三咲「はい!ありがとうございました!お世話になりました!」
パチェ「まあ、数年後また来るんでしょ?」
レミイ「ああ、ちゃんと三咲のご家族に契約書書かせなさいよね?咲夜。」
咲夜「はい、仰せのままに。」
美鈴「いやー寂しくなりますねー!hahaha!」
咲夜「ではお嬢様、行って参ります。」
レミイ「三咲、待ちなさい!」
三咲「?」
レミイ「次にうぬがここで働くことになった暁には、うぬを我らが家族として迎え入れようぞ。」
三咲「はい!ありがとうございます!」
数時間後、目の前には無気力な顔をした従者と一番信頼している従者。
レミリア「いったい、これは…。」
魔理沙「間一髪だったぜ。」
レミリア「咲夜、これはどういうことなの?」
咲夜「お嬢様、それが…」
三咲「レミリア様…」
レミリア「どうしたの?」
三咲「私を送り出すとき、紅魔館で働く時が来たら家族として迎え入れてくれるって言いましたよね?」
レミリア「ええ、確かに言ったわ。」
三咲「私、ずっとここで働きます。」
三咲「ずっと、ここにいて良いですか?」
レミリア「……ええ。ずっと、私の側にいなさい。」
今日は三咲が家に帰るはずだった。でも、たった一ヶ月の間に何かが壊れてしまった。
三咲は、紅魔館のメイドになりました。
「三咲、私から離れないで。」
その咲夜の声は張り詰めていた。
ー随分と懐かしい臭いだこと。ー
人里に近づくにつれ、腐敗臭が強くなっていく。
「うー、なんですかー?この臭い?」
三咲は鼻を押さえている。
「思い違いであって欲しいけど、かなり物騒なことがこの辺りで起きているわ。」
そう言うと咲夜はスカートの中からナイフを取り出した。咲夜のナイフ捌きは凄まじく、彼女の攻撃手段である。ただ、咲夜がナイフを取り出すときは居眠り美鈴を起こす時ぐらいなものだ。つまり、今この異常な腐臭はそれほどの異常事態だと三咲に理解させた。
「それほど、なんですか?」
「ケン太を出す準備をしておきなさい。」
ーあの紅魔館にいた時の咲夜さんじゃないみたい。ー
やはり人里に近づくにつれて腐臭が強くなっている。ここで、あの憎ったらしい奴らが食い殺された現場に着いた。何か焼いた跡が残っている。
「ここでみんな化け物に食われたんです。もう残ったのは肉片だけでしたよ。」
「貴女やけに冷静ね。」
「まあ自業自得ですからね。」
ーという事は?この臭いは?いや、にしても臭いの規模が大き過ぎる。やはり人里から?ー
人里、北門。
腐臭が更に増している。二人がハンカチで鼻を覆うほどとなっていた。ハエも周囲に飛び交っている。
「どうなっているんですかー?この臭い?」
「かなり不味い。わね。三咲、慎重に行くわよ。」
ーもう買い出し云々言ってられないわ。もう確実じゃない。しかし何故?ー
北門を慎重に開け、中に入る。腐臭がいっそう強くなる。
人里は地獄の様な腐臭に包まれ、ハエも異常な数飛び交っていた。更に不気味なのはハエの羽音以外何も聞こえないことだった。
ーこれは、妖怪?いえ、妖怪だったら喰らい尽くすはず。ということはやはりー
人間?
用水路に人のものと思われる吐瀉物を見つけた。一箇所にまだ固まっているため、それほど時間がたっていない物だとわかる。
ー人がいる!だったら何故、誰も出歩かない?誰も出てこない?これは、まさか!!ー
三咲は民家に声をかけようと民家の引き戸を叩こうとしていた。何があったか聞くためだ。
ーまずい!ー
咲夜は時を止め、三咲と民家を引き離した。
ー時は動き出す。ー
「あ?あれ?さk」モゴモゴ
「しっ!駄目!静かにしているのよ。気狂いがいる可能性が高いわ。」(ヒソヒソ)
気狂いによる殺人、そしてその死体を持って気狂いが徘徊している。咲夜はそう見た。
ーそれなら里の人達が家から出てこないのも納得…ではないわね。里には自警団がいるはず。気狂い数十人でもなんら問題なく対処できるはず。どちらにしろ、イヤな予感がするわ。ー
咲夜の歴戦のカンがそう警告していた。
「三咲、取り敢えず。貴女の家へ急ぎましょう。」
早く。そして慎重に歩を進める。
ー思ったより。事態は深刻ね。ー
腐臭がいっそう強くなる。
もう少しで市場の大通り。市場の大通りから一人、三咲とさほど変わらなそうな少女が曲がってきた。
「あ!伽耶!」
「友達なの?」
「はい!大親友です!」
そう言うと三咲は伽耶の方へ駆け出した。
「伽耶!伽耶!私だよ!三咲!どう?驚いた?」
「あ、、、、、、、あ、、、、。」
伽耶の様子がおかしい。これは驚いているより、
ー怯えている?ー
伽耶はへたり込むとがっと目を見開き、顔を引き攣らせ、一心不乱に首を横に振っている。
「伽耶?どうしたの?この里の状況はなに?どうしたの?」
「あ、、、、、、あ、、、、」
伽耶は首を横に振っている。
咲夜も伽耶に近づき、優しく声をかけた。
「何も、怯えることは無いわ。私はただ三咲をこの里へ返しにきただけなの。」
伽耶は首を横に振っている。
ーこれは、一種の錯乱状態ね。!!っ、この子から臭気を感じる!ー
つまりは、伽耶がこの臭いのもとに近かった可能性が高い。
「だ、、、、、め、、、、、」
伽耶が口を開いた。
「駄目?」
それと同時に足音が近づいてくる。
ー異常な程の殺気!!ー
咲夜はナイフを両手の指の間に構え直した。
「あああああああああ!!」
突然伽耶が頭を抱えて地に伏した
「イヤだよう!イヤだよう!みさきじゃないよう!!イヤだよう!!みさきじゃないよう!!」
「三咲!!ケン太を出して!!」
「はい!来て、ケン太!」
管からケン太が実体化してでてくる。ケン太は異常な腐臭を感じるなり、グルルと周りに威嚇していた。
ーもしかしたらお父さんとお母さん、おばあちゃんも無事じゃ無いんじゃ。ー
イヤな考えが三咲の脳内を駆け巡る。
足音が近づいてくる。
「三咲!私のスカートの中に大きめのナイフがある。それを取りなさい!」
ーこの空気、異常すぎる殺気、明らかに私の手に負えるものではない。ー
「はい!」
ーシルバーブレードを持ってきておいて正解だったわ。ー
殺気は大きく、おぞましくなって襲いかかってくる。
「イヤだよう!違うよう!こないでよう!もうイヤだよう!なんでだよう!なんでだよう!」
伽耶はもはや恐怖で狂っていた。まるで呪文の様にそれを叫んでいた。
足音も腐臭も更に大きく、おぞましくなっていく。
ー足音が多すぎる。これは、ざっと十人、いや二十?三十はいる!この死臭の正体も!恐らく!ー
咲夜は大体の事の予想がついた。
「三咲!覚悟、しておきなさい!」
ー来る!ー
その足音の正体は、あの憎ったらしい男達の親共を筆頭に三咲を白い目で見ていた者共であった。
「おお、生贄はもう必要ないんだな。」
その者共は三咲に怨みのこもった目で睨みつけた。それはもう怪物であった。
「生贄?」
「ああ、そうだ。次はそいつだった。」
怪物共は伽耶を指差した。そして三咲を見るや
「お前が俺たちの息子を喰い殺し!あんなまでにさせた!同じ目に合わせなきゃ気が済まねえ!」
「うちの子を!うちの子を!」 「殺せ!殺せ!」
怪物共は息を荒げて、怨みを込めて罵倒した。三咲にとっては濡れ衣も良いところだった。
「そんな!違う!ケン太じゃないよ!」
咲夜もすかさず弁解に入る。
「そうよ。三咲はこちらの館に化け物に追われながらやってきたのよ!そうしたら貴方達の子供は残念だけど三咲とケン太じゃない別の化け物に食われたと考えるのが妥当じゃないかしら?」
「うるせぇ!!そんなことはどうだっていいんだ!お前を誘き寄せるために生贄何人も里の外に置いたんだ。妖怪は人の肉がだいすきだろお?」
「なっ!」
「おう、そこの団子屋の野郎はいつもお前とその妖怪に餌を喜んであげてたよなあ?妖怪を育てていたんだ。皆んなで殴り殺してやったぜ?あと、そこの百姓のジジイはお前の家に米を分ていた!そんな奴ら皆んな生贄にだしてやったよ!お前のためのな!」
ー成程!謎が一つ解けたわ!狂っている!ー
「おう、お前が俺たちの家族を奪ったんだ。俺たちもお前の家族を奪ってやったぜ?当然だよなあ?」
三咲は動揺した。全身に悪寒が走った。
ーお父さん?お母さん?ー
「おいあれ、どうなった?」 「ああ、あるぞあるぞ。ひひっ。」 「当然の報いよ。」 「持ってこい。」
ずるずると音を立てて怪物達が持ってきた『それ』は三つ
「おう、お前の家族だ。お前を誘き寄せる為に三日三晩そこらじゅう引きずり回したからなあ、すんごいことになっているだろ?」
三咲の家族だった物だ。
もはや物となってしまった。
それは、顔は膨れ上がり
剥がれた肉には砂が所々ついていた。
骨がそこから見えており、真っ白だった。
ウジも至る所に湧いており。
蠅の量も尋常では無かった。
土気色だった。
もはや腐った肉だった。
「お父さん?お母さん?おばあちゃん?」
見ちゃダメと咲夜が目を覆ってももはや遅かった。
ーあれ?何で?私達、何もやってないよね?私のせいで、皆んな皆んな殺された?ー
「お前もすぐにこうなるからなあ!なあ!なあ?当然の報いだ!」
「しまった!!囲まれた!!」
いつしか周りが殺気だらけとなっていた。
ーどこから湧いてくるのよ!!ー
「おい!ババア!てめえもそこの魔女の仲間か!!」
ー魔女?私が?魔女?ー
それほど、怨みは大きいのか?あの怪物共の原動力は何か?
怨みではない
正義なのだ。
自分たちが敵視する者が罪を犯した様に見える。それは正義の原動力なのだ。正義をふるう格好の時だった。もはや怪物達は快楽に浸っていた。自分達の子が殺された。里の子供が無惨に喰い殺された。それは単なる理由に過ぎない。
もし、正常な奴ならば其処彼処に死体を置くために人を殺し晒すなんて、まして、死臭がする肉の塊を引きずろうなんて思わなないであろう。
しかし、自分達の敵を討つ理由、それが出来てしまったのだ。正義は如何なる感情にも勝る。
初めは怨みから行動したのだろう。それが次第に快楽に浸るだけの怪物に成り下がるのだ。
さぁ、快楽は目の前だ。殺せ殺せ。
「ケン太!!三咲を乗せて!にげるわよ!」
スペルカード『メイド秘技 殺人ドール』
ー時よ止まれ!ー
止まった時の中、ナイフが咲夜から放たれる。そのナイフは全方位へ鮮やかな幾何学的な軌道を描き飛んでゆく。
ー時は動き出す!ー
時は動き始める。ナイフは加速し、怪物共に次々と刺さる。怪物共はよろめく。これで活路が開けた。
「まさか、この年でスペルカードを放つことになるとはね!」
「うおああああああ!!はっはっはぁ!」
「ひああ!」
なんと咲夜のナイフをすり抜けた者がいたのだ。咲夜は反応出来なかった。その者は三咲を掴むと包丁で三咲の眼を
「うおらあああ!」
刺した。
「ガウルル!!」
直後、ケン太が体当たりをかますと吹っ飛んでいったが三咲は熱い、熱いと眼を抑えていた。
「三咲!」
ー片目だけなのは不幸中の幸いね。しかし、出血量が…ー
「邪魔ああぁ!するかぁぁ!」
怪物が起き上がってしまった。
ーしまった!浅かったか!ー
咲夜はナイフを構え直す。
ー予備のナイフを使うか、仕方ない!ー
怪物の一人が笛を吹いた。その音が人里中に響き渡る。
「こっちだあああああ!来てくれええええ!!」
「まさか!仲間がまだいるっていうの?」
三咲は負傷。咲夜のナイフは残り少ない、たとえ時を止めて回収したとして増援ですぐ無くなる。更に人に一度刺さったナイフは血や肉でまともに刺さらなくなる。当然だが、“ルール”も通用しない。
ー買い出しだけと思って装備を持ってこなかったことがこんな形で裏目に!ー
その時だった。
……………………
「入れ違っちまうとはな!くそっ!」
「もっと早く出来ないんですか!?」
「ちい!オーバーヒート覚悟だ!リミッター解除!!」
Kappa system : jet limit blake OK … GO!!
「見えた!人里だ!おい、なんか見えるか!」
「あ!あそこ!!」
霊夢が指差した先には人だかりが、その中心には、
「あれは!!咲夜と!間違いない!あのガキだ!」
「おい、霊夢!私は咲夜を掴む!お前はあそこのちっこいガキと犬っころを!」
「え!このままですか!?」
「馬鹿野郎!ノコノコ降りてたら私達もお陀仏になるんだぞ!!」
「う!すごい臭い!」
「ああ!狂ってしまったんだよ!それだけ!」
魔理沙は実験で失敗した結果できたスモークボムを取り出した。
……………………
「おーーい!!咲夜ぁ!」
咲夜は振り返った。そこには箒に乗って全速力でこちらに向かってくる魔理沙と霊夢が、捕まれ!と手を広げていた。
「逃げるぞ!捕まえろ!」
怪物が一斉に咲夜と三咲の方へ襲いかかってくる。
「まずい!目を瞑れ!咲夜!」
魔理沙は咄嗟に実験失敗のスタングネレードに切り替え、投げた。
眩い光が怪物共を襲う。
「いくぞおおお!」
「ぐっ!!」 「あう!!」
あまりの速さで咲夜達を拾い上げたものだから、何処か負傷したのだろう。咲夜は吐血してしまった。
「咲夜!」
「いえ、これくらい、大したことは無いわ。」
「魔理沙さん。重いです。」
霊夢は三咲とケン太を抱えているのだ。
「ケン太、管の中に!」
咲夜がそう言うとケン太は三咲を心配する様にして管に入った。
「よし、飛ばすぞ!!紅魔館へ蜻蛉返りだ!」
紅魔館isファミリー 次回予告
三咲父「どうも、もう少し活躍するはずだった三咲の父です。」
三咲母「どうも、もう少し活躍するはずだった三咲の母です。」←都合でヌッコロしました
三咲祖母「どうも、もう少し活躍するはずだった三咲の祖母です。」
三咲父「私達、死体でおわりですか?」
三咲祖母「もうちょっと出番無かったのかえ?」
三咲母「義母さんは少しあったじゃないですか回想で!」
三咲祖母「海藻?幻想郷に海はないぞえ?」
三咲父「メタいことは言わないの!」
あーっと3人にはこれから幻覚という役で登場するので…って小町さんまだ運んじゃダメー!
小町「あえ?やったらめったら最近死人多いけど大丈夫かなぁ?」
そっちの人達も幻覚で登場してもらうから運んじゃダメ…って運んじゃってる!小町さん?小町さーん!?
ガタイがいいロリ「解せぬ。」
次回もお楽しみに!