紅魔館のメイドになりました   作:魔王ヘカーテ

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第二話 さようなら良き人生を

 「ーということがあって…。」

 

 「アハハハっ!そんな事があったんだ!そりゃ大変だったねェ!」

 

咲夜の古着のメイド服着た三咲は、紅魔館に数刻ともしないうちに馴染み、その大半である妖精メイド達とも打ち解けていた。

 

ー数刻前ー

 

 いつもと違う朝に紅魔館のメイドである妖精達は戸惑っていた。紅魔館の中庭で、しかもいきなり朝礼を始めると言うのだ。しかし、そのざわめきもメイド長である咲夜が来ればおさまるものだった。

 

「いきなり集めてしまって申し訳無いわ。急遽皆に聞いて欲しいことがあるの。」

 

既に妖精達はざわめきを取り戻していた。見たことのない人間が咲夜の後ろをついて来ているのだ。その姿はおかっぱ頭に黒い瞳を持ち、可憐で紺と白からなる咲夜の古いメイド服を纏わせた少女。メイド服こそ咲夜のものであるが、その頭には妖精達と同じナイトキャップを被っていた。

 

「今日から一ヶ月間、この館でメイドとして勤めることとなった子よ。」

 

少女は一歩前へ出ると

 

「は、はじめまして!北条三咲と申します!い、一ヶ月間よろしくお願いします!」

 

三咲と名乗った少女は赤面しながらも堂々とした態度で喋り、妖精達からも拍手喝采を受け安堵した表情を見せていた。

 

「この子は日ごとに別の持ち場につかせるわ。仕事内容など教えてあげて頂戴。では、解散!」

 

ーというように現在

 

 三咲が紅魔館に馴染めるようにレミリアが咲夜に事前に三咲の事を紹介するように手配していたのだ。お陰で三咲はこうして紅魔館の妖精達と数刻足らずで打ち解けている。

 三咲の記念すべき一つ目の持ち場は廊下の窓拭きだった。紅魔館の窓は比較的低いところにあり、背の小さい三咲にもケン太の上に立てば難なく拭ける高さであった。とはいえ、とてつもなく広い紅魔館では効率的な作業が必要で、窓を拭く者と拭く布を濡らすためのバケツを持つ者がそれぞれ二人と一人の割合でチームを作り作業していた。本館と別館を繋ぐ長い連絡通路の3階のエリアで三咲は窓拭きを担当し、何でも興味津々な妖精のカナととびっきり明るい妖精のイヴリンでチームを組むことになった。

 

「その服50年前の咲夜さんの物だね!」

 

「いいなあー。その紺色のやつ。」

 

妖精達の着ているメイド服は三咲の物とは違い黒が基調となっている。細かい装飾など、三咲の物とは違いあまり無かった。

 

「そう?三十二枚目終わりっと。」

 

「ええええ!もう?」

 

「早い!」

 

確かに人間と妖精ではかなり体格に差があり、三咲が手を伸ばして拭ける窓もカナやイヴリンではいちいち飛びながら体ごと移動させないと拭けないため、時間がかなりかかる。

 

「ケン太、次の窓までお願い。」

 

三咲はケン太に立ち乗りしたまま移動させた。ケン太は元々咲夜が管理するはずだったのだが、咲夜のはからいでいつも通り三咲が管理する事となっていた。その時、カナとイヴリンはケン太に立ち乗りしながら移動する三咲のさまを見て懐かしき光景を思い出した。

 

「なんかそれ魔理沙さんみたい!」

 

「箒に立ち乗りしてるみたい!っと、私も五枚目終わりぃ!」

 

三十五枚目の窓を拭いている三咲の手が初めて止まった。

 

「魔理沙って、あの霧雨魔理沙のこと?」

 

「そうだよ。よく知っているじゃん!」

 

知っているも何も人里では霧雨魔理沙の名を知らないものはいない。異変解決者のうちの1人であり、人の身でありながら魔法使いとなり不老長寿となった人物である。同じ異変解決者として歴代トップレベルの実力を持っていた先代博麗の巫女に引けを取らない実力を持ち合わせており、先代巫女と良くつるんでいた姿が人里で頻繁に目撃されていたと言う話を三咲は祖母からよく聞かされていた。先代巫女が失踪した後はすぐに選ばれた今代博麗の巫女の育成に励んでいるという事だ。魔理沙は人里によく出没するため、三咲は何度かその姿を目にはしているが、とても話しかける勇気は無かった。

 

「紅霧異変って知ってる?丁度50年前に起きたんだけどさ。それ止めるために博麗の巫女と魔理沙さんが来て、丁度魔理沙さんがここの廊下を箒に立ち乗りしながらビューンってレミリア様のとこまで行ったんだよ。でも結局博麗の巫女に先越されたんだけどね。」

 

「あれすごかったよねー!」

 

「もちろん知ってるよ。おばあちゃんから散々聞かされたもん。…え?異変止めるためって?」

 

三咲は紅霧異変については散々聞かされたがその出所については一切聞かされていなかった。当然、その反応をするだろう。

 

「だって、紅霧異変起こしたのうちのレミリア様だもん。」

 

イヴリンからの衝撃のカミングアウトに四十二枚目の窓を拭く三咲の手がまた止まった。三咲がここまで驚きを感情を覚えたのは、雲を構成する物が綿飴ではないと知った時以来だった。

 

「エエエエェ!?そうだったの?」

 

「それを物語るように、ほら、ミサキの服の左胸のとこ、服直した跡があるでしょ?」

 

三咲は言われるまで気がつかなかったが、確かにメイド服の左胸の部分だけ布の色が違っていた。それも違和感は僅かな物で咲夜の裁縫技量の高さが伺える。

 

「それ、咲夜さんが博麗の巫女の必殺技をもろに受けた後なんだよ!」

 

「ええ、そのなのよ。あのスペルカードかわしても次から次へと来るから避けきれなかったのよ。」

 

いつの間にか三咲達のすぐ後ろに咲夜が立っていた。

 

「「ひゃううっ!!」」

 

カナとイヴリンは沸いたと思った風呂が冷たかったかのように飛び上がった。

 

「窓一つ当たり一秒半てとこかしらね。お喋りが多いけど。」

 

咲夜は三咲に眼光を光らせていた。

 

「あぅ、すみません。」

 

しかし、咲夜は怒りの表情は見せてはいなかった。

 

「いいえ、貴方随分と早いわ。それこそ、妖精達だって最近になってようやく仕事ができるようになったんだから。」

 

ねえ。とカナとイヴリンに眼光を光らせる。彼女らはそっぽ向いて口笛を吹いていた。

 

「貴方即戦力ね。さて、そろそろ昼食よ。切り上げなさい。」

 

「「「は、はいっ!!!」」」

 

ー褒められた?のかな?ー

 

三咲は初めて、慧音に悪戯を仕掛けた時の罰の窓拭きに感謝していた。

 

ーあれ、でもなんで咲夜さん音も出さずに後ろにこれたんだろ?…まさか、瞬間移動?!ー

 

三咲がもう一度辺りを見回すと咲夜の姿がどこにも無かった。

三咲の考えは半分当たりで半分間違いである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




紅魔館is ふぁみりー 次回予告
フラン「私の出番は?」
もうちょっと先ですね。
レミイ「あら、私の運命を操作する能力で貴方の出番をh」
フラン「こいつは自分の能力を知ったかぶってんのよ。」
霊夢「相変わらずアンタ達はやかましいわ。」
作者の従兄弟みたいですねぇ。
パチェ「てか何この世界観。」
三咲「これ一応次回予告ですよね?」
ミョン「あのー完全三咲私と見た目かぶっt」
みょんが禁忌に触れそうなので次回もお楽しみに
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