紅魔館のメイドになりました   作:魔王ヘカーテ

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第三話 その劇場は問ふ、人形であらず、人で有ることができたかと。

紅魔館で働き始めて1週間半の夕食時。三咲は二度目の厨房係をこなしていた。なお、ケン太は前回の厨房係の時に料理へダイブしそうになったので今回はお休みである。三咲は食材の計量を担当していた。紅魔館は百以上の妖精と数名の人外で構成されているため、料理を全員分作るのには大鍋数台が必要であり、食事の計量と言ってもその労力は膨大である。

 

「よし、これで全員分出来たわ。お疲れ様。三咲は仕事が早くて助かるわ。明日、料理を教えてあげるから鍋一つ分作ってみなさい。」

 

その料理を咲夜1人が作ってしまうのだから驚きである。

 

「後この料理、お嬢様の部屋まで持っていって頂戴。5階の真ん中の部屋よ、行けばすぐわかるわ。」

 

そう言って咲夜は三咲にトレーの上に乗せた食事を渡した。今夜のメインはビーフシチューである。咲夜の料理の腕前は褒める言葉が見つからない程美味であり、一度その味を知ったら次の食事が待ち遠しくなる。三咲は手を出したい気持ちを抑え、5階、レミリアの執務室。

 レミリアは普段、大食堂で食事を皆と共にするが、執務が忙しい時はこうして食事を持ってきてもらうのである。三咲は執務室のドアを三回ノックする。

 

「三咲です。食事をお届けに来ました。」

 

「いいわ。入りなさい。」

 

やはり聞こえるのは幼い声だった。

失礼します。と中に入ると眼鏡をかけてレミリアが紙と睨めっこをしていた。

 

「食事はそこに置いて丁度」

 

レミリアは装飾の目立つ小さな木製の机を指さした。コトリコトリと食器を机に置く音だけが部屋に響き渡った。

 

「ねえ、三咲?貴方結構仕事ができるらしいじゃない。咲夜から聞いたわ。」

 

レミリアの声は少し嬉しそうだった。

 

「そういうものはイマイチわからないもので…。」

 

三咲は困惑していた。自分の技量というものは誰しもわからないものだ。

 

「貴女、まだ里の寺子屋通っているでしょう?卒業まであとどれくらいなの?」

 

「後三年程です。それが、何か?」

 

「いえ、このまま里に帰すのも惜しいのよ。咲夜も貴女の事は高く評価をしているわ。だから三年後、正式に紅魔館で働いて欲しいと考えているのよ。」

 

それを語るレミリアの目は悲しげだった。

それは三咲にとって悪い話では無かった。紅魔館はとても居心地も良く三咲の自室が夜、溜まり場になる程妖精達も仲良くしてくれていた。三咲を確かに認めてくれる咲夜という存在もある。

 

「咲夜ももうおばあちゃんでね、昔は良く仕事もこなしてくれていたのよ。まあ今もだけど。」

 

「はぁ。」

 

「昔、ひょんな事から咲夜と会って、彼女があまりに優秀でね?私の僕になれって言ったら、二つ返事で、はい。って言ってくれてね。今の今までずっと紅魔館で働き続けてくれたのよ。」

 

三咲は思わず聞き入ってしまった。

 

「三咲は咲夜が瞬間移動しているところを見たかしら?正確にはそう見えるって方が正しいけど。」

 

「はい、見ました。あれをどうやっているのか不思議で。」

 

「咲夜は時を止める能力を持っていてね。それを駆使して色々やってくれているのよ。」

 

「時を、ですか?」

 

にわかには信じがたい話だ。だが、それを三咲は目にしたのだ。信じる他無い。

 

「私、心配なのよ。咲夜が私に仕えて後悔していないか。下手をすれば、その一生を私に捧げることとなる。それをして後悔はしないのかって心配になるのよ?」

 

「咲夜さんに直接聞けば良いのでは?」

 

「それをしたってただ上っ面を知るだけよ。」

 

レミリアが知りたいのは本音と確信である。直接聞いたところで上っ面の言葉だけを聞くだけとなる。絶対の信頼を寄せる咲夜だからこそ、確信を持っておきたいのである。

 

「なんか意外です。レミリア様がそういう心配をなさるなんて。」

 

「吸血鬼だから、かしら?」

 

「はい、まあ…。」

 

「人であろうが妖怪であろうが何であろうが、その本質は何ら変わりないのよ。それなのに上っ面だけを知って分かりきったような勘違いをする。それがどれだけ惨めだか分かる?」

 

ー惨め。かー

 

「あ、勿論私がこんな話してたなんて皆んなには内緒よ?当主としての面目が立ったモンじゃ無いから。」

 

レミリアはそう強がってみせた。

 

「ぎゃあぁ!!咲夜さん!!すみませんてばぁ!」

 

美鈴の悲鳴が外から聞こえて来る。それはもう金切声に近かった。

 

「美鈴、貴方最近居眠りしすぎよ?」

 

落ち着いた咲夜の声だった。

 

「あ、あぶ、だからってナイフはやめてぇ!」

 

またやってる。とレミリアはため息を吐いた。

 

「あれが答えだと思いますよ?」

 

「え?」

 

レミリアはポカリと阿保ヅラを晒していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




紅魔館イズふぁみりー   次回予告

お値段以上「さて、あのレミリアが所持していた紙型pc、なんと今なら124507円!税込だよ!」
魔理沙「私だって何でも屋、成功払い基本1000円からだぜ。」
御柱「諏訪子、あたし達も別のビジネスを始めるかい?」
ケロケロ「もう既に里の人たちの信仰を得ているのだから別にいいんじゃ無い?」
パチェ「紅魔館組関係ないじゃない…。」
BBA「レミリア、なんか成長してるじゃない。」
清蘭「うちの団子も一本100円で!」
フラン「貴方達私の部屋でうるさいわね!」
典「あのー、ケン太と私ネタ被っt」
管狐さんが禁忌に触れそうなので次回もお楽しみに
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