【急募】貰った悪魔召喚プログラムの使い方   作:貴司崎

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ネオベテル香川支部(暫定)建設計画

「……よっしゃァァ! キノコを使ってショートカット、これで俺が一位だ!」

「はい、ジャンプの所でサンダー落としますねwww」

「お前ぇ⁉︎」

「俺はスター使っとくかァ」

「ジャンプタイミングをズラして正解だったわね」

 

 何時もの讃州中学勇者部部室にてゲームキューブのマリカをやってた俺は、何故かいる女子高生ペルソナ使い【結月ゆかり】が放ったサンダーをスターによる無敵状態で華麗に回避しながら加速によって順位を上げている所だった。

 まあ、一位だったショートカット後のジャンプ時にサンダー食らった才人は見事にジュゲムのお世話になり、その隙に2位に付けてた郡さんがしれっと1位の座をもぎ取っていたが。入学当初はどこか気後れしていた彼女だが今ではすっかり讃州中学勇者部に馴染んだあたり、やはりゲームはコミュニケーションツールとしては優れてるな(学校で遊びふける理論武装)

 

「よし、一位」

「チッ、あとちょっとだったんだが」

「うむむ、千景ちゃんこっちの妨害を悉く躱すなぁ」

「だー! ビリッケツだぁ!!!」

 

 それでレースの結果は1位郡さん、2位俺、3位ゆかり、ビリが才人となったのだった。郡さんマジでゲーム上手いんだよな、部活メンバーで色んなジャンルのゲームやってるけどどれもコンスタントに勝率5〜7割キープしてる感じだ。

 ……なんか学校で遊んでばっかりと思われるかもしれないが、これでも俺達は新学年になってから三カ月弱でかなりの数の悪魔事件を解決していたりするのだ。先日も別の世界では【混沌王】とも呼ばれる大悪魔を何度も何度も打ち倒して(パトらせて)いる凶悪な悪魔……【凶鳥 チン Lv14前後】の群れを討伐したので今日は休憩してるだけだしな。

 

「しっかし才人は肝心な所で抜けてるよなァ。だからこの前の【チン】からのバックアタックで死ぬ(パトる)んだよ」

「いやアレは仕方ないだろ! 俺はお前みたいに【衝撃反射*1】なんて出来ないんだから!」

「まあ直ぐに私が【リカーム*2】を掛けたから大事には至らなかったけどね。一緒に依頼を受けてて良かったよ」

「でもやっぱり不意打ちは怖いよね。私と千景ちゃんも通行が庇ってくれなければどうなってたか」

 

 ゲームキューブで遊べるのが四人までだから後ろで見てた真鈴の言う通り、前回の山の木々が枯れる現象の調査の際にいきなり現れた【チン】によるバックアタックからの一斉【羽ばたき*3】を食らってしまったのだ。

 その時に俺は咄嗟に近場にいた真鈴と郡さんを庇いつつ攻撃を反射してやったんだが、同じく後ろ警戒要因だった才人はそのまま吹っ飛ばされてお陀仏となった訳だ。まあその後は攻撃反射されて怯んだ【チン】に逆撃を食らわせて、才人の蘇生が終わってから単騎戦闘力高いゆかりを中心にボコって討伐したんだが。

 

「森の枯死も【チン】の毒によるものだったし、こっちも毒食らったけど私が新しく覚えた【ポズムディ*4】でなんとか治せたしね。流石に汚染地域は【大社】に任せたけど」

「……本当に中学校の勇者部は小学校のそれとは違うんですね。あっちでは出て来た悪魔未満の悪霊を倒すか見回りぐらいだったのに、ここに入ってからはレベルの高い悪魔と戦う事が多いですし」

「いやァ、それはむしろ最近ここらで悪魔事件が起き過ぎて【大社】で処理しきれない依頼がこっちに回される様になっただけだろう」

「最近はGPの上昇が酷いからねぇ」

 

 実際、俺達讃州中学勇者部は郡さんが入学する少し前辺りから小規模な悪魔事件の解決や規模の大き目な異変への偵察、果ては【大社】による異界調査の手伝いなど一端の霊能者が受ける様な依頼をされる様になっていた。

 多分旧校舎での事件解決によってこの勇者部……というかネオベテル所属の俺が高い実力を持っている事が分かって、尚且つまだ中学生でも実力のある霊能者を遊ばせておく余裕が【大社】に無くなったからだろうがな。中学生の俺らに依頼回さにゃならんぐらいに動かせる人員が足りてないみたいだしな。

 

「そんな現状だからか私も才人もお陰で凄いレベル上がったよねー。今じゃ13レベルになっちゃって【大社】の良い所の巫女からも一目置かれる様になったわ(苦笑)」

「最初は骨とか折れて肉とか削げる怪我を負って喚いてたけど、今では蘇生されても即座に戦える様になりました(白目)」

「まあ、たかが“死んだぐらい”なら何とでもなるのがこの業界だからな。最近は流石にきつくなって来たから同僚のゆかりに援軍を頼んだけど、回復と蘇生魔法に近接魔法も可能なオールラウンダーキャラは助かる」

「私も最近暇してたから依頼が受けられるのは有り難かったけどね。【大社】は報酬をケチったりしない良い組織だから助かってるよ、マヨナカテレビ探索も私一人じゃそれなりに入り用だしね」

 

 ちなみに【マヨナカテレビ】に関しては今の所シャドウのレベルも低く人間が取り込まれる事件も起きていない割と平和な感じらしい。一応『雨の日の午前零時にテレビを見ると運命の人が映る』とか言うクソ噂がここらに蔓延ってるが、何故かそれだけでありテレビの中に人間が入り込む事件は起きていないのだがその理由は……。

 

「まあ、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()からねぇ。ここの部室のテレビはそれなりに大型だから出入りできるけど」

「そんなクッソ物理的な理由でマヨナカテレビは他の認知異界程に大規模な事件になってないンだよな。まあこの時代こンな田舎に大型テレビなんて珍しいもン買ってる家はあんま無いよなァ。テレビもブラウン管だしよ」

「まあウチのテレビも人間一人入ろうとしたらつっかえそうだけどよ」

「クラスの子の話だと『雨の夜にテレビに引き込まれそうになって途中でつっかえた』みたいな話は聞いたね。噂も『テレビに嵌る』だけの変なホラー系の噂になってるし」

 

 尚、掲示板だとそんな理由でここ以外のマヨナカテレビ事件もあんまり大事にはなっていないらしい。まあゲームキューブが前世よりも十年ぐらい早く発売される程度には(主に技術者・財界系転生者達のお陰で)技術が発達している世界だが、それでも原作P4の時代までは追いついていないからこんな事が起きてる様だ。

 まあ取り込まれる人間が少ないのは良い事ではあるんだが、それはつまりテレビ内でペルソナ使いに覚醒する人間も減るって事だから未だに香川県のペルソナ使いはゆかり一人きりなんだが。それでやる事無いならキツくなって来たこっちを手伝えと声を掛けて、今では部室に入り浸るぐらいに馴染んでいるって訳。

 

「それでも部室のテレビからいきなり出て来るのは絵面があれなンだがな。俺以外は初見で叫ンでたぞ」

「中学校に入り込むのは結構大変だから、この方法が一番楽なんだよ」

「……やっぱり先輩達は凄いんですね。これだけの事件を何度も潜り抜けてる訳ですから」

「いや千景ちゃん、主に凄いっていうかヤバいのはネオベテル所属のこの二人だけだから。私と才人は一般的な霊能者だから」

「そうそう、俺らはどうにか付いて行ってるだけだ」

 

 ……そもそも霊能者っていう時点で一般的じゃないと思うんだがな。それに二人とも素人同然だった去年と比べれば実力は大幅に上がってるだろ。才人は物理攻撃系前衛型としてかなりのレベルに仕上がってるし、真鈴もいくつかの新しい回復系スキルを覚えてるし。

 まあ【チン】の群れへの対処の他にも『大量発生した【ガキ】を手慣れた俺が中心になって殲滅』とか『脳みそが無い死体が発生する怪事件を親父もとい数多刑事と共に調査し、犯人の何故かレベル20越えてた【モー・ショボー】が人の味を覚えてたのでぶっ殺して解決』とか『裏山に発生した【オニ】を鬼退治』などなどと、割とガチでインフレ環境による死線をくぐっているからレベルはめっちゃ上がってる。

 

「いやいや、私の回復魔法はそこまでじゃないよ。特に通行の家に居る霊犬のハヤタ君と比べたらね」

「まあ俺の完全に治りきらなかった怪我もあっさり回復してくれたからな。確か【大社】でも治せなかったレベルの重傷を負った人間も回復させてるって聞いたぞ」

「ウチのハヤタはレベル30越えで数十年は生きてる超ベテラン霊犬だからな。それに合わせて調整した霊地の中で専用の状態異常と生命力(HP)の回復スキルを使えばそれぐらいはな。お陰でウチの家がちょっとした病院みたいになってるが」

 

 ハヤタが使う回復スキル【日輪の光*5】は、流石【聖獣 ハヤタロウ】専用スキルだけあって同レベル帯のヤツが使う回復系スキルと比べても治せる状態異常の範囲や傷の深さはかなり上らしいからな(ウチの幹部メンバーやガチな回復特化系は除く)

 加えて戦前まではご先祖様のタッグとして治療役になってたから霊的治療の知識も豊富で練度も高い、少なくとも現在の【大社】の治療系霊能者よりも実力が上だから現在のクソハード戦場で重症を負った霊能者が最後に訪れる名医的なポジションになってるんだよなぁ。犬だけど。

 

「まあ治療費は貰ってるし、むしろ治療費だけで俺より稼いでいるから文句は無いがな。……まあ千客万来なお陰でハヤタが常に家に待機してる状態で、加えて治療にMP使ってるから戦力として数え難い状況なのがちーっと痛いが」

「戦闘とかで消耗した生命力や魔力やMAGはゲームみたいにあっさり全回復とはいかないからね」

「まあゲームとは違いますよね」

 

 ゆかりの言ってるゲーム(メガテン)と郡さんが言ってるゲームは意味が違うだろうが概ねそんな感じ、アイテム使って一発回復なんて便利なものはこの世界では希少過ぎるからな。

 ネオベテル本部には回復量上げる霊泉とかあるし、拠点には脇巫女ネキ謹製の特殊な術式でHP・MP・MAGの自然回復量が底上げされる結界が敷いてあるが、家や【大社】拠点の結界には多少の回復効果があれどあそこまでじゃない(ちなみにこれはネオベテルの結界の効果がおかしいだけbyハヤタ)

 ……まあ問題は四国最大規模の霊能組織【大社】に犬に頼らねばならない怪我人が千客万来で、加えて休んでゆっくり治療する時間も余り取れないぐらいに悪魔事件が頻発している現状の方にあるんだがな。

 

「……実際四国にネオベテルの支部作る話はどうなってるの? 恐山に出来た青森支部(仮)は東北北海道に住んでる地方メンバーからは高評価みたいだし、南側代表って事で四国にも……」

「そもそも現状のネオベテルにもう一個支部作る余裕が無いンだよなぁ。支部の建造許可とかは山田先生を介して【大社】に話してあるし、協力関係自体ももうズブズブだから今更問題無さそうではあるが、肝心の支部に配置する人員がいないんじゃどうしようもない。建物と結界ぐらいはなんとかなるかもって脇巫女ネキは言ってたが人は自力で集めるしかねェんじゃァな」

 

 恐山は少しアレな言い方だが“中身”のイタコ達が丸ごと傘下に収まったからこそ急ピッチでネオベテル支部になった訳であり、この香川県のメンバーが俺と妹とゆかりしか居ない現状だと支部の運営は難しいんだよな。

 ぶっちゃけこの地域の異能者とかほぼ【大社】の紐付きだし、このまま支部を作ると中身が殆ど【大社】人員で埋まるだろうから向こうに建物一個贈呈するだけになりかねん。それだと流石に【俺ら】からの不満もあるだろうしな。

 

「うむむ、やっぱり最終的には『ガワだけ作っても意味がない』って結論に至るんだよね。それで前にも言ったけど今は地道に頑張るしか無いという結論に……これ問題を放置したままでずっと解決しないパターンじゃない?」

「だが無い袖は振れないンだよどう頑張っても……」

「……えーっと、あの二人は【万神連合ネオベテル・ウルトラスープレックスホールド】って組織に所属しているんですよね? 木原さんと同じく」

「うんそうらしいね。聞いた話だと最近では日本三大霊山である【恐山】に発生した大異界を攻略したって話題で、主に関東圏で活動してる霊能組織なんだって」

「何故かこんな田舎の香川県にいるのに関東の巨大霊能組織に所属してるんだよなあの二人」

 

 恐山攻略がきっかけとなって【万神連合ネオベテル・ウルトラスープレックスホールド】の(正直失笑モノな)名前と実力は全国の名のある霊能組織に知られる様になったし、その結果として他の組織からの依頼も増えたみたいなのだが、だからといって人材が何処からか湧いてくる事は無いのだ。

 一応恐山と同等レベルまで追い詰められた霊能組織のいくつかが最後の賭けとしてネオベテルに助けを求めて、その結果傘下に入る事となったとは掲示板でもやってるが、幸いと言うかなんと言うかに【大社】は面子をかなぐり捨てて他の組織に泣き付く程に追い詰められてはいないからな。

 

「そうだ! みんなネオベテルに転属しない? 所属すればメンバー割りで高性能なマジックアイテムが安く手に入るし、COMPとか造魔とかウチにしか無い物も手に入れられるよ! ……マッカさえあれば」

「ええと、一応【大社】には色々と恩もあって勇者までやってますし……」

「私も【大社】所属の巫女だからなぁ辞めるのは」

「うーん、所属組織かぁ……ちょっと保留で」

 

 まあ【大社】所属の二人をこの条件で引き抜くのは無理だろうな。才人の方は分からんが案外美少女造魔とかで釣ればイケるかな……とか考えていたタイミングで教室の扉がノックされて山田先生が入って来た。

 

「おはようございます皆さん」

「おはようございます山田先生、それで今日は何の用ですか」

「俺だけでなくゆかりまで呼んで来いって言われたが、アイテムの発注とかハヤタの治療を受ける必要がある人でも出たので?」

 

 これまでもネオベテルで購入出来るアイテムを俺が『部活用』って名目で山田先生とかに転売したり、基本俺と最愛の言う事しか聞かないハヤタに治療依頼を頼む為に俺達に話を通す事はこれまでもあったからな。

 ……改めて思い返すと俺って【大社】とめっちゃズブズブだよなぁ。でもそうしないと事件解決出来ない事態も普通にあるのが現状だし……。

 

「いえ、今回はそういう訳ではありません。まあ関係のある話なのは事実ですが……単刀直入に言います。通行君、ゆかりさん、私達【大社】は正式に貴方達【万神連合ネオベテル・ウルトラスープレックスホールド】との協力関係を敷きたいと考えています」

「……それはこれまでの口約束だけや俺達だけが協力するんじゃなくて、支部の建設や本部へ直接の依頼斡旋やマジックアイテムの商売なども含めた協力関係って事ですかね?」

「はい、【大社】本部はこれまでの貴方達の活躍や治療、そして恐山大異界の攻略とヤタガラスの許可を得て彼女達を傘下に収めた事から【万神連合ネオベテル・ウルトラスープレックスホールド】は信用出来る組織と判断して本格的な協力関係を結びたいという結論に達しました」

「おお、タイムリーだね」

 

 とりあえず【万神連合ネオベテル・ウルトラスープレックスホールド】を連呼しなくても良いと思うんだ、略してネオベテルで良いと思うんだ(笑)……それはともかくタイムリーな話題ではあるし有り難いとは思うんだが……。

 

「それは有り難いですし今日中に本部の盟主に報告したいと思いますが……また随分と急に決まりましたね」

「別に急という訳ではなく以前から上の方で【万神連合ネオベテル・ウルトラスープレックスホールド】との関係をどうすべきかは定期的に話し合っていましたよ。……ただ、方針が決まるより前に通行君の戦力を頼りにしなければならない依頼を受けて貰ったり、色々と物資を融通というか転売して貰ったり、ハヤタ殿を頼りにこちらの霊能者の治療をお願いしたりと……それで『なし崩しに色々とやって貰ったのにこのまま協力関係を口約束だけで済ませるのはどうだろう』といった意見が出まして……」

 

 まあ確かにネオベテル側でも色々準備が進まない事もあって、更に今のままでも何とかなって来たから俺達はなし崩し的にフリー霊能者的な活動をしてたしな。

 ……これは前世でもあった『仕事がちょっとキツくなったけど割となんとかなったからなし崩し的に続けて日常になってしまった』パターンじゃね? このまま続くと多分どっかで齟齬が出るし、今世は命の掛かった仕事だから仕事環境はしっかり整えておいた方がいいかな。

 

「……後は、単純にそろそろ【大社】の処理能力が限界に近い事もあります。度重なる悪魔事件によって戦闘員の大半は負傷を押して無理矢理働いている状況ですから……このままではいずれ破綻するのが目に見えています」

「……ハヤタの所に千客万来な時点で予想してたがそこまでだったのか」

「そこまで【大社】は追い詰められていたんですか? 私達勇者には何も……」

「子供にはなるべく子供らしい生活を送らせたいというのが【大社】の上層部、そして【神樹様】の考えですから。……もっともこのままでは手が足りなくなるので皆さんに回る仕事が増えるのは時間の問題ですが……通行君、ゆかりさん、ネオベテルでは依頼を申し込めばレベル20越えの霊能者を派遣してくれるのは本当ですか?」

 

 山田先生の表情が非常に深刻なものだったので、どうもマジで状況は逼迫してたらしい事を悟った俺とゆかりは真面目に答える事にした……しかし子供を出来るだけ戦場に出さない様にとか【神樹様】って意外と良い悪魔なのか? 

 

「ちゃんと依頼さえすれば派遣してくれると思いますよ。まあそれなりにお高いですが」

「依頼料を払えば必ず霊能者を派遣してくれるだけでも十分ですよ。……というかレベル20越えなんて一昔前の地方でなら最強の霊能者を名乗っても許されるぐらいだったんですがね。そんな戦力を外部派遣とかまずあり得なかった筈ですよ。もっとも今や私もレベル20超えたんですけどね。……おかしいなぁ、私一般家庭生まれでレベル12ぐらいで成長が止まってたのに一年経たずに限界突破して、それでも現在の環境に辛うじて喰らい付けるレベルとか……」

 

 この世界のごく一部の例外(転生者や現地人バグ枠)を除いた一般的霊能者は大体レベル一桁から10ちょいで成長が止まり、霊能家系であってもレベル20まで成長が止まらなければ才能があるとされる感じらしい。

 それでも高位悪魔を倒す、悪魔的な前世に覚醒する、長年の厳しい修行を積み重ねるなど“偉業”と呼べる神話体験をする事で成長限界を突破出来るのだが、そんな事が出来るのはごく一部の者だけなので普通は成長限界になって身体にガタが来れば引退するのが一般的()()()との事。

 ……最も現在では以前の【チン】みたいに街に近い場所ですらレベル10以上の悪魔が出没し、異界内部のボスなどレベル20〜30も珍しくない狂ったインフレ環境なので地方の霊能組織でも悪魔事件で生き残った者はレベル20越えになる事も珍しくなくなっており、それでも尚急変する環境について行けていないのが現状なのだそうだ。

 

「……分かりました。協力関係構築の件については本部と盟主に報告しておきます。……私達はあくまで1組織員でしかないのでネオベテルの方針には直接関与出来ませんが、出来るだけ早くに組織の幹部以上のメンバーと【大社】が会談出来る様に要請するつもりです」

「俺らだけでは口約束にしかならないから、詳しい話は幹部や運営側のメンバーと直接話し合って決める事になると思うぞ」

「ありがとうございます。ではこちらもそれを【大社】の上に報告しておきますね」

 

 さて、ようやく念願の『ネオベテル香川支部(暫定)』設立が一歩近付いた感があるが、ここから幹部達や本部メンバーや脇巫女ネキとの面倒な調整と交渉が始まりそうだなぁ。まあ今後インフレが進んでいく環境の中で生き残る為にも出来る限りの事はしないと。

*1
衝撃属性攻撃を反射する。

*2
味方一体の戦闘不能状態をHP50%で回復する。

*3
敵にランダム回数(1~5回)の衝撃小ダメージ。

*4
味方単体のPOISONを回復。

*5
味方単体のHPを中回復し、状態異常を回復する。




あとがき・各種設定解説

讃州中学勇者部:ゲームのお陰で割と仲良し
・新入部員のぐんちゃんは小学校勇者部程に友達的な仲の良い付き合いでは無いが、先輩達とはゲー友件頼れる戦友的なノリで付き合ってる感じの優しい世界(尚現状のインフレ度)
・真鈴や才人のレベルが一気に上がってるのは本人達の才能とレベル20代の通行と山田先生が居れば何とかなるレベルの依頼を一緒に受けて、尚且つ主に通行と仲魔達と各種ネオベテル製の道具のお陰で重度の負傷などにならず戦い続けられたから(通行は友人相手に無償提供ぐらいはする人)
・色々と事件の解決を行ったので【大社】からの信頼はかなり厚くなった通行だが、流石にこのままだとヤバいと考えてメンバーにゆかりやハヤタを追加したり新しい仲魔をゲットしようかとも考えている。

【大社】:子供に優しい組織
・彼等が奉じる【神樹様】が昔『子供は大切にする様に。具体的に言うと高校上がる前までは化け物相手の前線に出来るだけ出さない感じで』という御告げをしたので、色々と子供に気を使った組織運営をしている。
・そんな方針でも“何故か”人間に全面的に味方してくれる【神樹様】の加護によって組織員の力の底上げと霊地の安定が行われたのでこれまでは特に問題なく、また成長した子供達が世話になった組織の為にと頑張って仕事をするので組織が軌道に乗ってからはむしろ他の地方組織と比べると人材の厚みが増したので上手くやっていた。
・とは言え、近年のGP上昇からそうも言ってられなくなったので、やむ終えず勇者部には手が足りない所為で放置された難度の低い依頼を回していた。
・……筈なのだが、何故か通行が参加してからの讃州中学が受ける依頼は予定よりも難度が上がる、具体的には大した霊障の起きてない旧校舎に高レベル悪魔シャドウが出たり推定犯人はレベル10以下の【モー・ショボー】だろうと任せたらレベル20超えてたとかになっていて頭を抱える事に。
・更にそれらの事件を解決したり治療にアイテムと色々お世話になり過ぎたのと、状況の打開の為にネオベテルとの協力関係を結ぶ決断を下した模様。


読了ありがとうございました。
尚、何故か彼等が受ける依頼の難度が上がるのは主に上昇したGPと通行の悪運のせい(笑)……この世界には一定数そういった“厄介事”に巻き込まれる運命の人物がいる模様。具体的には各原作主人公とか。
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