠実なので余り表に出す事は少ない。
・神からの加護と長年霊脈に接続されていた事もあってレベルは40を超えているが、氏子への加護と霊地の安定化に特化しているので戦闘能力はほぼ無い。
・氏子への加護は国津神やそれ由来の精霊辺りが使っていたスキルやら耐性やらが与えられる感じだが、対象の適正に応じて強度は変動するのでそこまで強力では無い。
・それでも霊質の強化や運が良ければスキルの獲得なども出来るので大社が四国最大の霊能組織となった理由となっており、彼等の研究でより効率よく力を引き出す巫女や勇者などの技術も開発されている。

デモニカスーツ:尊い犠牲者のお陰で開発は進んでいる
・現状だと数十キロはあるスーツにそんな強くないパワーアシストや対環境機能、後はCOMPから移植した機能各種とそれを発展させた非覚醒者でも悪魔を認識出来る(精度には個人差あり)機能ぐらいなのでとても実戦には耐えられない模様。
・外見を色々と用意したのは技術班の趣味が半分くらいの他、個別のスーツに様々な機能を乗せて運用実験を行う目的も半分くらいあった。
・現状の技術開発はネオベテル及び転生者だけではどうしても人材や資材や資金が足りないので、公開前提の技術開発は外部の信頼出来る霊能組織などの協力を求める方針になっている。


読了ありがとうございました。
今回はそれぞれの組織の様子でした。どこも色々大変な模様。感想・評価・誤字報告いつもありがとうございます。

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