好きなことして生きていきたい。

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私、また何かやっちゃいましたか....?(現地民)

俺、Vtuberになりてぇ。

Vtuberっていうのはアレだ、あの~可愛かったりカッコよかったりユニークだったりする2Dもしくは3Dの皮被って配信とかするアレ。

何が良いって、中身は話の面白さ以外はあんまり関係ない所だ。

 

声だって、男でも女の子っぽく変えられる。

そんでもってゲームとか話をするだけで金額に差はあれどお金がもらえるのだ。

大変かもしれないけど、実際に労働で偉そうな人にペコペコするよりも絶対ましじゃん!

高校生で働いたことないから分からないけど、なんかそんな気がする!!

それに女の皮被ったら、可愛かったらちやほやされるし!!

 

ただ、Vtuberの機材は高い。

つーかゲームのキャプチャーの機材とかも高いのだ。

成績中の下、一般家庭兄弟持ちの一学生に出せる金額を超えてる。

そもそも性能の良いパソコンが必要だろうが。

 

だからこそ、今はまだただの夢想の段階でしかない。

 

「あ~、金があればなぁ~。どっかから金がこっちに来ないかなぁ~。」

 

そう呟いた瞬間。

顔中を光で照らされる。

鳴り響くクラクション。

身体をびくりと揺らして、その方向へと視線を向ける。

 

「....は?」

 

歩道を歩いているはずの俺目掛けてトラックが突っ込んできた。

いや、これ死.......。

 

 

 

 

 

 

「...で、もっかい説明してもらえませんかね?神様。」

 

一面まっしろな部屋の中。

ぽつんと椅子が二つ椅子があるだけだった部屋の中には、俺ともう一人が椅子に腰かけていた。

そして、俺は目の前の人に聞き返す。

そう...自称神様とかいう女の子に。

 

「あ、あー...そのっ...えっともう一度言うと...。」

 

神様とか名乗っていた女の子はめっちゃ気まずそうな顔をしている。

あまり言いたくないのだろう。

発言の内容的には当然だ。

でも聞き返したのは一重にそれがマジのマジに現実かを確認する為だった。

 

「あの~...君は死んでぇ....。」

 

「そこはもう理解できたんで。それじゃなくてさっきの言葉っすよ。なんで俺が死んだのかって言う。」

 

「あうぅ.....。」

 

なんかあざとくしょぼくれてる。

いや、許さねぇよ?

可愛いだけで許されるラインを超えていたからね、さっきの発言。

 

するとタラタラ呻きを上げながらも、遂に神様とやらは口を開いた。

 

「その...ごめんなさい!貴方は、私の不手際のせいで現金輸送車に跳ねられて死んでしまいましたっ!!その...帳簿に記入ミスしてしまって、因果律に狂いが生じてしまって...本当にごめんなさいっ!!!」

 

「....ほー。」

 

確かに金の方から来いとは思っていたが、まさか現金の方から俺に突っ込んできていたとは思わなかったな。

いやいやいやいや、そんなことはどうでもいい。

え...俺、何の落ち度もないのにコイツのミスで死んだの?

は....?理不尽過ぎない??

神様だからってそんなこと許されないだろ。

 

「あ...あぇ...?怒られない....?も、もしかして許され.....。」

 

「そんなわけないでしょ。隙あらば自分に都合の良い方向に話進めようとすんのやめろ。」

 

「すっ、すいませっ!すいませんすいません!!」

 

神様はビクビクしながら俺に頭を下げる。

さっきからおどおどしてるけど、隙あらば俺が許したことにしようとする。

態度に騙されちゃダメだな。

相当図々しいぞ、コイツ。

 

「アンタのミスなんだろ?だったら償って然るべきじゃない?俺が何を言いたいか分かりますよね?もう一回復活させてくださいよ。家族、残ってるんですよ。」

 

出来の悪い息子だけど、流石に死んだら母さんたちは悲しむだろう。

つーか、神様なんだからそのくらいはやってほしい。

そう言うと、神様は滅茶苦茶目を逸らす。

....なんか嫌な予感してきたぞオイ。

 

「え、えっと....あなたがここで眼を覚ますまでに現世では一か月くらい経過してまして.....。」

 

「.....え、一か月?」

 

車にはねられて、一か月。

俺は今ここで死んでるのは確定。

つまりは現世にあるのは遺体。

そして、ウチの家の葬式の様式は一般的な仏教だったはずだ。

要するに。

 

「...俺、焼かれてんじゃん。今頃骨壺の中で灰になってるじゃん。」

 

「は、はい....。」

 

「いや、はいじゃないが。」

 

「は、はひぃぃぃ!!」

 

泣きそうになりながら頭を下げる。

泣きたいのはこっちだよ。

つまり....え、復活出来ないってこと?

 

「そ、その....蘇生となると身体が残ってないと....はい.....。」

 

「蘇生出来ないと。...へー。....どうすんの?これ?」

 

え、もしかしてこのまま天国か地獄にぶち込まれる感じなんですか?

確か仏教では親より速く死ぬのはいけないことだったよな....。

あれ、ここどこの宗教の死後の世界なんだ?

 

「仏教?キリスト教?」

 

「は...はい?いきなりどうしたのですか...?あっ.....そうですよね、ショックですよね。ショックで頭がおかしくなっても....。」

 

「ちげーよ!!俺は天国か地獄どっちに行くんだよ!!」

 

すげぇなコイツ、申し訳なさそうなツラで普通に失礼なことブッ込んでくるな。

 

「ひぅぅ!!すいませっすいませっ!!あの、流石に私の手違いで死んでしまった人ですし、本来は死ぬ予定の人物ではないので、その....生きるはずだった時間を別の世界で送るという方式で対処させて頂きたいと思うのですが、どうでしょうか....?身体は再構築させて頂くっていうことで.....。」

 

「それやるなら元の世界に戻してよ。」

 

「す、すいません!私達側にも規則があってそれは出来ないんですよぉ~....。」

 

どうにもどうしても元の世界で、新しい人生を始めるわけにはいかないらしい。

...ん、てか待てよ。

奴が言ってること。

それは要するに....。

 

「異世界転生....ってコト!?」

 

「は、はい...俗物的な言い方するとそうなりますね。」

 

異世界転生。

そう聞くと、徒然なるままに頭の中に色々な事が浮かんだ。

俺TUEEE!!にスマホ、特典無双に古き良きナデポ・ニコポ達。

そして、何よりも.....。

 

「それじゃあ、来世は顔の良い女に転生させてくれよ!!それと良い感じの特典とか付けてさ!!」

 

わざわざヴァーチャルでメスの皮被らなくても、カワイイ女として生まれてくることが出来るってことっしょ!?

それならそれが一番いいじゃん!

そんでもって現代知識使っていい感じにちやほやされようぜ!!

 

『やれやれ...アタシの居た国では風呂っていうのはこうやって入るものなよ....』

『は、半分湯から身体を出している...っ!?』

『お湯には肩までつかるのが世界の常識のはず!これでは身体が温まりませんわ!!』

『ふふ...馬鹿ね...こうやってじっくり身体を温めると血行が良くなるし、長い時間入れるから気持ち良いのよ(適当)』

『ほんとだぜ、すげぇ!流石姉御だぜぃ!!』

『中々出来ることじゃないよ!!』

『キ~~!覚えてなさい!!』

『あら、私...また何かやっちゃったかしら?(すっとぼけ)』

こんな感じでよぉ!!

一杯持ち上げてもらおうぜ、現地の人に!!

このくらい要求なら受け入れてもらえるだろ!

そちらの手違いで死んだんだからよォ!!

 

「どうやら乗り気のようですね!それじゃあ始めましょうか!」

 

神様はにこやかに笑う。

いや確かに乗り気なのは乗り気だがちょっと早いし、そもそも要望通りにしてくれるか答えを聞いてないんだけど。

 

「いやだから、顔の良い女に生まれさせてくれって言っただろ。その返事を....。」

 

「それでは、頑張ってください!」

 

俺の言葉に被せるように神様が口にする。

その言葉と共に、ふわり身体に浮遊感があった。

それと同時に足元に感覚がない。

下を見ると、それはまるでダム穴のように底が見通せない深淵。

ぞわりと鳥肌が立った。

そのままに、浮遊感は落ちていく感覚へとベクトルを変えて....。

 

「ちょっ、ちょっと待ってぇぇぇぇ!!!質問に答えてないし、事前になんか言えよぉぉぉぉ!!!」

 

みるみる遠ざかっていく白い部屋。

そんな中、離れる最中に神様の声が耳に微かに入ってきたのだ。

 

「はふぅ~...人間さん、怖かったぁ~......」

 

コイツ...まさか、俺との会話を終わらせるために無理やり転生させたってのか...!?

なんて野郎だ.....普通にクソ野郎じゃねぇーか!!

怖かったぁ~じゃねぇよ、お前人間のこと絶対に舐めてただろ!!

 

踏む地面がないというチンサム感覚が絶えず襲ってくる。

あ、アカン....高い所から落ちると本当に意識が.....。

 

 

 

 

 

 

暗い森の中。

人っ子一人寄らないそんな場所。

それでも私にとっては幼い頃から居る、とっても心地の良い環境です。

暗いし、湿ってるし、キノコも沢山あって研究には困りません。

それに何よりも人が居ないし。

 

私は人の居る場所が苦手だ。

ずっとこの森にお母さんが亡くなるまで一緒に居て、他の人にほとんど会うこともなかったから。

いっぱいいっぱい、頑張って話そうとするけどどれもこれもが嚙み合わなくて。

お母さんは私のことほんわかしててカワイイって言ってたけど、多分私は他の人よりも間抜けに生まれてきたんだ。

そう偶に思ってしまう時がある。

 

それでも、人と話したいっていう思いはずっと私の胸の中で渦巻いているんだ。

一人は怖い、一人は嫌。

そうお母さんが居なくなってからは感じるようになった。

お母さんを見送る人は私が居たけど、このままじゃもし私に何か起きてもそれこそ誰も何も思ってくれないんだなとか。

それなら私が生まれてきた意味ってあるのかなとか。

 

だけど、臆病な私はこの森を抜ける勇気もなくて....。

こうして、目の前に読みかじった本の知識で祭壇と魔法陣を敷いて必死に杖を振って祈ってるんだ。

 

「どうか神様....私にお友達を、作ってください。」

 

なんか....我ながら、情けないな。

結局神様に頼んでばかりで、私は何もしてないし。

...でも、私が何かしてもなぁ.....。

 

滑稽にただ杖を振り続ける私。

今日もこうして私は無為に時間を浪費していく。

 

そんな風にただタラタラ頭の中で考えを流転させていると、急に森を変な風が吹きすさぶ。

どうしたんだろう....?

嵐....?

いや、それにしては....?

 

疑問符を浮かべていると、突然....祭壇を押しのけるように何かが降ってきた。

突然の出来事に尻もちを付いてしまう。

立ち込める砂埃に咳き込みながらも、周りを見回す。

 

「な、なに....魔物.....?」

 

もし、魔物だったら....どうしよう....。

そんな風に一抹の不安がよぎる。

しかし、その不安も砂埃が晴れるのと同時に晴れた。

 

「っぅぁああ~...いってぇ~~~!!」

 

「はぇ.....?」

 

人.....?

そこに居たのは同じくらいの歳の男の子。

痛そうに声を上げながら地面で悶えている。

なんで....空から人が....?

この森には崖なんか近くにないし、そもそも木々の上に居たとしてもここは私の庭だから分かるはず。

困惑していると、壊れた祭壇が目に入る。

 

祭壇...同い年....人...空から降ってくる..アッ!!

そこで一つの閃きが私の頭を襲う。

これって....まさか.....もしかして.....!

 

もしそうなら、凄く嬉しくて一歩踏み出す。

そして、痛そうにしているその人の近くにまで歩み寄ると勢いのままに手を掴んでしまった。

そのまま思いを吐き出す。

 

「もしかして....あなたが私の友達になってくれる人ですか!?」

 

「いっ...えっ...?あ....ん?いや....え??」

 

その男の子は私に手を握られて、目を白黒とさせながらも聞き返してくる。

心底意味が分からないといったように首を傾げて。

 

 

あ...私、またやっちゃった.....?

 

 


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