紅魔館のメイドになりました   作:魔王ヘカーテ

6 / 12
第四話 霧雨魔理沙参上!!

 「本というものは知識そのもの。知識は魔法使いにとっては力を意味するものよ。まあ、人間も同じようなものだけど。」

 

紅魔館で働き始めて3週間半。三咲は初めての地下図書館作業に配属された。ここで作業する者は極めて少ないのでパチュリーから直接の説明を聞いていた。

 

「貴方は地下三階フロアの本の整理をお願い。ちなみにここは地下五階だからそこの梯子から二階層分上がればいいわ。取り敢えず行ってみて。そこにミリーがいるはずだから。」

 

この大図書館はとてつもない広さを誇り、地下一階から地下五階まで吹き抜けという構造になっている。それぞれのフロアへの移動手段が梯子しか無いため、飛べない三咲にとってはかなりの労力であった。

 

「おお!貴女が噂の新人さんですね?パチュリー様からは話は伺っております!ささっ!今日もいそがしいですよー?」

 

三階のフロアを進むとすぐ黒いドレスに背中にコウモリの翼をパタパタとさせており、その赤い髪の中からも二つコウモリの翼をパタパタさせているどこか陽気な悪魔がいた。

 

「あなたがミリーさん?ですか?」

 

「はいその通りですよ!まあ種族が小悪魔なもんで近しいものからは小悪魔と呼ばれています。どうぞお見知りおきを!」

 

「は、はい!よろしくお願いします!」

 

ミリーは地下三階のフロアのそれぞれの本棚の所に返すべき本を重ねて置いて置きましたので後はその本棚に置いていって下さい!咲夜さんからは仕事が早いって聞いておりますっ!届かない所は梯子ありますから使ってください!期待してますっ!と敬礼するとパタパタと上のフロアへ向かって行ってしまった。とは言ったものの、本棚の高さは里の一般的な家ぐらいの高さをゆうに超えている。三咲は高い所は苦手では無かったが梯子で体力が持っていかれた。

 

「ケン太、おいで。」

 

三咲は管を取り出すとケン太が中から実体化して出てきた。

 

「よしよしいい子いい子」そう撫でるとケン太はくうんと鳴いた。ちなみに管の腰掛けホルダーを咲夜が作ってくれたおかげでかなり持ち運びが便利となっている。

 

「ケン太、あそこに積み上がっている本一つずつこっち持ってきて。」

 

積み上がっている本を指さすとケン太は器用に本を頭に乗せて持ってきた。

 

ーいい子で助かるー

 

ちなみに各本棚には本の配置やそのタイトルが書かれた張り紙があり、戻さなければいけない本も少ないため比較的作業はスムーズに進んでいった。

ところが、最後の本棚。残りの本は一冊しかないのに戻すべき本が二つあると張り紙に書かれてある。

 

「あれーおかしいなー?ええと?『魔法の裏返しについて』がないのかー。ケン太知らない?」

 

ケン太は横に首を振る。

 

「そいつぁここにある。すまないな。いやー興味深い内容だったからよ、つい読み耽っちまって返すの遅れちまった。」

 

三咲は振り返った。そこには、黒い服に黒いスカート、黒い帽子を被り、それには赤と白のリボンが括り付けてある。金髪でウェーブのかかったロングの髪に横から三つ編みでその先には赤い髪飾りをしているどこか古風な魔女がいた。

 

「!!っ、霧雨魔理沙、さん?」

 

そこにいたのはまごう事なき霧雨魔理沙であった。

 

「おお!良く知ってるじゃないか。ってあれ?お前人間か?ってことは人里の子か?紅魔館も遂に人手不足か?」

 

「い、いえ!えっと妖怪に追われて、ここの人達に助けて貰って、その、ちゃんと人里に返してやるから、ここで働けって言われてて、」

 

さすが霧雨魔理沙。威圧感が違う。三咲は古びた時計の様に途切れ途切れにしか話せなかった。

 

「ほお?お前やるじゃないか。その年で使い魔持ちとはな。しかも懐いている様じゃないか。へえぇー?すごいな!」

 

魔理沙はケン太をまじまじと見つめていた。ケン太はグルルルと威嚇してみせる。

 

「こらケン太!」

 

「ああ、わかったわかったすまなかったな。ハハハ!お前に召喚、使役魔法とか色々教えてやりたいぜ。素質がありそうだ。っと目的を忘れていたな。」

 

魔理沙は本棚の上を指差し、

 

「あそこにある『魔法陣の裏返し』って本を取ってくれないか?」

 

「はっはい!」

 

三咲は猫が椅子に登るが如くの素早さで梯子を登った。

 

「こ、これですかね?」

 

「おお!こいつだよ、悪いな!助かる。」

 

よしよしと魔理沙は三咲の頭をくしゃくしゃと撫でてやる。

 

「あ、そうそうパチュリーには話をつけてあるから。そこら辺は心配しなくていいぞ。いちいち報告するのも面倒だろ?そこも話をつけてあるからパチュリーに報告しなくても大丈夫だぜ?」

 

「あ、はい!ありがとうございます!」

 

「ちなみに、お前、名前は?」

 

「北条三咲です!」

 

「ミサキか。よし覚えた!じゃあな、来週もここにいてくれ!ミサキ」

 

あ、多分来週もういないです。と言おうとしたが、魔理沙は上のフロアへ飛んで行ってしまった。

 

ー飛んだ!!ー

 

三咲はあの霧雨魔理沙に対し憧れと尊敬の念を抱いていた。

 

「ああああああああ!!んの泥棒!!」

 

直後、怒った慧音のようなパチュリーのとてつもない叫び声が聞こえてきた。

 

 

 

 

 

 

 




紅魔館isふぁみりー 次回予告

パチェ「またやられたか…」
三咲「え?魔理沙さんに貸しているんじゃないんですか?」
小悪魔「あー魔理沙さん、泥棒なんですよ。」

紅魔館上空

今代霊夢「魔理沙さんおそいですよお?箒に乗って待機しているこっちの身にもなって下さいよお。ヒヤヒヤします。」
マリ「イヤーすまんすまん。ちょっと面白い人間を見つけてな。召喚士のやつなんだが、まだちっせえガキでな。すごかったぜ。じゃ、飛ばすぜ。」
今代霊夢「それって、今、里で探している子供じゃないですか?」
マリ「へえー、そういや妖怪に追われて助けてもらったとか言ってたな。」
今代霊夢「それで、里の人が博麗神社にその子の捜索を依頼しに来て。魔理沙さんがいない時。でも、なんか眼が血走ってて殺気が凄くて、で別件で忙しいですって追い返しました。私怖くなってそれ以来人里に行ってません。」
マリ「ガキ探してんだ、そうもなるさ。」
今代霊夢「そしたら、後日守矢神社にも里の人が来たらしくて。うちに早苗さんが来たんです。早苗さんも引き受けなかったそうで。で、何か怪しいって話になって、巫女二人でその子探そうって話になってて。でも、紅魔館にいたんですよね?その子?」
マリ「その子だとは断定できん。まあ、1週間後、また行くからよ。そん時確認するさ。」


数日後 博麗神社


早苗「霊夢さん!まずいです!行方不明の子!早く見つけないと!」
今代霊夢「どうしたんですか早苗さん!顔真っ青ですよ?!」
早苗「里の人達が!里の人達が!」
マリ「おーどうした早苗?ってどうした顔真っ青だぜ?」
早苗「魔理沙さんも手伝って下さい!とにかく大変なんです!」
今代霊夢「なんか人里がおかしい様で。」
マリ「じゃあちょっと行ってみるぜ。」
早苗「ああ!駄目!下手に行くと!ああ!行っちゃった!」
 
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。